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梁山泊 さんのレビュー一覧

梁山泊さんのページへ

レビュー数236

全236件 161~180 9/12ページ

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No.76: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

長い家の殺人の感想

メインとなるトリックは物理トリックですが、叙述トリックや暗号もありと、色々詰め込んだ歌野晶午氏のデビュー作。

メイントリックは大味。
巻末に島田御大の推薦文がありますが、まさに御大好み? まぁ色合いは似てますわね。
現実味に欠けるところも似ていますが、奇想天外とはとても呼べずミエミエなのが玉にキズです。


▼以下、ネタバレ感想
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長い家の殺人 (講談社文庫)
歌野晶午長い家の殺人 についてのレビュー
No.75:
(5pt)

硝子のハンマーの感想

元泥棒の防犯コンサルタントという探偵役設定自体はなかなか面白い。
ただ、やはり元泥棒でもあるのだから、正義感を表に出して「したり顔」で犯人を追い詰めるのは、キャラ設定としてどうかと思いました。
しかも、今作の犯人は若干肩入れできる不遇さがあっただけに余計にです。
もっと飄々とした感じがいいよね。 トリック暴いて「はいサヨナラ、後はよろしく」的な・・・
読後感にも悪影響を及ぼしている気がしました。


▼以下、ネタバレ感想
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硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)
貴志祐介硝子のハンマー についてのレビュー
No.74: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

犬はどこだの感想

「人捜し」を担当する探偵役・紺屋と、「古文書解読」を担当する助手役・半田。
二人による交互の視点で物語が進行します。
前半はまるで「古典部シリーズ」を読んでいるような印象。
そして中盤以降、2つの依頼がリンクするだろう事は容易に予想できます。
「ジュブナイルやねぇ、主人公は大人になったのに」
「先が見えてる」
そんな評価をしながら読んでいたのですが、そんな評価を覆すちょっとしたどんでん返しが最後にあります。
なかなか面白かったです。


▼以下、ネタバレ感想
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犬はどこだ (創元推理文庫)
米澤穂信犬はどこだ についてのレビュー
No.73:
(5pt)

九月が永遠に続けばの感想

沼田まほかる初読。
第五回ホラーサスペンス大賞を受賞した作品という前知識がいいフェイントになりましたね。
全く「違うモノ」を想像していましたから。
「ホラーじゃないじゃん」という意見が多いのも頷けます。
でも、読み終わってみて、私は、この作品はある意味ホラーだと思いました。

▼以下、ネタバレ感想
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九月が永遠に続けば (新潮文庫)
沼田まほかる九月が永遠に続けば についてのレビュー
No.72: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)
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ルームメイトの感想




▼以下、ネタバレ感想
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ルームメイト (中公文庫)
今邑彩ルームメイト についてのレビュー
No.71: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

モンスターの感想

壮絶醜女が整形により絶世美女に変貌を遂げ、ある目的を果たすという物語だと思ったのだが・・・多分違う気がします。
その目的が、復讐にしても恋愛にしても、壮絶な整形手術の繰り返しの描写に比べて、その成就の描写が明らかに中途半端です。
恐らく、そこには作者の主眼はないのではないでしょうか。
中村うさぎさんは、解説において「本書は女の成り上がり物語」などとのたまっておられるが、違うと思うなぁ。

この物語にはおおよそ4種類の人間が登場します。
ブスと美人と、ブスを蔑む連中と美人に媚び諂う連中です。
ブスと美人が核となります。
普通であればブスに肩入れしそうなものですが、この作品では、そのブスと美人が同一人物で主人公になります。
美人の傲慢さやわがままっぷりは当然描かれますが、変身前の人間的醜さもしっかり描かれています。
ブスで可哀想というより、卑屈すぎて同情するに至りません。 正直醜いです。
まぁ何れにせよ結局は同一人物な訳ですから、感情移入できませんし、多分してはいけない存在なんだろうなと思いながら読みました。


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モンスター (幻冬舎文庫)
百田尚樹モンスター についてのレビュー
No.70:
(5pt)

チョコレートコスモスの感想

「ガラスの仮面」のオマージュのようですが、私は「ガラスの仮面」を読んだ事などないし、演劇にも全く興味がありません。
しかし、読んでいる最中は先が気になって一気読みしてしまいました。
天才(飛鳥)と秀才(響子)、または覚醒(飛鳥)と嫉妬(響子)のような構図に対する期待感が高まったからなのですが・・・

まぁそこはこの作者さんですので、覚悟はしていたもののやはり肩透かしだったかと(笑)
これで終わりはあんまりだと思いましたが、やはり続編があるようですね。
個人的にはこのパターン、理瀬シリーズでお腹いっぱいなのですが・・・

同じ題材を複数の人間が順に演じる場面があります。
映像で見せるのはありだと思うのですが、文章でこれをやられてしまうと・・・
まぁ私の想像力が乏しいという事なのでしょうが、個人的にちょっと冗長が過ぎたのではないかという印象です。
この作品単独では、長編な割に中身が薄いと評価せざるを得ません。
続編次第かと思います。

チョコレートコスモス
恩田陸チョコレートコスモス についてのレビュー
No.69:
(4pt)

妃は船を沈めるの感想

火村シリーズの中編連作。
先に存在していた第一部「猿の左手」に繋がるように第二部「残酷な揺り籠」が執筆されたようです。
大層な「はしがき」を読んだ時には、読者を置いてきぼりで「作者の趣味の世界全開」かもという危惧を持ちました。
「猿の手」未読の読者にも楽しめるように描かれていて安心しましたが・・・


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妃は船を沈める 新装版 (光文社文庫 あ 42-6)
有栖川有栖妃は船を沈める についてのレビュー
No.68:
(4pt)

警視庁特捜班ドットジェイピーの感想

警察の戦隊もの。
作者を伏せて読んだら、我孫子さんの作品とはまず思えまい。
最早「悪ノリ」だろう。

キャラ設定の面白味だけで成り立っている作品ですが、この作品だけでは一人一人の個性が発揮できているとは言えません。
「悪ノリ」は結構ですが、取り敢えず続編を出さなければ中途半端なままで意味が無いですね。
余り読みたいとは思わないのですが・・・

解決する事件も「警視庁」というより「公園前派出所」と言った方がしっくりきます。
もう少し謎解き要素を入れてもいいのではと感じます。

警視庁特捜班ドットジェイピー (光文社文庫)
No.67: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

あるキングの感想

作者自身が解説されているように、これまでの伊坂氏の作品と比べると、「機知に富んだ会話」「凝ったプロット」「練られた伏線」「他作品とのリンク」といった持ち味とも言えるレトリックが殆ど見受けられず、でいて、ある意味不思議な世界観がファンタジーで非常に難解という・・・
しかも、シェークスピアの某作品をオマージュしており(多分)、読んでいないとそれが上手いのかすら皆目見当がつかない。
確かに賛否が分かれそうな作品ですね。
ただ、らしくないようでいて「らしい」と思いましたけどね。
伊坂さんにしか描けないような気がします。


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あるキング (徳間文庫)
伊坂幸太郎あるキング についてのレビュー
No.66: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

脳男の感想

刑事達が連続爆破犯のアジトに潜入するという緊迫感あるシーンからスタートするものの、それ以後は、非常に退屈で肩透かしを食らったような印象です。
主人公が入院している病院に爆弾が仕掛けられるクライマックスにおいても、手に汗握る展開には至りません。


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脳男 (講談社文庫)
首藤瓜於脳男 についてのレビュー
No.65: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

テロリストのパラソルの感想

作者の藤原伊織さんは、1948年生まれで東京大学出身という事ですから、68年の東大紛争、翌69年の 東大安田講堂事件をリアルに体験してきた人物と考えていいのかな。
団塊の世代、全共闘世代、しかもその渦中にいた作者に言わせれば「これが男の生き様」というところだろうか。
正直、素直に受け入れがたいものがあります。

まず突飛な人物設定には苦笑いせずにはおれないです。
東大全共闘、東大中退の元ボクサー(しかもかなり有望)、そして現在はアル中のバーテン、そして二回りも違う上智大学出身の現役女子大生に惚れられるという・・・
当時はこういうタイプが格好いい男の象徴だったのでしょうか。
異端分子として、評価されず排除された自分達の価値観を肯定・美化せんとするコンプレックス裏返し的妄想が作り上げた人物像という印象です。
今は、アル中だったり人情味のあるヤクザだったりを格好いいと思える時代ではないですから、そのギャップには時代を感じずにおれませんし、滑稽だったりしますね。

異端児や落ちこぼれの大活躍というシチュエーションは嫌いではありません。
私から見ると、主人公は全共闘の成れの果ての落ちこぼれ、人生落伍者です。
しかし作者は、(恐らく)格好いいヒーローとして描いています。 少なくとも私にはそう読み取れました。
共感出来ませんでしたね。

そこさえなければ、さすが乱歩賞と直木賞をW受賞した作品という事になったと思うのですが・・・

テロリストのパラソル (講談社文庫)
藤原伊織テロリストのパラソル についてのレビュー
No.64:
(4pt)

フィッシュストーリーの感想

短篇集ですが、各編同士の結び付きは(登場人物が一部被ってはいますが)まるで無い、独立した4編のお話です。
言葉遊びという点では、伊坂幸太郎らしさは健在でしだが、やはり短編という事で、いたるところにばら撒いた伏線を一気に回収というお得意の芸当が出来ていません。
伏線を仕込むだけの空間自体が狭すぎて、出来ていないというより出来ないと言った方がよさそうです。
同じ短篇集でも「死神の精度」は、主人公が共通で、各編を跨いだ伏線が楽しめましたからね。
弱点発見かなぁ。
その分、他作品とのリンクはふんだんに貼られています。
そういう気付きは嬉しいのですが、まず本編ありきで付加価値のようなものだと思っているので・・・

印象に残ったのは「サクリファイス」
伊坂さんらしくないというか、三津田信三っぽい と感じただけですが・・・

無理して1冊にまとめて出す必要のなかった作品だと思いました。
特に表題の「フィッシュストーリー」は1本の長編作品として読みたかったですね。

フィッシュストーリー (新潮文庫)
伊坂幸太郎フィッシュストーリー についてのレビュー
No.63: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

ふたたび赤い悪夢の感想

「頼子のために」「一の悲劇」と合わせて三部作と呼ばれる作品です。
作品テーマによる括りのようですが、「一の悲劇」とは、表面的には何の繋がりもありません。
それなら、登場人物が重複する「雪密室」との繋がりの方が強いと思います。
「○○○」を先に読んでおいた方がいい、なんてのは沢山ありますが、この作品について言えば、「頼子のために」だけは(読んでおいた方がいいではなく)読んでおかなければダメです。


▼以下、ネタバレ感想
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ふたたび赤い悪夢 (講談社文庫)
法月綸太郎ふたたび赤い悪夢 についてのレビュー
No.62:
(4pt)

凶鳥の如き忌むものの感想

このシリーズにしてはホラー色の薄い作品かなと思います。
難解な漢字使いによる可読性の低さや、ラスト近くの二転三転のドタバタ劇は相変わらずですが・・・


▼以下、ネタバレ感想
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凶鳥の如き忌むもの (講談社文庫)
三津田信三凶鳥の如き忌むもの についてのレビュー
No.61: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

黄昏の百合の骨の感想

「麦の海に沈む果実」の続編。
「麦の海」のラストで覚醒した理瀬のその後という事で期待は大きかったのですが、少々肩透かしを食らった感じ。
高校生になった理瀬は、「あっち側」=暗黒の人生を生きていく事が運命づけられ、自身もそれを受け入れており、「こっち側」の世界の人間達とは一線を画すというスタンスこそ垣間見えるのですが、まだまだ純粋な少女の一面が残っていて、過渡期という感じでしょうか。
周りには黒い人間(黒いのは何故か女性ばかり)がやたら多いようですが・・・
恩田さんの作品には、性悪な女性が数多く登場する中、前作の黎二といい、今作の雅雪といい、男性陣には好キャラが多いですね。
このシリーズだけでなく「夜のピクニック」も確かそうだった記憶が・・・


▼以下、ネタバレ感想
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黄昏の百合の骨 (講談社文庫)
恩田陸黄昏の百合の骨 についてのレビュー
No.60: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣いの感想

表紙のイラストはブックカバーで隠せるからいいとして、内部にまでイラストをちょくちょく挿入された日には・・・
通勤途中ではとても読む事ができず一時中断、休日に一気読みした作品。


▼以下、ネタバレ感想
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クビキリサイクル―青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)
No.59:
(6pt)

誰彼の感想

綸太郎シリーズの2作目。
前作が、雪に囲まれた密室、そして今作は、首なし死体、双生児と本格の王道を進んでいるって感じですね。

タイトルの読みは「たそがれ」ですが「黄昏」ではなく「誰彼」と書きます。
まず「何故?」と不思議に思うのですが、読んでいる内に(呆れるほど)理解できます。
まさに「(一体全体)彼(首なし死体)は誰?(そろそろいい加減にしろよ)」な作品です。


▼以下、ネタバレ感想
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誰彼(たそがれ) (講談社文庫)
法月綸太郎誰彼 についてのレビュー
No.58:
(4pt)

西の魔女が死んだの感想

周りよりも早く大人になってしまったせいで浮いてしまうという。
登校拒否に陥った中学生の女の子が、おばあちゃんとの「魔女修行」により、固く閉ざされた心を開放していくっていう物語です。
男の子は大人になったもん勝ち的な印象があるのですが、女の子は難しいですね。

「魔女修行」といっても、存在意義というか役割をしっかり与えてやる事であったり、くつろぎの時間、生活のリズムをしっかり持つ事であったりと、まぁ生きていく力を与えるという修行です。
まさにジブリアニメの世界観です。
大人が読むと、正直物足りなさを感じてしまうのではないかと思いますけど、子供には薦めたくなる作品ですね。

西の魔女が死んだ (新潮文庫)
梨木香歩西の魔女が死んだ についてのレビュー
No.57:
(6pt)

モダンタイムスの感想

「魔王」の続編で「ゴールデンスランバー」と同時執筆の作品らしい。


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モダンタイムス(上) 新装版 (講談社文庫)
伊坂幸太郎モダンタイムス についてのレビュー