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虹の彼方



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【この小説が収録されている参考書籍】
虹の彼方
虹の彼方 (集英社文庫)

虹の彼方の評価: 3.34/5点 レビュー 29件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.34pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(5pt)

最後までぐいぐいと感情移入して読みました

最後までぐいぐいと感情移入して読みました。二人の感情の変化がとても面白かったです。志麻子も正臣も決して魅力的な人間ではありません。というより、正臣に関しては完全に自己陶酔していますね。「すべては俺の責任だ、俺が志麻子に会わなければ彼女は傷つくことなかった、、、最愛の家族を捨ててしまった、、、」等、完全に自分に酔ってしまってます、、、。最低な男ですよ。でも、それでもいいんです、完璧な男などこの世にいませんから。結局志麻子も正臣ももがきながら大切な物(者)を失っていきます。それも彼らが選んだ人生。この作品、ラストは希望の光が差していきます。よく不倫小説にありがちな「死」を選ばなかったのは良かったです。
虹の彼方 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:虹の彼方 (集英社文庫)より
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No.13:
(5pt)

辛くはないが,ぐるぐる感が残った。

序章と終章以外は,志麻子,正臣という2人の主人公の名前が章の見出しになっている。

読むのが辛かった訳ではない。
志麻子,正臣と読むと,ちょっと休憩したい。

同じところをぐるぐる回っているような感じ。

読後感として,赤川次郎の「杉原爽香」シリーズが思い浮かんだ。
赤川次郎の理想の女性像に対して,男性のだらしなさ。

小池真理子理想の男性像として,どんな状況でも自分のことに一途になって欲しいという気持ちが垣間見える。女性の行動は生き方としての美学が赤川次郎と違う。

何が美しいかを主張したくて,長くなっているのだろうと推測した。

辛くはないが,ぐるぐる感が残った。
そうか,志麻子,正臣という2人の主人公の名前が章の見出しになっているから仕方が無い。
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No.12:
(5pt)

快楽原則ココニアリ!

我々は「現実原則」の中で生きていると言っても過言ではないのでしょうか。
だから、こういう小説に浸り、「快楽原則」を満喫する。

はけ口になるのかもしれませんね。

こちらの作品。たしかに最後は残酷な結末が私の印象ではありますが、そこに「快楽原則」があり、だから素晴らしい作品だと私は思うのであります。

多分批判も多いこちらの作品。しかし、「批判は最大のオマージュ」とは誰が言ったか忘れましたが・・・記憶(虹)の彼方に・・・笑

しかしみんなそんな作品をちゃっかり熟読玩味しているのでしょうね。だからでないと批判もできないわけで・・・

私は小池文学の最高峰の作品の一つだと思います。

快楽原則ノ快楽文学ココニアリ!
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No.11:
(5pt)

恋愛を突き抜けている

遅ればせながら最近この本を読みました。
小池作品を読み出したのもつい最近で、
「恋」「望みは何と訊かれたら」に続いてこれが三作品目です。
この二人は男女なので恋愛の形を取っていますが、
恋愛を突き抜けた互いを思う純粋さを感じました。
きっとこの二人なら、親子や同性の友人としてめぐり合っても
互いに深く相手を思い真摯な関係を築いたのだろうな、と思います。
男女だからセックスもするけれど、
それは相手を思うあまりの表現のひとつ、といった感じで、
逆に肉欲とは反対のさらさらの乾いた印象を受けました。
社会的にも安定した地位があり、恵まれた環境にいるのに、
そういった相手に出会ってしまったからここまで行き着いた。
家族も周囲も自分もずたずたにせざるを得なかった。
正臣が、二人が若い頃に出会っていたら何事もなく結婚できて…と
思いをめぐらせるシーンがあるけれど、
40代のさまざまな経験を経た二人だったからこそ、
ダブル不倫以上の意味がある関係に行き着けたんじゃないかと感じました。
そういった意味では非常に大人向けの小説だと思いました。
虹の彼方 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:虹の彼方 (集英社文庫)より
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No.10:
(5pt)

これぞ小池真理子!

一言で「不倫」と言えばあまりに空しい。愛を貫くといえばきれいごと過ぎる。
家庭を持った40代の男女が何も見えなくなるほど、いや、冷静に見えてはいるが、愛してしまったお互いの存在が大きすぎて、結果的に何も見えていない状況と変わらなくなる。
愛する気持ちに年齢はあまり関係ないかもしれないが、社会的に評価されている大人でも、人を愛する気持ちは変わらず、多くの常識や理性を兼ね備えていても、それらを全て捨て去るほどの恋愛を描きたかったのだと思う。
しかし、どんな恋愛でも結果は予想される2つ。別れるか別れないか。
社会に背を向け、多くの非難と中傷を受け、家族を苦しみの底に追いやり、決して安らぎの場所はない。
逃避行としてつかの間2人だけで過ごす中国大陸の自然の雄大さと、ゆっくり流れる時間が現実を忘れさせる。
しかし、決して生きている以上、現実から逃れることはできない。
男と女は予想外の展開には発展しないけれど、作品としては完成された作品。
長編であるが一気に読ませてくれる。大人の男と女を描かせたら小池真理子はさすがとしか言いようがない。
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No.9:
(4pt)

たまには理性をわすれて…

道徳的には愚かな内容ではありますが、経験も知識もそれなりに備わってくる40代後半の男女が家族や周囲に迷惑をかけてまで、今さらに恋愛するさまは単純に軽蔑すると同時に、興奮と感動もしました。作者の筆力が最後までイッキに読ませてくれます。実行はオススメできませんが、小説の中で楽しむのは自由♪
40代だって、好きな人に「もう我慢できない」と抱きしめられられるとたまりませんわ(^^♪
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4087463141
No.8:
(5pt)

いいじゃない、いいよこれは...

とりあえず、私は、著者と年齢が同じである。初めて読んだ小池真理子の作品は随分前に刊行された「プワゾンの匂う女」、一昨年、十朱幸代主演で舞台化されたので懐かしさもあって観劇した。まだ、その作品には濃密な「恋」の予感はなかった。「虹の彼方」の装丁のライトブルーは、どういう意図があるのかはわからない。作品のテーマのどの部分が「虹」なのかもわからない。流麗な高木志摩子を著者に置き換えてみるには、ちとむりがあるかもしれない。言うに及ばず当方も正臣には到底なれない。が、著者と2人きりで話をしたら、恋多き女に変身した著者と真正面に対峙できる自信はある。
読んでみるべし。濃密な「恋」という愛がある。
虹の彼方 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:虹の彼方 (集英社文庫)より
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No.7:
(4pt)

エイジレスへの渇望

流れるように読むことができます。主題は、エイジレスへの渇望でしょうか。作家の、それへの思いが、えぐるように、ここそこに描かれています。恋愛小説という以前に、主人公ではなく作家自身の、老いへの怖れと立ち向かい方の葛藤が、浮かび上がっています。作家が、それを企図したのであれば、それは成功しているように思います。「間に合ってよかった」「ふたりとも年齢不詳、エイジレスって感じ」これが、主題をつなぐキーワードではないでしょうか。
虹の彼方 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:虹の彼方 (集英社文庫)より
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No.6:
(5pt)

希望

今の小池氏の、年齢というものに対する考え方を理解していない者には、この作品を語る資格はない。
もちろん、「恋愛」という、重要なテーマも汲まなければならないが、この小説の中に描かれているのは、単に志摩子と正臣の二人の愛だけが描かれているだけではない。年老いて、それなりに積み上げてきたあらゆる人々との間にある「愛」をもしっかりと描いた作品であるからだ。
不倫というかたちの愛にはまってしまったものの、それぞれに周囲の者に対する愛情を感じていて悩み、あがく様が描かれている。年齢というものに対して確立した考えを持っている人でなければ、こういった小説は書けないはずだ。老いるとはどういうことか、そしてまた老いて人を愛するとはどういうことかを、今の小池氏は軸にして作品を編んでいる。
愛によって、人を傷つけ、自らも傷つき、そうしながらも進んでいくのが人生なのだ、ということを、小池氏が自分が年齢を重ねていく上で感じながら生み出された作品だと思う。
タイトルなど見ずとも、老いの先にある光が見える。
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No.5:
(5pt)

激情の果て、地獄に落ちてゆく大人の男女の狂おしいまでの恋愛

■女優高木志摩子、48歳。大学で美術史を教えている夫は53歳。2人に子どもはいない。作家奥平正臣、43歳。妻と双子の娘がいる。
■ともに家庭がありながら志摩子と正臣は激しい恋に落ちた。志摩子が初めて座長を務めた舞台公演「虹の彼方」の原作を書いたのが正臣だった。「虹の彼方」は家庭を持つ男女が恋に落ち、苦悩の果てに心中をするという物語だった。皮肉なことに、その主演女優と原作者が、恋に落ちたのである。まるで舞台そのままに。
■公演の打ち上げ、文芸誌での対談を経て、2人は激情のおもむくまま、逢引を重ね、肉体関係におぼれてゆく。
■それぞれの家族は、やがて配偶者の行動に不自然さを感じ、心配を募らせる。それが分かりながら、志摩子も正臣も密会を続け、ついに写真週刊誌に記事にされてしまった。正臣の妻は半狂乱になり、志摩子の夫は明け方まで眠らず妻の帰りを待つ。皆が地獄に落ちてしまったのだ。
■そして2人は全てを犠牲にして、上海への逃避行を決行する。まるで、世俗のモラルに反逆するかのように……。
■賛否はともかく激しい男女の恋がここに描かれている。
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No.4:
(4pt)

とっても切ないオトナの恋愛★

女優と小説家のロマンチックな大人の恋愛事情をドラマのように映画のように読みました。章の終わりに近づくにつれ、ややつまらなくなりましたが全体的に素敵なお話でした。
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No.3:
(5pt)

こういう関係って、あるはず です。

次のフレーズがとても印象に残りました。生涯、忘れることの無い予感がします。
『紫薇がふいに泣きだした。目を赤くしながら、涙をあふれさせながら、首を烈しく横に振り、
「なんかすごく悲しいよ」と子供のような言い方で言った。「なんで、戻らなくちゃいけないんだろ
う。大騒ぎになるってわかってるのに。このまんま、ずっとずっとふたりきりでいればいいのに。
人が何を言っても、こういう関係、ってあるはずなのに」』
男と女である以上、どこで出逢おうと、どんな状況であろうと、愛し合うということはあり得ることなのだと思います。そういうテーマを追求した作品だと思います。作者にとっては、次の作品に向けてのテスト的な位置づけではないかという感触もしました。
中国での逃避行から日本に帰り、志摩子も正臣もそれぞれの現実と対峙するが、この部分の描写をもっと濃くしていただけたら、ラストシーンがもっと輝いたかもしれないと思いました。
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No.2:
(5pt)

多分、本当に愛する人に出会えた時そう思う。

「間に合った」志摩子と正臣が出会った時、二人の心の中で漠然とそんなことを感じた。結婚は一生の契約かもしれない。でも、40を過ぎて何もかもきちんとまとまっているときに出会ってしまう恋。別に心の隙間を埋めるための恋ではもうないのだけれども、とてもいとおしく思う。私もそんな年になり、少女のような恋を大人げなくしています。でも、今の自分が本当に愛せる人を見つけたような気がして、今までの恋はなんだったんだろうなあと。一見、いい年をした大人の色めき話みたいなお話ですが、実際こう思うんだ、そうそう。子供がいたら違うんだとかともかくいろいろな事を思いながら読んだ本でした。最後は二人で死ぬのかななんて思ったけれども、でも別れないで静かに年を重ねていくのであろう未来が現実的で良かったです。私も今度生まれてきたら、最初から今大好きな人のそばにいて、そんなに大きなことはできなくてもいいから、静かに二人で生活できたらいいなと思いました。多分、40を過ぎる位の恋が本物の恋かもしれない。
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No.1:
(5pt)

長く生きていることでできるしがらみ

中高年の恋愛をテーマにした小説と言うと、ラストはどうしても情死だったり、妙に悟った別れかただったりするものですが、今回は周りを傷つけ、ぼろぼろにしながらもやはり離れられない二人と言うことで、とても現実的でした。
全てを捨てることの代償は、年齢を重ね、社会的にも安定したからこそ、とてつもなく大きく、周りからは大きな罪を犯しているととられてしまう。そんな二人が上海へ逃避行し、そこで帰国を決意するまでのくだりは、中国の美しい自然と、ゆったりと流れる時間を背景に、正臣と志摩子の心の葛藤が痛々しく、胸が痛みました。
48歳と43歳と言う年齢で、こんなに激しい恋に落ちることは羨ましい限り。この本は若い方には理解しがたいと思います。R40というところでしょうか?500ページを超える大作です。中年に差し掛かった女性が非日常を遊びたいならおすすめです。
虹の彼方 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:虹の彼方 (集英社文庫)より
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