ルチフェロ



※タグの編集はログイン後行えます

【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

1.00pt (10max) / 1件

1.00pt (10max) / 1件

Amazon平均点

0.00pt ( 5max) / 0件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
0pt
サイト内ランク []-
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

72.00pt

0.00pt

0.00pt

80.00pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)2002年03月
分類

長編小説

閲覧回数745回
お気に入りにされた回数0
読書済みに登録された回数1

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

ルチフェロ (学研M文庫)

2002年03月01日 ルチフェロ (学研M文庫)

ヴィクトリア女王治下、繁栄を極める大英帝国の首都ロンドン。その街はいま、姿無き殺人鬼の恐怖に震え戦いていた。娼婦の全身をめった切りにする『切り裂きジャック』。だが犯人は、おびえた獣のように安宿の隅で震えている。彼の名はアルドゥイーノ・デッラ・アルタヴィッラ、十七歳。パレルモ生まれのシチリア人、菫色の瞳を持つ―怪物。西洋伝奇の世界を追求する第一人者が描く、新・切り裂きジャック伝説。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点1.00pt

ルチフェロの総合評価:1.00/10点レビュー 1件。-ランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(1pt)

幻想的切裂きジャック

本書はミステリ作家ならば誰もが一度は触れたくなるという、いまだにその正体が不明の、1888年のロンドンを恐怖のどん底に陥れた切り裂きジャック譚。
通常切り裂きジャック事件の検証をありとあらゆる文献に残された証拠やデータから推測し、正体を解き明かしていく方法を取るが、本書ではその正体をあらかじめ17歳のイタリア人、アルドゥイーノ・デッラ・アルタヴィッラとして物語る。

アルドゥイーノ、すなわち切り裂きジャックが娼婦達を殺し続ける理由を篠田氏は異国の生活で疲弊していたアルドゥイーノがかつて彼を慕っていた女給マッダレーナを探し求めて徘徊していたこととした。夜の街行く女性をマッダレーナと勘違いし、近づいた途端、その醜悪な姿形を嫌悪し、思わずナイフを振るったというのが切り裂きジャック事件の篠田氏的解釈である。

しかし本書の切り裂きジャック譚は通常のミステリとは違い、幻想小説風味になっている。

まず切り裂きジャックとなるアルドゥイーノは「怪物」と呼ばれ、不死身の肉体を持つ。ナイフで自らの手を切りつけても血一滴流れず、また首を吊っても正気を保ったままである。

重ねて彼を殺人の衝動に駆り立てる内なる「私」の存在。そして全てを見透かしたような謎の女性、そしてアルドゥイーノには身に覚えの無い切り取った臓器を送りつけ、さらに切り裂きジャックと名乗り、世間を恐怖たらしめた彼を見つめる存在といったように、これは前世紀最大のミステリであった切り裂きジャック事件の真相を論理的に解明する謎解きではなく、世に残る切り裂きジャック譚をモチーフにした幻想小説といった方が妥当だろう。

切り裂きジャック=アルドゥイーノの一人称で終始語られるこの物語は、作者の独りよがりの観念的な話が延々と続き、その世界観に浸りこめる読者以外にとっては読後の爽快感を得るところとは対極に位置するものだろう。

不死身の肉体を持つアルドゥイーノの正体は、再生を繰り返しては転生した各時代でその都度自分の永遠の伴侶となる者を探し、出逢い、そして別れを繰り返すという無限の苦行を繰り返す存在だった。魂の枯渇を癒すため、片割れを探し求める手段は彼のその時の時代と身分で異なり、1888年に現れた彼は、娼婦を殺し続けるというものだった。

しかし篠田氏は本当に美しい男性が好きなのだなぁ。彼女のシリーズ建築探偵桜井京介もまたハッとするほど美しい容姿を持った男だし、思う存分作品で趣味に淫している感じがする。

こういうところが私の波長と合わないように感じる。雰囲気を出そうと過分に捏ねくり回した文体もまた読書の波に乗ることを妨げているようにしか思えなかった。
本書で唯一読書の興趣を引いたのは切り裂きジャック事件で当時のロンドン市民がどのように噂をし、どのような悪戯をし、また云われの無い疑いをつけられ、暴力を被ったのかが断片的に語られるところだ。このような知的好奇心がそそられるエンタテインメント性がもっと欲しいものだ。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

Tetchy
WHOKS60S
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

スポンサードリンク