一年でいちばん暗い夕暮れに



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初公開日(参考)2010年01月
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長編小説

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一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)

2010年01月30日 一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)

ドッグ・レスキューとして虐げられた犬の救護に情熱を傾けるエイミーは、その夜、恋人のブライアンとともに不思議なゴールデン・レトリーバーを助けた。同じ夜、ある邪悪な男女が、長年追い続けた獲物を捕える罠をついに完成させようとしていた。因縁で結ばれた二組の男女の運命の岐路に、突如現われた黄金の犬が起こす奇跡とは?人の悪意がもたらす恐怖と犬への深い愛が織りなす、サスペンスフル・ドッグ・ストーリー。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt

一年でいちばん暗い夕暮れにの総合評価:6.00/10点レビュー 8件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

愛犬の死を乗り越えるために書かれた作品か?

クーンツの犬好きは非常に有名だが、とうとう犬をテーマに小説を著したのが本書。
犬を前面に押し出した作品では既に『ウォッチャーズ』という大傑作があるが、本書ではもっと犬と人間との関わり合いについて書かれている。何しろ主人公はエイミー・レッドウィングといい、<ゴールデン・ハート>というドッグ・レスキューを経営しているのだ。
このドッグ・レスキューとは、その名のとおり、ペット虐待が日常化している家庭などで育てられている犬を買い取ったり、繁殖犬として劣悪な環境で育てられ、生殖機能を酷使され、人間の愛情すら受け付けられなくなった犬を保護したりする職業だ。このような仕事が実在するのか、はたまた犬好きのクーンツの生み出した願望の産物なのか、寡聞にして知らないが、とにかく犬に対する愛情なくては出来ない仕事である。

そして今回の目玉はニッキーという名のゴールデン・レトリーバーの存在。逢うもの全てが魅了され、どこか普通とは違う特別な犬だと悟らされる犬だ。
またも例に出して悪いが、『ウォッチャーズ』のアインシュタインを彷彿させる犬キャラだ。そういえばアインシュタインも同じ犬種ではなかったっけ?

そして昨今のクーンツ作品に顕著に見られる裏テーマが幼児虐待だ。『ドラゴン・ティアーズ』で“狂気の90年代”を謳ってから、彼は一貫してこの虐待を扱っているように思う。
今回は幼児のみならず、犬に対する虐待を大きく取り上げ、声高らかに反論する。今回も“仔豚(ピギー)”と呼ばれる母親から虐待を受ける少女が現れる。彼女はダウン症で、母親は娘のせいで幸せが摑めないのだと逆恨みをぶつけて虐待を重ねるのだ。

そんな物語は実に緩慢に流れる。ドッグ・レスキューのエイミーとその恋人ブライアン、そして何か人智を超えた力を感じるゴールデン・レトリーバーのニッキーの話を軸に、ハローとムーンガールという不気味なカップル、そしてエイミーの過去を探る探偵の話が交互に語られる。そしてそれらはやがて一点に収束する。

しかし最近のクーンツ作品にありがちなエピソードを幾層にも積み重ねる語り口からはどうも最初にこのプロットありきとは感じられず、筆の赴くままに物語を書いていった結果、こうなったという印象が強い。
特にそれが顕著に感じられるのは、謎めいた存在を醸し出すゴールデン・レトリーバーのニッキーの謎が最後まで明かされないところ。

しかし本書の冒頭の献辞には、恐らくクーンツ自身が飼っていたであろうガーダ(解説の香山二三郎氏は瀬名氏による『オッド・トーマスの受難』を引用し、トリクシーが犬の名であるとしている)という名の犬―しかもゴールデン・レトリーバーのようだ―への感謝の気持ちが綴られており、どうやらその犬も既にあの世へと行ってしまったようだ。
そして虐待された少女ピギーことホープがニッキーのことを“永遠に光り輝くもの”と呼ぶことからも、これはガーダへ捧げる物語だったのだろう。エイミーが犬と暮した日々の追憶は作者のそれが重なっているに違いない。彼にとってガーダはニッキーであり、だからこそニッキーの謎については触れなかったのかもしれない。
犬を飼っている人にはこの気持ちが解るだろう、そう、クーンツは云っているようにも取れる。

本書の題名は原題をそのまま訳したものである。この「一年でいちばん暗い夕暮れ」とは実は登場人物たちが抱える闇を指しているのではなく、クーンツが経験したガーダを喪ったその日の夕暮れを指しているのではないか。
消化不良感がどうしても残る作品だが、愛犬を亡くしたクーンツを思うと、これは彼が哀しみを乗越えるのに書かねばならなかった作品だと好意的に解釈すれば、それもまた許せるというものだ。


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No.7:
(5pt)

おすすめできる内容

読んでいくうちに、どんどんひきこまれていく内容です!
一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)より
4150412111
No.6:
(2pt)

残念ながら「ウォッチャーズ」を超えることは出来ませんでしたね

クーンツも昔は読み漁りましたが、パターンが同じなのでしばらく読んでいませんでした。 しかし、オッド・トーマスシリーズを読み始めてから、また彼の小説を読んでみたくなりました。 幽霊が見えてしまう主人公オッド・トーマスの苦悩の物語はお薦めです。 既刊は「オッド・トーマスの霊感」、「オッド・トーマスの受難」、「オッド・トーマスの救済」です。

それはさておき、この本ですが、ゴールデン・レトリーバーが主人公なのです! しかし残念ながら「ウォッチャーズ」を超えることは出来ませんでしたね。 高値で売れる犬が量産されていて、売れ残りは廃棄(!)されている現状をある程度知ることが出来たのが収穫ではありますが、物語自体は平凡。 そして残虐シーンが少なからずあるのもちょっと…。
一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)より
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No.5:
(2pt)

なにこれ?

長年のファンですし、オッドトーマスシリーズなんかはすごく面白いです。
でもこれは「え?」って感じでした。

後半の謎解き部分と言いますかクライマックスがバッタバタです。
なんでそうなるの?なんでそれわかるの?
え?え?ってままで終わります。
強引なハッピーエンド。

作者が大好きなゴールデンレトリバーの話を書きたかっただけって感じ。
ダウン症の子も他の作品にも出てきたキャラとかぶってます。
知能指数は低いけど善良で心豊か、という。
一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)より
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No.4:
(4pt)

静かな感動

愛犬がおられる方は特に楽しめる作品かもしれません。「ウォッチャーズ」がスーパーワンちゃんが登場するどきどきハラハラのエンターテイメント小説であるのに対し、本作はほのぼのとした静かな感動あふれる物語です。派手な展開はそれほどありません。登場するワンちゃんは、ウォッチャーズと同じくゴールデン・レトリーバーです。不思議な能力を秘めており話の中で重要な役割を示すのですが、それに焦点があてられたというよりは、犬と人とのかかわりやつながりについて深く掘り下げて綴ったクーンツの思いや願いがこめられた作品といえるでしょう。そういう意味で、エンターテイメント色の強いこれまでの作品とは違った印象を受けます。この作品実は、2007年クーンツの愛犬(もちろんゴールデン)が亡くなった年に書かれたようです。作家の瀬名秀明は、このころからクーンツの作風は変化したと言っています。愛犬を亡くした悲しみや愛情が込められた作品であるというのは読んだ後に知ったのですが、読んでいる途中、亡くなった自分の愛犬のことを思いだし涙すること度々。このエピソードを知って、なるほどと思ったわけです。全体のストーリーは忘れるかもしれませんが、ハッとさせられた忘れがたい表現がいくつかありました。その部分だけでも何度も読み返し感動しました。
一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)より
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No.3:
(2pt)

最近のクーンツは読みづらい

古くからのクーンツファンですが、最近富みにワープロに向かっていて感覚に従ってタイプしているような文章が多く、読みづらいなあと思いつつ読んでいます。おそらくプロットを組み立ててワープロを打っていると段々型ににはまったまま書きあげるような感覚を覚えるんでしょうか?そのため、ある言葉やイメージから頭を使わずにむしろ指先にまかせるような書き方をしているのではないかなと思ったりします。もっとストレートに書いて欲しいし、もっと明快に書いて欲しいなあと最近のクーンツを読む度に思います。余分な装飾的なフレーズを省くともっとシャープになるようにも思います。どこまでも文学作家ではないんだし・・・時を忘れさせてくれるような作品、B級的な作品の天才でいいんじゃないかと思います。
一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)Amazon書評・レビュー:一年でいちばん暗い夕暮れに (ハヤカワ文庫 NV ク 6-9) (ハヤカワ文庫NV)より
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