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要秘匿



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【この小説が収録されている参考書籍】
要秘匿 (ハヤカワ文庫NV)

要秘匿の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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No.1:
(7pt)

諜報小説というより、夫婦の心理ミステリー

元CIA分析官という経歴の女性作家のデビュー作。自らの経験を生かしたという、アメリカの情報機関とロシアのスリーパーの戦いを描いた作品である。
CIAでロシアのスリーパー対策を担当しているヴィヴは、苦労の末に突き止めたロシア側ハンドラーのパソコンでスリーパーたちの画像を発見する。しかし、その中に夫であるマットの写真が含まれていたことに驚愕し、すぐに上司に報告すべきところをためらい、そのまま職場を出てしまった。10年間共に過ごし、4人の子どもと一緒に幸せな家庭を築いてきたはずの夫は、ロシアのスパイなのか? 悩みに悩んだ末に、「いつからロシアのために働いているの?」と問いかけたヴィヴにマットは「二十二年前だ」と答えた。子供たちを守るために秘密を守るのか、国家に忠誠を尽くすために夫を告発するのか。ヴィヴはマットへの不信感に葛藤しながらも、家族を維持するために苦闘するのだった。
スパイ小説ではあるが、一級のスパイ小説が持つヒリヒリした緊張感は無い。むしろ、嘘を吐いてきた相手との不信と愛情のドラマという心理サスペンスとして成功している。もうすでに映画化が決定しているようだが、確かに映画向きのストーリーである。
本格的諜報小説ファンにはやや物足りないだろうが、ホラーではない心理サスペンス好きにはオススメできる。

iisan
927253Y1

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