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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数52件
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刑事モノですが骨太でもないしバイオレンスでもない。
メッセージ性の高い作品を多く世に送り出している作者ですが、この作品にメッセージが込められているとも思えない。 実際、この作品自体は評価云々言えるデキではないと思うが、キャラリンクさせる作家さんだという事を考えると個性的な新キャラが2名登場。 次回作に期待としておくが、案外御子柴を倒すのは彼かもしれない、とか思ってみたりしている。 |
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日本推理作家協会賞受賞作品。
この作者の本格推理小説ってのに興味をそそられ読んでみましたが、芝居用語にイメージ出来ない事・モノが多数登場してかなり読みにくかったです。 また、頁数に制約があったのか肝心の謎解き部分がバタバタだったのはいただけないですね。 少し勿体無い気がしました。 |
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要介護レベルの高い認知症老人が集まる福祉施設が舞台。
施設や介護する側の問題を主眼に置いたのだとしても、物語の前半後半で認知症老人達が豹変し過ぎで、これでは身内に認知症患者を抱える人に反感をかいそうです。 これはさすがに「ちょと取材不足では?」って思っちゃいますね。 |
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「このミス」大賞受賞作。
タイトルとかオーパーツという題材から想起できるイメージと、実際の作品のノリや雰囲気が違いすぎて・・・ 小学館かどこかから出ている「マンガ・世界の秘宝」的な本を小説にしたらこんな感じかなと。 大人が読むには軽すぎるね。 「このミス」・・・柚月裕子や中山七里を排出した賞なんだけどなぁ・・・ |
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「?」な作品。
警察官とTV局員の幼馴染がダブルヒロインです。 「二人のヒロインが格好良くて」なんてレビューが多いのにまず驚きです。 こんなダサくて格好悪いヒロインがいるのかって。特にTV局員の方。 私には作者が「出来る女性」として描いたとはとても思えないんですけどね。 仕事のできる女性って当然何人も知ってますけど、こんなんじゃないでしょう。 男性がこれやっても「多少やなやつ」で済むのかも知れませんが「ダメダこいつ」なのは違いないわけで、これを女性がやったらこんな醜いんですね。 最後二人共殺される、当然殺され役キャラだと思ってましたけどね。 生きてやんの(笑) |
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この作者さんらしい「閉じられた空間での心理戦」なのですが状況がかなり特殊です。
テーマは「信頼」なのかな。 そして特殊な状況というのは、「悪意」が存在しない、そんな中での心理戦だという事。 メンバの一人が自殺をするのですが、心理戦により推理されるのは、「自殺の手助けをしたのは誰か」であり、一向に「誰かが殺したのではないのか」にいかないのです。 死んだ彼女が自分たちの事を考えてくれていなかった訳がない、とか、一向に核心に触れようとしないメンバにイライラしっぱなしでした。 確かに、特殊な体験に基づいての関係構築に違いないのですが、読み手からしたら奇人変人の集いというか滑稽で最早「異世界」であり、共感するのは困難でしたね。 |
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元々の短編作品に新たに幕間を設けて1つのまとまった物語にしてるんですね。
それを違和感なく読ませたって事は「上手い」って事でしょう。 ただ読み手を選ぶというか、好き嫌いが分かれる作品な気がしますね。 SF好きをも満足させる作品、っていうレビューが何処かにありました。 確かにそうなのかなと思いました。 それ即ち、SFが得意ではない人にはちょっとしんどいっていうのと同意かと。 SFどうこう以前に私にはラノベにしか思えませんでした。 SF好きでラノベも読めるって人にはお薦めできると思います。 |
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東日本大震災と福島第一原発事故をテーマにした作品。
作品を読んでいて、作者が、福島第一原発事故に強い憤りを感じている事を想像するのは容易いです。 しかし、それがどうしてこんな表現になるのかな。 記憶に新しい事故ですし、読み手もそれなりに知識を持っているんです。 安全だと偽り、一部の地域に負担を押し付けてきて、震災で破綻してもなお保身と嘘を続けている。 みんな知ってるんですよね。 それを、またしても得意のアクション活劇&英雄譚にしてしまうんですね。 扱いづらい内容なのかも知れないですが、厚顔無恥な巨悪に対する告発こそが作家の使命ではないのかな。 テーマにするなら、それなりの内容にしてくれないと・・・ タイトルは洒落てると思いますけどね。 |
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阪神大震災、震災孤児、援交、殺人、東日本大震災ときて最後は海外テロ。
不幸の玉手箱やー。 双子の姉妹と同級生で幼馴染の少年が主人公。 双子の姉妹の一方が震災で死亡。 震災孤児となった少女と少年は離れ離れになって、大人になって再会。 そして、そんな二人が代議士秘書と地検検事って・・・ 「大映ドラマ」かよ、って思った私は、やっぱりおっさんなのだろうか。 伊藤かずえと松村雄基って事でOK? そもそも一卵性双生児っていうと、物語を読みながらも色々考えたりするものですが、結局何だったんだよ、って終わり方ですし、ホント「大映ドラマ」なんですよね。 「大映ドラマ」が好きな方はどうぞ。 この作者の別の作品とリンクしているって言う話ですけど、たとえそこの面白味があるのだとしても、この作品の評価が変わるとは思えないです。 |
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毎作社会的なメッセージを含める中山七里作品であるが、今回は「麻薬」
被害者である製薬会社社員をはじめとして、薬大生である被害者の彼女、本庁から来た宮條、そして主人公である槇畑の過去物語が次から対へと語られ、前半の物語は非常に重苦しい雰囲気。 しかし後半、カエル男を台無しにしたあのバイオレンスがここに再登場する。 意外すぎる犯人もその原因の一端ではあると思うが、このバイオレンスが、「麻薬は恐ろしい」「麻薬は憎むべき存在」という作者のメッセージを遥か彼方に忘れ去らせてしまっている。 まぁ、舞台となった薬物研究所は謎が多く残ったままで、ここに勤務していた社員達は全員の名前まで明らかになったものの連絡が取れないまま。 昔のパートナーを失った渡瀬も、宮條の協力者だった人物も、「彼の意思を継ぐ」的な何のアクションも起こさないまま。 古手川もこのままでは使えないただの笑いもののまま。 特に、麻薬を憎みその撲滅に全てを捧げているキャリア組宮條が、あのようなな退場をさせられた事については流石に納得がいかないのですが、この作品には続編があるということ。 出し惜しみしない作者さんのことだから、宮條を物語の舞台から降ろしたのにもしっかりした理由があるのではと思ってます。 それは後編を読めば分かるはず、と信じたい。 この作品単体では低い評価となるのは仕方ない。 で、埼玉県民から言わせてもらうと所沢はそんな僻地ではないです。 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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物語は3部構成になっています。
第1部は、主人公が所属する奇術同好会が奇術ショーに出演する模様。 第2部は、物語の登場人物の1人が描いたトリックを題材にした作中作。 第3部は、世界中から著名なマジシャンが集まる国際奇術家会議。 このアジェンダだけ見れば「ポカ~ン」でしょう。 実際、「ポカ~ン」なわけですが・・・ 第1部の最後に殺人事件が起き、第3部の最後で謎解きがなされます。 まるでコントのような失敗続きの第1部は、数多い登場人物の自己紹介的な役割も果たしています。 作者がアマチュアマジシャンという事で、ショーの裏側などが垣間見れるのは面白いと言えば面白いのですが、とにかく長く、とにかくゆるい。 「さぁ次はooooさんによるXXXXです」が登場人物分続くのですからたまりません。 ミステリを読んでいるということを忘れてしまいそうになります。 第1部の最後にやっとこ殺人事件が起き、「さぁ」となったところでの第2部。 この作中作は、いわゆる表に出なかった奇術同好会内のボツネタトリック集といったところでしょうか。そして第3部も世界マジック大会なわけです。 マジック好きにも程がある、正直な感想はキムタク的に言うなら「ちょ、待てよ」です。 実際、第2部が殺人事件の謎解きの伏線となっているというか、伏線まみれなわけですが、それに感動できるかは読み手次第ではないでしょうか。 ミステリを読んでいるんだというモチベーションを保てていればという条件付きですね。 私の場合、壁に投げつける寸前までいった、と正直告白しておきます。 で、肝心のトリックですが、 本物のマジシャン(作者)が、その手段を文章に変えて読み手に仕掛けてきたと考えていいと思います。 マジックといっても、視覚的にイメージしづらいままに読み手をごまかすような類の作品ではありません。 この作品はすっごくフェアです。誰もが納得できるはずです。 ただ「ふーん、なるほどねぇ」とか「ほぉ、たしかにね」のレベル。 まぁ、こんなにマジックマジックしてなくて普通にミステリミステリしていたら「うまいなぁ」と思えたのかも知れませんが、何れにしても驚けるものではないですね。 ただ最後まで読んでみて、高評価する人がいるのも頷ける作品。 ただ私はしない。 |
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私にとって当たり外れの大きいメフィスト賞受賞作品。
舞台は12世紀の中東。 イスラム神秘主義修行者を描いた物語なのですが、そもそもイスラム世界に明るい日本人なんているのだろうか? これを題材に持ってくる辺り、さすがメフィスト賞って感じはしますが・・・ イスラム知識皆無でも問題なく読めます、というレビューは散見されますが、それにしては専門用語が説明もなく頻繁に登場しますし、説明されていたとしてもよく意味がわからないものが多いし・・・ 「火蛾」とは「出口を求めて何度も火中に身を投じてその身を焼き尽くしてしまう蛾」の事なので、要は宗教者が「修行により真理を求めて彷徨う」物語という事だろう。 物語の中で3つの殺人事件が起こりますが、そもそもその舞台に登場する人物はわずか5人で、そのうちの2人は死体でしか登場しないし、1人は影でしか登場しません。 一応ミステリ的な解決はなされているとはいえ、実際そんなミステリ的な事などどうでもよくて、単なる、最高階級に到達するため?彼らが信仰する世界観を完成させるため?の「手段」以外の何物でもないって感じがします。 要するに「フーダニット」などどうでもよくて「ハウダニット」、何故殺さなきゃいけなかったの?が主眼。 その「何故?」は、私イスラム教徒ではないんで説明されても腹落ちしないです。 私にとっては全てが後出しジャンケンみたくなってしまいますから。 宗教とミステリの融合という事で高評価なのかと思いますが、私には高尚すぎました。 |
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囁きシリーズの一作目。
(残念ながら)綾辻らしい作品と言えるんでしょうね。 サイトの「綾辻行人の作品一覧」を見ると、時期的には「迷路館」と「人形館」の間に入ってくる作品と考えてよいのでしょうか。 妙に納得できてしまうのだが・・・ 「迷路館」の真相が、この作品のヒントになり、(綾辻作品では今ではおなじみとなってしまった)精神異常の持ち主がワサワサ湧いてきて、館シリーズにも跳梁跋扈するようになり、ドバドバ血が流れ、多くの人間が死ぬのだが、狂気で全てを解決させるという・・・ 「綾辻始まったな」・・・な、ある意味記念すべき作品といえるのかもね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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Gシリーズ1作目。
S&Mシリーズの続編という事でよいのでしょうか。 S&Mシリーズは1作目が強烈だっただけでなく、登場人物がそれぞれ個性的で次回作を期待させるに十分だった。 しかしこのシリーズの1作目は導入という意味では相当に地味。 3人の主要登場人物にしても、萌絵、そして殆ど登場しない犀川に完全に食われている。 また萌絵、犀川だけでなく、過去作品からの登場キャラが複数いるらしい。 なのにその説明がないのである。 この作品を最初に手に取った人に萌絵の何が分かるというのか。 私は先日「スカイ・クロラ」を読んだのだがなんのこっちゃさっぱり分からなかったよ(泣) 同じじゃないの(笑) ちょっと違うか(爆) ▼以下、ネタバレ感想 |
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これも15年ぶりの再読。
「リング」で始まるこのシリーズ、「呪い」から始まった謎に、この作品でしっかりとした(より現実的な)オチをつけています。 その代わり、多くの読者がこのシリーズを手に取るに至ったホラー色は薄くなり、というか完全に消え去り、最早完璧なSF作品になりました。 ここには賛否両論あるでしょうが、冷静に考えてみると、構成という意味で、これ程までに綺麗に嵌ったシリーズも珍しいのではないかと思います。 シリーズを追う毎に物語のスケールが飛躍的にアップしていきます。しかも舞台となるのは全く異なる分野です。 そんな中で、前作からの繋がりをしっかりと感じる事ができます。 時系列を考えてみても面白いですね。予想外の繋がりを見せてくれます。 この点は素晴らしいと思うのですが・・・正直この作品は面白くないんですよね。 まず作品の持つ「色」の違い。これまでの2作品とのギャップがでかすぎます。 知った名前も一切出てこず、一体何が始まったんだ・・・って感じでしたから。 続編を楽しみにしていた読み手をがっかりさせる効果は抜群でしょう。 蔓延しているガンウィルスってところに、繋がりのヒントを汲み取ることは出来ますが、正直もう少し何とかならんかったかという気持ちです。 まだあります。(ネタバレにて) ▼以下、ネタバレ感想 |
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バラエティに富んだ?短篇集。
ただ特筆できるほど面白い作品はなかった。 う~ん、どこか作者のやる気が感じられないんだけどどうなのだろうか。 都筑道夫さんの作品の模倣が数作。都筑作品は読んだ事はないのですが(有名なんでしょうか)どこか既視感あり。 腹話術のやつは我孫子武丸の某シリーズを連想させるし(全然違うけど)、交換殺人のやつにしてもどこかで読んだ事のあるような・・・ オリジナリティという点で首を傾げざるを得ない。 あと意味不明なものが1作、そして全く意味不明なものが1作。 メインディッシュは表題作の「しらみつぶしの時計」と「盗まれた手紙」だと思いますが、どちらも完全なパズル。 短篇集ということで、余計なものを全て削ぎ落として・・・と言えば聞こえがいいが、落としすぎ。 パズルものでこれやったら、ホントにただのゲームになってますよ。 表題作に関して言えば、恐らく直ぐ答えがわかった人と最後まで分からなかった人に二分されるのではないでしょうか。 私は直ぐに分かったのですが、分からなかった人は、答えに行き着くまでの過程も流し読みだったんじゃないかな。 分かった人が読んでてもぐずぐずだと思ったもん。 完全にまず答えありきのパズルですね。 それとどこか読み応えを感じないのはシリアスな作品が無い事ではないだろうか。 シリアスな作品がパロディより上だとは言いませんが、シリアスに仕上げられそうな題材まで軽くまとめる事はないでしょう。 どこか投げやりに感じられたのは、こういうところではないだろうか。 これも作者のやる気を感じられなかった理由の1つですね。 |
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タイトルである「殺人の門」をくぐれた者だけが殺人を犯す事が出来る。
で、「殺人の門」をくぐるとはどういう事なのかという話である。 主人公は言ってみればお人好し。まさに坂道を転げ落ちるという表現がピッタリの人生を余儀なくされ、少し上向いたかと思えばまた転がり落ちるの繰り返し。 その裏には常に、主人公を「踏み台」として生きる事を選択した友人の存在があり、まさに運命の糸で結ばれた関係。 題材的にも作者にとって意欲作ともいえる作品と思えるのですが、正直楽しく読める作品ではありません。 どこか道尾秀介さんが得意とするテーマかと思うのですが、やはりこのテーマを描き切るという意味では道尾さんには及ばないという印象を持ちました。 やはり軽いのです。テーマこそ重いのですが東野さんの場合、それでもリーダビリティがいいのです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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