パリから来た紳士
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.50pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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東京創元社によるカーの第3短編集。これも独自に編まれた短編集で、ノンシリーズが2編の他にフェル博士物、マーチ大佐物、HM卿物とカーの作品のほとんどの探偵が出ており、かなり贅沢な印象を持つが、各編の中身はさほどでもない。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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著者のシリーズ・キャラクター H.M卿、フェル博士、マーチ大佐が、不可能犯罪の謎を解く短編集。 いやいや、これは無理でしょう、というお話はあるものの頭の体操には丁度良い読み物と思う。全9話と短めの作品で、キレの良さは全集の中では一番。 紛失した遺言書の在りかを推理したのは「パリから来た紳士」、足跡のない砂浜で絞殺された女「見えぬ手の殺人」、フェル博士が出会った男の問わず語り「とりちがえた問題」、謎の会社の仕事とは「ウィリアム・ウィルソンの職業」、主なき声からの脅迫「奇蹟を解く男」がマイ・ベスト。 | ||||
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今、読んでいる最中です。短編集なので、第一話の「パリから来た紳士」は読み終えたところです。まさか文中に、あのミステリー作家の名が出てくるとは驚きました。この時代のミステリー作家達の繋がりとはどういったものだったのか。。興味がわきました。 | ||||
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本書収載の作品の中では、表題作の「パリから来た紳士」と「とりちがえた問題」、「外交官的な、あまりにも外交官的な」、「空き部屋」、そして「奇蹟を解く男」が上質な部類、不出来な作品は「見えぬ手の殺人」、「ことわざ殺人事件」、「ウィリアム・ウィルソンの職業」、「黒いキャビネット」である。 とくに密室ものの「奇蹟を解く男」が本格推理作品として突出している。また同じく密室物で人間消失事件を扱った「外交官的な...」も気の利いたトリックである。「とりちがえた問題」はその不気味な怪奇ムードがいかにもカーらしく、印象的である。「空き部屋」は結末の推理に対し犯人が犯行を認めるところがあっさりしすぎだが、構成はよく出来ている。 表題作の「パリから来た紳士」はもちろん最高級の傑作だが、ラストの「オチ」となる人物がどういう人かよく分からないという人にはこの「オチ」は不発で、その人物に関する作中の伏線も意味をなさなくなってしまう。実際、私は高校生の頃に読んだことがあるが、そのときはこの作品の「オチ」の意味がよく分からず、なぜこの作品が傑作と評されるのか理解できなかった。 その点さらに、「黒いキャビネット」は同じような「オチ」だけに、ラストの人物名が日本人にはほとんど馴染みのないもののため、読後「ふーん、だからどうなの?」という反応しか示せない。 「見えぬ手の殺人」は、不可能的な謎の提示はいいが、結末のトリックは突拍子もないもので、そんなに上手くいくものかという、どちらかと言えば「バカミス」の類。「ことわざ殺人事件」もその点、同様。とくに後者は銃声の方向から、現場を見張っていた警察官には見当がつきそうなものだし、その描写がないのもアンフェアというか納得のいかないところもある。 「ウィリアム・ウィルソンの職業」は、その表題はE・A・ポーの短編作品名に由来するもので、内容もそれに関連しているが、巻末解説にもあるとおり、密室内での人間消失(脱出)のからくりの説明がとても納得のゆくものではない。 | ||||
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本短編集は、カーの創造した3人の探偵、フェル博士、ヘンリー・メリヴェール卿、マーチ大佐の活躍する作品が収められており、大傑作という作品はないものの、どれも個性的で楽しめる作品揃い。カーがお好きな方なら特にオススメの短編集です。以下、各編への短いコメントを記しました。【パリから来た紳士】さすが表題作という感じの作品。莫大な遺産を残した老婦人のもとから遺言書が紛失、意外な隠し場所とは…。ラストにミステリ好きなら思わずニヤリの趣向も凝らされています。【見えぬ手の殺人】誰も近づく者のない海辺で見つかった絞殺死体。意外な犯行の手口が。(人によってはバカミスと見る方もいるかもしれませんが、楽しめます)【ことわざ殺人事件】特別捜査班の張り込み中の射殺事件。不可能状況だが、剥製の紛失と、むしりとられた苔がヒントに。【とりちがえた問題】屋根裏部屋と島の中での密室殺人。ユニークなトリック。【外交官的な、あまりにも外交官的な】スパイが主人公の作品。並木道での女性の消失事件を描く。【ウィリアム・ウィルソンの職業】職業は一体何?ということで、奇妙な仕掛けの凝らされた作品。その種明かしでも楽しめますが、最後はさらにどんでん返しがあります。【空部屋】空き部屋から大音響の音楽が聞こえ、それを止めたら、今度はその部屋から死体が発見されたという奇妙な事件が描かれています。【黒いキャビネット】ナポレオン三世の暗殺に絡む、歴史推理。ラストに意外な名前が。【奇蹟を解く男】誰もいない回廊で死の予告が囁かれ、泊まった密室状態の部屋ではガス栓が開けられていた。命を狙われる女性の運命はいかに…。 | ||||
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■「パリから来た紳士」 1849年4月、フランスから、ニューヨークに住む老婆 の遺産をひきとりに来たフランス人青年の「わたし」。 「わたし」が老婆の家に到着する直前に、老婆は遺産を狙う性悪女から 遺言書を守るべく、不自由な体でそれを部屋のどこかに隠してしまった。 「わたし」が到着すると、老婆は両眼を動かせるだけの状態になっており、 遺言書のありかを尋ねると、寝台の上の兎の玩具と、ドアの側の晴雨計 を見つめるばかりだった。 途方に暮れた「わたし」は、酒場で出会ったフランス語 を解読できる謎の男・パーリーに相談したのだが……。 遺言書のありかを示す手がかりの提示が秀逸。そして、その 趣向と密接にかかわる、パーリー氏の正体には驚かされます。■「奇蹟を解く男」 結婚の前に、ロンドン観光にやって来たジェニーは、奇怪な出来事に立て続けに遭遇する。 密室状況の彼女の寝室にあるガスの栓がひねられ、さらにその翌日に訪れた セント・ポール寺院の〈ささやく回廊〉では、「第一回目は失敗したが、二回目は きっとやりとげてみせる」といった主旨の内容を話す不気味な声を聞いたのだ。 果たして〈奇蹟担当局〉のH・M卿は、これらの謎を解くことができるのか? ガスの噴き出す音や硫黄マッチという手がかりはよくできていると 思いますが、マッチのほうは、当時のフランス風俗についての知識 がないとわからないというのが難点。 | ||||
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