ニューヨーク大聖堂



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初公開日(参考)2005年05月
分類

長編小説

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ニューヨーク大聖堂(下) (講談社文庫)

2005年05月10日 ニューヨーク大聖堂(下) (講談社文庫)

テロリスト集団との息詰まる神経戦。NY市警が誇る凄腕人質交渉人シュレーダー警部の様子がどこかおかしい。組織間の政治的思惑、イギリス軍情報部マーティン少佐の暗躍に翻弄されながら、警部補バークは秘策を探り続ける。爆破か突入か。随一のストーリーテラー・デミルのサスペンス大作は、衝撃の結末へ。 (「BOOK」データベースより)




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ニューヨーク大聖堂の総合評価:7.46/10点レビュー 13件。Bランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

デミルの若書き

デミル1981年の作品。デミルの未訳作品がこうして講談社から発表される意義を高く買う。
しかしそれと書評とは別で、やはり約四半世紀前のデミルは若書きがどうしても目立ってしまい、ページ数の割には物語が雑だったという印象が残る。

まず一介の警部補であるバーク。彼に設定を盛り込みすぎだ。
最後の最後で実は○○のエージェントだった、なんていう隠しネタが披露されるのかと思っていたが、結局はただの、いや頭が切れる優秀な警部補に過ぎなかった。しかもこれがデミル作品の主人公とは思えぬほど、キャラクター像がはっきりしない。
事件全てを見据える冷静沈着な人物と設定したのが逆に仇になったようで、救出作戦の委員会メンバーそれぞれが私欲と自らの保身に腐心している様子を描写されているがゆえに人間くさく、バークよりもキャラクターが立っていた。特に突撃隊の隊長を務めるベリーニがこの中でも白眉だろう。
そして敵役のフリン。冒頭の神の啓示が降りてきたかのような不思議なエピソード、そして仲間うちから語られる伝説的なIRAのリーダーという触れ込みで登場した割にはラストの銃撃戦での活躍が全くと云っていいほどなく、むしろ突然の攻撃に右往左往する体たらくだ。結局彼の唯一の仕事は装甲車をバズーカで吹き飛ばしただけだった。
他のメンバーもあまりにも呆気なく、作者はむしろそれまであえて詳しく描写しなかったリアリーをここに至って縦横無尽に操り、フラストレーションを爆発させたかのようだった。

実際、ニューヨーク大聖堂籠城事件をテーマとして扱った本書は上下巻合わせて約1,070ページもあり、下巻の350ページ目でようやく銃撃戦の幕が開く。それまでは発端と犯人とネゴシエイター及びバークとの頭脳線を中心として物語が流れる。
これはアクション巨編としては読者にストイックさを要求する構成で、確かに途中、人質となったモーリーンとバクスターの数度の脱出劇が挟まれるものの、物語の持続性を保つのにはいささかエネルギーが欠けている。そういった意味でもエンターテインメント作家デミルとしての青さが目立つ。

そして最後のハッピーエンド。いや、ハッピーエンド自体は嫌いではない。ただ、何となく色々なことがうやむやにされた終わり方が非常に座り心地が悪い気持ちにさせられるのだ。
マーティンの結末の呆気なさ、そして冒頭で囚われの身となったシーラの行く末。これらが実に消化不良で幕を閉じる。これは最近の『王者のゲーム』でも見られた喉越しの悪さと全く一緒である。

確かに過程は読ませる。しかし小説とは結末よければ全て良し、つまり裏返せば結末が脆弱ならば過程が良くても全てが台無しになる、面白さは半減するのだ。7デミルだからこそ、期待値も高くなるわけで、最終的にはやはりデミルの若さ故の荒削りさが目立ったというのが正直な感想である。


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No.12:
(1pt)

テンポが...

さすがに今読むとデミルの作品にしてはテンポが遅いと感じます。登場人物にも際立った存在おらず、どうも感情移入出来ませんでした。
ニューヨーク大聖堂(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューヨーク大聖堂(上) (講談社文庫)より
4062750899
No.11:
(1pt)

リーダー存在感0

結局、テロリストたちの大義名分はわかりましたが、リーダーの立ち位置がピンときません。存在感も全くなく、お粗末過ぎます。仲間を無駄死にさせるだけさせて、いったい何がしたかったのか。最後に何か隠れた動機が明かされるのかと期待してたのですが、、、あっさり終了。
決してテロは成功しないと教訓にしたかったのでしょうか。これは過去に発表された作品だからと割りきれませんでした。
ニューヨーク大聖堂(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューヨーク大聖堂(下) (講談社文庫)より
4062750902
No.10:
(4pt)

ネルソン・デミルの佳作

ネルソン・デミルの魅力は背景やディテイルが必要十分に細かく、読み手の集中を切らさない点にあると思う。今回の背景は、IRAとアイルランド系移民の話で、このあたりの情報がきちんとストーリーの中に入ってくるので読みやすい。

さて、物語はアイルランド系移民の祭典、聖パトリックのパレードのさなかに勃発する。フィアナ騎士団を名乗るIRAの一派が枢機卿、神父、イギリス駐米大使、そしてアイルランド和平に携わる元IRAの女性活動家を人質にニューヨーク聖パトリック協会に籠城する。

全体で12時間の籠城戦なので読む速度とほぼ同時に物語が進行していく感じがする。
ニューヨーク大聖堂(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューヨーク大聖堂(上) (講談社文庫)より
4062750899
No.9:
(4pt)

スリラーサスペンスの王道

籠城開始から数時間を経て、交渉人を始め、役者が揃った。
タイミリミットに向けて、息詰まる交渉が始まる。

心理戦、政治的駆け引き、裏工作、スリラーサスペンスに必要な要素がギッシリと詰まった後半は、時間を忘れる程に引き込まれる。

そして、リミットタイム。

このクライマックスに向けて凝縮される。

ネルソンデミルの放った佳作であることは間違いない。
ニューヨーク大聖堂(下) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューヨーク大聖堂(下) (講談社文庫)より
4062750902
No.8:
(4pt)

ディテールまでしっかり構築された、第一級のサスペンス

ネルソン・デミルが’81年に発表した、文庫上・下巻で1089ページにも及ぶ大作である。

時は1984年3月17日、223回目のアイルランド人の祝日「聖パトリックの日」に、ニューヨークはマンハッタンにそびえ建つ聖パトリック大聖堂がIRA暫定派から分離した<フィアナ騎士団>と名乗る武装グループに、4人の要人が人質に取られて占拠された。彼らの要求は北アイルランドとイングランドにある収容所に拘束されている137人を夜明けまでに釈放し大赦をあたえること。これが果たされない時は人質を殺し、大聖堂を爆破すると。仕掛けられた爆薬の起爆時間は翌朝6時3分。猶予はおよそ12時間。

ストーリーは、タイムリミットに向けて緊迫感をはりつめながら進行してゆく・・・。
聖堂の外では、プロの人質交渉人を表に立てながらも、州知事、市長、市警、CIA、FBI、国務省、イギリス外務省のメンバーたちがそれぞれの思惑で功を競い合い、イギリス軍情報部の少佐が陰で暗躍する。
聖堂の内では、人質が脱出の機をうかがい、たてこもった<フィアナ騎士団>の体制が次第に明らかになっていく。

第5部「攻撃」に至って、たたみかけるような大聖堂での攻防戦が展開されるのだが、デミルは、主人公のニューヨーク市警情報部のバーク警部補を軸に、ほとんど分秒刻みで、きわめて冷静に、客観的・写実的・ドキュメンタリータッチにこの重大テロ事件を描いている。とてもフィクションとは思えないほど、およそ考えられる限りの情況がディテールまでしっかり構築されている。

ともあれ本書は、そのヴォリュームにもかかわらず、思わず一気に読みきってしまう、警察小説、謀略小説、恋愛小説などの要素をたっぷり放り込んだ第一級のサスペンスである。

ニューヨーク大聖堂(上) (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューヨーク大聖堂(上) (講談社文庫)より
4062750899



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