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通過者



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【この小説が収録されている参考書籍】
通過者 (BLOOM COLLECTION)

通過者の評価: 7.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ものすごく難解です

「死者の国」も既読なのですが、まずは先に読んだこの本から。
グランジェ氏の本は確か初めてだと思います。
ここまで難しいと分かっていたら、最初から読まなかったかも・・・です。
でも、最後まで読みたい!と思わせるほどの熱狂?囚われたものになったような感覚でした。

こういう作家さんなのだと分かって「死者の国」を読むと、あれほど難解だと思っていたものが、それがグランジェ氏の真髄だと理解できます。
長いし内容も重いし困難な道ですが、未読の方にはお勧めです。


ももか
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No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

読むには体力・気力がいるが、それだけの価値あり

フレンチ・ミステリーのリーダーの一人であるグランジェの長編第9作(邦訳は4作目)。上下2段組みで700ページ、重さ670gという、最近では珍しい重厚長大な一冊だが、サスペンス・アクションの醍醐味が詰まった傑作である。
ボルドー中央駅構内でホームレスが殺害された現場近くにいた男が保護されたのだが、記憶喪失に陥っていたため、マティアス・フレールが医長を勤める精神病院に運ばれてきた。マティアスは、男が記憶を取り戻すための手助けをしようと治療に取りかかる。一方、事件を担当することになったボルドー警察の女性警部アナイス・シャトレは、これをチャンスとし、何としても事件を解決するべく強引な捜査を進めようとする。事件に対し反対方向から対応する二人は、激しくぶつかり合うのだが、アナイスはマティアスに惹かれるものがあった。しかし、事件現場で採取された指紋が、遠く離れたマルセイユで逮捕歴があるホームレスのものと一致し、さらにホームレスの写真がマティアスに似ていたことから事件は急展開を見せ、アナイスとマティアスは追う者と追われる者になる・・・。
解離性遁走と呼ばれる人格の分裂がメインテーマとなり、それにスパイ小説、犯人追走劇、政治的陰謀などが加わった、盛りだくさんの物語である。あっという間に人格が分裂して全くの別人として生きているという設定がやや気になるものの、アクションもサスペンスも非常にレベルが高く、700ページをまったく緩み無く疾走する作品である。
グランジェ・ファンはもちろん、フレンチ・ミステリーのファン、ミッション・インポッシブルのファンにオススメしたい。

iisan
927253Y1

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