■スポンサードリンク
悪の教典
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
悪の教典の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.40pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全110件 81~100 5/6ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
貴志祐介先生はもう何年もファンで新作出るたび読んできました。 で、読み終えてからすぐに思ったことは・・・ この人、こんな薄っぺらな物語、人物を書くひとだったっけ!? ・・・でした・・・。 しかも貴志先生が書く濡れ場・・・今回はこれもまたひどい。。 私は女ですが、貴志先生先生って童貞じゃないかと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このミス一位に何故か輝いた今作品。ええ、ファンの私でも十分驚きました(笑)よりによって何でこれを選んだ?はっきり言って「貴志祐介ってこんなもんか」と思われても仕方ないかもしれません。文章構成は相変わらずの腕がありますが、内容は…個人的には全作品中で最下位です。 このミス一位ということで初めて貴志祐介作品に触れる方が多いかと思いますが、その前に過去の作品を是非読んでください。彼の力はこんなもんじゃないです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
雑誌などの広告を見て期待し過ぎたせいか、主人公がそんなに凶悪な感じがしませんでした。なんか最後もあっけなく終わり、オチも見え見えな感じです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一気に読みました。 確かに面白かったし、一気に読みましたが・・・貴志祐介作品っぽくない。 よくない意味で。ファンとしてはそこが悲しい。 上巻までは貴志氏っぽいところがあったんだけどなぁ。 貴志氏の作品でなければ期待もないので素直に★4なんですが。 『黒い家』の菰田幸子が怖かったのは ある程度、心理学の分野から分析が成されていたからであり またその理屈っぽさが貴志氏らしいと私は思っていたのだが。 『天使の囁き』も恐怖の正体が小難しいまでに説明され それがゆえにその先の恐怖に怯え、本を離せなくなった。 『クリムゾンの迷宮』も細かい理由説明はなくても ちゃんとその世界なりの論理に沿って主人公がものを考え、 ある程度それぞれのキャラクターの動きには理由があった。 でも、今回のハスミンは天才のはずなのに 結構行き当たりばったりだし、こいつ本当に頭いいのか?と疑いたくなった。 上巻まではちゃんと論理立てて動いているんだけど。 下巻はもう、ただのスプラッタ小説書きたかっただけみたい・・・ 貴志氏の本の恐怖はリアリティ薄き中にも、 「一つ間違えば自分も巻き込まれるかもしれない」的なあたりが 好きだったんだけどな。 『悪の教典』のハスミンは「こんなやついねーよ」で斬ってしまえば 全然怖くなくなってしまうもので・・・。 若い学生が次々死ぬあたりは『バトルロワイヤル』に似ているが、 『悪の教典』は脇役の描写が雑で、生徒の人物像や個人の書き分けが 出来ていない分、一つ一つの死があまり意味を持たない。 生徒個々に感情移入出来る点では確実にBRの方が上。 新人作家だったら、思いっきり惹きつけてくれて 本を1日手離させないだけで十分だったと思うが、 貴志氏の他の本が大好きで仕方のない私としては、 面白かったと言いつつ、ちょっと辛口で。 ハスミンのキャラクターが宮部みゆき 著『模倣犯』のピースを思い出させました。 過剰な自信で足元すくわれるあたりも。そこは痛快でしたけどね。 けどね・・・モヤモヤ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品云々の前に、最近気になっている事は、「このミス」の選者と一般読者 との間で、意識の乖離が年々大きくなっているのではないかという事。 ゴールデンスランバーにしても、大きな謎をいくつも積み残したまま終わってるし。 もしこれが伊坂ファンの中だけで評価されているんなら納得は出来るが、ミステリ 有識者の投票で決まった1位とはとても思えない。 本書に話を戻すと、蓮見というキャラはさすが貴志裕介と唸らせるが、高度な知能 に反して、そのひとつひとつの行動がいやに稚拙極まりない箇所が随所にあるのに 加えて、あれだけの事をしておきながら、AEDがなければ開放されかけてたとい う現実離れした展開にも疑問を呈さずにはいられない。自分自身、この作品自体は 決して水準より低いとは思わないが、正直「このミス1位」というタイトルを引っ 提げているにしては少々期待はずれの感は否めない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
サイコパス英語教師(?)蓮実聖司が勤務する学校内で容易く周囲の人間を転がして自分の足場を作っていく上巻とバトルロアイアルの粗悪なコピーのような下巻という話ですが、この話いつか読んだような内容ばかりがテンコ盛り。 本作は2010年の「このミステリーがすごい」では2本抱えていた連載のうちの1本のようです。 他のレビュアーの方々が書いているように内容は軽く、ラノベ感覚。 「新世界より」よりも読み応えなしでした。 忙しくじっくり構想を練れなかったのでしょうか? 但し、主人公の蓮実の過去のエピソードや最後の蓮実が下鶴刑事曰く「こいつは次のゲームを始めている」と言わしめているように続編や過去の蓮実のエピソードを書こうと思っているのかな?と思われるふしがありました。 登場人物の人間が薄っぺらであり、高校生にしては大人びすぎている早見君なんぞ、少女マンガの登場人物か!カッコ良すぎて非現実的だ!!と突っ込みが入るようでした。 風邪をひいた時に一気読みしました。2日で読めます。 まあ、連載当時はこれだけ伏線を敷いたからには蓮実聖司は作者としては思い入れがあったのでしょうが。(容易く動かしやすいキャラでこれで連載依頼があったらしのごうということでしょうか?) 私自身は釣井教諭がもっと活躍して欲しかった。蓮実vs 釣井でもっと深い頭脳戦を繰り広げるバトルがあるのかと期待していたのですが。残念。 貴志先生、クロニクルをやるなら、釣井教諭かそれに似たキャラを活躍か、蓮実のアメリカ時代のもっとゾッとする「黒い家」を彷彿とさせるようなサイコパスの小説を書いて欲しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本人が書いた日本語の小説なのに何でわざわざ英語のタイトル(Lesson of the Evil)つけるのだろう?しかも、間違ってるし(Lessons of Evilの方が自然)。日本の音楽も映画も本もすべてそう。日本の恥だ。こういうバカな作家の本を読む気にならない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このミスで紹介されていてしかも舞台が学校ということ、そして紹介文に「この学校には悪魔がいる」と書いてある。ホラー物が好きな高校生である私は一発で購入を決めました。結果・・・「ハスミン、マジ最悪」虫唾が走るってこういうことです。読んでいてゾクゾクしました。こんな人間が身の回りにいたら恐い。そしていないで欲しいと真剣に祈りました・・・。ホラーとは本質的に違います。幽霊は怖い、蓮見は恐い。だって幽霊と人間なんですもん。主人公の蓮見はイケメンで好青年。しかも頭がいい教師。表面上は絵に書いたようないい人。だけど裏の顔は人間の心を持たない、悪魔。狂人っていうか・・・同じ人間とは思いたくないです。人を殺すことを悪いと思わない。かと言ってやたらめったら殺すのが好きなわけでもない。自分の邪魔になったら殺す。上巻は蓮見の頭の回転の速さ、残虐さがありありと伝わってきました。みんな蓮見に転がされています。狂ってるし、めっちゃくちゃ恐いし。でも下巻も読みたくなる。なんか読まなきゃいけない使命感が沸き起こります。しかし、はっきり言ってミステリーじゃありません。サイコホラーっていうか・・・ほとんどホラーです。蓮見が殺す理由も殺し方も行き当たりバッタリで何かトリックがあるとか、重大な動機があるとかじゃない。犯人の心とか葛藤とかそういうのが見たい人は、悪の教典じゃなくて別の本を買ったほうがいいと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「このミス1位」、「週刊文春1位」、「山田風太郎賞受賞」など、年末からやたらとメディアでも取り上げられ、注目を集めた作品でしたので購入しました。乱暴に内容を要約すると、異常なほど知能が発達しているが共感能力に乏しい人間が、少年期から影で犯罪(おもに殺人)を犯しながら、現在は大人気の教師として高校の教壇に立つも、裏では様々な蛮行を続けている話。読みながら、東野圭吾の『白夜行』と、浦澤直樹の『モンスター』を合体させたような作品だと感じました。上巻では校内で教師や女子生徒を中心に絶大な人気を誇る教師が、徐々に本性を現し、幾つかの犯罪を犯していく。下巻では本性を隠しきれなくなった教師が学校で大量殺戮を行っていく。主人公の内面の描き方で秀逸だと思う部分もありましたが、前述のとおり、同様の作品はすでに世に広まっており内容的な斬新さに欠けるうえ、終電車両で敵対する教師を自殺にみせかけて殺害するシーン(それが誰にも目撃されず)をはじめ、かなり強引というか不可能に近い形での犯罪方法が散見され、興ざめしたというのが感想。ただ、貴志先生は『新世界より』などの素晴らしい作品を書かれていますが、それに対し、知名度や人気が少し低いかなとも思っておりました。話題となった本作がきっかけとなり、他の作品も多くの方々に読まれるようになればと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
貴志さんは大好きな作家なので、このミス1位になって嬉しかったのですが、それに伴うほど面白くはなかったです。もっと長い物語にして内容を濃くすればかなり面白くなったんじゃないかと思いました。他人の感情を共感できない蓮見という人物は怪物らしくいい味出してたんですが、他の人物にあまり魅力がなかったり蓮見に対してあっけなくやられたりと、引きつけられませんでした。タイトル通り悪が勝つ嫌な結末を期待してたのですが、そこまでではなかったです。ただ、この終わり方もちょっとゾッとする感じで良かったとは思います。貴志さんには『黒い家』や『新世界より』という素晴らしい作品があるから、めちゃくちゃ期待してしまうのでこれからも頑張って下さい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「このミス」1位ということで購入しました。分厚いわりにはサクサク読めます。その点では非常に頭に入ってきやすい、読みやすい文章だと思います。序盤は学校という閉じた空間において、主人公の持つコミュニケーション能力を駆使して問題をひとつひとつクリアしていくというところで、大変楽しく読み進めることができていました。実際、上巻の半分くらいまでは大絶賛でした。しかし、上巻後半に入り、邪魔な人間を排除していくあたりから、急激に面白さが薄れていきました。これまで人間関係を維持するために巧妙に工夫をしていたのに、実際に人を殺す件になると安直で稚拙になってしまいます。まぁ、上巻だけであれば前半は楽しめます。下巻になるとさらに評価は・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
文春ミステリベストワン、このミステリがすごいのランキングもベストワンだそうです。だとしたら、失礼ですが2010年度のミステリ・エンタテインメント系の小説はやや不作だったのではないかと思わざるを得ません。本は厚いですが内容は厚いとは言い難いです。そもそも殺人なんて隠し通すのが一番難儀な行為に思えますが、それを場当たり的にぽんぽん行っていく主人公は本当に天才的な頭脳を持っていると言えるのか。何者にも代え難いものが「自由」だと自らのたまっているのですから、もうちょっとやりようがあったろうにと思えてなりません。全編を通して警察が馬鹿すぎるようにも感じましたし、ところどころ顔を出すご都合主義的な展開にも抵抗がありました。あまりのむちゃくちゃさに、最後の方はシリアスな作品として読むべきか戸惑ってしまったほどです。貴志先生、大好きな作家さんなんです。特に前作長編の「新世界より」は、読み終えたときの感動を今でも鮮明に憶えているほど素晴らしかったです。残念ながら、本作は少なくとも自分にはあまり満足のいく作品ではありませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
アメリカではシリアルキラー、や性犯罪者などの異常犯罪者が多く、そのプロファイルが進んでいる.日本ではまだそれほど多くなく、その恐怖が知られていない.本作はサイコパスとはどういうものか、その特性と犯罪傾向をよく調べている.サイコパスは他人の感情に全く共感せず、踏みにじり、使用する。人を操ることにたけ、そのためその犯罪は知能的というよりはどこか行き当たりばったりな感じを与える。知能の高いサイコパスは社会的位置や他人からの評価を利用し、犯罪をおかすというより、法や倫理という概念がなく、自分の要求が優先され、自分の論理でねじ曲げてしまう.この作品の前半部分ではそんなサイコパスの特徴的な無軌道な殺人が淡々と並べられる。サイコパスの特徴をよく描写しているが、やや冗長になってしまっているのが残念。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「黒い家」が非常に好みで、同じサイコパスが主題ということで、とても期待しての購入でした。ストーリーは面白くテンポよく、一気に読み進めたのですが、伏線があまりにも分かりやす過ぎて、結末にこれがキーになるんだろうなと思ったのが完全に的中したことと、悪の教典というタイトルに反して、結末のなまぬるさ・・・いくら帯で怪物だの、文中で天才的とか言われてても結局捕まっちゃうのかよ!というのが非常に残念ですね。やっぱり勧善懲悪が一般的にウケるんですかねえ・・・折角おもしろい主題に舞台を用意しておきながら、このへんがメジャー作家・出版社の限界なのでしょうか。最後の、続編がありそうな含みに期待したいところですが・・・もし続編があるなら、今度こそ真面目で努力家のサイコパス(笑)ハスミンの完全勝利をお願いしたいですね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は恐がりなので、ホラー物は子どもの頃読んだ江戸川乱歩くらいで、ほとんど読まない。ホラーというより、スプラッター/グロの類いが嫌いなのだ。しかし、ある書評で東野圭吾の作品と比べて紹介されていたので、興味をひかれ購入してみた。「読ませる力」としては、両作者が現在「双璧」をなすと説明されていた。そういうことなら、はずれはないだろうと思ったのだ。アマゾンで検索すると、「サイコパスである有能な教師」と書かれてある。そこで一層興味がわいた。なぜなら、それまでに「サイコパス」関連の書籍・専門書をいろいろ読んでいたからだ。読み始めて、まさに「サイコパス」の特長・思考方法・情動(障害)と一致していることに一々納得する。心理学上の専門用語もしっかり出てくる。作者はシリアルキラーのうち「快楽殺人者」とそうでない「サイコパス」を正確に区分している。しかし、現実のサイコパスはこれほど怪物ではない。サイコパスのあらゆる要素を詰め込んだため、一人のスーパーマンが生まれてしまった。ホラー物をよく読む人には、それほど大した描写ではないとか、主人公の短絡的・未成熟者的思考や展開に違和感を覚えるかもしれない。「なんでそうなるの?」「たったそれだけの理由で?」という極端な2択思考についていけず、理解不能か粗があるとか見えるだろう。しかし、きちんとしたサイコパスに関係する書籍を読んでみれば、そのことが氷解することだろう。サイコパスの心理学、脳生理学的解明は、ここ10年くらいの研究で大きく伸展しつつある。サイコパス自体の精神心理学的研究は意外と歴史が長い。したがって実態がよくわからない時代、すでに日本語に翻訳された名称がある。それは「精神病質」という「診断名」(病名ではない)である。これでは、広い意味の「精神障害」と一般的には区別できない、あまりにも曖昧な翻訳だ。サイコパスは精神障害ではなく、「人格障害」の範疇であり、精神心理学の分野の研究のみならず、最新の脳生理学では「情動の欠落」を脳機能の方向から解明しようとする試みが続けられている。たとえば、「 診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち (ハヤカワ文庫NF)」「サイコパスという名の怖い人々―あなたの隣りにもいる仮面をかぶった異常人格者の素顔とは (KAWADE夢新書)」「 サイコパス-冷淡な脳-」などを読んでみるのがよいだろう。1冊目は心理学的に体系化した名著、2冊目は日本における具体的事例、3冊目は最新の脳生理機能(特に扁桃体、島皮質)をモデル化した専門書。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まずはじめに。「サイコパス」という観点からは確実に 「十三番目の人格」<「黒い家」<「悪の教典」 である。その描写は、心理学的に正確・核心を突いている。これこそサイコパスなのだ。 私は恐がりなので、ホラー物は子どもの頃読んだ江戸川乱歩くらいで、ほとんど読まない。ホラーというより、スプラッター/グロの類いが嫌いなのだ。しかし、ある書評で東野圭吾の作品と比べて紹介されていたので、興味をひかれ購入してみた。「読ませる力」としては、両作者が現在「双璧」をなすと説明されていた。そういうことなら、はずれはないだろうと思ったのだ。 アマゾンで検索すると、「サイコパスである有能な教師」と書かれてある。そこで一層興味がわいた。なぜなら、それまでに「サイコパス」関連の書籍・専門書をいろいろ読んでいたからだ。 読み始めて、まさに「サイコパス」の特長・思考方法・情動(障害)と一致していることに一々納得する。心理学上の専門用語もしっかり出てくる。作者はシリアルキラーのうち「快楽殺人者」とそうでない「サイコパス」を正確に区分している。 しかし、現実のサイコパスはこれほど怪物ではない。サイコパスのあらゆる要素を詰め込んだため、一人のスーパーマンが生まれてしまった。 ホラー物をよく読む人には、それほど大した描写ではないとか、主人公の短絡的・未成熟者的思考や展開に違和感を覚えるかもしれない。「なんでそうなるの?」「たったそれだけの理由で?」という極端な2択思考についていけず、理解不能か粗があるとか見えるだろう。しかし、きちんとしたサイコパスに関係する書籍を読んでみれば、そのことが氷解することだろう。 サイコパスの心理学、脳生理学的解明は、ここ10年くらいの研究で大きく伸展しつつある。 サイコパス自体の精神心理学的研究は意外と歴史が長い。したがって実態がよくわからない時代、すでに日本語に翻訳された名称がある。それは「精神病質」という「診断名」(病名ではない)である。これでは、広い意味の「精神障害」と一般的には区別できない、あまりにも曖昧な翻訳だ。 サイコパスは精神障害ではなく、「人格障害」の範疇であり、精神心理学の分野の研究のみならず、最新の脳生理学では「情動の欠落」を脳機能の方向から解明しようとする試みが続けられている。 たとえば、 「 診断名サイコパス―身近にひそむ異常人格者たち (ハヤカワ文庫NF)」 「サイコパスという名の怖い人々―あなたの隣りにもいる仮面をかぶった異常人格者の素顔とは (KAWADE夢新書)」 「 サイコパス-冷淡な脳-」 などを読んでみるのがよいだろう。 1冊目は心理学的に体系化した名著、2冊目は日本における具体的事例、3冊目は最新の脳生理機能(特に扁桃体、島皮質)をモデル化した専門書。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
反社会的かつ文部科学省や読書サークルの「おすすめ図書」の推薦は絶対受けられない殺戮ストーリーであるにもかかわらず、・・・こいつは、正真正銘のキ●●●●だ。・・・なんて伏せ字を使うところが、表現の自由と言葉狩りの境界線みたいで面白い。 多くのレビュアーが指摘するように、面白いストーリーではあるが、”天才”ともあろう人物がこんな短絡的な行動に走るのかな、という疑問というか矛盾が残る。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上巻での掴みは良かったので下巻での展開に期待していたが、ホラーというよりはサバイバルのような方向性におやっと思ったが最後の結末に期待し読み続けるもイマイチ・・・。「黒い家」を読んだ時のような恐怖感や後味の悪さはなく、読後の余韻が殆ど無かった。読んでいる時に蓮実先生を応援するような気持ちになったのは、あまりに現実味がなかったのか主人公に感情移入(サイコパスには感情はないのだが)したのかは分からない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
貴志作品ということで楽しみにしていた。上下巻で結構な分量だが、あっという間に読了。単純に面白かった。一部矛盾点やつっこみたいところがあったが、全体としてよくまとまっていると思う。 ただ、クレムゾンの迷宮のような、追い込まれる恐怖が感じられず残念。上下でなく、上中下の3巻として、後半のシーンは被害者1人1人の恐怖をじっくりと描いて欲しかった。 また、ぜひ続編を出して欲しい。蓮見が何らかの方法で社会に紛れ込み、完全に擬態する。そして、今回のキーパーソンとなった2人を追いつめていくような・・・ この作品、映像化して欲しい。主人公蓮見はオダギリジョー。教頭先生は竜雷太。猫山先生は唐沢寿明。柴山先生は柳沢慎吾。そして体育教師は元極真世界王者の八巻健二。あーみてみたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
性善説で運営される学校に、究極の利己主義犯罪者が忍び込んだら…という着眼点はよかった。舞台となる学校で、蓮見が好き放題やるようすは、本の外から覗き見る分には、ある意味愉快だ。しかし性善説が基本の学校にしては、悪辣な教師が多すぎないか?デフォルメにしてはやや芸がない感じ。保健の先生がセクシーとか、理科の先生が気味悪いとか、固定イメージが多すぎる。生徒はあまり個性がないのに多すぎて、だれがだれか混乱する。 だけど蓮見の暴走を見届けたくて、上巻は一気に読んでしまった。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!