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壁抜け男
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壁抜け男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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おもしろかった。 現実離れしていますが、さすが、フランス的!お洒落な感じで、情緒があるお話ばかりでした。 | ||||
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あるフランス文学の小冊子にここで取り上げている『壁抜け男』という作品を紹介していた。分量もそれほどあるわけではないたため、購入し読んでみることとした。短編集みたいだ。 基本的に各々の作品において共通しているのは、主人公が超自然的な力を持っていることであろう。壁を通り抜ける力を持っていたり、幼児化したり、二日に一度しか生きられなかったり。それがこの作者の最大の特徴みたいで、それが描かれるのが醍醐味といったところだろう。基本的に文学らしく各作品あまり幸福とは言えない結末を迎え、カフカっぽい不条理が描かれるといえば描かれる。 私はこの作家の作品をそこまで大したものとは思わない。少なくとも天才的ではない。超能力を持っていることを別とすれば、その展開は才能がそれなりにあれば書けるものであり、超自然的なものもオンリーワン的な要素というわけではない。それでも一定以上の面白さはあり、私は読んで決して退屈はしなかった。是が非でも読まなければならない作品として推薦するつもりはないが、短いこともあり読んで時間の無駄にはならない。 読んで振り返ってみて、印象に残りもう一度読みたいと思った作品は『壁抜け男』『変身』『死んでいる時間』の三つといったところか。『死んでいる時間』が特に好きだ。 | ||||
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日常+ワクワクの創造=エイメ。 個人的には「壁ぬけ~」よりも「7里のブーツ」の最後の一文に沢山の愛が詰まっている様で、大好きです。 この本に収録されている物語は、全てにエイメの優しさが出ている気がしています。 読み易い翻訳だと思います。 | ||||
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マルセル・エイメは好きな作家ですし、翻訳者によって印象がかなり変わるので、角川文庫版と異色作家シリーズと両方を読んでいます。 というより、タイトルが同じだけで収録作も翻訳も全く違うのに、通常のハードカバーの文庫化のようにひとまとめになっているのは何故でしょうか?それだけ日本の読者の興味が薄いのだとしたら残念です。 表題作に関して言うと、翻訳はどちらが良い悪いというわけではなく味わいが違うので、好みによると思います。異色作家シリーズは古さはあるけれど名調子、角川文庫版はさりげなく現代的、私個人は角川文庫版に共感しました。 ただ、もっと重要な点として、確か異色作家シリーズは抄訳か、さもなければ短縮版だったと記憶しているのです。どちらの作品集でもやはり白眉の珠玉作ですので、異色作家シリーズから読まれた方は機会があればぜひ文庫版と読み比べてみることをお薦めします。 この作品のようにナイーブなようでいてどこか人の悪い印象のあるエイメの作品は、子供向けも含めて現在では新刊入手できない良作がたくさんあります。Kindle版だけでもいいのでぜひ復刊していただきたいです。 | ||||
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短編集です。 壁抜け男は、日本でミュージカルにもなってましたね。好きでした。 実際は、15ページくらいです。 う〜ん・・・ファンタジーなのか、ホラーなのか、なんだか難しかった。 難しいし、頭使うような内容もあるけど、でも、おもしろい。 翻訳も難しかったんじゃないでしょうか・・・? | ||||
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フランスを代表する幻想作家エイメの代表作を納めた傑作集。童話作家シャルル・ペローに傾倒した事で、彼は大きな影響を受けます。幻想作家とは言っても、おどろおどろしい怪奇の味は全く無くて、人々に夢と希望を与える愛すべき作風と言えます。本書に納められた作品の大部分が、冒頭で退屈な日常に倦み疲れた主人公が、ある日突然に魅力的な能力を獲得するといった導入部となっています。 表題作『壁抜け男』:壁を通り抜けられる事に気付いた男は、嫌いな会社の上司を驚かせて悦に入り、銀行強盗になり〈狼男〉と名乗って世間の注目を集めます。悪気はないのですが調子に乗り過ぎた男に、やがて悲しい結末が訪れます。 『サビーヌたち』:自分の分身を作れる才能を持つ女性サビーヌが、夫を持つ身でありながら、ふと或る青年に恋をしてしまった事から展開していく奇想天外な物語。 『七里の靴』:全編中最も童話に近い作品で、貧しい母と息子が奇妙な古道具屋で見つけた、履くと一跳びで七里行く事が出来るという靴を手に入れるまでを描く。息子は物語の途中で靴を使って盗みを働こうと夢想しますが、実際に夢が叶った時に、かけがえない善意の贈り物を与えられるのが、ほっとして一際感動的です。 『パリ横断』:この作品のみ他とは別の設定で、現実の戦時下のパリで若者たちに起こった悲劇を扱っています。厳しくて苦い結末で、戦争の最中では恐らく起こったであろうと思わせるリアリティを感じさせられ、実人生の不可解さに迫る出色の出来です。 全七篇、作者の描く特異な世界にぐいぐいと惹き込まれ、暫し夢に酔って心地良い時間を過ごさせてくれる至福の一冊です。 | ||||
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フランスを代表する幻想作家エイメの代表作を納めた傑作集。童話作家シャルル・ペローに傾倒した事で、彼は大きな影響を受けます。幻想作家とは言っても、おどろおどろしい怪奇の味は全く無くて、人々に夢と希望を与える愛すべき作風と言えます。本書に納められた作品の大部分が、冒頭で退屈な日常に倦み疲れた主人公が、ある日突然に魅力的な能力を獲得するといった導入部となっています。 表題作『壁抜け男』:壁を通り抜けられる事に気付いた男は、嫌いな会社の上司を驚かせて悦に入り、銀行強盗になり〈狼男〉と名乗って世間の注目を集めます。悪気はないのですが調子に乗り過ぎた男に、やがて悲しい結末が訪れます。 『サビーヌたち』:自分の分身を作れる才能を持つ女性サビーヌが、夫を持つ身でありながら、ふと或る青年に恋をしてしまった事から展開していく奇想天外な物語。 『七里の靴』:全編中最も童話に近い作品で、貧しい母と息子が奇妙な古道具屋で見つけた、履くと一跳びで七里行く事が出来るという靴を手に入れるまでを描く。息子は物語の途中で靴を使って盗みを働こうと夢想しますが、実際に夢が叶った時に、かけがえない善意の贈り物を与えられるのが、ほっとして一際感動的です。 『パリ横断』:この作品のみ他とは別の設定で、現実の戦時下のパリで若者たちに起こった悲劇を扱っています。厳しくて苦い結末で、戦争の最中では恐らく起こったであろうと思わせるリアリティを感じさせられ、実人生の不可解さに迫る出色の出来です。 全七篇、作者の描く特異な世界にぐいぐいと惹き込まれ、暫し夢に酔って心地良い時間を過ごさせてくれる至福の一冊です。 | ||||
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モンマルトルに住み登記庁に勤めるデュチユールは、壁を通りぬけられる才能を持っていました。彼は怪盗「狼男」としてパリを騒がせますが、ある日恋に落ちます。嫉妬深い夫に厳重に閉じ込められているブロンド美人ですが、もちろん塀も鍵も「狼男」の前には障害ではありません。しかしある日彼に頭痛が……(『壁抜け男』) 本当に奇妙な味の短編ですが、これは戯曲になってます(劇団四季がやっているのを、広告で見たことがあります。残念ながら舞台は未見)。この奇妙でストレートなお話を、どうやって舞台に持っていったのか、そちらにも興味がひかれます。 同時存在(つまりは分身の術?)ができる女性(『サビーヌたち』)、ぶどう酒嫌いのぶどう作りとぶどう酒好きだが飲めない男(『パリのぶどう酒』)など、ヘンテコな人がまず登場し、でもその後の展開はきわめて“まっとう”という短編が続きます。だけど、最後の『七里の靴』。これは、もしブラッドベリが戦争中のパリにいたら書いたかもしれない、といった雰囲気の作品です。金を持っている家庭の子どもたちはその靴が手に入らないのに、貧乏なシングルマザーの子どもはその靴を履き、地球の果てで太陽の光をつかんで乙女座の糸で結わえる。このリリカルな光景を見た後で最後の一文を読むと、不思議で静かな感動がわき上がります。 本書に収載されている七作はどれも1943年または1947年に発表された作品ですが……いやあ、ドイツによる占領や食糧不足が、このような形に“昇華”させられるとは、マルセル・エイメはまったくただ者ではありません。 | ||||
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モンマルトルに住み登記庁に勤めるデュチユールは、壁を通りぬけられる才能を持っていました。彼は怪盗「狼男」としてパリを騒がせますが、ある日恋に落ちます。嫉妬深い夫に厳重に閉じ込められているブロンド美人ですが、もちろん塀も鍵も「狼男」の前には障害ではありません。しかしある日彼に頭痛が……(『壁抜け男』) 本当に奇妙な味の短編ですが、これは戯曲になってます(劇団四季がやっているのを、広告で見たことがあります。残念ながら舞台は未見)。この奇妙でストレートなお話を、どうやって舞台に持っていったのか、そちらにも興味がひかれます。 同時存在(つまりは分身の術?)ができる女性(『サビーヌたち』)、ぶどう酒嫌いのぶどう作りとぶどう酒好きだが飲めない男(『パリのぶどう酒』)など、ヘンテコな人がまず登場し、でもその後の展開はきわめて“まっとう”という短編が続きます。だけど、最後の『七里の靴』。これは、もしブラッドベリが戦争中のパリにいたら書いたかもしれない、といった雰囲気の作品です。金を持っている家庭の子どもたちはその靴が手に入らないのに、貧乏なシングルマザーの子どもはその靴を履き、地球の果てで太陽の光をつかんで乙女座の糸で結わえる。このリリカルな光景を見た後で最後の一文を読むと、不思議で静かな感動がわき上がります。 本書に収載されている七作はどれも1943年または1947年に発表された作品ですが……いやあ、ドイツによる占領や食糧不足が、このような形に“昇華”させられるとは、マルセル・エイメはまったくただ者ではありません。 | ||||
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短編集。5編収録。短いので忙しい人にもオススメの一冊。 奇妙なことが当たり前の日常のように描かれる。 表題作の「壁抜け男」は、そのまま「壁をすりぬけられる能力を持った男」が主人公だが、彼は突然そんな能力を得たにもかかわらず 一年くらいは特になにもしないのである。「何か変なことになっちゃったなあ」くらいのもんだ。そんな理由で病院に行っちゃうし それに薬を処方する医者も医者だ。読んでるこっちのほうが拍子抜けする。 他の収録作もそんな調子で、2〜3ページ読み進んだところで「あれ?なんかそれ普通じゃないよ?」と冒頭に戻ってみたりする。 そんな感じで、読み手をからかうが如く物語は広がっていくのだが、大風呂敷の畳み方が鮮やかなのでこちらは「参りました」というより他ないのである。 | ||||
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短編集。5編収録。短いので忙しい人にもオススメの一冊。 奇妙なことが当たり前の日常のように描かれる。 表題作の「壁抜け男」は、そのまま「壁をすりぬけられる能力を持った男」が主人公だが、彼は突然そんな能力を得たにもかかわらず 一年くらいは特になにもしないのである。「何か変なことになっちゃったなあ」くらいのもんだ。そんな理由で病院に行っちゃうし それに薬を処方する医者も医者だ。読んでるこっちのほうが拍子抜けする。 他の収録作もそんな調子で、2〜3ページ読み進んだところで「あれ?なんかそれ普通じゃないよ?」と冒頭に戻ってみたりする。 そんな感じで、読み手をからかうが如く物語は広がっていくのだが、大風呂敷の畳み方が鮮やかなのでこちらは「参りました」というより他ないのである。 | ||||
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標題作「壁抜け男」の他4編の短編を収録。どの作品の主人公も何かしらの特異な能力を持っているのだが、そうした能力を持っている点を除けば、これら主人公の発想や感情の持ち方が、自分たちと極めてよく似ていることに読者は驚くのではないだろうか。カバー解説にある通り、「奇抜で幻想的な世界に、人間の優しさと悲哀、そして残酷さを巧みに描い」ている。人間とは、優しさや悲しみとともに、無邪気な残酷さも併せ持つ存在であることを改めて感じさせられた。 | ||||
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標題作「壁抜け男」の他4編の短編を収録。どの作品の主人公も何かしらの特異な能力を持っているのだが、そうした能力を持っている点を除けば、これら主人公の発想や感情の持ち方が、自分たちと極めてよく似ていることに読者は驚くのではないだろうか。カバー解説にある通り、「奇抜で幻想的な世界に、人間の優しさと悲哀、そして残酷さを巧みに描い」ている。人間とは、優しさや悲しみとともに、無邪気な残酷さも併せ持つ存在であることを改めて感じさせられた。 | ||||
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マルセル・エイメの作品は、世界の広さを感じさせてくれます。もし、自分がこうであったら。もし、自分にこういうことが起きたら・・。普段私たちが日常の中で考える空想を、エイメが小説にしてくれています。ありふれた日常が、もし違う世界に変わってくれたら?幸福になれるのか、それともありふれた生活が一番だと思うのか。それは読んだ人だけが感じることが出来る不思議な感覚。ぜひ読んでみてください! | ||||
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マルセル・エイメの作品は、世界の広さを感じさせてくれます。 もし、自分がこうであったら。もし、自分にこういうことが起きたら・・。普段私たちが日常の中で考える空想を、エイメが小説にしてくれています。ありふれた日常が、もし違う世界に変わってくれたら?幸福になれるのか、それともありふれた生活が一番だと思うのか。それは読んだ人だけが感じることが出来る不思議な感覚。ぜひ読んでみてください! | ||||
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