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はつえ さんのレビュー一覧

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レビュー数35

全35件 1~20 1/2ページ
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No.35: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

リバーの感想

面白い、読み易い、読み始めたらやめられない!作品です。
容疑者、被害者、警察と検察、マスコミ、事件記者、表裏の双方の社会に生きる人たちが、10年越しの事件の真相に向い、集約されていく様が描かれています。数多の登場人物それぞれに家族や友があり、生活があり、人生があることも上手く書かれており、ややもすると混乱を招くほどの人物の動きが、簡潔に平易な言葉で語られています。物語の流れもわかり易く、分厚い本ながら、あっと言う間に読了でした。
敢えて残念なところを挙げるとしたら、
①直截的で誰でもわかり易言葉や表現を意識しているのか、同じ言い回しが多く使われており、文学的な愉しみを味わうことが出来なかったこと、
②興味深い登場人物…特に容疑者たちの、細かい心理描写がなされていなかったこと、です。これは、読み進めなかわら、わざと容疑者たちへの先入観を持たないようにしているのではと思い、最終章を期待していました。というわけでラストが幾らか物足りないを感じを受けました。
そうは言いましても、間違いなく面白いです。ぜひ、お読みになることをオススメします。
リバー
奥田英朗リバー についてのレビュー
No.34: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

悪魔を憐れむの感想

表題作の「悪魔を憐れむ」は西澤氏の代表作の一つ言えるほどの作品だと、思いました。複雑で重層的な人間の心理をよくぞここまで描くものだと、圧倒されました。
このような感動的ともいえる人間心理を味わいたくて、西澤氏の作品を手にとらずにはいられません。特にこのシリーズは魔的な秘薬です。
悪魔を憐れむ (幻冬舎文庫)
西澤保彦悪魔を憐れむ についてのレビュー
No.33: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

護られなかった者たちへの感想

映画が話題になったようですが、原作とは幾分異なる設定のようですね。私は基本、まず小説ですので、映画は少し残念な気がします。
福祉を受ける側と執行する側、双方の現実を描き、そこにある問題の本質に目を向けさせてくれる深みのある作品です。社会福祉制度だけでなく、人間とは何か、人生とは運命とは、考えさせられました。
護られなかった者たちへ (宝島社文庫)
中山七里護られなかった者たちへ についてのレビュー
No.32: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

忌名の如き贄るものの感想

このシリーズ、作を重ねるごとに単純でわかり易くなってきます。私としては初期の頃の複雑怪奇な作品のほうが断然好みです。
しかし、今作はいつもちょっと煩わし過ぎる祖父江忍氏や阿武隈川烏氏が本筋に登場しなかったり、閉ざされた村に蔓延る旧家のしがらみが明解だったり、残存する風習や儀式や言い伝えが解りやすかったりで、余計なものがなくとても読みやすくなっています。加えて、真犯人が特定されない刀城言耶の謎解きや民族学研究者としての興味深い蘊蓄など、シリーズ作品の魅力は楽しむことができます。前作品を読まずとも、刀城言耶入門編でもいけるのではないでしょうか。
願わくば、ミステリとして事件の背景にもう少し緻密なストーリーが欲しかったです。双子の出生等一般の知識で直ぐに気づく謎があったり、トリックに関わるのではと着眼した箇所が誤植だったりと気抜けしてしまうこともありました。旧家の謎などはもっと深掘りしていただきたかったです。また、ミステリ以上にホラー的要素が強い作品だったので少々残念でもありました。三津田氏のホラー作品も好きですが、刀城言耶シリーズはやはりミステリであって欲しかったですね。
そうはいっても、ファンには楽しめると思います。オススメします。
忌名の如き贄るもの (講談社文庫)
三津田信三忌名の如き贄るもの についてのレビュー
No.31: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

うるはしみにくし あなたのともだちの感想

期待以上の作品でした。「美」とは、「美の基準」とは…考えさせられます。
かつては女子高校生であった私ですので、視覚的な美がどれほどの価値を持ち、生死さえ左右するほど重要な事であるかは理解できるものでした。ましてや「映え」重視、「盛り」当たり前のSNSの世界で生きる現代の女子たちが、劣等感から自らを守るために「呪い」の世界へ堕ちて行く構造は共感にも価するものでした。彼女たちの心の叫びが突き刺ささります。
男性には理解し難いかもしれません。また非現実的な「呪詛」を題材にしていますので、馴染めない方も多いと思います。私も読む前はは少し引いてましたので…。
渦中に生きる女子の皆さん、そしてこの年代の女子心理を理解したいと思っている方たちにはオススメいたします。
見た目重視で本来の姿や価値を見失ってしまいかちな現代社会のあり方に一石を投じている作品かもしれませんね。
うるはしみにくし あなたのともだち
No.30: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

invert 城塚翡翠倒叙集の感想

絶対!先に前作「medium」をお読みになって下さい。そして倒叙ミステリー「invert」を「探偵の推理を推理する」ように、存分にお楽しみになることをオススメします。特に最終話の「信用ならない目撃者」は秀作だと思います。
女性の敵のようなこのあざとさは、最早変幻自在の翡翠の魅力でもありますし、某有名ドラマのパロディのような振る舞いも苦笑から始まり、終いには翡翠のクセそのもののように思えてしまうほど、突き抜けています。ここまでやると、あっぱれです。
城塚翡翠は一体何者か?情状酌量の余地がない程にどんな理由があろうと人の命を奪う者を許さない…のはなぜか?翡翠の正体=秘密を知りたいがため、次作も必ず手にすると思います。
invert 城塚翡翠倒叙集
相沢沙呼invert 城塚翡翠倒叙集 についてのレビュー
No.29: 3人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

Blueの感想

ショッキングな社会問題が提起されています。多くの方にお読みいただけたらと思うほどに。
作品に登場する子育てに責任を持てない大人は、実際も沢山います。自分の欲望を満たすことだけで刹那的に生きる人が増え続ければ、このような社会問題も増殖の一途を辿るでしょう。生活様式も考え方も、心身にたたき込まれた習慣を変えることは困難で、ほとんどの場合、その子たちに連鎖します。人生の在りかたが生育環境に大きく左右させると実証され、教育が重要と言われても、すでにどこから手をつけたらいいのかわからない段階に来ているのかもしれません。
切なさと無力感が読後に残りましたが、クライムミステリー好きでしたら、小説としても楽しめる作品たと思います。
Blue (光文社文庫)
葉真中顕Blue についてのレビュー
No.28: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

生霊の如き重るものの感想

「刀城言耶シリーズ」は幼き日のノスタルジーに浸る悦びをもたらしてくれます。人生の終盤に生きる私には記憶の底に眠る出来事の数々を引っ張り出し、時に切なく時に微笑ましく、懐かしい想い出を味わう時間を与えてくれます。
特にこの短編集は、記憶の断片を遡ることのできる限界の小さき頃に「世の中には奇妙で不思議な出来事が溢れている」ことに気づき、漠然なる恐怖と孤独に襲われた感覚を呼び戻してくれました。
南方の伝承文化、彼の国の怪奇現象、世界の文学や宗教、人間心理、数えきれない知識を組み合わせで練られたトリックを、まだ遠くない昭和の時代を舞台に、その記憶を留める読者の感性に潜り込む…三津田氏の手法にまたしてもやられてしまいました。
生霊の如き重るもの (講談社文庫 み 58-13)
三津田信三生霊の如き重るもの についてのレビュー
No.27: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ユージニアの感想

若き日に手にし深く心に残っていた作品、再読です。
私にとって、その世界観に浸る…という読書の悦びを与えてくれる大切な一冊です。おこがましいですが、この作品がミステリファンにも一定の評価を得られていることを嬉しく思います。元来ミステリではないと思っていましたので。
なぜこの大量殺人が起きたのか、起きなければならなかったのか、何より真犯人すらも明確ではないようです。どこまで深く追求し推理するかは読者次第ですが、闇の中にそっとしておくこと…という読み方もいいものです。
犯人探しがお好きな方は、あなたなりの真実を見つけてみたらいかがでしょうか。
ユージニア (角川文庫)
恩田陸ユージニア についてのレビュー
No.26: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

事件の感想

一篇のルポルタージュを読んだようでした。時々織り込まれる登場人物の心理描写も客観性をもって語られ、心の在り方にういては読者の想像に委ねられているものでした。登場人物たちに不要の感情移入をすることなく読むことで、当に「事件」そのものと向き合うことができるようになっています。
また裁判制度の細かな描写はとても興味深く、戦後から今に続く裁判制度の問題に目を向ける機会となりました。裁判制度は時代に沿って変化し続けており、どの時代でも完全なものではないことを改めて感じるとともに、裁判は被疑者と被害者の権利を追究する塲であって「真実」を追究する塲ではないという事実には、落胆を感じずにはいられませんでしたが。
それ故に最終章で初めて焦点があて描かれた犯人、上田宏の有様がとても印象的でした。不運であろうとも「殺人」を実体験してしまった人間が、その罪とどう向き合い罪悪感を乗り越えて行くのか…なんとも悩ましい思いにさせられました。誰でも大なり小なり、こんな良心と罪の葛藤を繰り返しながら生きているのではないでしょうか。
私はオススメいたします。
事件 (創元推理文庫)
大岡昇平事件 についてのレビュー
No.25: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

長い長い殺人の感想

全編通して語り手が財布たち…という設定が興味深い作品でした。しかもそれぞれの財布たちがちゃんと人格?物格?(適した言葉ありますか?)を持ち、持主への情を踏まえた第三者の視点を持って、その財布しか知り得ない事実を語っていくという流れです。派手などんでん返しはなくとも、財布たちが慮る持主たちの背景や心情の描写は小説として満足できるものでした。
殺人事件、しかも4人もが惨殺されているお話しなのに何故か読後にほっこり感が味わえました。同作者の「我らが隣人の殺人」に通じるものを感じます。
オススメの一冊です。
長い長い殺人 (光文社文庫プレミアム)
宮部みゆき長い長い殺人 についてのレビュー
No.24: 5人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

屍鬼の感想

長いですね…でも完読する価値ある作品です。仕事をしながらでしたが、10日もの間「人死に」に浸っておりますと、何やら精神が揺らぎはじめてきて、読み終わった時には安堵しました。
前半は閉じた村=人間主体の社会の中で生きるの人々心理や行動、個と集団の葛藤等が描かれ、後半は創造主である神の創りし世界の一部でしかない世界て生きる人間を、その死生感を通じて人間が人間として生きるためには、何を信じてどう生きるか…が、問題提起されていたように思います。
人間の限界、神との境界は人に寄って異なります。自分が人間である以上、種としてよりよく生き、生き続けるためには、どこまで守るべき範囲を広げ、どこに境界線=妥協点を設ければいいのでしょうか。他者を尊重するということは自分の尊厳を守ることだとしたら、対象となると他者とは一体なんなのでしょうか。種を越え類を越え、神の領域さえ越えていったらその先には何があるのでしょうか。まるで宇宙の終わりを目指す旅のようでした。
私としては、結論が出るわけはない問いの中をグルグル巡る無限地獄に放り出され、じっくり深く思考する有意義な与えていただけき、素晴らしい作品に出会えたと思っています。ストーリーもプロットも飽きのこない展開もとても面白いですし。お時間のある方はぜひお読み下さい。オススメです。
ただ、評価をマイナス2ポイントの訳をですが…こんなに哲学的な思索に耽ることのできた作品だつたのに、ラストのまとめが少女漫画的な薄いものになっており…少し残念でした。
屍鬼〈5〉 (新潮文庫)
小野不由美屍鬼 についてのレビュー
No.23: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

怒りの感想

流石芥川賞作家の作品でした。ある猟奇的事件を引きがねに、登場人物たちの心に生れた小さな疑惑が、情という養分を吸いながら、緩く深く根をはり巡らせていく様を夢中になって読み進めました。あるものは純粋で、あるものは無垢で、あるものは正直であるが故に、自らの心に芽生えた疑惑に破滅させられてしまいます。なんとも切なくやるせない思いに苛まれました。
憎むべきは彼らの心を壊したサイコパスの所業ですが、これについては理由は語られてはいません。作者は「怒り」が産み出す仕業として人間の脆さを描くことに集約し際立たすことで、「怒り」の本質を突きつけようとしたのでしょうか。私の勝手なる解釈です。
読みやすい文体、引き込まれるエピソード、形の異なる愛のすがた、丁寧に描かれた心の機微…。オススメできる一冊です。
怒り(上) (中公文庫)
吉田修一怒り についてのレビュー
No.22: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

幽女の如き怨むものの感想

情緒的なラスト…犯人探しではなくあくまで登場人物の生き様を尊重する結末…はシリーズの真骨頂ですかね。但し、刀城言耶はほ謎解きだけの登場ですが。
推理小説というより、遊廓で生きる女たちの哀しき人生が作者の愛憐溢れる視点で描かれており、ひとつの人生記として読ませていただきました。また戦前から現代に至る性風俗の変遷も興味深く読みました。
第四部「怪奇」に逃げようとする曖昧さには思わず反則!と突っ込みたくなったものの、終盤で交わされる優子と刀城言耶の会話に感動させられ、これで良いといたしました。
女性にとっては刺激的で不快な描写もありご注意と言いたいところですが、こんな生き方をせざるを得なかった女性たちがいた…いることを知り、彼女たちの心情に触れることで感動とともに理解を深めることのできる作品として、読まれても良いかと思います。
幽女の如き怨むもの (講談社文庫)
三津田信三幽女の如き怨むもの についてのレビュー
No.21: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

虚無への供物の感想

満を持して三大奇書、私にとり最後の一冊を手に取りました。これらの作品が奇しいと謂われる所以は、読者をいつのまにかその作品の一部にとり込みんでしまうことで、読者が自らの存在を小説の終わりとともに虚構の世界に置き去りにしてしまうような錯覚に陥らせ、その存在が如何に脆く不確かなものであるかを実感させてしまうことにあるからでしょうか。
犯罪の理由は単純であれ複雑怪奇であれ、犯人にしか解らないものです、いえ犯人ですら解らないことであったりします。だから理由は何だっていいのです、人間の脳内世界では何でもありですから。なのでミステリ小説の中でどんな理由でどんな犯罪が起きても、そのまま受け入れることができるはずでした。
ところがこの作品、最後に犯行を行わなければならなかった人物と理由が特定されるとすぐさま「真犯人は…!」と人差し指を突き立てるのです。
これは現世で『御見物衆』と成り下がっていた読者への警告です。だからといって日々起こる事件や事故の当事者の苦悩を第三者がどう想像し感じればよいのでしょう。明日は我が身かと考えていても…です。60年も前の作品ですが、今こそ読んでいただきたいです。
若き日に「ドグラ・マグラ」と出会い、足下の地面がふっと消えてしまったような恐怖心に襲われ、自ら思考停止を決め込んで数日を過ごしたこと思い出しました。同じようにまたしばらく鬱々とした日々を過ごさなくてはならないかもしれません。
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)
中井英夫虚無への供物 についてのレビュー
No.20: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ナミヤ雑貨店の奇蹟の感想

今まで手にとってこなかったのは読まず嫌いの最たるものと反省しかりです。
東野圭吾氏は善人悪人全ての人間を尊び愛している人なのだと思います。この作品にもナミヤ雑貨店と丸光園に繋がる、ただの人々、理想化も粉飾もされない人たちの運命と生き様がえがかれていました。考えてみると東野氏は作品の登場する人物の、例えサイコパスであっても、その生き方を否定することなく、受容する神の視点から描いているような気がします。
じわりじわりと感動がわいてくる、そんな気分を満喫しました。波矢氏からの白紙の手紙への返信は読者へのメッセージ。若者たちにはぜひとも読んでいただきたいものです。
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)
東野圭吾ナミヤ雑貨店の奇蹟 についてのレビュー
No.19: 4人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

出版禁止 死刑囚の歌の感想

下世話なタイトルやフェイクドキュメンタリー形式の胡乱さに惑わされてはいけません。素晴らしい作品でした。「Why」探しに夢中になっていたら…。「虚実混交で逆転につぐ逆転」と紹介されていた通り翻弄されました。そして最後は魚質竜文…真実は意識して見ないと見えないということですね。
オススメします。
出版禁止 死刑囚の歌 (新潮文庫)
長江俊和出版禁止 死刑囚の歌 についてのレビュー

No.18:

螢 (幻冬舎文庫)

麻耶雄嵩

No.18: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

螢の感想

麻耶雄嵩さんと言う作家さん、私は少々苦手なんです。何冊か読んでいますが、いつもその有耶無耶とした文体に翻弄されるからです。主語がわからない文章に語り手をハッキリさせない手法…内容は面白いのに読み心地、悪いです。
そして今回、ピンポイントでやられました。ましてや本格推理ものを読むとき、登場人物をじっくり頭に叩き込んて挑む私は格好のターゲットでありました。もやもや感が半端なくつきまとい、最後を迎えさせられたわけです。
勘違いを勘違いと思わせず勘違いさせらて…。?の応酬の中で「麻耶氏の作品だもの、この程度はあり!」と思った私が浅はかでした。しかし、今の時代の流れによってはこの手法、通用しなくなるかも知れないと思うのですが、いかがですか。
今のうちにお読みになることをオススメします。
螢 (幻冬舎文庫)
麻耶雄嵩 についてのレビュー
No.17: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

鏡の中は日曜日の感想

凄い❗です。初心者は手を出さない方が…。
まだ初心者の域を出ない私ですが、「あれ?」「もしかして?」「まさか?」愉悦のオンパレードでした。もっと読経験があれは、悔しいてす。修行してまた挑みます。
オマージュ?パロディ?そんなことどうでもよく、作家殊能氏の脳内世界に魅せられました。「ハサミ男」で満足していたことを後悔。これから石動戯作を追いかけます。
講談社文庫で読みました。同時収録の「櫁」「榁」で倍楽しめ、法月綸太郎氏の解説も魅力的。お読みいただきたい。
殊能氏は夭逝しなさったんですよね…黙祷
鏡の中は日曜日 (講談社文庫)
殊能将之鏡の中は日曜日 についてのレビュー
No.16: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

人格転移の殺人の感想

こんなに人が殺されているのに笑って読めるミステリです。
頭の体操しているような記述が次々にテンポよくやって来て、アッと言う間に読んでしまいました。「へっ?」と思うような理由でも、トリックが面白いから「よしっ❗」ってなってしまうんですよね。
西澤作品が如何に可笑しく魅力的か、新書版の解説にしっかり書かれていて納得しました。

人格転移の殺人 (講談社文庫)
西澤保彦人格転移の殺人 についてのレビュー


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