終止符(ピリオド)
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夏には観光客が集まる海辺の小さな港町で、連続殺人事件が起こります。最初の事件は、麻薬中毒のどうしょうもない小悪党が斧らしきもので首を切断寸前までぶった切られます。そして次は、土地の有力者である不動産会社社長がまったく同様の殺され方で。 定年退職寸前の警察署長と警部2人、巡査2人しかいない警察署に、近隣都市から凄腕の刑事部長ファン・フェーテレンが応援で駆けつけることになります。後に彼の部下ミュンスターもやってきて、共同で捜査に当たるのですが、遅々としてはかどらず・・・とうとう3人目の犠牲者が出てしまいます。3人目は資産家医師の息子で自身も医師の、容姿にも恵まれたエリート男性でした。やっとみつけた3人の被害者の共通点と言えば、ごく最近この町に帰ってきたということだけ・・・果たして真相は?というストーリーです。 北欧ミステリによくある設定ですが、主人公のファン・フェーテレンは離婚経験者、警察署長もすでに妻を亡くしています。女性警部のメルクはボーイフレンドがいたりいなかったりの一人暮らし。それぞれが内面的な悩みを抱え、孤独な独白を繰り返しながら、日々の仕事に集中しようとしています。部外者であるファン・フェーテレンを暖かく迎える署長ですが、2人が日々一緒に食事をし、飲み、話あうおじさん2人のシーンがなかなか渋くてステキです。 また、女性警部メルクが、夫と子供と家とボートを持っている友人たちを羨み、自分はもう31歳なのに何も持っていないと悩むところなど、とても先進的なスウェーデンとは思えません。それとも作品が書かれた1994年当時はあちらでもまだこんな感じだったのでしょうか。彼女はまた「日曜には実家に帰ってくるの?あんな恐ろしい事件にあなたが関わることないでしょう?あんなの男の人の仕事でしょう?」としょっちゅう電話をかけてくる母親にも悩まされていて、まるで日本のようだと笑ってしまいました。 物語は登場人物の視点が入れ替わり、時には犯人の視点からも描かれます。少しずつ集まってくる手がかり、出向き、調べ、情報を持ち寄って、状況を詰めていく警官たち、地道な捜査がだんだんと真相を明らかにしていきます。犯人は意外な人物でした。とてもよくできた警察小説だと思います。 この作品はシリーズ2作目でスウェーデン推理小説アカデミー最優秀長編賞を受賞しています。以後、毎年のようにシリーズ作品が発表され、2003年に最終の10作目が発表されているようです。スウェーデンではミステリ好きなら誰もが知るシリーズだそうで、テレビドラマにもなっているのですが、日本では本書しか翻訳されていません。ホーカン・ネッセルの作品は、他には「悪意」と言う短編集が翻訳されているだけですが、この中の1作品はハリウッド映画化されているそうです。 他のレビューアさんも書いていらっしゃいますが、このファン・フェーテレン・シリーズ、今からでも全巻、翻訳出版してもらえないでしょうか。とてもいい作品だと思います。 | ||||
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この著者の作品はこの1作しか翻訳されていません。 ヨーロッパでは人気作品でテレビドラマにもなっているし、最優秀ミステリーにも選ばれているのに。 首切魔と呼ばれる連続殺人犯が現れ、3人の人が犠牲になります。 主人公は捜査を担当する部長刑事。 地道な捜査が続きます。 ろくでもない男のせいでダメになった女の子の人生。 彼にとって、破壊しても良心の痛みも覚えない存在。 でも、その女の子も他の誰かにとってはかけがえのない存在。 ほろ苦い結末。 他の作品も、翻訳してほしかったな。 | ||||
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