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はつえ さんのレビュー一覧

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レビュー数144

全144件 61~80 4/8ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.84:

螢 (幻冬舎文庫)

麻耶雄嵩

No.84: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

螢の感想

麻耶雄嵩さんと言う作家さん、私は少々苦手なんです。何冊か読んでいますが、いつもその有耶無耶とした文体に翻弄されるからです。主語がわからない文章に語り手をハッキリさせない手法…内容は面白いのに読み心地、悪いです。
そして今回、ピンポイントでやられました。ましてや本格推理ものを読むとき、登場人物をじっくり頭に叩き込んて挑む私は格好のターゲットでありました。もやもや感が半端なくつきまとい、最後を迎えさせられたわけです。
勘違いを勘違いと思わせず勘違いさせらて…。?の応酬の中で「麻耶氏の作品だもの、この程度はあり!」と思った私が浅はかでした。しかし、今の時代の流れによってはこの手法、通用しなくなるかも知れないと思うのですが、いかがですか。
今のうちにお読みになることをオススメします。
螢 (幻冬舎文庫)
麻耶雄嵩 についてのレビュー
No.83:
(6pt)

少女たちの羅針盤の感想

高校演劇から地域劇団に身を置いていた私には、あるある過ぎて大ウケでした。演劇初心者の葛藤と役者の個性とか、高校における演劇部のたち位置とか、顧問と生徒の関係とか、社会人劇団からのお言葉とか…枚挙にいとまがありません。ミステリなのにそっちに気が行ってしまって…。
作者は間違いなくその世界にいた方ですね。初めは違和感のあった文体も途中で「これ脚本じゃん。」と気づくと、その不自然さに納得。脚本家だったら、役者に委ねてあえて記さない感情の部分を演技の形として詳細に書き込んでいるんですね。
プロットも高校演劇作品ぼいし、ラストの作り方はその物です。
こんな風に私は一味違った楽しみ方をさせていただきました。
ご興味のある方は、こんな視点も合わせて楽しんでみたらいかがでしょうか。
少女たちの羅針盤 (光文社文庫 み 34-1)
水生大海少女たちの羅針盤 についてのレビュー
No.82: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

盤上の向日葵の感想

ミステリ度は低いですが、運命に逆らい生き抜こうとする青年の人生ドラマとして充分楽しむことができました。
境遇や環境はどんなに努力をしても抗うことはできないのでしょうか。頑張っても頑張っても報われない運命、切なさで胸が痛いほどでした。ラストはどう評価していいのか…。
将棋の知識が全くない私でも大丈夫でした。生きることの不条理を感じている方、ぜひお読み下さい。
盤上の向日葵
柚月裕子盤上の向日葵 についてのレビュー
No.81: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

鏡の中は日曜日の感想

凄い❗です。初心者は手を出さない方が…。
まだ初心者の域を出ない私ですが、「あれ?」「もしかして?」「まさか?」愉悦のオンパレードでした。もっと読経験があれは、悔しいてす。修行してまた挑みます。
オマージュ?パロディ?そんなことどうでもよく、作家殊能氏の脳内世界に魅せられました。「ハサミ男」で満足していたことを後悔。これから石動戯作を追いかけます。
講談社文庫で読みました。同時収録の「櫁」「榁」で倍楽しめ、法月綸太郎氏の解説も魅力的。お読みいただきたい。
殊能氏は夭逝しなさったんですよね…黙祷
鏡の中は日曜日 (講談社文庫)
殊能将之鏡の中は日曜日 についてのレビュー
No.80:
(6pt)

世界が赫(あか)に染まる日にの感想

人の生きる世の中では道義は不変的であるはずなのに、正義、不義の判断はその社会や個人に依って異なります。人はその生きる範囲の中でしか物事を考え、感じることができないからです。
登場する中学生達は同じ社会に身を置きながらも、それぞれが生きる世界の広さや質で思想も行動も異なります。交わっても同化することのこのない二人に友情は生まれるのか…。
ラストが結構ミステリです。

世界が赫(あか)に染まる日に
櫛木理宇世界が赫(あか)に染まる日に についてのレビュー
No.79: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

46番目の密室の感想

臨床犯罪学者、火村英生の誕生作ということで読んでみました。やっぱり魅力ある探偵は何か暗い過去を背負い一癖も二癖もある大人がいいですよね。昨今の学園を舞台にした学生探偵に、何となく馴染めないのは歳のせいでしょうか。
いい意味でとても読みやすい作品でした。内容も表現もわかり易く、初心者向けかもしれません。火村英生と作家アリスの人となり、二人の関係性を確認して、次に進む…ためにぜひお読み下さい。
余談ですが、学生アリスシリーズは読破しています。このシリーズ、私が学生時代を過ごしたころの匂いが漂っていてとても好きです。作家アリスシリーズは数冊つまみ読みしましたが、また違ったテイストなんですね。少しずつ読んで行きます。
46番目の密室 (講談社文庫)
有栖川有栖46番目の密室 についてのレビュー
No.78:
(6pt)

レベル7の感想

杉村三郎シリーズや社会問題を扱った作品がとても良かったので、遡って初期の作品を読んでみました。
人間が描ききれていない、サスペンスとうたわれている割にはドキドキ感あまりない、文章も洗練されていない、こんな理由で少々期待外れでした。
作家はこんな風に成長していくのだ…。長く多くの良作を産み出している作家さんだから、その過程を辿ってみるのもいいかな…途中途中で、内容よりこんなこと勝手に思ってたのしんだりもしました。
それでもやはり宮部みゆきさんです。一定レベル以上であることは間近いないと思います。
レベル7(セブン) (新潮文庫)
宮部みゆきレベル7 についてのレビュー
No.77:
(6pt)

宿命の感想

誰もが抗うことのできない『宿命』を背負って生きている。読後の感想ですが、内容としては今一つでした。
東野作品として評価は高いほうに位置する作品かもしれませんが、ストーリーも謎ときもパッとせず、どっち付かずでじっくり楽しむ前に終わってしまいました。「ヒューマンドラマと謎ときを楽しめる」「ラスト一行で感動」とか、期待が大きすぎたのか、私の読込みが浅いのか、何とも言えません。
そうはいっても東野圭吾さんの作品です。お読みになることをオススメします。
宿命 (講談社文庫)
東野圭吾宿命 についてのレビュー
No.76: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

人格転移の殺人の感想

こんなに人が殺されているのに笑って読めるミステリです。
頭の体操しているような記述が次々にテンポよくやって来て、アッと言う間に読んでしまいました。「へっ?」と思うような理由でも、トリックが面白いから「よしっ❗」ってなってしまうんですよね。
西澤作品が如何に可笑しく魅力的か、新書版の解説にしっかり書かれていて納得しました。

人格転移の殺人 (講談社文庫)
西澤保彦人格転移の殺人 についてのレビュー
No.75: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

名探偵に薔薇をの感想

二作のタイトルが異なるため、同し登場人物の異なる作品かと思っておりました。また、一作目を読み切った時の感想は「ここまで高評価を得る作品なのか?」というものでした。
二作目は語り手も代わり、別な事件が起きるのかとおもいきやあにはからん、前作があり成り立つ決め細やかで深い絡繰りが…。猜疑と不安が驚きに変わる過程を楽しむことができました。
人間関係と心理を何層にも掘り下げて描く緻密さに脳と神経を刺激される一方、言葉を音として楽しみたい私の嗜好に合った古典風で簡潔な文体の心地よさが加わり、十分楽しませていただきました。
オススメの一冊です。
名探偵に薔薇を (創元推理文庫)
城平京名探偵に薔薇を についてのレビュー
No.74:
(6pt)

セカンド・ラブの感想

週末のお楽しみ読書です。オチも予想できたので、途中からはどんな展開どんな表現で驚かせてくれるのかを楽しみに読み進める、そんな作品でした。
セカンド・ラブ (文春文庫)
乾くるみセカンド・ラブ についてのレビュー
No.73:
(5pt)

ぬるくゆるやかに流れる黒い川の感想

「~ヘイト」っていうの、最近のよく耳にしますね。得体の知れないものへの怒りや苛立ちのぶつけ先が欲しいのですね。社会の歪みの中でどうやって自己を肯定し生きていくか、難しい世の中になって来ている気がします。。
特にオススメではありませんが、私にとっては、知らなかった負の歴史について目を向ける機会を与えていただいた作品でもありました。
ぬるくゆるやかに流れる黒い川 (双葉文庫)
櫛木理宇ぬるくゆるやかに流れる黒い川 についてのレビュー
No.72:
(8pt)

ある少女にまつわる殺人の告白の感想

正統派イヤミスです。イヤミス小説の中には気をてらった過激な表現で嫌悪感を煽るものがありますが、この作品は出来事のみが淡々と語られ、静謐な雰囲気すら醸し出しておりました。ラストの展開も予想できるものではあるのですが、底深い不安感がじわりじわりと沁み出して来る…そんな気持ちに包まれました。解説にもありましたように決して二番煎じではない作品です。
ある少女にまつわる殺人の告白
佐藤青南ある少女にまつわる殺人の告白 についてのレビュー
No.71:
(6pt)

出版禁止の感想

ここまでされると「これ実話?」ってつい訝ってしまうような作り方で、そちらの方にモヤモヤさせられてしまいました。
心中の成り立ちと意味を解き明かし、究極の情愛についてしみじみ考察を巡らせていたのに、最後に水を注されたような気もしましたが…。
作者の意図はどちらにあるのかわかりませんが、心の中は誰にも分からない…そんなメッセージも伝わりました。
出版禁止 (新潮文庫)
長江俊和出版禁止 についてのレビュー
No.70:
(6pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

弁護側の証人の感想

読んでみるべき作品というところでしょうか。今どきの込み入ったシチュエーションの作品を読み込んでいると…ラストも十分予想できてしまうのですが、やはり読み継がれているだけの魅力ある作品だと思います。短いので休日のお楽しみにオススメします。
弁護側の証人 (集英社文庫)
小泉喜美子弁護側の証人 についてのレビュー
No.69:
(8pt)

チェーン・ポイズンの感想

ミステリーとしての出来ではなく、作者の人生感や人間の描写に惹かれました。社会は他人は決して人に対して優しいものではありません。そんな現実を見事に描き出しています。いちいち納得できる含蓄のある言葉に首肯きながら読みました。
オススメの一冊ですよ。
チェーン・ポイズン (講談社文庫)
本多孝好チェーン・ポイズン についてのレビュー
No.68:
(9pt)

天上の葦の感想

心痛に涙し感動に鳥肌を覚えるながら読み通しました。あらゆる人々に読んでいただきたい作品です。権力と報道ついて真実を視る目を持ちましょう。これがフィクションであることを、そしてあり続けることを願いながら…。無理かも知れませんけど。
天上の葦 上 (角川文庫)
太田愛天上の葦 についてのレビュー
No.67:
(6pt)

虎を追うの感想

異常小児性愛者を今風メディアを駆使して追い詰める…作品です。ところどころ気分が悪くなるような表現もあり、サイコパスものに慣れてない方にはオススメしません。
このおぞましさはむしろ女性作家だからこそ?…さすがの櫛木氏です。母子、父子関係の歪みが生み出すサイコパスは定番ですが、分析や見解が一定理解できるもので、違和感なく読めました。
惜しむらくはラストです。イヤミスにハッピーエンドは不要…と言っても、とって着けたエピソードも却ってよろしくないような。
撚りも何もありませんが、異常心理分析好きはよいかもしれません。
虎を追う (光文社文庫)
櫛木理宇虎を追う についてのレビュー
No.66: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

戻り川心中の感想

大正時代から昭和にかけた混乱の時代を生きた男女の情愛の物語を堪能させていただきました。。命を賭して情を貫く男女の生き様は涙を誘うものでした。今を生きる方々に容易には理解いただけない話ではあるかもしれませんが、いつの時代も人間も真剣に生きていることは変わらぬ理かと思います。生涯傍らに置きたい書籍に久しぶり出会うことができました。
戻り川心中 (光文社文庫)
連城三紀彦戻り川心中 についてのレビュー
No.65:
(5pt)

しゃぼん玉の感想

厳しい境遇で育った危うい若ものの心理が表現せれている作品ではありますが、少し期待はずれでした。さらに予定調和のエンディングで興ざめ…。しゃぼん玉が簡単に風船になれるのか。イヤミス好きのコメントです。
しゃぼん玉 (新潮文庫)
乃南アサしゃぼん玉 についてのレビュー