(アンソロジー)

幻の探偵作家を求めて



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幻の探偵作家を求めて 完全版 下 (論創ミステリ・ライブラリ)

2020年05月11日 幻の探偵作家を求めて 完全版 下 (論創ミステリ・ライブラリ)

第2期『こんな探偵小説が読みたい』に加え、単行本未収録の第3期や関連エッセイを 大幅に増補。さらにアンソロジーの解説を併録した決定版!(「BOOK」データベースより)




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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.5:
(1pt)

名作『探偵作家尋訪記』、やっとまとめて読めると思いきや……

コロナ禍のせいにするわけじゃないですが、何かと
せわしなくて、こんな本が出ていたとは知りませんでした。
ああ、あの傑作「幻作家探訪紀行珍道中」がやっとガッツリ
読めるんですね。早速注文、っとその前に、中身拝見で
目次でも見てみましょうと思ったら、なんと総数488ページの
うちの半分近くが……。

●結論
この本の268ページから478ページは不要です、要りません。
他の過去の鮎川アンソロジーの鮎川解説の転載です。

カッパノベルスの鉄道推理傑作選3冊分
トクマノベルスの鉄道推理ベスト集成4冊分
双葉新書の怪奇探偵小説集3冊分
さらに密室探求やら恐怖推理小説集やら2冊分

全部で12冊分の編者解説がエッセイ扱いでぶち込んであります。
いったい何が起こったのでしょうか? とんだ水膨れです。
それぞれの解説の中身の面白さに問題があろうはずはありませんが、
それとこれとは別問題、とんだ水増しです。

日下三蔵は、ボーナストラックやレアトラックスの謂いで自分の本に
おまけをつけるのが大好き、さらに最近では、もっぱら自分の編纂書が
立つ、自立する、倒れずに立つのがモットーらしいですが、これは
やっぱり、あまりにも横滑り、あまりにもやりすぎでしょう。
ぶよぶよと身体ばかりが肥大化して、そのくせ頭は貧弱な、まるで
最近のデジタル・ゴジラみたいです。これだけ後半が肥大化すれば、
そりゃ文句なく自立する本、無条件で倒れない本にはなるでしょうが、
ありがたくも何ともありません。尋訪記のみでガッツリまとめてもらった方が
なんぼかうれしいです。それで自立する本の方がうれしいです。
日下三蔵は言うでしょう。「いや、あれ(編者解説)もう、いまは読めませんから」
そりゃそうでしょう、ほとんど40年以上前の本ばかりですから。
しかしだからと言って、ここを先途とぶち込むのはいかにも勇み足、
せっかく探偵作家尋訪記が一本化されるというこの本の最大魅力、
その足を引っ張って、あたら薄めてしまうだけです。本末転倒です。

●前兆、というか予兆
それは確かにありました。角川文庫の風太郎ベストコレクションです。
全32巻の文庫版プチ全集は、風太郎山脈のそれぞれの山から数冊づつの
代表選手を選りすぐったもので、ジャンルや作品傾向でまとめるといった
感覚の強かった風太郎作品集の中では、特に意外な異彩を放つものです。
抽出作業だけでも労作の名に恥じません。各冊の帯には当世人気作家の
推薦文が躍り、当然、彼らの新しい風太郎酔読エッセイが読めると思い、
わくわくしたものです。しかし現実には、彼らの推薦文は推薦文止まりで、
その先はありませんでした。代わりに、ある忍法帖では中島河太郎の
角川文庫解説と北上次郎の時代小説文庫解説の再録が並び、日下解題が続く、
ある探偵作では解説の類はいっさい無く(光文社文庫版を下敷きにした)
日下解題のみ。当時の感想は端的に言ってデコボコ、ああ、引っ張って
こられるものは複数でも収録するけど、無ければ何もしない、田島昭宇の
全巻描き下ろしイラストも、ジャンル混交ではかえってアダとなり、
読みやすい大活字組も、なんだか締まりが無く空々しく、大枚払って
全巻購入した自分が虚しく感じられたものです。日下三蔵にも、彼には
彼なりの苦悩も苦労もあったでしょう。しかし、私の感想もまた、
現実に代金を払って購入した者の、偽らざる実感です。

そして、今回の『尋訪記完全版』の目次に感じた水増し感覚、
蛇足感覚もまた、偽らざる実感です。よく見ると「解説集1」と
なっています。ひええ。下巻もこの調子で水膨れなのでしょうか?

いやあ、やっぱり「尋訪記」のみで全一巻の方が、
はるかにいいと思いますよ、ホントに。
幻の探偵作家を求めて 完全版 上 (論創ミステリ・ライブラリ)Amazon書評・レビュー:幻の探偵作家を求めて 完全版 上 (論創ミステリ・ライブラリ)より
4846016935
No.4:
(5pt)

資料的価値きわめて高し!

鮎川哲也氏が忘れ難い過去の作家を実際に訪問をして、じかに話を聞いてゆく探訪記。
数作しか発表していない人もいるが、鮎川氏はきちんと、その数少ない作品を書くにいたった情熱や動機を引き出している。
また、編纂者の日下三蔵氏の努力にも敬意を表したい。
鮎川氏の探訪記のほかに、各種のアンソロジーの解説、解題も収録してくれているので、鮎川氏の探偵小説論としても読める。
資料的にもとても価値が高い。
考えて見ると、ここ数年は日下三蔵氏と東雅夫氏の編纂した本ばかり買って、読んでいる気がする。
幻の探偵作家を求めて 完全版 下 (論創ミステリ・ライブラリ)Amazon書評・レビュー:幻の探偵作家を求めて 完全版 下 (論創ミステリ・ライブラリ)より
4846016943
No.3:
(1pt)

論創社と探偵小説ギョーカイの堕落

前回の上巻から一年近くも経っての下巻発売。これだけ時間をかけたのだから今度こそほぼノー・ミス・テキストなんだろうなと不安を抱きつつ読んでいったら、やっぱりおかしな箇所がある。ぼんやり者の私でさえ目に付いた誤字の一部がこれら。

城崎竜子 ハルピンお竜行状記 →×  城崎龍子 ハルピンお龍行状記 →〇  26頁
『詰めパラ』→×  『詰パラ』→〇  250頁
寶石  268頁  雑誌『宝石』の表記、間違いではないが引用文でもなく他は‶宝石〟なのになぜ統一せず?
用人棒 →×    用心棒 →〇  305頁
言薬 →×    言葉 →〇  313頁
靴時中 →×   戦時中 →〇  341頁
杉山平一の阪神・淡路大震災体験記なんて50行にも及ぶのに、全く同じ文章が本文273頁と解題476頁に意味もなく二度も掲載されており、トータルなゲラの最終チェックを誰もしていないのが見え見えだ

編者・日下三蔵は「上巻の校正担当者がミステリに詳しくなかったので下巻は浜田知明に頼んだ」と言うが、先日出た『甲賀三郎探偵小説選Ⅳ』のレビューにて指摘したとおり浜田は漢字の‶龍〟と‶竜〟の区別がつかないらしい。城崎龍子の場合は初出に‶竜〟と書いてあったのを踏襲したのかもしれないが、この「ハルピンお龍行状記」はつい最近同人出版されたばかりなのでそれを読んだ人は‶龍〟のほうが正しいと御存知の筈。しかも同じく浜田が校正をしている、刊行中の春陽堂『完本人形佐七捕物帳』でも‶佐七〟を‶左七〟としている箇所があった。校正スケジュールがタイト過ぎるのか、老いて集中力が衰えてしまったのか。

そして下巻には本来予定に無かった‶索引〟が付けられたが、それが呆れるような経緯なので今後探偵小説関係の新刊書が制作される時にいま以上にこんな事が繰り返されない為の参考として記しておく。
-ある日のSNSでのやりとり(大意)-

△新保博久  東雅夫との会話の流れで「最近は索引の必要性が軽んじられている」という話題になり、
鮎川哲也のこの復刊においても「付録を削ってでも索引を優先すべきでは?」と日下三蔵へ問いかけ

▲日下三蔵  「作成するには金がかかる訳で」「大した金額でなければ付けていますよ」と反論

△新保博久  金額・分量・日数を仮定し「索引が全然ないより遥かに望ましいのでは?」と再度問いかけ

▲日下三蔵  「そこまでおっしゃるなら上下巻共通の索引を下巻に付けますので、ぜひ作成をお願いします」

こんなやりとりがあって気の毒にもシンポ教授は上下巻共通の‶索引〟を作らされる羽目になった。‶索引〟作成が面倒な作業なのは素人とてわかるけれど、日下が編集費の半分をシンポ教授に払うったって他者へ丸投げって〝あり〟なの?編集者と日下の最初の打ち合わせで‶索引〟の作成はそんなにもウザがられたんだろうか?

外部からの口出しだったかもしれないけれど、鮎川哲也の『幻の探偵作家』シリーズは単なる尋訪記に終わらない資料性を内包する内容だから、私は新保の言い分のほうが正しいと思う。今回の論創社版では付録つまりボーナス収録で鮎川のアンソロジー解説まで載せてしまい、『幻の探偵作家』シリーズのコンセプトが見えにくくなったのは上巻のレビューで述べた。下巻は紙幅の都合で92年以降のアンソロジー解説は全てスルーしたと日下は言うが鮎川マニアなら当然それらだって読みたかっただろうに。だ・か・らアンソロジー解説は無理して載せずに、将来企画されるべき(『幻の探偵作家』シリーズを除く)『鮎川哲也随筆集成』みたいな本のリリースまで待って一気に纏めるほうが理想的だった。

で、こう書けば日下ひとりが悪いように見えるけれど問題はそう単純じゃない。
ここ最近、もう何回「頼むから誤字の無い本にしてくれ」と論創社に言い続けただろう?
横井司と当時の担当者達がずっと『論創ミステリ叢書』立ち上げから築き上げてきた、論創社の信頼に足る本作りの信念は崩壊しつつある。的確な収録内容にする為の編纂者との‶なあなあ〟ではない意見交換、正確なテキストを作る校正者の人選とそのスケジュール管理、そして最終チェック。そういった一連のディレクションを現在の担当編集者と上層部は理解しているか?日下のような立場の編纂者がどんなに頑張っても出版社側の人間が無能では最終的に全てが駄目になる。

『少年小説コレクション』を放り出して鮎川の少年ものを『論創ミステリ叢書』へ押し込んでしまい、あの復刻の仕方で鮎川ファンは本当に喜んだろうか?そして今回の『幻の探偵作家を求めて 完全版』・・・。アンソロジー採録に際し他人の作品でさえ納得がいかなければ加筆や訂正を提案する程の気概を持っていた鮎川哲也。その鮎川スピリットを論創社と日下三蔵が継承しているとは到底思えない。
幻の探偵作家を求めて 完全版 下 (論創ミステリ・ライブラリ)Amazon書評・レビュー:幻の探偵作家を求めて 完全版 下 (論創ミステリ・ライブラリ)より
4846016943
No.2:
(2pt)

上巻の正誤表は何処⁈

待ちに待った下巻です。
未収録作?記事?単行本化は歓迎します。
ですが、今回は日下さんらしからぬ本ですね。かつて編集された鮎川作品集では発売後に発見された連載作品のうち未収録回分を続巻に載せたことに アンソロジスト、エディターとしての熱を感じていたのですが。
今回は本書に上巻の正誤表が載ることと期待していました。せめて出版社のホームページに掲載されることを願います。
幻の探偵作家を求めて 完全版 下 (論創ミステリ・ライブラリ)Amazon書評・レビュー:幻の探偵作家を求めて 完全版 下 (論創ミステリ・ライブラリ)より
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No.1:
(2pt)

もっと鮎川哲也と幻の探偵作家達にリスペクトを込めて復刊してほしかった

鮎川哲也による小説以上の大功績であり日本探偵小説評論書のBest 3に入る永遠の名著。
あまりに遅すぎた復刊を心から喜びたかったのに・・・逆に小さな怒りさえ感じている。

*          *

昭和40年代の時点で現行本で入手不可だったり忘却されていた不遇な探偵作家達を鮎川哲也と島崎博が、
(バディ役は後に交代する)その消息を苦心して調べ、珍道中よろしく各地を尋訪するというシリーズ。

音楽/映像ソフトでも、再発時のボーナス・コンテンツはそりゃ無いよりあったほうが嬉しいに決まっている。
しかし今回は本全体の半分近いページ数で日本探偵小説アンソロジーを多数編んだ鮎川が書いた解説部分を増量、
それがあまりにが多すぎて「幻の探偵作家を求めて」シリーズ本来のコンセプトが見えにくくなってしまった。

その膨大な解説群で扱われているのが本書に登場する作家以外の〝幻の探偵作家たち〟だけならまだしも、
誰でも知ってるメジャーな大物:江戸川乱歩・横溝正史・海野十三・夢野久作らまでも出てくる。
これは鮎川の書いたものなら洗いざらいブチこんでやれという日下三蔵らしいやり方で、
全体の構成を無視してでも鮎川ファンが喜ぶならそれもいいだろう。

とにかく誤字が多い。それも本編より、ボーナス収録したアンソロジー解説部分に入ってそれが顕著に多い。
従来、作家の癖を活かすために引用する底本で変な物言いがあってもそのまま復刻することは間違いではない。
けれど本書は小説ではないし、引用する底本に鮎川の書き癖とは思えない明らかな間違いがあるのなら、
それは訂正してあげるべきでは?最終決定稿ならぬ「完全版」と名乗っているのなら。

「辛い」が「幸い」とか、その程度のタイプミス数ケ所だったら私もそこまで気にしなかったろう。
「高橋鐵」→「高橋鉄」もありがちだし許す。でも「山本禾太郎」→「山木禾太郎」、「小松龍之介→小松龍之助」、
こんな固有名詞のミスが多いと、さして目ざとくもない私でも読んでいてどうしても気になる。
最も酷いのはアルセーヌ・ルパンのイニシャルを「A・N」と間違えており、初めて読む人がいたらまるでこれじゃ、
鮎川哲也という人はアルファベットもろくに知らず、なんと粗雑な作家だろうと誤解されてしまうではないか。

新刊本を買ってもTwitterでアピールしてそれで終わりで、ちゃんと読まない人が多い。
加えてこの業界は厳しい事をいう人がおらず〝なあなあ〟な空気が蔓延しているせいだろうか、
作り手に緊張感が欠落しているとしか思えない。他ジャンルの本でここまでこの種のミスに出会う事はまず無いし。

論創社の担当者に言う。決定もしないうちから「今後この作家をこの収録内容で刊行します」などと、
早々とtwitterでふれ回ったり、一般発売日よりずっと前から神保町の一部書店等で新刊を先行発売して、
そこへ買いに行けない人達の飢餓感を煽ったりする暇があったら、まずは信頼できるテキストの本を作るべし。

そもそも本作に至るまで、復刊仕事をなんでもかんでも日下三蔵と論創社にばかり依存していて大丈夫か?
日下が急にポックリ逝ってしまわないとも限らないし、論創社が突然傾く事だってないとはいえない。
現に光文社グループの厄介者扱いされていたのか、ミステリー文学資料館は閉館が決定してしまった。これでいいのか?
ずっと順調だった探偵小説復刊の流れも、遠くない将来のことを一度ちゃんと考える時期が来ている・・・。
幻の探偵作家を求めて 完全版 上 (論創ミステリ・ライブラリ)Amazon書評・レビュー:幻の探偵作家を求めて 完全版 上 (論創ミステリ・ライブラリ)より
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