栗原一止は、夏目漱石を敬愛する信州の内科医だ。

「私、栗原君には失望したのよ。

人は、神様が書いたカルテをそれぞれ持っている。それを書き換えることは、人間にはできない―。

病む人がいるなら我々は断るべきではない。

信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。

5つの感動がここに。連作医療ミステリ! 諏訪野良太(すわのりょうた)は、純正会医科大学附属病院の研修医。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

雄町哲郎は京都の町中の地域病院で働く内科医である。

広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。

国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。

高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。

ソマリアの国境付近で活動する陸上自衛隊第一空挺団の精鋭達。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。

大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。

佐和子の家族はちょっとヘン。父を辞めると宣言した父、家出中なのに料理を届けに来る母、元天才児の兄。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者」。

東城大学医学部付属病院の“チーム・バチスタ"は心臓移植の代替手術であるバチスタ手術専門の天才外科チーム。

お前なら、きっと本を取り戻せるはずだ。 幸崎ナナミは十三歳の中学二年生である。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

武蔵を心の師とする剣道エリートの香織は、中学最後の大会で、無名選手の早苗に負けてしまう。

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと―。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

小学校6年生になった長男の僕の名前は二郎。父の名前は一郎。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。

小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。

前代未聞「二児同時誘拐」の真相に至る「虚実」の迷宮！真実を追求する記者、現実を描写する画家。

敷島寛治は長野県信濃山病院に勤務する四十二歳の消化器内科医である。

「死んでいく患者も、愛してあげてよ」 命の終りを真摯に見つめる現役医師による、感涙のデビューミステリ。

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。

病気を治すのは「善」か?著者渾身の医療エンターテインメント! 離島の医療を学ぼうと、意気込んで「岡品記念病院」にやってきた研修医の新実一良。

東京でピアニストとして活躍していた柏木ユリが音楽教師として長崎にある中五島中学校へ赴任してきた。

7年前、25歳で死んでしまった一樹。

メルボルンの若手画家が描いた一枚の「絵画」。日本へ渡って三十数年、その絵画は「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく。

僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。

その眼で患者と病を見つめてきた医師にしか描けないことがある。

直木賞受賞、第一作 待望の書き下ろし長編 母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

都内の幼稚園へ赴任してきた神尾舞子。

箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。

思い描いていた未来をあきらめて赴任した高校で、驚いたことに“私”は文芸部の顧問になった。

100年先を見据えて作業をしている、神去村の林業の現場。

刑務所、そこはシャバ以上に濃厚な人間関係が渦巻く、更生の最後の砦――。