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雨恋



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【この小説が収録されている参考書籍】
雨恋
雨恋 (新潮文庫)

雨恋の評価: 3.82/5点 レビュー 17件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.82pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全17件 1~17 1/1ページ
No.17:
(5pt)

恋に落ちるくらいの魅力がもっと描かれていたらよかったかな、と。 でも最後のシーンは切なくてよかった。

叔母が海外赴任になりマンションの留守を預かることになった渉。雨の日だけ現れる幽霊の千波に頼まれ自殺で片付けられた事件の真相を探る。物語の肝は最初は声しか聞こえない幽霊の千波が、渉の調査で納得出来る事があると足元から徐々に姿を現していくところ。膝下、腰、胸元…。千波を愛するようになっていた渉は、千波の顔を見たいが、見る時は別れの時だと分かっていてとても切ない。千波が死に至るミステリ部分も、素人の渉が関係者の話を聞きながら当時の状況と照らし合わせており無理がなく、伏線もキレイに回収されていてスッキリ。
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4101280525
No.16:
(3pt)

ヒロインの人間像に共感できないので・・・

ざっくり言えば、今で言う草食系男子タイプの主人公が、お人好しにも幽霊のヒロインの頼みごとを聞いて探偵のようなことをしていくお話なのですが・・・
となると、まずはそのヒロイン像に好感や共感が持てるかが、一つこの物語に入っていけるかの鍵になると思われます。
ところが、このヒロインの生前の生き様が何とも・・・
高校生時代に20歳近く離れた叔父と不倫して田舎に居られなくなり、上京して就職したら、これまた40がらみの妻帯者(しかも女グセが悪いと評判の)に片思いして、別に私は奥さんの代わりで良かったの、とか言っちゃうような、いわゆる典型的な不倫体質なんですよね。
自分は男なので、この手の心理は到底理解不能なわけで、こうなってしまうと正直冷めた目線でしか物語を追っていけませんでした。
恋愛小説っていうほど主人公とヒロインの惹かれあっていく過程の心理描写が丁寧にあるわけでもないと思いますし、どちらかというとあっさりテイストのミステリー物って感じがしました。
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No.15:
(4pt)

変わった「日常の謎」作品

松尾由美といえば、バルーンタウンを作ってみたり椅子が探偵になってみたりといった奇抜な発想と、流暢な語り口で探偵小説愛好家に知られています。この小説では、死んだ若い女性を成仏させるために、たまたま幽霊マンションに住むことになった男性が探偵役を果たすという趣向が凝らされています。似たようなネタは「キマイラの新しい城」にもありましたが、こちらはお化けになっているのが死亡したての若い女の子なので、随分感じが違います。
この本は恋愛小説として良く書けていて、「幽霊刑事」を思わせます。特に薄倖の女性の造形がいい。それだけではなく、とても風変わりではありますが、一種の「日常の謎」系の探偵小説としても割と良く出来ています。ちょっとした部分に伏線が潜ませてあって、やはり推理畑の作者だけのことはあります。もう一つ、猫好きにもおすすめかな。探偵役の主人公が登場するまでは、猫達が幽霊の友達でしたから。
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No.14:
(4pt)

すっとんきょうな恋

 2000年に出た単行本の文庫化。
 引っ越してきた部屋には幽霊が住んでいた。彼女は自分を殺した犯人を見つけて欲しいという。調査が進むなかで2人のあいだには恋心が芽生え…というストーリーである。
 こう書くと、著者にしては平凡な話だなあと思うかも知れない。私も途中まではそう感じていた。ところが! いきなり想像もつかないような展開を見せ始めるのである。なんじゃこりゃ、と心の底から驚かされた。
 冷静になってみると、いかにも松尾さんらしい切り口である。ファンとしては期待を裏切られない一冊であった。
 結末の悲しさと温かさは印象深い。けど、そのあたりは著者にとっては蛇足なのだろう。うーむ。
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No.13:
(4pt)

帯・・・

これほど帯で損している本もそうはないんじゃないか、と。
個人的には泣けるだとか、衝撃をうけるだとかではなく
ただ単純に“綺麗だな”と感じました。
帯が持ち上げすぎてはいますが、非常に心洗われるいいお話なのは確かです。
若いうちに読んでおきたい一冊でした。
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No.12:
(4pt)

帯にだまされるな

この本は帯のせいで相当損をしている。
この本は、泣くために読む本では決してない。
結果的に泣けたというのならうなずけるが。
もっと、よみやすい、流れるような文体を味わってほしい。
編集者も、ミステリー仕立ての内容や、発想の奇抜さを前面に出して売り出すべきではなかったか。。
それが、結果的にこの作者を育てるということになると思うのだが。
昨今の「泣ける本」ブームに乗っかって一発というのでは、この本を手に取った読者は、もう二度とこの作家の本を手に取ることはあるまい。
そうすると、作家は育たない。
この作者は、純文学の作品を相当数書いた末に今の作風にたどり着いたのだろうと思わせるところがたくさんある。
例えば、180ページの「ひさびさに小糠雨が・・・」で始まる段落などはそうだろう。
こういう、文章修行の上にたどりついた、
「バックボーンがしっかりしていて、どこか透明感を感じさせる文体」を味わってほしいと思う。
主に女性向きの作品だと思うが、透明感のある作品が好きな男性にもお薦めしたい。
でも、最もお薦めしたいのは、作家あるいは物書き志望の女子大生や女子高生かな。
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No.11:
(3pt)

雨の夜には・・

一人で過ごす雨の夜には、おすすめな本かも。
別に泣けるかどうかはどうでもいい。きれいな文章でさらさらと読み進める。
ちょっと間違えば気持ち悪くなったり、あるいは滑稽に思えてしまうかもしれない出来事を、とても気持ちよく、読ませてくれる。文章が透き通るようで、きれい。さわやかに読めるのに、そして無理やりな感動なんか必要としない本なのに、
「ラスト1ページ涙が止まらない」とか「奇跡のラブストーリー」とか、帯にしょうもないこと書きすぎだと思う。この帯のあおり文句を書いた人は、この本をまともに読んでないのか?とさえ思った。
もっと静かに読ませてほしい本だと思う。
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No.10:
(3pt)

泣けませんでした…

透明だった幽霊(千波)が、事件の真相に近づくにつれて少しずつ見えるようになってくる…って状態だったので、次は?次は?という感じで一気に読めました。
本の帯に、ラスト1ページ、涙が止まらない。と書いてあったので、かなり泣けそうな話だと期待してたんだけど… そうか…って感じで終わってしまいました。
一気には読めるけど、読後感が物足りない…って感じの本でした。
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No.9:
(3pt)

雨を待ちわびて。

雨の日だけ現れる、脚しか見えない幽霊千波。彼女の死の真実を解き明かすべく、奔走する渉。少しずつ見えてくる真実とともに、千波の姿もだんだんとはっきりしてくる。千波にいつしか思いを寄せている渉だが、すべてが明らかになったとき、当然のように訪れる別れ。タイトルの「雨恋」がまさにしっくり来る小説でした。ミステリーの要素が深いので、恋愛小説としては今ひとつという気もしますが、全体に流れるしっとりとした雰囲気、顔がわからない千波の軽やかな愛らしさ、読後感はとてもよかったです。実際に雨の日にゆっくりと読むといい本だと思います。
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No.8:
(3pt)

切ない・・・

雨の日だけに現れる千波。なぜ死んだのか?真相が少しずつわかるたびに、最初は声だけだった彼女の姿も少しずつ見えてくる。初めは気味悪がっていた渉だが、次第に彼女に惹かれていく。だが、どんなにお互いを思っても、決して結ばれることはない。そして全てが明らかになったとき・・・。ラストは予想がついたけれど、それでもたまらなく切なかった。ミステリー、ほのぼのとした恋愛、両方楽しめます!
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No.7:
(4pt)

ひんやり感が心地いいっ。

幽霊になった千波。カノジョに巻き込まれながらも・惹かれて行く渉。              雨の降る日に 出会あう ふたり千波を殺したのは誰?の謎を解きながら、ふたりが行きつく先は・・・        雨の降る日に 別れる  ふたりあなたも、千波の死の謎を解きながら雨の日を過ごしてみませんか?
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No.6:
(3pt)

ラストシーンの優しさに注目

ミステリーと恋愛小説の折衷作品。主人公渉(会社員)が住み始めたマンションには、女性の幽霊小田切千波が現れる。姿は見えぬが、ペットの猫たちが彼女の存在に気がつき発覚。渉とも対話をはじめる。幽霊といっても、ホラータッチではない。その彼女は、以前、この部屋で亡くなっていた。ただ、死因は公には自殺になっているが、ほんとうはそうではなかった。自殺するつもりだったが、思いとどまっていたのだ。ただ、何者かが侵入しその自殺を無理にさせられてしまった。その犯人は一体誰か。その真相をつかむため、渉は動き始める。クライマックス、渉の温かい視線は、優しい気持ちにしてくれる。
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No.5:
(3pt)

ラストまでの運びは是か非か

何回も「これが真実なのか」と思わせるものがあって、それが違ってまたこれ、これ・・・。と続く。そして真実は予想できないものになっている。こう思うと、ミステリー要素があって○。でも、あまりにも純・・・すぎて、途中もどかしいですかね。これ、主人公の人が社会人って設定ですが、大学生とかでもよかったような気が・・・(段々読んでいくうちに、その気ばっかりしちゃって)でも、ラストは本当に感動しました。よかったです。
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No.4:
(4pt)

雨恋

友人に薦められてこの本を手にするまで、正直のところ作者の名前をしりませんでした。だから作風もわからず、興味だけて読みはじめました。ヒロインが幽霊。その登場は不意をつかれた感がありましたが、能や謡曲の世界では全然珍しいことではないので、作者はその方面に背いつしている方かな、とまず考えました。内容はミステリアスであり、一応殺人が主題になっていて進行していくのに、実に淡々としていて、どぎつさがなく、途中で結末も見えてくるんだけど目が離せないおもしろさがありました。不本意な形であの世の人間になったヒロインなのに爽やかな感じがするのは何故でしょう。私は幽玄の世界を体験したのかもしれません。
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No.3:
(5pt)

愛は雨とともに訪れる

 彼女は雨の降る日だけに姿を現す。最初は声だけ。(幽霊だから?) 彼女は自殺を思いとどまった直後、自分は殺されたと、部屋の一時的住居人である主人公に真犯人の捜査を頼む。 しかし、真相が分かってくるにつれて、というよりも、彼女が事の顛末(彼女の言葉を借りれば「詩的真実」)に納得していくにつれて、彼女の姿が少しずつ見えてくるようになる。 脚だけからスカートに包まれた下半身へと. . .(幽霊が脚だけ見えるなんて最高のユーモアです) 最後は自明の理。 愛すれば愛するほど相手が見えてくるなんていうくさいメタファーはかけらもありません。 フェティッシュなディテールの描写には感服。(谷崎潤一郎賞もの!) また、微妙な男の心理もうまく書けていると思います。 韓国ドラマ以上の純愛ものです。 実は、この小説を読んだのは、韓国映画「オーバー・ザ・レインボー」を観る前後だったので、イメージがダブって仕方なかった。(男の記憶回復への過程と、彼の探索と心の変化が。4日前に見た「きみに読む物語」は男女が逆転してるだけ。)その映画の主人公である天気予報士がTVを通じて言う。 「愛は雨とともに訪れる。雨の日は疲れた心と体を休めて下さい」と。 雨の日には、こんな小説を読んで心を癒して下さい。蛇足1:帯に「ありえない恋」とありますが、「ありえる、ありえない」を論ずるならば、幽霊との恋ではなく、主人公の優しさかもしれません。さらに、感動はラスト2ページではありません。20ページ位前からうるるんとしてくるはずです!蛇足2:「雨恋」は松尾さんの作品では「ピピネラ」以上の愛読書になりそうです。蛇足3: この手のものは、いわゆる黄泉がえりものとは多少違うかもしれないが、映画化されたら、やはりヒロインは竹内結子しかないのかな?
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No.2:
(5pt)

こんな事あったら最高!

たまたまなのか、運命の悪戯なのか同じマンションの一室で巡り会うことに成った、男の子と女の子の出会いと別れの物語です。松尾由美さんの本は、初めてでしたが「ありえない恋、ラスト2ページの感動」と言う帯の言葉に、興味津々で購入しました。読み進むうちに、言葉には現すことの出来ない不思議な感情が湧いて来ます。ラスト2ページでは無く、ラスト10ページ位は、まさに加速度的にページをめくる手が速くなりました。つかの間の触れ合いでしたが、心に深く残る感動を味わう事が出来ました。特に若くして愛する人を失った過去の有る者にとっては、有り得ない恋では無く、むしろ有って欲しい恋でした。
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No.1:
(5pt)

ありえないけど切なすぎる恋

こんな恋があるとは思わなかった。最初は「自殺を止めたことを止めさせられた」真犯人を捜す謎解きの物語かと読んでいたけど,姿の見えない千波に恋していく主人公の心が見え始めた頃から,これはまぎれもない恋愛小説なのだとあらてめて思い返した。千波のために精一杯のことをしてあげたい。だけどそれは同時に千波と永遠に別れることになると気づき始めてからの主人公の心,言葉に言い表せない気持ちが読んでいると徐々に重くなってくる。最後の数ページは,千波の存在を普通に生きている女性としか感じられなく,恋し合う男女が迎える普通のまぶしい朝が見えた。こんなありえない恋愛がこんなに読み終えた後にせつなさを残すなんて。どう感じるかはそれぞれだけど,一見の価値ある作品です。
雨恋 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:雨恋 (新潮文庫)より
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