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なおひろ さんのレビュー一覧

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レビュー数318

全318件 41~60 3/16ページ

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No.278:
(7pt)

切り裂きジャック・百年の孤独の感想

切り裂きジャックについては今まで興味が無かったので、本作が初めて触れた「真相の仮説」。1888年の事件を推理するだけでは作品として物足りない為か、100年後の西ベルリンで同様の連続殺人が起き、こちらを捜査して行く事で過去の事件も解決できる、との構成の作品でした。1,888年の事件と1,988年の事件の、動機、犯人像が全く同じとは、さすが島田御大、強引で剛腕です。なにせ切り裂かれるんでね、グロくてぐちゃぐちゃ、気持ち悪いです。それが気にならなければ、面白くて楽しめる作品かと。私的には、この仮説は悪くないな。

切り裂きジャック・百年の孤独 (文春文庫)
島田荘司切り裂きジャック・百年の孤独 についてのレビュー
No.277:
(7pt)

地面師: 昭和ミステリールネサンスの感想

著者初読み。光文社文庫で最近始められた「昭和ミステリールネサンス」の1冊であるが、本書収録作品が書かれたのは昭和30年代。企業がらみのネタが多く、経済ミステリーとでも言う感じでしょうか。今も昔も企業間の競争は厳しく、読んでいて身につまされる物が有りましたね。流石に時代の違いは感じるものの、当時の流行作家だけ有って、ひねりが効いていて読ませる作品集でした。

地面師: 昭和ミステリールネサンス (光文社文庫)
No.276: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

絶叫の感想

タイトルは「絶叫」。クライマックスで確かに絶叫してますね、ダークヒロインが。子供が出来なくて離婚し、職を失って転落してしまった女性(陽子)の死亡について、子供が出来た為に離婚し、復職して刑事に戻った女性(綾乃)が捜査して行くお話。両者の共通点は一人で生きている事。決定的な違いは…特に無いのかもしれません。絵に描いた様な転落人生、どこかで止められただろうか?。最後は真っ黒。結婚すれば上がりの幸せな人生、とは行かなくなった現代女性の壮絶人生を描いた作品、出て来る男はみんな自由で、馬鹿で楽しそう。男で良かった。

絶叫 (光文社文庫)
葉真中顕絶叫 についてのレビュー
No.275: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

警官の条件の感想

「警官の血」の続編。前作は親子三代に亘る警察官一家の話だったが、今回はその最後の主人公だった安城和也と上司で有った加賀谷仁の二人の視点で物語は進む。麻薬密売組織の捜査と同時に、警察内部での手柄争い、縄張り意識についても子細に描かれ、警察小説として良く出来た作品だった。和也の心情は結構書かれているものの、加賀谷の内心は書かれていない。なぜ警察に復帰したのか、病院の描写に意味は有るのか、そして和也の事をどう思っていたのか。事件 の内容は割と単純で、本作は推理物では無く人間ドラマである。濃密な時間を楽しめた。

警官の条件 (新潮文庫)
佐々木譲警官の条件 についてのレビュー
No.274:
(7pt)

さよならの手口の感想

「葉村シリーズ」四作目。前作から13年振りとの事ですが、かなりの力作。次から次へと謎が増えて行き、同時に葉村の体の傷も増えて行きます。登場人物もどんどん増えて行き、展開について行くのが大変でした。前作も詰め込み過ぎだと思いましたが、今回は気分の悪い事件が3つも並行して起きてしまいます。どれもこれも酷い話で、面白いとは言い難い。悪意の人に狙われる、家族間の問題、これらの共通点は、逃げられない、と言う事でしょうか。立ち向かう葉村も大変ですよねぇ、これから良い40代が過ごせると良いな、陰ながら応援します。

さよならの手口 (文春文庫 わ)
若竹七海さよならの手口 についてのレビュー
No.273: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

屍人荘の殺人の感想

著者初読み。第27回鮎川哲也賞受賞作。ミステリランキング四冠。幸いほぼ予備知識無しに読むことが出来ました。称賛の嵐の本作ですが、個人的好みではまあまあと言うレベル。単純に、登場人物が多い割に気に入ったキャラが居なかった(ラノベ的?)、建物が複雑で何処に居るのか瞬間的に理解し辛かった、と言う感じ。閉鎖空間の作り方は斬新、第一の殺人の真相はビックリした、その辺りは評価出来るけどね。ここまでやるには、動機が弱いのが小説をドラマと捉えれば、少し淋しく思ったかな。パズルとしては上々です、本格はそれで良いのでしょう。

屍人荘の殺人
今村昌弘屍人荘の殺人 についてのレビュー
No.272:
(7pt)

ロシア紅茶の謎の感想

作家アリスの国名シリーズ第一弾。最近本格ミステリーの短編集は余り読まないのですが、短編ならではの楽しさが有った。事件が起きると、ごちゃごちゃ捜査せずにすぐ解決。これはこれで良いもんですが、短いページ数で必ずひとネタ入れるんだから書くのは大変ですねぇ。そう言う意味ではシリーズキャラクターは重要、設定の説明が短くても世界にすぐ入れるからね。各篇それぞれ楽しめました、いっぱい持ってるんで、作家アリスもボチボチ読んで行こう。

ロシア紅茶の謎 (講談社文庫)
有栖川有栖ロシア紅茶の謎 についてのレビュー
No.271:
(8pt)

天国の破片の感想

阿南シリーズ第三作。作中で6年が経過し、更に性格も生活も変化が見られる阿南ですが、まだまだ普通の人にはほど遠い(笑)。前作で出会った探偵事務所の面々から遠く離れて、北陸でコンビニの店員をしております。そして、今回は事件に巻き込まれたと言うよりは、自分から積極的に関わって行った感じかな?。やはり親子の問題が根底にあり他人の介入が難しく、阿南は事件を通して自分の家族に思いをはせる。シリーズの色合いが鮮明に付いていると感じた。舞台はいつも冬だなぁ、本作がシリーズで一番好きな作品、出来れば多くの方に読んで欲しい。

天国の破片 (創元推理文庫)
太田忠司天国の破片 についてのレビュー
No.270:
(7pt)

Jの少女たちの感想

阿南シリーズ第二作。前作より3年後の阿南の姿を描く、ハードボイルドミステリー。阿南の少し変化(成長?)した性格は少し受け入れやすくなっていた。読み易くなった原因は、所長と藤森凉子の存在も大きい。前作は余りに陰鬱な人物ばかりで、読んでいて疲れてしまった。ただ、今作は「Jの少女たち」と言う意味深なタイトル、その意味が分かった時、残念ながら正直うんざりしました。個人的に全く共感も理解も出来ない世界(まあ、男性はほとんどそうじゃ無い?)、20年以上前から有ったんですねぇ。まだまだ続く阿南の人生、更に追いかけるよ。

Jの少女たち (創元推理文庫)
太田忠司Jの少女たち についてのレビュー
No.269:
(7pt)

the TEAM ザ・チームの感想

見事な連作短編集。被害者は特に出ていないが、やっている事は完全に違法で有る為、クライムノベルの範疇に入るかと思います。こういった設定ですので、短編をそれぞれ独立させて長くシリーズを続ける事も出来たはず、ところがラスト2話での幕の引き方は本当にお見事!。家族関係がテーマの人情話みたいなのが多くてしんみりとして良かったが、余り犯罪集団が主人公の設定は好きでは無い事も有り、丁度良い「潮合い」だったと思います。スタートからラストまでの流れが気持ち良く、連作短編集のお手本の様な作品でした。面白かったです。

the TEAM(ザ・チーム) (集英社文庫)
井上夢人the TEAM ザ・チーム についてのレビュー
No.268: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ぼぎわんが、来るの感想

著者初読み。第22回日本ホラー小説大賞<大賞>受賞作。各章で視点が変わり、登場人物の印象がどんどん変わって行く構成が面白かった。ホラーは普段読まないので比較出来ないが、本作はミステリー風の感じでも有るのかな?。ただ、ぼぎわんの造形が想像し辛く、ちょっと画が浮かばなかったからでしょうか、余り怖く無かったとも言えるかも。出て来る人がみんな裏表が凄いので、イヤミスっぽい感じも受けたけど(私はイヤミス超嫌い)、ギリギリ耐えられる範囲かな(笑)。いずれにしても、デビュー作でこのクオリティはヤバいねー。続編も読むよ。

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)
澤村伊智ぼぎわんが、来る についてのレビュー
No.267: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?の感想


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遠海事件
No.266: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

湖底のまつりの感想


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湖底のまつり (創元推理文庫)
泡坂妻夫湖底のまつり についてのレビュー
No.265:
(7pt)

黄土の奔流の感想

著者初読み。昭和40年に発表された作品だが、物語の舞台は大正12年の中国上海なので、今読んでも逆に違和感は無かった。「冒険小説の時代」とかつて呼ばれた頃、船戸与一、志水辰夫、北方謙三、佐々木譲らの、冒険、ハードボイルド小説をかなり読んだ。でも著者は昔の人と言う感じがして、読まなかったね。主人公紅真吾の行動の規範はハードボイルド的であるが、作品の文体や会話の雰囲気は冒険小説寄りな感じ。次々と襲い掛かる危機をどう乗り越えるのか、出会いと別れ、友情と裏切り、秘密や嘘。凄く面白い冒険活劇、読まずに死ねるか!。

黄土の奔流: 冒険小説クラシックス (光文社文庫)
生島治郎黄土の奔流 についてのレビュー
No.264:
(8pt)

アリス殺しの感想


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アリス殺し (創元推理文庫)
小林泰三アリス殺し についてのレビュー
No.263:
(8pt)

ヒッキーヒッキーシェイクの感想


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ヒッキーヒッキーシェイク
津原泰水ヒッキーヒッキーシェイク についてのレビュー
No.262:
(7pt)

黒猫館の殺人の感想


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黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)
綾辻行人黒猫館の殺人 についてのレビュー
No.261:
(7pt)

許されようとは思いませんの感想


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許されようとは思いません
芦沢央許されようとは思いません についてのレビュー
No.260:
(7pt)

ルパンの娘の感想

泥棒一家の娘と警察一家の息子の恋愛はどうなるのか?。一応冒頭で起きた殺人事件を解決するミステリーでは有るのですが、この設定ですからねぇ、真面目に考えちゃダメでしょ。正直そちらは付けたし見たいな物なので、犯人が誰でも、動機が何でも、警察の動きが不自然でも、全然気にならないです。ハートウォーミング・ホームコメディと捉え、二人の行く末を見守ろうじゃありませんか。最後は上手く行くと良いなぁ、どうすればハッピーエンドになれるのかなぁ?、是非そこだけ注目して読んで下さい。私にはとても面白かったよ。

ルパンの娘
横関大ルパンの娘 についてのレビュー
No.259:
(7pt)

極悪専用の感想

極悪人専用マンションの住人は殺し屋等々でいっぱい、しかし家賃はバカ高いがセキュリティは万全で、外部からの干渉を受けずにすむセーフハウスとなっております。ただ、そこで事情が有り無理やり管理人助手として働く主人公にとっては、毎日が命懸け。いつ死体袋の側になるのか、全く気の抜けない毎日が続きます。と言う訳で、大沢版「ダイナー」と言う感じ。10篇の連作短編は徐々に流れを作って行き、最終的に物語は大きな区切りを迎えます。グロ少な目、笑い多めなので、読み易くて気軽に楽しめます。内容は軽くて薄いのに面白い。上手いなぁ。
極悪専用
大沢在昌極悪専用 についてのレビュー