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警官の血
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警官の血の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.18pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全81件 21~40 2/5ページ
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戦後約60年間の日本の歩みの中で描かれる、3世代にわたる警察官のストーリー。2007年度「このミステリーがすごい!」の第1位にも輝いたベストセラーである。上下巻合わせて1000ページ近いボリュームの堂々たる長編小説なのだが、それでいてどこか連作短編のような味わいも感じさせる不思議な魅力の小説だった。 祖父・清二の死をめぐる真相とはどんなものか? という謎が、世代を貫いて登場する。しかし、その解明への傾斜で一直線に物語が進むわけではない。それは世代交代に合わせてプツリと切れては復活し、復活しては切れ、を繰り返すので、読者の興がそのたびにリセットされるようなところがある。それよりも、父・民雄なら全共闘時代における潜入捜査、息子・和也なら警察組織内でのスパイ活動が、読者をけん引するミステリー的主眼になっている。 そして、忘れていた頃にまた浮上してくるのが、「祖父の死の謎」である。それは一見、エンターテインメントとしての足取りを重くしているようにも感じられるが、ラストに至って読者は知ることになる。「罪とは何か」「悪とは何か」を問う本書のモチーフは、全体を貫くその謎にこそ潜んでいたのだと。それが物語の核にしっかりと居座っていることで、ただ面白いだけのエンターテインメントではない力を持ち得ているのだと。 犯人当ての小説ではないので、正直そこにはあまり重きが置かれていない。もちろん、それはじわじわと見えてくる構造になっていて、好奇心をそそる一要素ではある。だが、本書がテレビドラマ化されたときには、犯人を最初から明示してあったことからも窺えるように、それは本作の肝ではあるまい。ドラマでは刑事コロンボのような形式というべきか、犯人は最初から主人公たちと対峙する敵役として描かれていた。 | ||||
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終戦直後の混乱期から現在に至るまでの、祖父からの三代にわたり 警官になった安城一族の物語。 ミステリーというよりは、 人間ドラマ、大河ドラマって感じです。 戦後の混乱期に汚名を着せられて死んだ祖父 その息子は公安として北海道大学に学生としてもぐりこみ精神を病み殉職 そしてその息子もまた警官となり今度は警官仲間をスパイして・・・ なんていうか小説のはずなのに目の前に情景が浮かんできて、 長い上下巻一気に読めました。 読んで損はない小説と思います。 | ||||
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終戦直後の混乱期から現在に至るまでの、祖父からの三代にわたり 警官になった安城一族の物語。 ミステリーというよりは、 人間ドラマ、大河ドラマって感じです。 戦後の混乱期に汚名を着せられて死んだ祖父 その息子は公安として北海道大学に学生としてもぐりこみ精神を病み殉職 そしてその息子もまた警官となり今度は警官仲間をスパイして・・・ なんていうか小説のはずなのに目の前に情景が浮かんできて、 長い上下巻一気に読めました。 読んで損はない小説と思います。 | ||||
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前半はまったりとした進み具合で、 徐々に物語が進んでいき、 いつしか、どっぷりとはまっていた。 すごい作品だと思った。 歴史小説を読んでいるような感覚で、 市井の警官の三世代の話に入り込めた。 | ||||
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一気読みしてしまったので、上下巻の読後感になります。 物語は、戦後間もなくの東京、上野近辺から始まります。 祖父が携わった駐在の仕事、民雄があこがれた駐在の仕事。 民雄が携わった潜入捜査。そしてようやくたどり着いた駐在の 仕事。和也が携わった加賀谷の仕事。そして和也が辿り着いた 加賀谷との結末、三代にわたる因縁。 祖父の駐在時代が終わると、物語は比較的速やかに進行します。 流れの加速感が、佐々木さんらしくて良好。 大河ドラマ、と解説に銘打ってありますが、大作です。 確かに、これがばらばらだとあんまり面白くならないし、 尻切れトンボ的な作品になったかもしれません。 大体、一人一人に一つの事件、三人共通の一つの事件という 構成。最後の和也と加賀谷の事件は、他の作品でも使われていた ネタかもね。三人を紡ぐ糸の行方が、あまりにも呆気ない結末。 潜入っていう一つ共通点はありますが、全体がバラバラな感じ。 ま、そんな不満はありますが、それはそれ。 警官ものが得意な佐々木さんの秀作です。 すごく感動したかというと、ちょっと疑問ですが、面白かったか と聞かれれば、まあまあ面白かった。と答えます。 85点。 恋人に裏切られた感触が、あまりにもよく伝わっちゃうところが、 物凄く不思議な作品でした。 | ||||
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とても面白く読ませていただきました。本書の主人公はもちろん3代にわたる警察官で、父・子・孫とそれぞれ個性も実にうまく描き分けられていて、力のある作家だと思いました。ということで、もちろん、主人公たる3人の警察官が実によく描けていたのでよいのですが、惜しむらくは、佐々木氏は女性を描くのがイマイチかな。3人の警官の際立っていることに比べて、奥さんが実に地味な描かれ方で、しかも、もう一巻分追加してもよさそうなほど伏線が張られていながら、尻切れトンボの感がぬぐえません。たとえば清二の妻の多津がどうやって2人の子供を育てたかとか、民雄の妻となる順子がどうして民雄に惹かれたのか、そしてDVを振う民雄との毎日をどう感じていたのか、民雄の死をどう感じたのか、和也の恋人の由香は和也のどこに惹かれたのか、そしてなぜこうもあっさり裏切ることになるのか、など、せっかく個性的な脇役が出てきておきながら、もったいないなぁ・・・、という気がしました。もちろん、骨太のメインストーリーは素晴らしいので、ないものねだりだとは分かっていますが・・・。 | ||||
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戦後のお巡りさんの生活や職人ともいえる職業意識に感動します。 時代背景や事件の経過などみんな一生懸命だったのだなと思わせる普通のミステリーとは一線を隔す小説です。 | ||||
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制服捜査から入って、笑う警官で大ファンになってから読みあさっています。警官の血は上下巻あり、親子3代が警察官になる話です。昭和(終戦直後)のころから現代までの時代背景の移り変わりとともに警官の仕事も移り変わり、そして3人とも警官組織に人生を翻弄されるような、複雑な想いが錯綜するストーリーです。読み応え十分。 | ||||
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戦後まもなく警官となった祖父清二、公安のスパイとして心身ともに崩れていった父、民雄、そして、和也はいきなり素行の悪い上司を観察にうるべくスパイとして公務につく。親子三代にわたって警官になった一家の警官の職務への忠誠と葛藤。祖父が謎の死を遂げるが、ゲイの連続殺人を追っていた彼がなぜ死んだのか、職場を離れた上での自殺という形で不名誉な扱いを受けたことを、民雄は納得できずその謎を追う。彼も結局不可解な死を遂げるが、その謎を追うのが和也だ。彼が監察のスパイとして上司を追う場面がこの作品でもっとも面白い。ある意味、前半のやや抑揚のない作品の流れが嘘のように、話が進んでいく。彼もやがて過剰捜査の中で監察に捕らわれるが、彼がその監察と対決する場面がある意味この作品のテーマである。警官は大きな悪を追うためには何処まで小悪を許されるのか。彼は祖父や、父と異なり、もっと世慣れており、また頭も切れる。巧みな脅しとコネを上手く使い、巨悪を追いかけていく。後半の部分でこの作品が2007年度の「このミス」第一位になったことが納得される。ちょっと小さな挿話も話の落ちがついてくる。 あまり好きではなかったこの作者ではあるが、この作品で私も彼を見る目が変わったように思う。 | ||||
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この作者の北海道警シリーズが好きで集めています。状態がきれいで満足です。 | ||||
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この作者の北海道警シリーズが好きで集めています。状態がきれいで満足です。 | ||||
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祖父清二の深い愛情が強く印象に残ってます。民雄、和也と世代が変わると共に時代が移ろい、戦後の混乱期を、まさに「生きた」時代から、バブルで踊った「活きた」時代まで、その匂いがとても良く伝わってきました。ミステリとしてはあまりにも判り易く、「謎を解く」と言う楽しみはほとんどありませんでしたが、先にも書きましたが、時代の流れと、人の価値観と、そんな事がとても深く書き込まれていて、思わず読み進んでしまいました。 | ||||
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最近、難しい新書ばかり読んでいて疲れたので、「このミステリーが凄い」の裏表紙を立ち見して、過去のグランプリ作品からアットランダムに選んで読み始めた作品。親・子・孫の三代に渡って上野〜谷中の界隈で警官になった3人のそれぞれのストーリーを追った作品だが、目茶苦茶面白かった!上下巻ある小説なんて読み切れるかなあ、と読む前は思っていたが、下巻の中盤を過ぎた頃からはあとちょっとで終わるのが寂しいと思いつつも、先のストーリーを読みたい欲望を抑えきれないまま読み続けた。 面白いポイントは、戦後の色んな時代の世相や犯罪事件を時系列に追いながら、その時代時代に生きた人の熱い気持ちを追体験できるところだろう。特に、2人目の主人公が絡む学生運動の頃の事件は、非常に興味深く読み応えがあった。 読みやすくて面白い、警官ものの小説を読みたい人にお勧め。 | ||||
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文句なしに面白い。 ハッピーエンドかバッドエンドかで片付けられる簡単な話ではない。 親子の関係、正義とは、仕事とはなど、色々なことを考えさせられたヒューマンドラマだった。 | ||||
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やはり大傑作。 本作の後日談にあたる『警官の条件』を読んだ余韻で、 もう一度読みはじめたら、途中でやめることができず、 最後まで読みきってしまいました。 上巻は、兵役体験のある清二と、その子民雄が主人公。 民雄は昭和40年代の学生運動最盛期に成人する。 下巻は、民雄と、その子和也が主人公。 時代は昭和から平成へと移り、犯罪者の質的変化、 警察機構の軋みなどが、存分に盛り込まれてゆく。 もし、ミステリーとして評価されたのなら、それはそれでいい。 しかし、犯人捜しだけに限ったら、大抵の読者は途中で、 「誰か」に(あるいは「なぜ」にも)気づくはず。 だからといって、この作品が二流なわけでは、決してない。 かつて自分は、この上下2冊を、戦後日本人が備えていた 「種」が、半世紀をかけてじりじりと変容し、 脆弱になりながらも、継承し続けた遺伝子の尊さ、 ……その軌跡を描いた“博物誌”として読んだ。 再読してみて、その感銘をいっそう新たにした。 | ||||
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ミステリーにとどまらない、壮大な作品。伝記ともちょっと違う「人生を読む」そして「警官の血」の物語です。 読み終わったときにタイトルの深さが染込んできました。タイトルはこれ以外ありえないでしょう! これほどのボリュームで、かつ重厚な筆調であるにも関わらず、一気に読んでしまう勢いを持っています。 起こったことを書いているだけ、会話を並べているだけ、のような読みやすい文章を求める方にはお勧めしません。 小説という手法でなければ描けないすばらしい作品です。 | ||||
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警官の血、そのタイトルに違わず、 地味なストーリーだが、味わえるその時代の空気感が心地よかったです。 戦後を通して発展してきた日本。 警察官という職業を選んだ人のストーリー。 それが3代続いていく。 時間軸としてはかなり長い。 清二の職を選んでいく姿が現代と違った価値観がよく伝わってきました。 ミステリー要素が少し稀釈と思われるが、「どうなってしまったのか?」と思った話しについて それなりに下巻に入ってから結末は気になってくる程度の読み応えはありました。 ヒーローものでもなく、派手さ、スリリング感も無いが 物語として矛盾もなく筋が通っているので、読んでいて興ざめしてしまうことはありません。 映画にもなった同著の「笑う警官」とは全く違った警察もの小説です。 この小説の主人公となる3人が決して警官として珍しい人生であったのではなく、 警官であることだけで、普通のサラリーマンとはかけ離れた人生となってしまうのかと思いました。 | ||||
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職場の上の人がこの本は面白いよと何かの時に言っていたのを思い出し購入しました。 民雄編に入ってからは舞台が北海道に移り、それも影響してか瞬く間に最後まで読んでしまいました。 日本人が牙を失っていない時代、思想の甘美に酔いしれる人、公安という存在、そして、組織に翻弄される人間。 何というか、単なる一辺倒ではない正義、そして、苦悩する人間、壊れゆく人格、人間という存在を警官を通して描いている作品だと思いました。 そう、こういう人間学的ドラマを私は求めていました。 本当に面白い作品です。感銘を受けました。お勧めです。 | ||||
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これはミステリーというより警察小説です。 謎は弱いですね。すぐわかりました。 でも、警察官三代の物語としては重厚で、 読み応えがあったと思います。 若干、最後の和也のお話があっさりとしすぎていて 物足りなさも感じましたが、 全体として満足なデキでした。 | ||||
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TVを観た後に、原作を読む。展開は分かっていたので、推理小説というより、警察小説を読んだ感覚。 清二-民雄-和也と三世代に渡り続く警官人生。 清二の不可解な死、 父の真相を追い続けあと一歩という所まで追い詰めた民雄 祖父と父の軌跡を辿り、自身を振り返る和也 それぞれの時代背景への描写、心理を的確に描いている。上下巻と文書量は多いが、面白いのでさっと読める内容。 個人的には、和也と上司の加賀谷との心理的な駆け引き、その後の和也の成長について触れてほしかったけれど、それは DVD版の方で楽しめるのでまあいいかな? | ||||
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