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はつえ さんのレビュー一覧

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レビュー数144

全144件 81~100 5/8ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.64:
(8pt)

昨日がなければ明日もないの感想

とにかく切ないです。人間は性善、性悪、どちらもある…。そんな記述がありました。そうですね、性善人がその善ゆえに性悪人に振り回され、人生を破壊されてしまっている現実は、目に見えないだけで、社会に蔓延っているのだと、突きつけられた気がします。私たちは薄氷のような人生を「運」に左右されながら、歩み続けているのですね。
オススメの一冊です。
昨日がなければ明日もない (文春文庫)
宮部みゆき昨日がなければ明日もない についてのレビュー
No.63:
(6pt)

聖女か悪女の感想

楽しみにしていた新作をやっと読むことができました。正直、何度も背すじがぞーっと。闇の世界って本当にあるのかも…、接点をもたずに生きていられる私は幸せ!かも…って本気に思ったのですが、どっちなんだろ。
真梨氏の作品を読みながら、自らの中にも微かに潜む女の嫌らしさを確認するのが秘かな楽しみだったのですが、今回はちょっと異なる恐怖を味わいました。
エグさも怖さも増し増しの作品、従来のファンの感想をこちらが聞いてみたいです。
聖女か悪女
真梨幸子聖女か悪女 についてのレビュー
No.62:
(6pt)

異人たちの館の感想

叙術トリックは難しい…解説にも書かれていましたが、その通りかと思います。転回が面白くて一日で読み倒しましたが、ネタはすぐに解るものでした。これが折原氏の最高峰だとしたら…ちょっと残念です。倒錯シリーズも二作ほどよんでますが、もっと翻弄されたような記憶がありますけど。
異人たちの館 (文春文庫)
折原一異人たちの館 についてのレビュー
No.61: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

邂逅の森の感想

ミステリーではありませんが、てっぱん、オススメです。
いち動物として獣たちと対等に生きる人間の生き様が描かれています。
動物として生きることをやめてしまった我々がうしなってしまったのは、研ぎ澄まされた野生の勘だけでなく、人の同士、獣同士、そして人と獣の間に流れる情でもあったことをまざまざと感じました。自然のなかでは偶然などあり得ず、邂逅ですら神の成した必然であるのでしょう。
今の都市に生きる私たち。都会という森を畏怖し敬いながらも己を貫く…僅かばかり残った野生を駆使しながら、そんな風に生き抜いて行きたい…そんな思いになりました。
邂逅の森 (文春文庫)
熊谷達也邂逅の森 についてのレビュー
No.60: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

蒲生邸事件の感想

二・二六事件を含む戦前の混乱期の歴史は私も苦手であり、当初は興味も湧かなかったのに、なぜか手にしてしまった本でした。
ところが読み始めると止まらなくなり、宮部マジックの鮮やかさに魅せられてしまいました。
予定調和のようなラストでありながら、しっかり泣かせてくださる…久しぶりに素直に感動できる読書となりました。
オススメします❗
蒲生邸事件 上 (文春文庫 み)
宮部みゆき蒲生邸事件 についてのレビュー
No.59:
(6pt)

山魔の如き嗤うものの感想

こちらのシリーズをボチボチ読んでいますが、あらゆる解釈を披露しまくるラストはどんでん返しやり過ぎ…で、読後の余韻を感じられず残念でした。
山魔の如き嗤うもの (講談社文庫)
三津田信三山魔の如き嗤うもの についてのレビュー
No.58:
(7pt)

ふたたび嗤う淑女の感想

中山七里氏は最低の人間を魅力的に描くことがどうしてこんなにも巧みなのでしょうか。ダークヒーロー御子柴礼司も嗤う淑女蒲生未智瑠も、嫌悪すべき人間でありながら魅かれてしまう自分が怖くなります。誰でも抱える心の闇をピンポイントで掘り下げ、粛清されても厭わない人間に仕立てあげ一刀両断に処す…なんだかすっきりしては、これを容認してはいけない!と自らを戒める。中毒です。
ふたたび嗤う淑女 (実業之日本社文庫)
中山七里ふたたび嗤う淑女 についてのレビュー
No.57: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

記憶の果て THE END OF MEMORYの感想

大変興味深く一気読みしました。尖った若ものの記した青春ミステリーではありません。生きることの意味を、自己の正体を求め、壁にぶつかっている人たちには特に読んで頂きたいです。ただし、吉凶どちらに転ぶかはわかりませんが。我が息子にも読んで欲しいのですが、現段階で私から薦めることは躊躇します。どこかで自ら手にとってくれないか…願望てす。
「脳の数だけ世界はある」茂木先生の作品解説が聞きたくなりました。
リアル対推理小説、探偵の人間性論も面白いですね。京極氏の「敬意ある挑発」発言も確かめてみて下さい。
記憶の果て(上) (講談社文庫)
浦賀和宏記憶の果て THE END OF MEMORY についてのレビュー
No.56: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)
【ネタバレかも!?】 (10件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

魔眼の匣の殺人の感想

前作に比べるとは受け入れられるテーマでしたし、ストーリー展開も格段に読み易かったと思います。葉村と比留子さんコンビの関係もナイスです。ただ…本格派に有りがちな「実は…」が露骨にこじつけのように感じることもあり、少々興醒めの部分もありました。
そうはいっても、心理トリックはよくできていて、間違いない作品だと思います。

魔眼の匣の殺人
今村昌弘魔眼の匣の殺人 についてのレビュー
No.55:
(7pt)

少女葬の感想

嫌な気分になるお話しです。でも多くの方に読んで欲しい作品でもあります。
私は子ども支援に携わる仕事をしています。こんな地方の町にも親や家庭に恵まれずに育つ子どもたちが大勢います。彼らが生きる世界を想像できますか。
現場にいる人間は少なからず思っているでしょう。彼らに必要なのは教育だと。将来の自分の姿を描き、今をどう生きるかを判断するために必要なのは知識と考える力です。「バカは罪」作品の中の少女は呟きます。立場上こんな表現をすることはできませんが、私の心情そのものです。
少女葬
櫛木理宇少女葬 についてのレビュー
No.54:
(6pt)

よろずのことに気をつけよの感想

呪詛とか念仏とか…基本このような題材は好みですので、楽しみに読み始めました。結果、前半は京極氏の作品と比べてしまい物足りなく、だんだんと登場人物二人の関係描写がたて込んでくると、なんだか軽い恋愛小説?といった様相も呈してきて、深みが薄れて、ラストは期待外れといったところです。
文体は簡潔で読みやすく、中身もそこそこですが、再読はないと思います。休日の友として楽しめました。
よろずのことに気をつけよ
川瀬七緒よろずのことに気をつけよ についてのレビュー
No.53:
(7pt)

犯人に告ぐの感想

一気読みしました。警察小説って面白いですね。ただ、問題提起力が薄いというか、後に残るものがあまりありませんでした。余暇を満喫するには、お手軽ですし、途中ちょっとした爽快感も味わえるので、良いと思います。
犯人に告ぐ〈上〉 (双葉文庫)
雫井脩介犯人に告ぐ についてのレビュー
No.52:
(5pt)

マリアビートルの感想

嫌悪感MAXでせっかくの面白処もわらえなかった。年取ったってことかな…。
マリアビートル (角川文庫)
伊坂幸太郎マリアビートル についてのレビュー
No.51: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

イノセント・デイズの感想

私は自殺を容認しませんが、人生から逃げたくなる人の気持ちもわかります。生まれてきた以上、必ず誰かの人生に影響を与えていることは確かです。何を持って迷惑かはわかりませんが、周囲の人を不幸にするなら、やはり自己満足以外の何ものでもないように思います。
読み進めるうちに、生きることの価値は人に寄って異なることは前提にしても、正義、真実…何が正しく、何が偽りなのか、考えることさえ無意味に感じてしまいそうになりました。
考える自分以外の視点を持つことは難し、ズレや矛盾を修正しようとしても出来ないことの方が多いのですが、それでもなんとか折合いをつけて生きて行くことしかできないと、再確認した作品でした。唯一言えるのは、人は自分の幸せを求めて生きるしかない、そしてそれは自分勝手であり自己満足でしかない…っていうことでしょうか。
イノセント・デイズ (新潮文庫)
早見和真イノセント・デイズ についてのレビュー
No.50:
(6pt)

完全恋愛の感想

娯楽小説といった感が否めません。恋愛ものとしてそれなりに楽しみましたが、回収されない謎もいくつか残り、ミステリーとしてはあまり評価できません。文体も私には馴染めませんでした。
完全恋愛
牧薩次完全恋愛 についてのレビュー
No.49: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

神様の裏の顔の感想

不安ばかりのこの年の終わりに手放しでおもいろい作品を読めました。それだけでも作者に感謝です。
最近はTVもお笑い芸人ばかりですね。お笑いは嫌いではありませんが、形だけで笑わせたりネタが下品過ぎたりの横行で、ついTVを消してしまいます。諷刺や機知に富んでつい失笑…みたいもの求めてました。
勘違いネタはお笑いの王道ですね。そこにミステリー要素を絡ませて、どんなどんでん返しに出会えるのかいろんなパタンを想定して読み進めるのに、わくわくしました。ありがちなラストではありましたが、過程を充分楽しめましたので、オススメ作品といたします。
神様の裏の顔 (角川文庫)
藤崎翔神様の裏の顔 についてのレビュー
No.48:
(6pt)

嗤う淑女の感想

美人であるが上にこんな風に歪むんですね。確かに悲惨な子ども時代の体験ですが。
どこかでダークヒロインとか称されていましたが、ヒロインはちがうでしょう。でも、ここまで来るとある意味痛快。よって次作も近いうちに読みます❗
嗤う淑女 (実業之日本社文庫)
中山七里嗤う淑女 についてのレビュー
No.47: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

首無の如き祟るものの感想

誰が誰だか…首があってもなくてもわかりません。あらゆる絡繰りを駆使しラストのラストまで翻弄されました。読後でさえも、まだ実は…が隠されているのではとしばらく頭の中がぐるぐる…。
前2作に比べ、読みやすいのにトリックは秀逸。シリーズ最高位の作品であることに納得です。
オススメします❗

首無の如き祟るもの (講談社文庫)
三津田信三首無の如き祟るもの についてのレビュー
No.46:
(6pt)

奪取の感想

男子の夢を描いた小説です。男性でなくて男子です!
こんな相棒と一緒にこんな彼女を従え、憧れの先輩の果たせなかった夢に向かって全力疾走。かつての男子の方々はそんな思いで読まれるのではないでしょうか。
残念ながら元女子の私は楽しみながらも苦笑、苦笑。
あっ決して蔑んでいるわけではありません。作品は面白いですし、読後感は男子って素敵!
奪取(上)-推理作家協会賞全集(86) (双葉文庫)
真保裕一奪取 についてのレビュー
No.45:
(5pt)

朽ちないサクラの感想

柚月氏の作品は面白いもの否のものの差が激しいですね。私にはこれは後者です。ストーリーもラストの展開も超優等生の主人公もダメでした。謎は途中でバレバレ、最後の主人公の意気込みもなんだか虚しい…。
若い時によんでたら、きっと違った感想もったかもしれませんが。
朽ちないサクラ (徳間文庫)
柚月裕子朽ちないサクラ についてのレビュー