玄い女神



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初公開日(参考)1995年01月
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長編小説

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玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

2000年07月14日 玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

旅先のインドで、橋場亜希人が不可解な「密室」死を遂げた。10年後、橋場の恋人だった狩野都は群馬山中に「恒河館」を建て、当時の旅行仲間たち、そして桜井京介を招く。ミステリアスな「館」で展開される真相解明劇。そこへ、さらなる悲劇が…。過去と現在が複雑に絡み合う謎を、京介はどう解き明かすか。(「BOOK」データベースより)




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玄い女神の総合評価:6.00/10点レビュー 5件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

読者を突き放した、趣味に淫した作品

建築探偵桜井京介シリーズ第2作。前作がスペイン風建築で今回のモチーフはインド。しかしタージ・マハルに代表されるような豪奢な宮殿ではなく、町中にある小さな宿のような建物。

本格ミステリとはその現実離れした特異性ゆえ、いかに物語世界に読者を引き込み、その中でのリアルをいかに感じさせるかが鍵である。
したがって中途半端なことをやるよりもやるならばとことん別の世界の話とまで思わせる、もしくは隔絶された過疎地域のような地域の特殊性が出るような場を提供する方がいい。

さて今回の惨劇の舞台となる恒河館は、本格ミステリで云うところの“嵐の山荘”である。つまり作者は今まで決して本格ミステリ然とした舞台設定を好まなかったが、今回はあえてそれに挑戦している。

しかしなんとも読みにくさを感じる小説だ。特に場面が思い浮かばない。添付された舞台となる恒河館の見取り図と作内で騙られる場面が結びつかないのだ。
見取り図にはない部屋の室名で場面が語られるため、非常にシンプルな構造をしているにもかかわらず、いやそれがゆえにそれぞれの人物がどの部屋にいるのか、どの部屋を指しているのかが解りにくい。

また加えてホテルとして開業するにはこの恒河館という屋敷の部屋数が少なすぎるのもまた気になった。たった2階建てで客室が3部屋しかない構成はまるでドラクエの宿屋のようだ。どうやって経営を成り立たせるのか。このまるで現実味を覚えない設定が物語世界にのめり込むのを阻んでいた。

そういった意味ではせっかくの舞台設定が生きていないと云わざるを得ないだろう。
また物語のテーマが今回はインド神によるところが大きいのも逆にこちらの興味を殺ぐ結果となった。過去の死亡事件に関わった人々にそれぞれインド神を擬えるというのはなんとも漫画的で愕然としたものだ。ミステリアスな死者の言葉がなんとも陳腐なものとして響いてしまった。
恐らく作者自身も自覚的だったのだろう、作中登場人物の間でミステリ談義が交わされるが、そこで持ち上げられるのは中井英夫氏の『虚無への供物』。つまり日本の三大ミステリの1つであり、アンチミステリの代表作だ。あらかじめ今回は観念的な宿命論を持って来ますよということを投げかけていたのだが、その設定にはちょっと違うだろうと思わされてしまった。
こんな絵空事な宿命よりも運命の皮肉という物語の妙で勝負して欲しい。そういう意味では前作の方がよかった。

この作家に期待するのは自分の好きなものを垂れ流し的に書くのではなく、もう少し読者の目を意識した作品を著す事だ。
デビューから一貫して他の新本格ミステリ作家とは一線を画した作風で勝負をしていることは賞賛に値するが、そのマニアックな内容はあまりに排他的で、「好みが合う人だけ付いてきな」とでも云わんばかりの傲慢さを感じる。

桜井京介、蒼、そして今回出演の機会がなかった栗山深春といったレギュラーメンバーの面々は正直嫌いではない。本格推理小説でありながら推理の対象は建物に秘められた謎が主であり、殺人事件はあくまで副次的という主題性も他の本格ミステリ物と一線を画す特徴があって好ましい。
後は物語のパンチ力か。ページを繰る手を休ませないリーダビリティと心に残る物語を期待したい。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.4:
(4pt)

蒼の過去が気になる...

読んでいる最中、米澤穂信の「王とサーカス」を思い出していました。舞台は日本ですが、なぜかインドの地にいた読後感です。
作者も明言しているように、本作は建築より人物がメインでした。ページ数も講談社ノベルス版で300前後と読みやすいです。
ミステリにおいてはトリックや犯人当てより、物語そのものを楽しみたい私にとっては、面白い作品でした。
玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)より
4062649403
No.3:
(2pt)

まあ、うん・・・・

読み終えてみると、色々とネタを仕込んでおり中々面白くしようと努力した形跡が見られるが、
いかんせん裏の裏をかくような展開を狙ったせいか空回りしてしまっている感があった
あの手のネタを仕込んでおいて、でも犯人ではありませんとは何とも片手落ち
恒河館などと名前を付けておきながらただの普通の家というのも淋しい
探偵役の桜井も根暗なにーちゃんという感じで何とも魅力がない感じになってしまっている
トリックはトリックといっていいのかというしょぼいもので、これを期待して買うレベルではない
総じてこのシリーズを集めている人以外にはかなりきつい内容だろう
それでもまあ前作よりは読める内容かもしれない・・・・
玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)より
4062649403
No.2:
(3pt)

美青年探偵と美少年助手

そしてインドから来た美少年。これで一気に読む気が失せた人も多いだろう。
ちょっとBLが入っている。表紙を少女漫画風にしたなら、若い読者も
増えそうな気配はある。しかしながら、それだけではない。内田康夫の
旅情ミステリと綾辻行人の館ものを水で1/3に薄めて混ぜ合わせ、
渡辺典子が出てくるような角川ミステリにそそいだのが本作だ。
本格っぽいのだが、ある程度先が読めるのでトリックでそれほど悩むことはない。
多くの人が、やはりそうかと思うのではないだろうか。

ややゲイっぽい雰囲気と思い込みの激しそうな文章、登場する女性は
ちょっとひどい描かれ方なので、それが鼻につかなければ楽しめるだろう。
それから文庫版は新書版あとがきも一緒についているので、ちょっぴりお得
かもしれない。
玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)より
4062649403
No.1:
(4pt)

幻想的

狩野都が建てた「恒河館」のオープニングパーティーに招かれた京介と、それに無理やりくっついて来た蒼。
だが都はそこで、京介を探偵役に、10年前インドで不審な死を遂げた恋人、橋場亜希人の死の真相を暴こうとしていて……

シリーズ2作目にして「異色作」と銘打たれている本編には、今回ほとんど建築は出てきません。
レギュラー陣もかなり欠席しており、出ているのは京介と蒼のみ。
それを楽しみに読んでいると、少し拍子抜けするかなあ、と思います。

あと、ちょっと前置きが長かったです。
変わり果てたカリの姿や、過去インドでなにが起こったか、などの描写がとても丁寧で、それはそれで不思議な雰囲気を醸し出してはいるのですが、結局どこに主軸を置いて読めばいいんだよ、というのがなかなか定まらず、入り込みにくかったです。
登場人物たちのカラーがころころ変わるのも少し痛かった。

ただ物語が進み始める後半戦になるとおもしろかったと思います。
それほど意表をついたラストではないですが、土砂降りの山中、という現在の時間と、10年前の灼熱のインド、という舞台が重なり合って幻想的でした。  
細かい部分を気にしなければ楽しめると思います。
玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:玄い女神 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)より
4062649403



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