ふとした気まぐれや思いつきによって、人間を残酷な運命へ突きおとす“悪魔”の存在を、卓抜なアイデアと透明な文体を駆使して描き出すショートショート３６編を収録する。

マイホームを“マイ国家"として独立宣言。

人間の妄想を取り扱うエフ博士の妄想銀行は大繁盛! しかし博士は、彼を思う女からとった妄想を、自分の愛する女性にと……。

文明の亀裂をこじあけて宇宙時代をのぞいてみたら、人工冬眠の流行で地上は静まりかえり、自殺は信仰にまで昇華し、宇宙植民地では大暴動が惹起している――人類の未来に待ちぶせる悲喜劇を、皮肉げに笑い、人間の弱さに目を潤ませながら、奇想天外、卓抜なアイデアをとりまぜ

こんなにしっかりしたアイディアを原稿用紙五枚ぽっちにしちゃうなんてもったいない。

新鮮なアイディア、完全なプロット、意外な結末―三要素そろったショートショートの傑作。

おなかがすいたら料理をつくり、あとかたづけに、へやのそうじ、退屈すれば話し相手に。

ポオの衣鉢をつぐ幻想文学の第一人者、SFの抒情詩人ブラッドベリの名声を確立した処女短編集「闇のカーニバル」全編に、新たに五つの新作を加えた珠玉の作品集。

暑い昼下がりにもかかわらず、その男はシャツのボタンを胸元から手首まできっちりとかけていた。

ほかの星から流れ着いた〈妖精〉は従順で謙虚、ペットとしてたちまち普及した。

火星への最初の探検隊は一人も帰還しなかった。火星人が探検隊を、彼らなりのやりかたでもてなしたからだ。

毎年恒例のくじ引きのために、村の皆々が広場へと集まった。子供たちは笑い、大人たちは静かにほほえむ。

海ぞいの断崖の木にぶらさがり揺れていた少女の死体を乗せて闇の中を走る救急車が遭遇する不思議な恐怖を描く表題作ほか、ＳＦの詩人が贈る、とっておきの21編。

ある年のハロウィーン前夜、ジムとウィル、13歳の2人の少年は、一夜のうちに永久に子供ではなくなった。

先生、ごめんなさい…。痛みと後悔に苦しむ少女が知らぬ“真実”(「痛み」)。

ブラッドベリの幻の作品集として名高い処女短篇集『黒いカーニバル』から精選した作品にウィアード・テールズなどのパルプ雑誌に発表された作品を加えた初期傑作選。

幻想と叙情の詩人ブラッドベリの魔法の力で、読者はこの世には見えないものを見せられ、触れられないものに触れることができる。

自らナポレオンの生まれ変りと信じ切っている男、はたまたナポレオンの遺品を完璧にそろえたいコレクター。

昭和初期産婦人科病院だった古びた洋館アパート「樹影荘」。壁から無数に湧いてくる虫。

修道会により絶海の孤島に建てられた更生施設。

「ぼく」は6年ぶりにパリへ帰ってきた。ともに暮らしていたママが死んでしまい、からっぽのアパートは孤独を深めるだけだった。

――ヴェルヌはぼくの父親、ウェルズはぼくの賢明なる伯父さん、ポオは蝙蝠の翼をもった従兄弟、シェリー夫人はぼくの母親だったこともある。

タイム・マシンを発明して、直前に起った出来事を眺める「笑うな」など、ユニークな発想とブラックユーモアのショートショート集。

わたしは盗賊株式会社の社員。社員はほぼ百人。

旅先、フィレンツェの路上での思いがけない出会いから始まる一日を描く、とびきり優しい傑作コメ ディ(「覚えてるかい? おれのこと」)。

ショートショートの名手による、全31編! 少し不思議な商店街で起こるのは、切なくておかしくて、ときに怪しい物語。

設計技師にして発明家のわが友人ロドリックはある夜、自分は神を殺すことができると語った…。

時は24世紀、テレパシー能力をもつエスパーの活躍により、いかなる計画犯罪も不可能となり、殺人はすべて未然に防止されていた。

奇想天外な着想と巧妙な話術を身上とする、当代一流のストーリー・テラー、ブラウンがその真価を発揮する短編集。

航行中の宇宙船が、事故で破裂した。乗組員たちは、宇宙空間に投げだされ、離ればなれに漂流しはじめた。

ドタバタとは手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のことである。

香港で母さんと出会った父さんは母さんをアメリカに連れ帰った。

無数の凶兆が世界に顕現し、地獄の扉が開いた。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

不治の病を宣告された母は、誰より愛するひとり娘を見守り続けるためにある選択をする。

二号は一見本妻風、模範警官がギャング……。

売り物になるショートショートの3要素は、新鮮なアイデア、完全なプロット、意外な結末。

小高い丘に建つ一軒の屋敷。

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。

オーバー・チューリング・クリーチャ(OTC)が現実宇宙の解像度を上げ、人類がこちら側へ退転してしばらく。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

前へ七歩進んで、後ろに五歩さがる。くるりとターンして、カニ歩きで右に三歩。

横領、強盗、殺人…こんなたぐいの犯罪は一般の警察にまかせておけばよい。

海の下の、奥の奥で眠っている神の夢。大地をうごめき、すべてを食い尽くす不快なブガン。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

1958年の夏。

その病院は、火星の丘の斜面に、カバラの“生命の樹"を模した配置で建てられていた。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。