エアー3.0
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爽快で面白い! 自分自身が主人公と並走して "新しい世界" を発見していく疾走感がたまらない。そりゃそうだ。進化した人工知能「エアー」の "お告げ" で国家予算に比肩する莫大な富を築いた主人公が、理想郷を作るために世界を駆けぬけ、彼の周囲の面々(と読者の我々)の固定観念を次々に壊していく。金があるからたいていのことはやれる。邪魔者の思惑をはるか置き去りにして主人公が進んでいく。彼を通して見た "世界" と、彼が描くビジョンを明確に伝えるために、「エアー」が築いた富と主人公が備えた資質が、些事を全て掃除してしまっているのだ。夢のようだ。そう。結末まで、夢のようなのだ。前作「エアー2.0」から読んでみて欲しい! 日本に横溢する何とも言えない閉塞感の源が見えるような気がする。この主人公のように生きるならどうするかな…と思えば、日常がちょっと変わってくる。 | ||||
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『エアー3.0』を2日かけて一気に読みました。質量ともに作者の今までの作品を凌ぐような重厚な内容で、心底驚きました。こんなスケールのミステリーには、今まで出会ったことがないため、最初のうちは、頭の中がクエスチョンだらけになったほど。「これってミステリーなの?」「犯人とか被害者はどこ?」「刑事事件とかじゃないの?」「アリバイやトリックはどこに行っちゃったの?」みたいな。だから、いわゆる普通のミステリーを期待していると、あっさり裏切られるのではないかと思います。その裏切りは、読み進めるうちに、驚きとなり、最後は感嘆、驚嘆となるのですが。ミステリーというエンターテイメントの範疇に入る作品であるにもかかわらず、経済や政治、さらには宗教を含む思想の研究書あるいは解説書、そして、この世界の未来に対する予言書、警告書のような印象もあるからです。もはやミステリーを超えちゃったんじゃないの?というのが、正直な感想でした。そして、読み終わった今は、その感を強くしています。まるで、作品自体が榎本憲男という作者の手を離れて、勝手にバージョンアップしていったのではないかというように。あるいは、執筆されているうちに、作者の意図を超えたところに、勝手に連れて行かれたのではないかと思うほど。私が作品全体に感じた衝撃は、このようなものでした。よくわからないけど、何か、とてつもないものを読んでしまったのではないかという畏怖さえ感じました。作者自身が、エアー3.0をまかされた中谷をさらに超越するペイマスターになったかのような印象でもあります。 『エアー3.0』には、作者が他の作品でも追求されている、「この世の真理とは何か」の一つの解のようなものがあるのではないかと感じます。そしてそれは、作中に登場人物が瞑想をするシーンがありますが、作者自身が日々実践しているヴィパッサナー瞑想、原始仏教のカルマ論と密接に結びついていくと感じられる。 エアー3.0に選ばれた中谷が、ペイマスターとしての任務を遂行する際に心がけていることは、「利他心に通じるやさしさと公平性」でした。現在、行き詰まっているように見える資本主義に欠けているものを補う役目をするのが、やさしさに満ちたカンロ(の分配)であり、現在の貨幣流通のネットワークに、カンロを絡ませその普及を徹底させれば、理想的な経済機構が構築されるのではないかというように。そういう意味では、エアー3.0というハードウェアをつくった「老人」と、ソフトウェアにあたるその運用をまかされた中谷は、車の両輪の神のような存在に思えます。複雑な金融工学の計算に加えて人々の感情さえ数値化し、進化の産物である人間の脳の完成版ここにあり!というようなコンピューターであるエアー3.0。それは、100%の未来予測まで可能にします。ただ、それだけでは、不十分であったという。なぜなら、ゲーデルの不完全性定理でも証明されたように、数字や理論に裏打ちされた科学には100%という一見完全に見えるゴールさえ、自ら否定する不完全性というか不満足性をはらんでいるからです。それを補うのが、中谷の役目であった。ということは、中谷は、エアー3.0を超える叡智というか、エネルギーの持ち主だということになります。神のような完璧な知性を超えるのは、欠点だらけの人間だったとでもいうように。そこに、一つのどんでん返しが隠されているような気がしてならないのですね。人間の感情は石油や原子力のような無機質なエネルギーではありません。ましてや、お金でもない。お金では買えないもの、気づきや生きてることの実感、それこそが、感情に翻弄される弱点だらけの人間の証なのだから。人間は、どれほど訓練し、学習しても必ず間違えます。一方、進化を極めたエアー3.0のようなコンピューターは間違わない。間違えるから劣るのではなかった。間違えるから、救われていたのです。それが、中谷の存在意義なのではないかと感じられたのですね。 小説のラストには、心底ショックを受けました。こんな展開が待っていたなんて!まんまとしてやられた!!と思わず天を仰いだほどです。ここのところは、ミステリーとしての最大の山場であり、専門書などからは決して得られない醍醐味でもあります。この作品の続きを読まずにはいられない!そんな焦燥感にかられたくらいでした。してやられた!というと、普通はネガティブな印象に受け取られますが、ミステリーでは、そういう気持ちになれるのは、至福の境地なのですね。こんな力作を世に出してくださった榎本憲男氏、そして、出版社の方々に、心から感謝申し上げます。氏の作品は、ミステリーの範疇からはみ出すというか、そういう規定を凌駕するパワーを秘めているゆえに、どのように解釈したらいいのかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。でも、それこそが、すでに、世間の理解の枠を超えているという証拠なのではないでしょうか。異次元の作家榎本憲男のファンの一人として、これからも活躍を期待します。 | ||||
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読みはじめたら止まらなくなった。読み終えた今も、この世界から抜けきれない。ボーっとしている自分がいる。これは読まなきゃ損だ。断言する。なかなかお目に掛かれない小説である。興奮さながら言わせてもらえば、エアー2.0から読んでの、新作3.0に手を伸ばして欲しい。その方が絶対オモロイ。 冷静になり、少しだけ感想を。 時、自民党総裁選の決着がつきました。マスコミの偏向報道が目に付く総裁選15日間でしたが、本作にも偏向報道の裏側がリアルに描写されており、小説を読みつつ、ふとニュースを見ると、リアルタイムに生生しさを感じずにはいられませんでした。 大丈夫か、日本のお偉いさん?これ読んで勉強しろ!クズが! byイゴール | ||||
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一気に読みました。すごい! いや、すごいです。『サイケデリック・マウンテン』が最高傑作だと書いたのに、エアーはやっぱり特別でした。『エアー2.0』があのような形に終わってどのように先を進めるのだろうと思っていたら、驚愕の展開でした。もはやミステリーというようなジャンルには収まらないところまでいっています。それでいて、やっぱりミステリーなんです。それに、榎本氏は映画出身だけあって映画へのこだわりがいろんな作品に見られますが、本作は取り扱いが独特でした。読み終えて呆然となってしまいました。こういうものを書けるのは榎本憲男しかいませんね。ぜひ続きを! | ||||
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スゴイの一言です。言葉がみつかりません | ||||
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