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梁山泊 さんのレビュー一覧

梁山泊さんのページへ

レビュー数106

全106件 81~100 5/6ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.26:
(6pt)

誰彼の感想

綸太郎シリーズの2作目。
前作が、雪に囲まれた密室、そして今作は、首なし死体、双生児と本格の王道を進んでいるって感じですね。

タイトルの読みは「たそがれ」ですが「黄昏」ではなく「誰彼」と書きます。
まず「何故?」と不思議に思うのですが、読んでいる内に(呆れるほど)理解できます。
まさに「(一体全体)彼(首なし死体)は誰?(そろそろいい加減にしろよ)」な作品です。


▼以下、ネタバレ感想
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誰彼(たそがれ) (講談社文庫)
法月綸太郎誰彼 についてのレビュー
No.25:
(6pt)

モダンタイムスの感想

「魔王」の続編で「ゴールデンスランバー」と同時執筆の作品らしい。


▼以下、ネタバレ感想
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モダンタイムス(上) 新装版 (講談社文庫)
伊坂幸太郎モダンタイムス についてのレビュー
No.24: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

不連続殺人事件の感想

昭和22年の作品。
今読むと、かなり特殊といえる文章、文体で相当に読みづらい。
それに登場人物がやたら多い。
変人揃いで個性的キャラ達と言えるのでしょうが、みんな似たり寄ったりの変人ぶりで区別がつきにくい。
更に、登場人物同士の相関関係が複雑でとても呑み込めない。


▼以下、ネタバレ感想
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不連続殺人事件
坂口安吾不連続殺人事件 についてのレビュー
No.23: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

さよならドビュッシーの感想

音楽を文字だけで表現するのはかなり困難なのではと思っていたのですが、それでも作者の熱意、懸命さは十分伝わりました。
経験者の私にも、その演奏の描写は、素晴らしく、感動すら覚えました。
しかしその分、音楽に関する部分とそれ以外の部分の温度差があり過ぎな気がして、非常にアンバランスな印象を持ちました。
特に物足りなさを感じたのはリハビリの部分ですね。
甘過ぎますよ。
障害者の方々に夢を与える・・・どころか「舐めんなよ」って逆にお叱りを受けるのではないかというくらいの薄さでした。


▼以下、ネタバレ感想
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さよならドビュッシー (宝島社文庫)
中山七里さよならドビュッシー についてのレビュー
No.22:
(6pt)

凍りのくじらの感想

視点人物となる理帆子の一人称で語られる彼女の成長の物語のようです。
一人称小説の特徴として、感情移入させやすいというメリットがある一方で、読み手が語り手に共感できなかった場合に拒絶反応を起こされる危険性があるというデメリットがあります。
従って、感情移入しやすい人物に語らせる事に効果があると考えますが、この作品の語り手・理帆子は感情移入しやすい人物といえるでしょうか。

理帆子は自分を「少し不在」と評しています。
どこにいてもそこを自分の居場所だと思えない感覚。 自分にもどこか思い当たるフシがあります。
また、他人を下に見てしまうところ。 これもどこか思い当たるフシがあったりします。
確かに、自分と似ているところがあると感じてしまうそんな人物。
しかし、彼女は一人称として、その内面を次々と吐露していきます。
活字で読むと、かなり醜い、結構エグい。
実際は、似ている部分は確かにあるけれども、(自分はここまで醜くないので)共感はできない。
そう思う人が多いのではないでしょうか。

理帆子という人物は、さすがに、多くの読者に共感を得られる存在として造形されたキャラでは無いでしょう。
共感できない人の方が恐らく多いと思われる人物を視点とし、その人物の成長物語を描いた作者は、ある意味チャレンジャーだと思います。
「泣けた」というレビュアーの方も多々いられるようなので、その試みは成功したと言えるのではないでしょうか。
さすがの筆力ですね。 私にはにわかに信じられないのですが・・・


▼以下、ネタバレ感想
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凍りのくじら (講談社文庫)
辻村深月凍りのくじら についてのレビュー
No.21: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

終末のフールの感想

8年後に小惑星が衝突し地球は滅亡すると分かってから5年後の物語。
脆い人間達が淘汰されほぼ強い人間だけが残った世界。
パニックや混乱は余り描かれず、そんな情況下における達観した人間達が描かれます。
地球が滅亡するというスケールが大きいストーリー設定だが、仙台郊外の某マンション周辺が舞台として限られているという対比が面白く、何とも伊坂さんらしい作品。

「今日を生きることの意味を知る物語」
なる程なと思う。
この「終末」という世界観だからこそ「普通」が輝いて見えるんですね。

終末のフール (集英社文庫)
伊坂幸太郎終末のフール についてのレビュー
No.20:
(6pt)

K・Nの悲劇の感想

「中絶胎児が人間として認められれば、日本人の死亡率トップはガンではなく、人工妊娠中絶ということになります」

避妊や中絶の問題がテーマとなります。
この問題、責任の所在はほぼ男性側にあると言っていいでしょう。
この作品では、経済的に問題を抱える夫婦の妊娠、そして産むべきか中絶すべきかという苦悩が描かれていますが、不思議な事に、描かれている苦悩は主に男性視点からのものです。
「有無を言わさず言いなり」という女性側の現状を象徴しているように感じました。
そこで作者は、女性側の反撃として「ホラー」で返しています。
ホラーの部分には、当然リアリティはありませんし、作者の回収する意思も感じられません。
兎に角「思い知れぇ!」って感じ。 結構怖いです。
それだけ恐ろしい思いをさせなければ気が済まない、無責任な男はいなくならない。
そういう作者の怒りが感じられた作品でした。

K・Nの悲劇 (講談社文庫)
高野和明K・Nの悲劇 についてのレビュー
No.19: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

儚い羊たちの祝宴の感想

時代背景としては、戦後から昭和中期という印象。
そして旧家にして良家という閉鎖的な空間を舞台とする5つの短篇集です。
「バベルの会」という読書クラブが共通項として語られています。
舞台設定はいかにもホラーなのですが、決してホラーではないですし、ミステリでもないですね。
「ブラック小説」という感じです。


▼以下、ネタバレ感想
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儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫)
米澤穂信儚い羊たちの祝宴 についてのレビュー
No.18: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

有限と微小のパンの感想

「F」から始まるS&Mシリーズの最終章。
「Insider」に対する「Outsider」、名作「F」と対になると考えて良い作品。
800頁超えの長編、そしてあの真賀田四季が再登場するとなれば、読み手のこの作品に対するハードルも必然的に上がってしまう。
そんな期待感満載の作品だったが、個人的には、それに応えてくれるものではなかった。

正直、この作品に対する不満は結構ある。
しかし、このシリーズを評価順に並べろと言われると間違いなく「F」の次に置くだろう。
自分でも不思議でならないが、巷の書評サイトで言われる通り、これがまさに「真賀田四季効果」なのかと思う。


▼以下、ネタバレ感想
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有限と微小のパン―THE PERFECT OUTSIDER (講談社文庫)
森博嗣有限と微小のパン についてのレビュー
No.17:
(6pt)

死亡フラグが立ちました!の感想

ミステリ色は薄く、気楽に読める娯楽作品です。
登場人物は意外と多いのですが、伏線が非常に分かりやすいので、その人物の役どころだけでなく、先の展開も読めてしまいます。
意外性の少ない作品という事になりますが、頭を使わずに読めるので、楽しめると思います。
語り手にイマイチ存在感がなかったかなぁ。 もう少し弾けてもよかったように思います。

ラストに関して批判的な意見が多いようですが、ではどういうラストなら良かったのでしょう?
全体通して漂う何とも言えないB級感から、C級を通り越してD級で落とす。
個人的にあのラストこそ、この作品の世界観の締めくくりに相応しいと思えたのですが・・・
ラストシーンをバックに、過去のシーンが、走馬灯のように思い浮かびました。
作品と一つになれた気がしました(笑


▼以下、ネタバレ感想
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死亡フラグが立ちました! (宝島社文庫) (宝島社文庫 C な 5-1)
七尾与史死亡フラグが立ちました! についてのレビュー
No.16: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

密閉教室の感想

見出しが細かく分かれていて非常に読みやすい作品です。
プロットに関しては、処女作にしてさすがと思わせてくれますが、その肉付けの部分に、いかにも処女作らしいあらが目立ちます。


▼以下、ネタバレ感想
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密閉教室 (講談社文庫)
法月綸太郎密閉教室 についてのレビュー
No.15:
(6pt)

イン・ザ・プールの感想

一癖も二癖もある患者たちが、トンデモ精神科医・伊良部のもとを訪れる5作の短編集。
プール依存症、陰茎強直症、自意識過剰、携帯依存症、強迫神経症。
題材のチョイスが絶妙で、仰々しい名称こそ付けられているが、読んでみると、身近に結構いますし、1つか2つ、自身の行動、思考様式にも合致する項目があるように思います。
何れの症状も、原因の根源にはストレスがあるように感じました。
最初こそ拒否反応があるものの、脳天気でストレス皆無のお金持ち・伊良部に徐々に依存していくようになり、癒されるという構図が面白い。
気軽に読めて笑える作品と言う事になりますが、自身に該当する症状の場合は意外と笑えません(笑

イン・ザ・プール (文春文庫)
奥田英朗イン・ザ・プール についてのレビュー
No.14: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

背の眼の感想

ホラー作品ではあるが、(情景描写は雰囲気十分なものの)わざとらしく読み手に恐怖を煽るような記述はなく読みやすい作品です。
この作品では、心霊写真、憑依現象、また霊の存在といった超常現象を肯定しています。
超常現象の存在を信じない、また興味がなく、知識もない私のような読み手にとって、作者の自己満足というか、都合のいいように薀蓄を垂れ流され、歯切れの悪い結末を押し付けられる事が多々あります。
しかし、やはりこの作者はそんな事はしなかった。
主人公である探偵が(ある事情から)積極的に霊の存在を肯定したいという立場でもあり、作品内で発生する多くの怪現象を、軽く扱うのではなく、それに整然と向き合い、万人に理解できる解釈を与えようとしている。
だから、ラストにもうまくつながるんです。 読後感いいですよ。
ホラー苦手の人にもお薦めできます。

背の眼〈上〉 (幻冬舎文庫)
道尾秀介背の眼 についてのレビュー
No.13: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

煙か土か食い物の感想

タイトルはかっこいいんですけどね。
兎に角個性的過ぎです。

多くの方が言うように、句読点は少ない、改行をしない。
客観的な考察などは殆ど省略。
そしてカタカナ言葉連呼でアメリカンな乗り。
で、主人公の「またしても唐突に俺は閃く」が登場して急展開。
何というか、余りにも独りよがりで突飛な閃きで、最早一人ツッコミ一人ボケの世界。
読み手に推理させる暇も与えないというより、読み手を完全に置いてけぼりにしている
作者の計算づくだろうが、これを「圧倒的文圧とスピード感」と取るか、「投げやりなだけ」と取るかは読み手次第だろう。
低俗な暴力描写、言い回し、汚い言葉遣いが多く、学校関係者やPTAからは、間違いなく「有害図書」に認定されるはずだ。


▼以下、ネタバレ感想
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煙か土か食い物 (講談社文庫)
舞城王太郎煙か土か食い物 についてのレビュー
No.12: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

シャドウの感想

2つの家族に起こる問題に立ち向かい成長していく主人公を物語の軸としています。
主人公である小学校5年生の少年を中心に、複数の視点人物によって多面的に語られます。

他のレビュアーの方々が言われているように、確かに、主人公の歳相応な行動、思考と、視点に転じた際の余りにも大人びた語りとのギャップがかなり気になりましたが、読み手を上手く騙すためにはやむをえないという事でしょう。

▼以下、ネタバレ感想
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シャドウ (創元推理文庫)
道尾秀介シャドウ についてのレビュー
No.11: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

Rommyの感想

帯には「密室殺人」とありますが、少し誇張表現な気がします。
ミステリーというより、ミュージシャンROMMYの人間ドラマといっていいと思います。

随所に登場する写真やイラストが、読み手に、この作品の世界観を共有させるという点で非常に効果的だと思いました。
ただ、詩に関しては・・・生き物ですからね。
若干、イメージの乖離を感じてしまったかもしれません。


▼以下、ネタバレ感想
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新装版 ROMMY 越境者の夢 (講談社文庫)
歌野晶午Rommy についてのレビュー
No.10: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

Anotherの感想

ジュヴナイルっぽい青春ホラー。
綾辻氏のジュヴナイル作品というと「びっくり館の殺人」があります。
作品の持つ気味悪さとか、怖さでは「びっくり館」の方が遥かに上です。
主人公から伝わる緊張感がその差になって現れていると思いますが、その分、ホラーといいながらも明るめの印象で読みやすい作品です。
アニメ化されたようですし、この作品をきっかけにファン層が広がればいいですね。


▼以下、ネタバレ感想
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Another
綾辻行人Another(アナザー) についてのレビュー
No.9: 7人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)
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告白の感想

問題作ですね。
主人公である女教師が復讐のために、法に委ねる事なく、娘を殺した少年達を追い詰めていきます。
その女教師の生徒への抑揚のない語り口調が印象的で、作品全体に独特の雰囲気、重さを醸し出しています。


▼以下、ネタバレ感想
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告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)
湊かなえ告白 についてのレビュー
No.8:
(6pt)

チーム・バチスタの栄光の感想

落ちこぼれが以外な才能を発揮して、エリート達と対等にやり合うという面白さ故の人気か、とか考えたりもしたが、実際田口に肩入れする読者って多いんだろうか?
やはり何と言ってもこのシリーズの屋台骨を支えているのは、ロジカル・モンスター白鳥のキャラだろう。 友達にはなりたくないですが・・・
田口と白鳥という全く正反対のキャラの対比が面白いんでしょうね。

ドラマ、映画共に見ています。
作者の海堂氏は現役医師だけあって、病院内の描写は見事だと思います。
医療現場の実情も伝わってきます。
医療モノですので、専門用語が多数登場するのはやむを得ません。
この作品の場合、専門用語の解説の記述が無駄に無い事が、作品のテンポを高める効果をあげている気がします。
しかし、


▼以下、ネタバレ感想
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新装版 チーム・バチスタの栄光 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
海堂尊チーム・バチスタの栄光 についてのレビュー
No.7: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

クリムゾンの迷宮の感想

ミステリーというより「娯楽小説」という印象です。

最初の分岐点で「情報」を求めた者が主人公で視点となるので、チェックポイントを通過する毎に、新しい情報を得られ、新展開を迎えるという性質上、どうしても次の展開が気になり、読み出したら止まりません。
ただ、閉鎖空間に仕掛けられた理不尽なゼロサムゲームというと「インシテミル」を思いつくのですが、好みの問題なのでしょうか、それともゲームブックというものを手にした事のないおっさんの戯言なのでしょうか・・・
「インシテミル」の方が好みですね。


▼以下、ネタバレ感想
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クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)
貴志祐介クリムゾンの迷宮 についてのレビュー