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陰気な私は地球を回さない さんのレビュー一覧
陰気な私は地球を回さないさんのページへレビュー数41件
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初めての鯨統一郎作品です。以前横浜に住んでいたのでタイトルに惹かれて手に取ってみました。表紙をめくるとみなとみらいの地図が載っていて懐かしさに購入を決断。なるほど、真面目には事件を解決しないぞ!といったユーモラスな姿勢がうかがえました。お堅く湿っぽい作品とは対極にあるので、たまには気分転換にいい一冊でした。
全8話の連作短編であり、毎回おきまりのパターンで話が進みます。これが癖になりました。よくわからないが横浜の名所に集合し、殺人現場に向かい、そこにはダイイングメッセージが!時にはダイニングメッセージだったり、ダイイングマッサージだったり。意外といっては失礼ですが、ミステリとしてはしっかりした内容だと思います。 |
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ノルウェーの森に住む女性の目には鍬が刺されて殺害されていた。精神病院に入院している青年エリケは、殺人事件現場で目撃されていた。その後、彼は銀行強盗の人質として捕らわれていることが判明する。このあらすじに惹かれて購入しました。
結論から言うとミステリの色は少し弱い気がします。大きな山場や波がなく、平坦なストーリーです。所々意味がわからず、そのまま説明もなく終わってしまう内容がいくつかあったり、これはなんなんだと。しかしそれを批判するような作品でもないように思います。不気味?不可思議?な雰囲気の作品で、謎を謎のまま残しても味があるというかなんというか。とにかく他の作品にはない雰囲気でした。 わかりにくかったので、この作品の細かい解説とかあったらなぁなんて思ってます。 |
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天藤真氏の長編デビュー作である「陽気な容疑者たち」。倒叙作品かと勘違いしていましたが全く違いました。
この作品は被害者の悪党っぷりを描くことに情熱を注いでいるので、被害者の辰造に殺人の動機を持つ可能性のある人々に感情移入させられました。 非道な人物描写もありながらも、天藤作品らしいユーモア溢れる軽やかさも兼ね備えていました。 本格ミステリの作品であると著者自身が明言している作品でもありますが、問題の屋敷がイメージしにくい。トリックもあまり現実的でないようにも思います。 本格派というよりは、人情物では一級の作品であり、そのように楽しむのがオススメです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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掏摸を生業とする主人公が、腐れ縁から裏社会に加担させられる様子を描いた作品です。タイトルからは社会で落ちぶれた人間が必死に生きる姿を描いてでもいるのかと想像しましたが、もっと遥かに暗い話でした。ただなんともいいところで終わってしまい、これからどうなるの?と続きが気になりました。200ページ弱と短く、書ききっていないところは読者各々で補完して読めば良いのでしょうが、あれは何だったの??ともやもやすることが多々ある終わり方でスッキリとしなく、後味は悪いです。
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事件が起きて犯人確保!ここまでが前半で、続きはがらっと変わります。舞台はロンドンからアメリカへ。事件が起きたその背景が明かされます。正直後半の方が読み物としては面白かったです。物語の雰囲気も全く違っていて、とても同じ作品とは思えないぐらい印象が違います。短いながらも濃密な一冊です。
大西洋を横断してしまうことやいろんな国の人々が混ざり合って登場することは欧米では普通のことですが、そういったところに洋書を読む楽しさがありました。100年以上前に書かれているので、古典としての良さもありました、まだ西部開拓してるんだとか。 |
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なんだか魅力的なタイトルですね。「神のロジック 人間のマジック」リズムが良くて印象に残りますし、是非とも読んでみたい!となりました。結論から言うと、このタイトルと文庫本の表紙は内容と結び付けられません。良くも悪くも誰が読んでも、想像していたのとは違った!となること間違いなしでしょう。
読み始めてすぐに奇妙な世界感を味わうことができます。学校に連れて来られた時の記憶が曖昧な人々が謎解きの授業を受け、この学校の真実を探ろうとする、かなり独特です。 読んでいてモヤモヤするので早く結末が知りたい思いに任せて一気読みできましたが、結末にはちょっとガッカリです。悲劇の謎解きも合わせて収録されていますが、そこまでかなと。 |
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探偵が登場する本格ミステリはあまり好みでないですが、これは良かった。本格物は謎解きにばかり主眼が置かれるために、物語の背景や登場人物の心理がお座なりにされている傾向を感じずにはいられませんし、どうしても探偵はハードボイルドなイメージが拭えません。
ですが本作は本格ミステリであるにも関わらず、温かみのあるキャラクターが魅力的でした。一つマイナスなのが禅問答のような会話で、最後の解決の場面を読んでもわかりにくいです。はっきり言えよって思うはずです。 短編集ですが、短い中で二転三転し、どの作品も普通には終わりません。ありふれたトリックもありますが、2話目の「宙を飛ぶ死」には驚嘆しました。 |
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これだけ爽やかな青春ストーリーにおいて、ここまでミステリー色を出せるだけで充分楽しい作品だと思います。2章目の六本木での話がどのように絡んでくるのか全く想像もできませんでした。
ページ数も少ないので、軽めのミステリーとしてサクッと読むのがオススメです。 |
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誰にも予想できないような驚愕の結末を期待していただけに少し物足りなかったです。物語の構成にもう一捻りあったらかなり楽しい作品だったのでは?と思います。とはいえ、誰が犯人でどうやって犯行を行なったか、丁寧に考えながら読むことができ楽しめました。綺麗にまとめられている印象を受けましたが、最後のシーンがなんとも良かったです。
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小学生の視点から、彼らが見たら感じたりしているものを丁寧に描き出している作品でした。大人になった主人公が、子供時代を振り返って手記を書いていてそれぞれの目線の違いがくっきりと表されていますが、それだけでは終わらないのが道尾秀介氏でした。いつものごとく、大きな驚きを伴わずにあっさりと終わらせてしまうことがありませんでした。
解説を読むまで気付きもしなかったことが溢れていて、そこまで考えて書いてるのか!と感心させられてしまいました。 |
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温かいミステリーでした。紅茶に信じられない量の砂糖を入れる人がいたり、車のシートカバーが盗まれたりと、平凡な日常にありそうな謎を軽やかに解決してしまうところに面白さがありました。落語や文学が好きな主人公と落語家の探偵役で構成されていて、洒落た会話が奥深さを感じさせてくれます。
落語には詳しくないのでその設定の分かりづらさが、少し読みにくく感じてしまいました。 |
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誰も書きそうもないことを書いているという印象です。
1番の特徴は視点となっている「私たち」。あらゆる場面に飛んで情景を見せてくれるのだが、物語には影響しない。映画で言うところのカメラマンのような役割だと思います。ほとんどの小説では誰か視点となる人物の主観で物語が語られますが、本作では誰かに感情移入するとかではなく、離れた場所から俯瞰して見ているという感じでした。 物語は難しかったです。場面1つ1つにしっくり来なかったり、物語全体としても意味がわからなかったりでした。書いてあることを読んで書いてないことを想像することが求められていると思います。行間を読むではなくて、ストーリーとストーリーの間を読むような感じでしょうか。 |
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1つの出来事から別のことがドミノ倒しのように連鎖し、大きな事に繋がる物語。全く繋がりのなさそうな話がいくつも入れ替わりで書かれていて話の数がかなり多いので、頭が混乱しました。
全体的に短くまとまっていて、詳しいことはほとんど書かれていないので、少しわかりにくいです。 |
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他の伊坂幸太郎の作品と比べて特異的であるように思います。はっきりとした結末に、理解しやすい内容であるいつもの雰囲気とは少し異なる作品でした。私の話と猿の話、どっちの内容だったか途中でわからなくなってしまったことなど、丁寧に読まないとわかりにくいです。ただ、2つの話が平行して進んでいく構成は、続きを読みたい!と思わされて、一瞬で話にのめり込んでいきました。曖昧な言い回しが多く、はっきりしたことを伝えずに、捉え方は読者に任せているのかなと感じました。
どんなことにも因果関係がある、という切り口から異なる話がどこかで繋がるという話なのかと思っていたら、中盤にはその考えは消えていました。何が良くて何が悪いのか、そんなメッセージを伝えたかったのかなとも思いますが、はっきりそうとも言えない感覚もあります。私には難しい作品でした。 主人公の1人が二郎という名前なのに、兄が出てこないのは少しモヤモヤします。 |
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真相は良かったと思います。なるほどと思わされましたが、ちょっと頭の体操をしているみたいになります。タイムトラベル物はそういうものなのでしょうか。理屈を聞いて「はい、そうですか」となる話ではないので嫌いな人は嫌いだと思います。
細かい情景描写はほとんどなく、淡々と出来事だけがテンポよく書かれている印象を受けました。なので日記を読んでいるような感覚でした。 主人公が傲慢で人を見下したようなキャラクターで、感情移入ができませんでしたが、「リピート」という特殊な状況で葛藤を抱える心情が上手く書かれていて、自分ならどうするかと主人公の立場で考えずにはいられなく、その時が一番物語を楽しめました。 |
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短編集の本作は、回想によって事件の結果を最初に出し、徐々にその全容が解明されていきますが、その全ての話において想像にもしていなかった結末が待っていました。どの作品も気持ちの良い読後感がありましたが、どこか動機に納得できなかったり、感情に寄り添えなかったのが残念です。
物語の舞台は大正から昭和初期がほとんどで、あまり馴染みのない物や言葉が溢れており、読みにくさを少し感じてしまいましたが、美しい文章で書かれた情景や心情に、古き心を感じることができました。 |
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非常に読みにくかったです。似たような名前で(直接は登場しないので当たり前だが)個性の薄い登場人物が多く、星座や惑星や金属物質を覚えるのが大変で、序盤で読むのをやめたくなりました。
視点に関しても、探偵役の御手洗潔の目線では書かれていないため、基本的に会話文で進んでいきますが、誰が話しているのかわかりにくい部分も多かったです。また、読者への挑戦ということで仕方はないとは思いますが、謎を隠すために必要のない話が多いため長く感じてしまいました。 期待しすぎたかなと思いましたが、それでもトリックには「なるほど!」と思わずにはいられない素晴らしいものでした。 御手洗潔というキャラクターがとても魅力的だったので他の作品も読んでみたいです。 |
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タイトル通り恋愛小説です。連城三紀彦作品は初めて読みましたが、ミステリー作家が書いているため、ところどころミステリー要素がありました。
短編集として5作品ありますが、どれも普通の恋愛のストーリーではありません。登場人物も舞台背景も癖のあるちょっと変わった作品という印象です。登場人物が何を考えているかわからないというところに謎があり、最後には少しずつ謎が解き明かされる?(謎が残ることもある)という構成が特徴的です。 全ての話に共通するのは「家族」をテーマにしているということ。家族のあり方について考えさせられ、かなり印象的な作品でした。 |
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いつもの湊かなえらしさは感じない作品でした。2人の視点で語られてますが、同時並行ではなく物語が進むごとに視点が交代していきます。淡白な感じにどんどん進んでいくのでテンポの良さは感じましたが、湊かなえの作品が好きな人にとっては満足いくものかは怪しいんじゃないでしょうか。
ストーリは重たいテーマを扱っていて、私は非常に感動しました。涙を誘うような話なのに、ちょっと軽く感じてしまうのは残念ですね。 誰の目線で語られているのかわからない節もあり、何度も読み直しました。全体的にミステリー色は弱い感じもしますが、意外な展開も含まれていてミステリーとして楽しめると思います。 |
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