■スポンサードリンク
はつえ さんのレビュー一覧
はつえさんのページへレビュー数15件
閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
まずこのシリーズは必ず順番に読むべし!です。
作家、西澤保彦氏とは何者?…私は基本、作品が全てのミステリー読者ですが、ミステリー小説に嵌ったこの数年で、作家自身に興味を持ち惹かれた3名のうちのお一人が、西澤氏です。 匠千暁シリーズでは、登場人物たちが、ある事件の犯人と看做される人間の行動について、そこにある事象をもとに「推理合戦」を繰り広げます。時には、まさか?…の深読み、こじつけに至るも、奇なる事実が真相であったりなかったり、と読者を翻弄しまくりです。その「推理」の深さといったら…半端ではありません。私など、時には「ここまで〜?もういいや!」と、本を閉じてしまうこともありました。 特にこの『依存』では、前作の『スコッチゲーム』からの流れで、主たる登場人物の深層心理から生い立ちを深く掘り下げ、心理学や社会学、人間行動学を駆使して分析し、偶然と運命まで絡め、その人間そのものを紐解き、物語が進んでいきます。 このシリーズは、もはや、ミステリー小説ではありません。『人間』好きな方へオススメいたします。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
「親ガチャ」という言葉を最近知りました。どんな家庭に生まれるかで人生が決まる…。哀しいかな、このような小説を読むとつくづくそう思います。登場する子どもたちそれぞれの人生模様に心が揺さぶられました。誰もが知るこの事件ですが、巻き込まれた子ども達という視点は脱帽ものです。
関東圏でしか生活したことのない私には、この事件がこれほど大きなインパクトがあったとは知らなかったので、事件当時の捜査の様子などはとても興味深く読みましたし、真相を探る二人の男の動向はわくわくの連続でした。それもまた作者の文筆力とテンポ良い筆運びのなせる技で、ページを捲る手を止められないほどでした。 多くの方々にオススメしたい作品です。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
「贖罪」と「寛怒」…東野氏の作品によく著されるテーマですね。今作も感慨深く読ませていただきました。人が人の命を奪うことの重みに向き合う時間をすごしました。
ちょうどこの週末、池袋暴走事故への有罪実刑判決が下されましたが、判決前に被害者遺族がSNS上でその心中を綴った文章で「誰かを憎む人生を終わりにさせて欲しい。妻子が愛していた私でいさせて欲しい。」といった内容が記されていたことを知りました。罪の十字架は加害者だけでなく被害者にも重くのし掛かって来るのです。 罪を背負わず生きる人間などいないと思います。誰もがただ生きるだけで、何がしらの十字架を背負っています。その中身は人により異なり、その重さは背負う人間にしか感じることはできません。「命を奪う」とい罪の重さを軽んじる人に、その罪の重みを知覚し、苦しみ贖罪へと導く方法があるとしたら、罪が罪であることを感じる心を人として生れたてそのときから育むことしかないのではというのが、私の結論なのですが、今の社会に、今の大人にそれが出来得るのか、疑問符を拭うことが出来ず、また混沌の思考のなかに堕ちて行ってしまいました…。 取りとめのない感想になってしまいましたが、ぜひオススメしたい作品でした。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
間違いなくSランクの作品、オススメします。
短編集とあるのはなぜでしょう…全編通しで完成される作品だと思うのですが。 犯人は途中でわかるかもしれません。しかし、謎解きをする間を与えてもらえないくらい面白くてテンポよく読まされてしまうので、ラストを最高に愉しめるように出来ています。脱帽です。 私が犯人特定に至った経緯を書いてもよいでしょうか。 私が犯人予測をするのは違和感です。今回もざわざわといくつかの違和感に苛まれました。それを取っ掛かりにトリックを想像するのですが…上記の理由でできず終い。なので初歩的で単純なトリックに愕然とさせられ、二重にやられた感を味わうことができました。 因みに違和感の源は①女性作家②タイトル③オカルトです。(この一文問題ありだったら警告下さいませ。) 近い将来「読むべきミステリ作品一覧」に載る作品だと思います。オススメです。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
二作のタイトルが異なるため、同し登場人物の異なる作品かと思っておりました。また、一作目を読み切った時の感想は「ここまで高評価を得る作品なのか?」というものでした。
二作目は語り手も代わり、別な事件が起きるのかとおもいきやあにはからん、前作があり成り立つ決め細やかで深い絡繰りが…。猜疑と不安が驚きに変わる過程を楽しむことができました。 人間関係と心理を何層にも掘り下げて描く緻密さに脳と神経を刺激される一方、言葉を音として楽しみたい私の嗜好に合った古典風で簡潔な文体の心地よさが加わり、十分楽しませていただきました。 オススメの一冊です。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
心痛に涙し感動に鳥肌を覚えるながら読み通しました。あらゆる人々に読んでいただきたい作品です。権力と報道ついて真実を視る目を持ちましょう。これがフィクションであることを、そしてあり続けることを願いながら…。無理かも知れませんけど。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
大正時代から昭和にかけた混乱の時代を生きた男女の情愛の物語を堪能させていただきました。。命を賭して情を貫く男女の生き様は涙を誘うものでした。今を生きる方々に容易には理解いただけない話ではあるかもしれませんが、いつの時代も人間も真剣に生きていることは変わらぬ理かと思います。生涯傍らに置きたい書籍に久しぶり出会うことができました。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
ミステリーではありませんが、てっぱん、オススメです。
いち動物として獣たちと対等に生きる人間の生き様が描かれています。 動物として生きることをやめてしまった我々がうしなってしまったのは、研ぎ澄まされた野生の勘だけでなく、人の同士、獣同士、そして人と獣の間に流れる情でもあったことをまざまざと感じました。自然のなかでは偶然などあり得ず、邂逅ですら神の成した必然であるのでしょう。 今の都市に生きる私たち。都会という森を畏怖し敬いながらも己を貫く…僅かばかり残った野生を駆使しながら、そんな風に生き抜いて行きたい…そんな思いになりました。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
二・二六事件を含む戦前の混乱期の歴史は私も苦手であり、当初は興味も湧かなかったのに、なぜか手にしてしまった本でした。
ところが読み始めると止まらなくなり、宮部マジックの鮮やかさに魅せられてしまいました。 予定調和のようなラストでありながら、しっかり泣かせてくださる…久しぶりに素直に感動できる読書となりました。 オススメします❗ |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
大変興味深く一気読みしました。尖った若ものの記した青春ミステリーではありません。生きることの意味を、自己の正体を求め、壁にぶつかっている人たちには特に読んで頂きたいです。ただし、吉凶どちらに転ぶかはわかりませんが。我が息子にも読んで欲しいのですが、現段階で私から薦めることは躊躇します。どこかで自ら手にとってくれないか…願望てす。
「脳の数だけ世界はある」茂木先生の作品解説が聞きたくなりました。 リアル対推理小説、探偵の人間性論も面白いですね。京極氏の「敬意ある挑発」発言も確かめてみて下さい。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
加賀恭一郎の魅力満載、しかもひとつひとつのエピソードが面白い。まさに人情の嵐。全てのエピソードが少しずつ繋がっていて、人間ってひとりじゃないんだな…ってしみじみ思いました。ラストがまたすてきでした。絶対読むべき一冊です!
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
ある町の片隅にひっそり生きる母と幼い兄弟、切ないまでの家族の愛の形に胸が締め付けられました。前半のミステリー感満載の展開に導かれ、一気読み。謎が解けてからのストーリーは文学小説を読むような気分で。私的にはラストのまとめが好みではなかった…とことんえげつないのを想像してたので…でも、これは絶対にオススメします!
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
最高に面白い作品でした。自らの人生観、死生観と向き合う時間を与えてくれました。「死」があるから「生」が輝く、物語に導かれながら深く思索していきました。
文章も言葉も分かりやすく、上下巻を一気読み。充実した二日間でした。 政治家、経営者、各界のリーダーの皆様は是非是非お読みください。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
夢中になって読み耽りました。事件の真相が語られる件では、涙が止まりませんでした。惜しむらくは、最後、捜査のきっかけとなったエピソード…デザートとしては重すぎた気が…程好い満腹感で終わりたかったです。それを差し引いても横山秀夫氏の最高傑作であることは間違いないと思いましたので、是非お読み下さい。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
ミステリーではありません…でも、ぜひ読んでみて下さい。「死」を通して「どう生きるか」「どう愛するか」を問う作品です。
時に涙し、時に戸惑い、感情を揺さぶられました。共感と違和感の間で、生き方は人それぞれであることを深く感じさせられました。 お時間が在るときに一読することをおすすめします。 |
||||
|
||||
|