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ストレンジャーズ
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ストレンジャーズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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アメリカの各地で異常な体験をした人が出てきて・・・というお話。 ネタばれっぽく書くと、異星人の文明との邂逅を描いたクーンツ版「未知との遭遇」という感じの話でした。その記憶を封印する為に画策する政府と異常な体験をした庶民との闘いとその異星界との遭遇を足した、SF謀略小説っぽかったです。 発売された時期は判りませんが、同業のキング先生の「トミーノッカーズ」風にもとれましたが、これは個人的な感想なので、無視してください。 巻末の後書きによると、クーンツ氏としては初めてハードカバーで出版されたそうで(日本では文庫でしたが)、以前よりも力をいれて書いたらしく、迫力のある力作になっておりました。 実を言えば、最近(2023年くらい)のこの人の作品は一応買っておるのですが、あまり読まない事が増えまして、この作品も唐突に読みたくなり、読んだ様な悪い読者だったりするので申し訳ありません。 でも、娯楽小説としては一級で読んでいる間は楽しかったので、読んで良かったです。 クーンツ氏が以前よりも力を入れて書いたと思われるSF作品。機会があったら是非。 | ||||
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変に長かったです。 下巻の後半の更に最期の半分は、一気呵成に読ませるんですが、そこまでがひたすら長い、長過ぎました。何かが起こりそうで起こらない、過去に何かがあったことは明白ながらどこでどういう風にそれがあったかわからないという状況が多数の登場人物のそれに少しずつ少しずつ起こるので、話がとにかく進みません。作中で主人公達の多くを悩ませる赤い月の話も、中盤からは完全にネタが透けてしまうので、最期にはいったいどんな異星人がどんなシチュエーションで出てくるのか、ジャック・フィニィのそれのように不定形の物が出てくるのか、或いはホーガンのように論理的に宇宙人はヒューマノイドタイプしかいないという進化論前提の宇宙人が出てくるのか、というところに注目が移りましたが、そこもあっさりと終了。なんだか肩透かしを食らいまくった本でした。 自分の読書生活においてここまで一冊読み終えるのに時間がかかった本は初めてでした。 クーンツが一躍ブレイクした作品ということですが、今読むとちょっと衝撃度は薄いです。 まぁ、最期の最期でスピードアップしてくれたし、盛り上がりがあったので良かったですが、でも本のトータルの評価としては前半がたたってやはり低めです。ファンの間でも作品によって評価の値が乱高下するのがクーンツの特徴らしいので、次は人気が高い「ウォッチャーズ」を読もうかと思います。 | ||||
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クーンツが初めて大手出版社から刊行した作品だそうです。いきなり怪物が登場して主人公に襲いかかるというような、狭い意味でのホラー色は薄い作品です。描かれているのは、記憶の一部を失ったことによる主人公たちの不安感という、死の恐怖に比べると若干観念的な恐怖です。これによって本作のエンタテイメント的な盛り上げ所は従来のクーンツ作品に比べてかなり減じているのですが、作者にとっては新たなチャレンジということなのでしょう。相互に全く関係を持っていない(と思われる)登場人物たちの話を並行して描くというのはよくある手法ですが、ここではその人数が尋常でない数に上っており、それによって「ハラハラドキドキ」とはまたやり方で、読者の興味をひきつけることに成功しています。謎の正体はなかなか明らかにされず、全体の9割くらいが終わったところでやっと姿を現すのですが、SFの世界では割とよくあるネタであり衝撃はさほど大きくありません。しかし、このテーマに込められた作者の、悲しみに満ちたこの世界に対する呪詛、世界はもっと愛に満ちた場所であるべきだという想いは本物だと思わせる重厚な筆致で描かれており、高い説得力を獲得しています。 | ||||
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最初から多数の人の話が交錯し、何がどう関係していくのだろう、と多少とまどいがありながらも次第に読み進んでいくと、次第に話が収斂していくというパターンで始まります。シドニーシェルダンも似たような手法を使っていますが、Koontzの方が人数が多いですね。デビューしたばかりの作家、医者の卵、退役軍人、牧師。それぞれの底なしの恐怖の形は違います。強度の夢遊病に悩まされ、朝起きるとクロゼットの中に寝ていたり、何かにおびえて逃げまどっているのが分かるという恐怖。黒い手袋などを引き金にして突然に意識がなくなり、気が付くととんでもない場所に逃げ込んでいるという恐怖。夜が怖いという症状に悩まされる恐怖。恐怖の裏に隠れている真実に気が付いた瞬間に自殺に走るという、知らない??が良かったという恐怖。これらの恐怖が次第に1つの言葉に集約されていきます。"The Moon"。牧師の手の平にリングが現れると奇跡が起きるという辺りから話が展開し始めます。全員が何らかの理由でAzraelブロックという種類のマインドコントロールにかけられ、False Memoryを埋め込まれていうことが次第に明らかになっていきます。このあたりは、同じく、Koontzの"False Memory"という別の小説を思い出させますが、描いている恐怖の「形」が異なります。誰が何の目的で多数の人にそんなことをしたのか?これらの人の接点はどこか?これを追求していくプロセスが面白く感じる所でもあり、恐怖を克服していく人間の強さだと思います。途中まで読み進んで、マインドコントロールをかけられた多くの人の話だという所まで分かっても、その先が全く見えず、団結して恐怖を解明していく人たちが、再び新たな恐怖の中に突き落とされていくという流れは、実にスリリングです。中央アメリカで捕虜となり脱走、帰還したが、妻のJennyが強盗に襲われて昏睡状態になって病院に入っているのを発見し、妻を少しでもいい環境で看病するために盗みを働き荒稼ぎをしていたJack Twistがこのstrangerばかりの集団を統率していきます。Tranquility Hotel を経営し、夜が怖いという症状に悩まされる退役軍人Ernieとその妻Faye、同じくコックのNed Sarver、その妻Sandy、強度の夢遊病に悩まされているデビューしたばかりの作家Dom、黒い手袋などを引き金にして突然に意識がなくなる医者の卵のGinger、突然に神への不信感にとりつかれて牧師としての信用をなくしたBrendan Cronin、一人娘MarcieがMoonにとりつかれていて、分かれた元夫AlanもMoonにとりつかれ自殺してしまったJorja Monatella、このような人たちが自らの恐怖を克服すするためにNevada州ElcoにあるTranquility Hotel に集結し、過去に経験した恐怖を調査、分析、解明、克服していきます。この後、意外にも意外な展開が待ちかまえていて、読み終えると、その満足感とスケールの大きさにしばし浸りきることができます。とてもお勧めできる1冊です。 | ||||
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