幻象機械
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昔、新刊当時その発想と作者らしいストーリーにのめり込んだものです。 しかし今となっては、ベースとなる右脳左脳機能説も大脳生理学の研究進展で当時ほどの影響力を持たなくなったばかりか、元の提唱学説の根拠のデータの有意性も疑問を持たれているようです。 そんなわけで今読み直すとどうにもそういう流行りものに依拠し便乗した薄っぺらさが感じられてしまいます。惜しい。 SFはそのときどきの科学的知見をくみ取って書かれるので、昔の名作が時代の中でどうにもおかしい作品になってしまうのは避けられないのかもしれません。まあ作者のお話作りの冴えを楽しむにとどめてでいいんではないじゃないでしょうか。 | ||||
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石川啄木でSF小説を書くなんて発想自体がすごい。 思った以上に読みやすい作品。 確かに日本人て世界中からみたらちょっとおかしい。 主な舞台の、当時の都内の光景が描かれていてそこも興味深い。 | ||||
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想像できないことを想像する天才山田正紀。 今回のモチーフは、無中枢コンピュータ? 神経線維に擬される命令伝達システムを持たない植物的コンピュータ!?である。 人間の脳ではなくて、精神を仮想空間に並列して再現してしまう この超コンピュータ「幻象機械」の発明者の大脳生理学者が、 「幻象機械」内の自分の分身と精神のフィードバックしていたら、 脳の制限を越えて、現実を正しく認識出来るようになってしまい、 日本人及び日本文化の恐るべき秘密を発見してしまうという話である。 世界一の悪で阿呆な日本人の正体を見事に暴く傑作。 西洋人は左脳と右脳の情報処理が明確だが、 日本人は西洋人が右脳で処理している虫の声も左脳で聞き、 西洋人には単なる雑音にしか聞こえない虫の鳴き声を叙情的に解釈し、 侘びとか寂びとかいう独自の文化を確立した。 日本人特有のアニマズムが発生したのは何故か? 魂などない自然の様々なものにシンクロ出来るのは何故か? 厳かな宗教的敬虔さとは程遠い、ケバい赤の鳥居とか、 俗物な成金趣味みたいな金ピカの仏像や仏壇に宗教的意味を感じるのは何故か? 日本人の感性はまともな人間とは言えない。 世界の常識からかけ離れすぎた 異質な日本人の正体を暴く凄い反日SFである。 で、実は明治時代にも日本人の正体に気付いた人物はいた。 石川啄木である。 オープニングは啄木が書いた小説として始まるので、 旧仮名遣いで読めない古い漢字が頻出して、 漢字萌えには至福の文章であろう。 旧仮名遣いの文章を一度も読んだことがない若者には勧められないが、 古臭い明治の文章でSFを書くとは山田正紀の天才性には恐れ入る。 日本文化の本質を理解したい人にも良いテキストになるだろう。 冷静に観察すれば、日本文化は吐き気がこみあげる嫌悪すべきものだと理解出来るであろう。 ぎゃーじんでなくて日本人の山田正紀が気付いた点が凄いよな。 | ||||
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大脳生理学が専門の大学助手 谷口は、日頃疎遠にしていた父が危篤との知らせを受け駆けつける。「逃げ出せ」と不思議な言葉を残して逝った父の遺品の中にあった古い同人誌、そこに載っていた石川啄木のものと思われる小説を目にしたときから、谷口の周りが、少しずつだが確実に変化しはじめていた。 暗く重苦しい調子で語られるホラー風味のSF小説です。 石川啄木の未発表作品、いまだ謎の多い脳の仕組み、その仕組みを解明するために谷口が研究開発した幻象機械(イリュージョン・プロジェクター)などなど、興味を引かれるもの不思議なものを結びつけ、そこからさらに、特殊な脳の働きを見せる日本人に隠された謎とその正体にまで大風呂敷を広げていくあたりはいかにも著者らしく、ワクワクしながら読めます。広げるだけ広げてあとは尻切れトンボ、ということもたまにあるのですが、本作ではキチンと広げたものが閉じられています。ただ、これは好みの問題でしかないのですが、解明されないままの謎が残っていたり(ワザとか?)、曖昧にせずもっとハッキリと書いてほしいところがあったのが、残念でした。 秋に鳴く虫の声を、日本人は風情があって好ましいものと聞くが、西洋人には雑音、うるさくしか聞こえない。よく言われることですが、これがなぜなのかを知りたい人は、ぜひご一読を(SFですけどね)。 | ||||
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