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本好き! さんのレビュー一覧
本好き!さんのページへレビュー数126件
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完結したかに思ったシリーズ、まだ続いていますね。扉子という新たな登場人物も加わってますます楽しみが増えてきました。今回は北原白秋、佐々木丸美、内田百閒といった作品が出てきますが、このシリーズのいいところはこういう過去の作品を読んでみたいと思わせるところ、佐々木丸美は初めて聞いた作家だし(恥ずかしながら…)、内田百閒も古書店で探してみたくなりました。
あとがきによると、まだまだ続きがあるようです。楽しみが続きます。 |
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南極を舞台にした乱歩賞随一のスケール感、SFや恋愛の要素も絡めて読みやすい作品。終戦間際の時代と現代の話が交互に語られ、それが繋がるストーリーはミステリーの定石みたいなところがあるが、緻密なつくりは大したもの。
ただ、70年程の時代を経ている割にはその期間を感じなかったのは残念。昭和20年感がないなと感じた。でもこのスケール感は大事にして個性的な作品を今後も期待します。 |
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2つの大震災とテロを織り交ぜて、展開の読めないサスペンスを描けるあたりはさすが七里さん。そして”人を護る”というテーマも入れられていて読み応えはあった。
けど、他の作品にあったユーモラスさ・面白みに欠けていたような気が…シリアスさが前面に出過ぎているのか、七里作品を読んでいる気がしなかった。これも新境地ということか。 それと気になったこと。前半で小学生の主人公たちが森の中に入っていくシーンがあるが、そこで「禁止された場所に行くこと、禁忌に背くことには背徳の悦びがある。」の表現。小学生が背徳の悦び?大人ならまだしも、小学生が背徳の悦びって… 七里作品には妙に堅い熟語が出てくることがあるが、シーンによっては柔らかい言葉でもいいのでは?と思う瞬間だった。 |
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大人の恋愛小説という触れ込みにまさしくピッタリ、荒野さんならではの奥ゆかしい心の動きが感じ取れる。九州の離島に赴任してきた少々変わった教師・石和。彼になぜか心をとらわれる主人公・セイ。ストレートに何かを仕掛けるわけでなく、遠目で観察しているか、近づいてもそっけない態度をとるか。
現実的にはこの辺がリアルなんでしょうね。 特に何が起こるわけでない離島の日常にちょっとした恋愛劇があった、というホンのひと幕。殺伐としたミステリーの合間にちょうどいい息抜きになりました。 |
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マティス、ドガ、セザンヌ、モネを題材にした原田マハさんならではの美しい短編集。原田作品をいくつか読んで興味をもった西洋画家たちの名作に隠されたエピソード(フィクションもあるけど)を読みたくて手にとった本作。彼らのそばに仕える人たちによって(あるいは原田マハさんによって)浮き彫りにされる彼らの人生、美しくも哀しい物語がまるで実際に起きたことのように(ある意味、実際に近いかもしれない)語られる4編は、心を落ち着かせ21世紀の喧噪を忘れさせてくれる。
もう一度彼らの名作をじっと鑑賞したくなった。 |
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現代の東京と終戦直前の東京の街が重なっている。21世紀の今の世と1945年の昭和の生活、スマホをいじっている娘と瓶につめた米を搗いている娘(彼女は主人公の祖母の娘時代の姿!)が重なって見えている。
反戦のメッセージをこういった形で訴えてきたかのような、著者の発想に大いに感銘を受ける。終戦直前の人たちの生活、考え方が伝わってくるような胸を打つ作品です。 短編ですが、もっと掘り下げて長編としてだと感銘も深まるのでは。ぜひ「ディレイ・エフェクト 完全版」といったタイトルで発表してほしいです。それだけ着想もさることながら完成度は高いと思います。 あとの2編は短編ならではの内容。悪くはないけど、おまけのイメージが濃かった。 |
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野球好きなので、本城氏の野球ミステリを読むのを楽しみにしておりました。存分にリアリティのある(実際にあったエピソードがモデルになっている部分もある)内容は読み応えありました。ただ肝心の堂神があまりに人間味がないのがマイナス。ドラフト候補選手を、人というより物と見過ぎている感があり、同感できなかった。実現こんなスカウトがいるのだろうか、あるいはいたのか?
でも、今後も本城氏の野球ミステリは続けて読もうと思います。 |
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9者9様のエロスの形。色々な形を楽しめるが、タイトル通りの「エロス」を感じさせてくれるのは…
小池真理子、石田衣良、山田風太郎の三作品。 特にトリを飾る山田作品は、前半どぎつめエロス、後半マンガチックで笑える。 石田衣良作品は思わず同じ体験をしてみたいというエロ願望を抱かせてくれ、小池作品は大人のエロスの世界を垣間見ることで、このアンソロジーのトップにふさわしい第一の部屋。 他のはさして印象は薄かった。野坂昭如はなんだかよくわからんままに読み終わってた(; ꒪ㅿ꒪) |
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タイトルからして、工務店を舞台に繰り広げられるトラブルに善吉爺さんが飛び回る…と思いきや、秋山家の人々に降りかかる困難に善吉爺さんが胸のすくような解決をもたらす。前半はそういう展開で、別に善吉爺さんが大工である必要は…と、タイトルにやや違和感を感じる。
後半は秋山家の主・史親が自宅の火災で亡くなった真相がもたらされ、終わりよければ全て…の読後感。 30年以上前に亡くなった私の祖父も大工をしていて、昔を思い出して最後はホロッとする場面もあった。どことなく「静おばあちゃん」の男版といったところも。 |
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懐かしの昭和歌謡を題材にした短編集。ではあるが、舞台はほぼ現代。その辺に違和感を感じたが、言える事は昭和も平成も(おそらく次の時代も)男と女の愛憎は変わらないということ。どの章もやや同じような男女が出てくるような感じがしたが、それぞれの曲を思い浮かべながら読むとしっくりハマっていることに気がついた。
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なるほどなるほど。要は大ドンデン返しの結末ということで、これが普通の小説なら何ということもないが、Facebookによる往復書簡型式になっているのが雰囲気を出しているといえます。初めは和やかなのに、半分を過ぎたころから何やら不穏な空気になるのがかえって心地よささえ覚える。そして最後は…
でも巷でいわれているほどの衝撃度はなかったなあ… |
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昨今の猫ブームに乗っかって、気鋭の作家陣によるアンソロジーがお目見え。猫好きであるか否かにかかわらず、ジ〜ンとくるものや笑えるものまで、7編が取り揃えられている。
個人的には猫派ではないけど、胸にグッとくるものが好みなので、湊かなえ「マロンの話」、柚月裕子「泣く猫」、井上荒野「凶暴な気分」がベスト3。 巻末の澤田瞳子による猫小説紹介も必読。漱石先生のあの名作もいいけど、現代の猫モノも(ブームがどうのは置いといて)傑作が多いですね。 |
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確かに前2作と比較すると、普通のミステリに近いものになっているようです。”長江色”は残しながらも、リアリティーが希薄かなと。
ただ、表題作は爽快感さえ感じるというか、さすがは”禁止”シリーズ、一番際立つ内容でした。 ところで”禁止”シリーズ、次回作はあるのでしょうか? |
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これまでの骨太な作品から一転、軽めの短編で楽しませてもらいました。涼子と部下・貴山のコンビによる謎の解明。ほとんどIQ140の貴山の手柄によるところが多いようですが、どこか必殺シリーズを連想させるところもあって、気楽に読める作品です。
ところで、気になったのはこのタイトル。 「~的にあり得ない」というのは、アダム・ファウアーのベストセラー「数学的にありえない」「心理学的にありえない」を意識したものなのでしょうか?? |
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読後感、最悪。
こき下ろされている理由、わかる気がする。 でもね。改めて構成というか、全体の流れを見てみると、 よく練られてるなという感想はあります。 いろいろ意見はあろうけど、そんな酷いレベルではないと。 これが現実だったら…と置きかえてみると背筋が凍りついて凍死寸前\(◎o◎)/! |
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ラノベばりの表紙を見た時はどうしたものかと思ったが、そこはさすがの真保作品。しっかりとしたプロットで読ませてくれます。ここでも警察のウラ側が見え隠れし、実際にもありうるのではと憤りさえ感じさせるリアルさ。やはり社会派ミステリはこうでなくては。しかしまぁ、たった1日でこれだけめまぐるしく事件の真相に向けて動けるとは!
余談ながら、これが警察メインではなく、アイドル・キリモエの目線だったらどんな感じになったか?スピンオフも期待して読んでみたくなりました。 |
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田舎町の家々の壁に絵を描き続ける男。
なぜ描き続けるのか?それを章を追うごとに時を遡る形で明らかにされていく、事件が起こる訳ではないのでノンミステリーと御本人もおっしゃっていますが、何とも不幸な一人の男の物語です。貫井さんの小説によくあるような、ある意味救いようのない転落人生を描いた読後感のスッキリしない不幸小説といえます。 |
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デトロイト市の財政破綻により閉鎖されそうになったデトロイト美術館を救った一市民。実話を元に描かれたハートウォーミングな小品。短い小説なので概略しかわからないが、できればデトロイト市が財政破綻に至った経緯、デトロイト美術館の歴史を掘り下げた物語だと、読みごたえのある作品になったと思われます。
でもこれはこれで美術館を救った一市民にまつわるエピソードから、あぁ救済に動いたのはそういう理由だったのかがわかり、ハートウォーミングさに花を添えてくれています。 |
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確かに前作「鷲は舞い降りた」で死んだと思われたシュタイナ中佐が、実は生きていて囚われの身になっていた、というのはムリヤリ感はあるけど、その後デヴリンを中心に繰り広げられるシュタイナ救出劇はなかなか読み応えあります。
ちょっとしたドンパチもあるし、デヴリンの格好良さが際立っている”続編”だと思います。 ヒギンズがもう少し若ければ、さらなる続編も期待できるんですけど... |
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家庭裁判所調査官補として、少年事件や夫婦間の問題等にこれから立ち向かっていくことになる望月大地。「カンポちゃん」という愛称で呼ばれる彼の成長物語。
少年事件や離婚問題などに立ち向かい、自分はこの仕事に向いていないのでは?と悩みながらも、周囲から励まされながら成長していく物語。言ってみれば、扱っている事件はありきたりで新鮮さは0だし、驚きもないのですが、丁寧な書き方は著者のこれまでの作品からも周知のとおり。シリーズ化されるのかな?(佐方シリーズに比べると少々地味かもしれない。 第三章は直接事件を扱っていないためか、少々退屈を感じた。こういうエピソードを入れたいのはわかるけどね。 |
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