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ノー・カントリー・フォー・オールド・メン



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【この小説が収録されている参考書籍】
ノー・カントリー・フォー・オールド・メン (ハヤカワepi文庫)

ノー・カントリー・フォー・オールド・メンの評価: 9.00/10点 レビュー 1件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

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(9pt)

血と暴力の国に生きる、善き人々

ノーベル文学賞候補にも挙げられるアメリカ現代文学の大御所・マッカーシーの本格犯罪小説。メキシコ国境に近い荒地で麻薬密売組織、殺し屋、ベトナム帰還兵、善良な保安官などが血と暴力のドラマを繰り広げる、パワフルな傑作ノワールである。
1980年のテキサス州南西部で麻薬取引のもつれから起きたらしい凄惨な殺戮現場に遭遇したベトナム帰還兵のモスは、大量の麻薬と共に残されていた240万ドルの大金を持ち逃げした。当然のことながらモスは組織が放った凄腕の殺し屋・シガーに狙われ、さらに地域の保安に生涯を捧げている保安官・ベルからも行方を追及されることになる。女房からも離れ、単独逃避行を選んだモスだったが、その行く先々で更なる死体が積み重なることになった…。
まず第一に殺し屋・シガーの狂人的で圧倒的な暴力が強烈なインパクトを与える。その「純粋悪」とでも言うべきキャラクターは血と暴力のアメリカ・ノワールの歴史に名を残す存在感である。その対極に位置する老保安官・ベルの語りは暴力の国に生きる善き人々のエッセンスであり、物語にヒューマン・ドラマの厚みを加えている。さらに狂言回しであるモスの言動の振れ幅の大きさが人間くさくていいアクセントになっている。映画化された「ノーカントリー」は大ヒットしており、すでに映画を見た読者も多いだろうが、先に映画を見ていたとしても十分に楽しめること間違いなし。
全てのノワール・ファンに絶対の自信を持ってオススメする。

iisan
927253Y1

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