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はつえ さんのレビュー一覧
はつえさんのページへレビュー数42件
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表題に惹かれて読みました。もちろん湊氏の作品ですからイヤミス好きとしては期待せずにはいられません。
しかし…中盤まで読み進め、挫折しそうになりました。 蝶や色彩についての考察は、とても興味深かったのですが、 ありきたりな言葉で表わされるイマドキ美少年、美少女への賛美が、同じ形で(これは意図的ですよね)繰り返され、何か癇に障ってきてしまいまして。加えて、微かに匂わされるゴシックホラー的な世界にも入って行けません…。 これは…親子の物語か?世代を超えた男女の恋愛か?はたまた人格障害者と芸術表現の追求なのか?もやもや〜 ですが、最後まで読みましたところ、ふふっ!やはり湊氏の手に陥ちました。 この手の作品が好みでない方にはオススメいたしませんが、湊氏ファンはどうぞ。根底にあるテーマはそのままです。 |
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読みやすいとの理由で、休日にのんびり読書で時間を過ごすのにおすすめします。
加賀シリーズはガリレオのような奇を衒ったトリックがあるわけでもないので、人間に焦点を当てた物語なのでしょうが、心を震わすような出来事もなく、登場人物も人間関係も会話も平凡で、全くドキドキ関係を感じることなく終わりました。ラストも想定内の範囲でしたし…。 何より加賀恭一郎の魅力が全く感じられなかったのが、一番の残念ポイントでした。 |
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早坂氏、ルイス・キャロルへ挑戦!ですね。
「不思議の国のアリス」をモチーフにしたミステリーをいくつか読みましたが、かなり楽しめた作品です。早坂流ウィットに富んだ言葉遊びが秀逸で、ルイスへの畏敬と挑戦を感じます。タダのアリスファンではなく、小説「不思議の〜」ファンこそ面白さがわかるはずです。 もちろん、原作読んでいることはマストです。 |
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結局ワクワクでしたのは第一話の怪異伝承…ちょっと悲しい思いで読み終えました。
せっかくの刀城言耶登場なれど、怪しさも妖しさも感じられない作品で、とても残念でした。 編集者の祖父江偲女史が苦手です。現実的過ぎる彼女の存在が、作品の魅力を台無しにしています。言耶と彼女の漫画的やり取りが多すぎて、このシリーズに潜む怪奇と荘厳な雰囲気を壊してしまっていました。 加えて謎ときにも神秘的策がなく、「果たして真相は…?」の余韻すら楽しむことできません。 シリーズを順番に読み進めているのですが、次作に期待してもいいでしょうか? |
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奥田英朗氏の高い文章力のなせる技ですね。一気読みです。
題材は至って安直な殺人事件、事件の背景も単純であるがため、複雑な心理描写もありませんが、「嫌なことはなかったことに」的な心理は人間の防衛本能なのだと感心し、予想できる展開なのに読むことを止められません。 物語は終止、女性特有のオプトティミスティックな感覚で進み、最後は…、良心との葛藤(笑)のラストで爽快感すら覚えました。 |
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読み易い、そして適度に楽しめる、そんな作品でした。
嫌みのない文体に時おりちりばめられた「読めても書けない熟語」が面白く、私としては一風変わったお楽しみもありましたが。 内容は可もなく不可もなく…です。失礼な表現ですみません。ある時点で事件の真相が見えてしまったので、後は謎ときのきっかけやラストのまとめ方を楽しむだけになってしまいました。 もうひとつ欲を言えば、大手新聞社の幹部たちがこぞって詣でる誘拐犯の娘の人材としての価値を、もっと説得力あるものに描いていただきたかったです。まるで魅力的な女子大生に入れあげるおじ様集団のようで…残念でした。 休日に軽く読書を、といった場面にオススメしたい作品です。 |
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濃くて複雑怪奇な作品を続けて読んでいたので、閑話休題のように手軽に楽しみました。ハードボイルドは好みではないのに手にした理由は「代償」の作者の別作品を読んでみたかったからですかね。「代償」は少し前に読みましたが、読後に様々な想いが心に渦巻き今でも感想すら書けずにいます。
さて、こちらは題名通りハートウォームな作品です。ダサいのにかっこよく、粗野なのに厚情なわけあり過去を背負ったタフガイの主人公が、正&反社会的組織の中で立ち回る!テキスト通りの作品です。何も考えない読書もたまにはよいかな。 |
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つまりファンタジーなんですね…。
密室トリックはどれも現実味がなく偶然や、運命の悪戯を利用したものばかりです。直ぐに緻密なトリックを楽しむ作品でないことがわかり、作者の世界観を感じることに…方向転換をしました。最終章の三好達治の詩への解説など、心に響くものは多々ありました。 結論として、読後に気づいたのですが、これが作者の狙いであり、だから「密室蒐集家」なのでしょうか。作家について知識がありませんので、罠に嵌まったのかすらわからずにおります。 |
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中編会話劇を見終わったような気分です。ログハウスのリビング、4組の夫婦が出たり入ったりしながら、探り合いの会話を交わす、そんなシーンが繋がっていく、頭の中で舞台を一本楽しませていただきました。ラストの作り方も戯曲らしいし…。
後で知りましたが、実際に映画化されたようですね。知識不足でした。 そんな観点から観ると、面白いといえば面白いかもしれません。直ぐに読める長さですので、休日のちょっとしたお楽しみにオススメです。 |
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何故、改題したのでしょう。読後に「彼女はもういない」の方が意味深くてしっくりすると感じました。
西澤保彦氏の重層的な心理描写に脱帽です。気づく気づかないに関わらず、人は心中に自らも認めたくないような邪悪なる目的が生じると、それを都合の良い目的とすり替えてしまい、他人のみならず自分自身すら騙そうとするのですね。深層に潜む真の目的を探りだし白日のもとに曝して実現化する…「狂」への誘いです。 この「狂う」別な意味もあるかもしれません。いつのまにか目的が狂ってしまうという。 特に女性読者には受け入れがたい描写がありますが、その不快感を差し引いても、読んでいただたきたい作品かと思います。 |
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生理的ゾワゾワ感がじわじわと来る作品でした。こんな人たちには関わらずに生き抜きたい…と願わずにはいられないのですが、大なり小なり「この人、人格障害…?」とおぼしき方はいますよね。で、読後に背すじがゾクッというわけです。
イヤミス好きな方はぜひご一読を。 |
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真梨幸子ファンは必読ですね。ある意味マニアックです。初めての方もよいのでしょうが、ファンでないと楽しめない角度が数倍です。真梨氏もさぞ楽しんでいるかと思います。
私にとって真梨氏作品はミステリ読書生活の閑話休題、なくてはならない存在です。 |
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このシリーズの特徴…面白さ…は刀城言耶が小説家という設定であることだとつくづく感じさせられました。つまるところ、謎が解明されなくても真犯人がだれであっても構わないし、トリックが真実である必要もないのです。登場人物がそれで良しとすれば小説家刀城言耶の役割りはおしまいです。読書がそこで納得すれば作品自体もおわるのですが、三津田氏はちゃんと種明かし?という、魅力的なおまけをつけてくれたりします。それとて真実かどうか…。最後は読書が良しとして、完結となるわけですね。真実は闇のなかなんて、人生そのものです。
この作品は少し前に読んだのですが、シリーズ次作を読もうと思っておりますので、感想を記しておきました、 |
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あまり話題にはなりませんが、イヤミス好きにオススメの作品でした。
他人を踏み台にして生き延びようとするのは本能のひとつだと思います。もちろんその人を思いやる気持ちやモラルが勝るので、実際そんな考えは意識の表層まで浮かび上がって来ないのかもしれませんし、例え一片を感じても否定するのが普通の人間です。そこを意図も簡単にやってのけられる人は存在します、隠れサイコパス怖いです。 |
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娯楽小説として充分に楽しめました。最後のスッキリ感は時代劇みたいです。勧善懲悪万才!
ふだんはイヤミスを読み、読後に人間の心理についてじっくり考えるのがすきなのですが、この作品は登場人物に感情移入せず、ストーリーを楽しむことができました。しかし、現実と照らし合わせると空寒さも感じますが…。 |
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イヤミス好きなので評価点はつい高めになっていると思われます。ご注意下さい。
たまにこういうイヤミス小説読みたくなるんですよね。自分はここまで嫌な女じゃない…そんな確認をして、負の感情を昇華する作業をする、といったところでしょうか。 女性は誰でも多少なりともこんな一面を持っています。男性の皆様、くれぐれも女性不振になりませんように。というか、男性はこの手の作品はお読みにならないでしょうね。 |
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どう評価すればいいのでしょう。エンターテイメントとして楽しんで下さい…と言い切ることができません。投げ掛けられた問題があまりに重く、読み手がどんなメッセージを受けとるか不安でならないからです。
数日前、ここで「GWにどうですか?」というコメントを目にして手にしました。初めは『私を離さないで』を連想させるような、透明で無垢な魂に潜む不安定さを享受していたのですが、次第に傲り昂る人間への違和感が湧き始め、繰り返される殺戮の場面は嫌悪に苛まれました。何度も止めようかと迷いましたが、ラストにどんなメッセージをどんな手法で投げ掛けてくるのか…知りたくて読破しました。そして、上の感想です。 10代の初め、星新一氏のSFショートショートに出会った時「これはずっと先の未来であり、人間がこんなに愚かであるはずはない…」と感想を持ちました。あれからうん十年、しばしばそのままの世界が目の前にあることに驚いています。 そして現在、人種や貧富の違いによる差別、エリートの選民意識、権力による支配が溢れ、個人、社会、国家レベルでの有血無血の殺戮が行われている…。今、この作品に出会い底深い恐怖を覚えずにはいられないのは私だけでしょうか。 人間はきれいごとでは生きていけません。しかし、命のレベルでの奢り昂りは人間が人間としての存在を貶め、否定することになるのではないでしょうか。選ばれし人間などはいません。命の価値は平等であり、ただ運の違いであるだけだと、思うのですが。 GWにこのような思索の契機を与えてくれた作者、作品に感謝します。 |
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人間性に欠ける主人公の正義感が腹立たしくて何度も放り出しそうになりました。ここまで清廉潔白な人いたら凄いです。理想的な官僚の姿なのでしょうが…それを求めて読むのが正解ということですね。感情優先で物事をとらえてしまう私などには、受入れ難いレベルでした。
ラストも何だか上手く収まって、しっくりきませんでしたが、次回作への伏線と考えました。なので二作目も読んでみようかと思いますが。 |
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高校演劇から地域劇団に身を置いていた私には、あるある過ぎて大ウケでした。演劇初心者の葛藤と役者の個性とか、高校における演劇部のたち位置とか、顧問と生徒の関係とか、社会人劇団からのお言葉とか…枚挙にいとまがありません。ミステリなのにそっちに気が行ってしまって…。
作者は間違いなくその世界にいた方ですね。初めは違和感のあった文体も途中で「これ脚本じゃん。」と気づくと、その不自然さに納得。脚本家だったら、役者に委ねてあえて記さない感情の部分を演技の形として詳細に書き込んでいるんですね。 プロットも高校演劇作品ぼいし、ラストの作り方はその物です。 こんな風に私は一味違った楽しみ方をさせていただきました。 ご興味のある方は、こんな視点も合わせて楽しんでみたらいかがでしょうか。 |
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人の生きる世の中では道義は不変的であるはずなのに、正義、不義の判断はその社会や個人に依って異なります。人はその生きる範囲の中でしか物事を考え、感じることができないからです。
登場する中学生達は同じ社会に身を置きながらも、それぞれが生きる世界の広さや質で思想も行動も異なります。交わっても同化することのこのない二人に友情は生まれるのか…。 ラストが結構ミステリです。 |
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