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まだらの紐



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まだらの紐の評価: 4.00/10点 レビュー 1件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

未読短編をみすみす見逃すわけにはいかなくて

東京創元社のドイル・コレクション第一集。
第一集に「王冠とダイヤモンド」、「まだらの紐」の2つの戯曲を冒頭に持ってくるあたり、かなりの冒険だが、試みとしては成功していない。これを純粋に愉しめるのは恐らく生粋のシャーロッキアンだけではなかろうか。戯曲はやはり芝居で観るから愉しいのであって、これをシナリオで読んで愉しめるのは彼らか好事家しかいないだろう。実はこの本を購入するのをずっと躊躇っていたのがこの戯曲が原因だった。
購入の動機となったのはコレクション第二集に収められた未読短編に触発されたからで本書も短編集未収録作品である「競技場バザー」、「ワトスンの推理法修業」、「ジェレミー伯父の家」、「田園の恐怖」を読むために他ならない。

既読の「消えた臨時列車」、「時計だらけの男」はほとんど内容を忘れており、新鮮な気持ちで読めた。前者は二人の男を乗せた臨時列車が目的地に着く前に消失するというもので、その事件が当時世間を騒がせていたフランス政府の醜聞に大きく関わっていたという構成は現在でも十分読むに値する設定だし、島田荘司氏の原点を見たような気がした。
後者は列車に駆け込み乗車をしたカップルと隣にいた男が途中で消失し、残っていたのは見知らぬ男の死体だったという事件の背景に隠れた人間模様を描いた作品。ホームズ物の長編に見られる事件解決後の事件に至る経緯を語る中篇のような話でドイルお得意のパターン。

こうして読むと第二集でもそうだが、ドイルは事件の故人や真犯人の手記で語らせるパターンが非常に多い。短編はほとんどがこの趣向である。量産作家であったが故のワンパターンに陥っていたのかもしれない。
ともあれ、コレクション中最も魅力のなかった第一集がこれで読了したので今後はまだ見ぬ傑作に巡り合う事を大いに期待したい。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S

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