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yoshiki56 さんのレビュー一覧
yoshiki56さんのページへレビュー数121件
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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個人的な解釈だが、これを略して臨床真理!いいタイトルだ。まずはこれに1票入れる。
本の手に入れ易さ、これが最初の難関。厚さは上下巻合わせて400ページ超で、上下巻に分ける意味が無いように感じられるが、とにかく入手が困難。 普通の本屋で見かけることはまず無い。出版社の宝島社でも現在は取り扱っていないので、ネットの古本屋ではすごいプレミア価格がついている。 自分は個人の律儀に反するが、遂に新刊では入手できず、BOOKOFFで見かけて即買いした。その見つけた時の感動に3票入れる。 ここまでの前書きだけでも評価は高いが、ストーリーも宜しい。 主人公の佐久間美帆はある精神病棟の臨床心理士で、その担当患者である藤木司の抱える問題に真摯に対応していく中で、事件に巻き込まれていく。 その藤木司と同じ障害者支援学校に居た水野彩の自殺の真相とは?施設長の安藤の悪だくみとは? そして二人の不審死の真犯人はだれか? 追うもの追われるものの真理が良く書かれていて、緊迫感もあり推理シーンあり、読むスピードも半端ない。このストーリーで8票。 題材が障害者拉致監禁売春レイプなので、女性は嫌悪感を覚えるだろう。 残酷性描写も含まれていて、最後の美帆が真犯人に拉致され、追い込まれたところで時間稼ぎをするシーンは賛否両論だが自分には必要と思えた。 実際のこのミス大賞の応募時にはカットされていたが、単行本化を機にノーカットで挿入したと聞く。 これらの性描写が万人向けではないので、ここだけ減点するが、総合的に最高の本に出合えて満足できた。 今現在では入手は難しいが、見かけたら読んでみることをお勧めする。 |
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東野圭吾30周年記念作品ということで期待して読んだが、それは悪い方に外れた印象。
ほぼ全ての登場人物の視点で書かれていて、視点が変わる度に読み方を変える必要があるので頭が疲れる。 主人公は恐らくタイトルのラプラスの魔女ということから、宇原円華という少女になろうが、彼女の視点が少ないので主人公のいない小説を読んでいるよう。 ラストは相変わらずの尻つぼみで、あっさりと終了してしまった。 でも初期の名作「変身」を読んだ気分にもさせてくれたのが唯一の救いと言えば救い。 一番理解できないのは、東野作品をなんでもかんでも映画化しちゃえ!という考え方。 こういう本格推理ともファンタジーとも言えない難しい作品は映画には向いていないのではないかと思うが、映画見た人の感想を聞いてみたいところ。 まあ、人気作家の宿命というところでしょうか。 久しぶりの東野作品の駄作を読めたので、ある意味満足。前日談の「魔力の胎動」はどうなっているのか? |
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誉田氏フリークスにしかお勧めできないかな?
超能力師という資格がある世界で、ある超能力師事務所に在籍する人間たちのヒューマンドラマを描いている。 超能力で事件を解決する手助けをしたりするのだが、話が軽すぎて読了後の満足感は味わえない。 読み易さは相変わらずうまいが、お遊び感覚で書いた作品と思う。 |
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マスカレードホテルで主役を演じたホテルコルテシア東京の山岸尚美と新田刑事の出会う前のお話。
二人が出会う前に京都で起きた事件でニアミスをしていたことに思わずニンマリとするも、物語自体はかなり軽いので、この本単独では読まないことをお勧めする。 「ホテル」「イヴ」でセットで買って読みましょう。 そうか、だからタイトルも「イブ」なのか。今思った。 恐らく第一弾の「ホテル」が好評だったので、そのオマケ的な作品も出しておこうという出版社側の判断か。 にしてもこの二人、加賀恭一郎と並び推理力と洞察力に長けているとので、ここも読みどころの一つ。 オマケ的作品でも全く手を抜かない東野圭吾様、やっぱり凄い! |
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綾辻行人氏の館シリーズの原点と言える作品で有名な本書。今更の初読みだが、評価は良にしておく。
一番評価が分かれるポイントは、この奇想天外なトリックを受け入れられるかどうかにかかっている。 今現在で読んでしまうとチープな感じが否めないが、発行当時に読んでみたかったというのが反省点だ。 そしてこのトリックを推理するネタは随所にちりばめられているので、一字一句真剣に読む必要がある。 些細な事柄でも重要なヒントになっている場合がある。 まさか、本のタイトルも謎を解く鍵になっていたとは! 中盤の菊岡とクミ、金井夫婦の罵りあいで笑いが起こってしまったのには驚いた。 御手洗の登場は後半になってからなので、薀蓄合戦は控えめになっている。 とにもかくにも、「このトリックを推理せよ」のところで看破できた方はいるのだろうか。トリックの素晴らしさだけでこの点数でしょう。 減点は殺人動機だが、凄いトリックの影に隠れて、マイナスは抑えられた印象。 最後に、冒頭の館の見取り図を見返す機会が多いので、ここにも栞を挟んだ方が読み易い。 |
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人が死なない警察小説なので、何の予備知識もなく手に取ると肩透かしを食らう。
前作「ドルチェ」に続き、マイルドな警察小説。ハードさは無い、殺人描写も無い。 なので恋愛捜査という言葉がこのシリーズにはぴったりと当て嵌まる。 話の構成は大きく2つに分かれ、それを交互に章立てし書いていく方式。 一つは「捜査パート」ここでは主人公の魚住久江が誘拐監禁事件の捜査に当たる。 まだ誘拐されただけなので、人質を無事に確保できれば人が死なずに済む。これに向かって魚住が賢明に奮闘する姿が良く書かれている。 そしてこのパートでは時間軸が短いのが特徴。 二つ目は「恋愛パート」これは誘拐される側の半生を描いているので、こちらは時間軸が何十年と長い。 この時間軸の違うパートが最後に合わさったところで感動のクライマックスが訪れる。 事件はうまく解決できたのか、そして恋愛パートの恋の行方は? 下手くそなレビューで申し訳ないが、こういうレビューを参考にして、手に取ることをお勧めする。 因みに、ドンナビアンカとは白い女性を意味するそうな。 |
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この本では死刑制度について書かれている。
その中で死刑制度を容認する言葉として小説で書かれた次の文が記憶に残る。 「人を殺せば死刑-そのようにさだめる最大のメリットは、その犯人にはもう誰も殺せないということだ」 そうは思っても死んだ人間は帰らない。だったら「死刑は無力」なのか? その葛藤に悩む姿がうまく書かれている。 東野圭吾っぽくない小説だが、死刑制度の是非を考えさせられるダークな物語であった。 |
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最近は綾辻さん絡みの話題があまり出てこなくなった。
単行本では「人間じゃない」が発売されて以降、音沙汰が無い。 館シリーズは奇面館で9作目まで終了後、10作目の執筆が進んでいるのか、状況は見えない。 奇談集の続々の文庫化を待ち望むも、情報は入ってこない。 そして、このAnotherシリーズもスピノオフ的なエピソードSは続きがありそうな感じで物語は終わる。 実際、巻末の解説で続きがあるよと綾辻氏自身が解説をしている。 皆様が読むことで続編の実現性は高まるであろう。 ここまで読むと、綾辻氏の文庫本は完遂してしまうので、氏フリークスが離れていまうのが気掛かり。 いつまでも氏の作品で騙され続けたいので、綾辻さん、今後も宜しくお願いします。 |
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姫川シリーズの6作目。
いきなりこの本を読むのではなく、ストロベリーナイトから発行順に順番に読むのがお勧め。 やはり期待を裏切らない圧倒的な面白さで、この作品も映像化されることを切に願う。 「インビジブルレイン」事件で姫川班が解体されてからの初の長編で、今回はブルーマーダーと呼ばれる殺人者に立ち向かっていく。 姫川主観、菊田主観、犯人主観と主に三名の主観を交互に交え物語は展開していくのだが、序盤の菊田主観で驚愕の事実が語られるので、覚悟をして読んでもらいたい。 この事実からどのように姫川班再結成まで持って行くのか、 ドラマでの名ゼリフ「この山、絶対に取るわよ!」がいつまた聞けるようになるのか、まだまだ楽しみは止まらない。 |
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前作の白銀ジャックよりも数段楽しめる極上のエンターテイメント作品。
スピード感溢れ、読み手を疲れさせない。流石に映画化されたことはあると思った。 事件の内容は重くないのでミステリ好きでなくとも大丈夫なので、万人向け。 物語の中である宝探しをするのだが、それに行き着こうとすると、邪魔が入ったり、既に他人へ渡っていたりするのだが、 ここに海外ドラマの「24」ライクな感じがして、ハラハラドキドキ感も味わえる。 ちょっと褒めすぎかもしれないが、読めば納得するであろう。 |
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他の方も述べられている通り、新本格への原点回帰らしい。
容疑者全員へ仮面を被らせ、その仮面の種類で人物を表現するところに、十角館で外国の推理作家の呼称で呼んだところに共通点が見える。 迷路館のような大どんでん返しもあるにはある。 名前に注目すれば謎を解く鍵も見えてくる。 そして雪山の閉ざされた邸宅で起こる殺人劇というところは霧越邸の要素もある。 とにかく入れらるものは入れてみて新本格を書いてみました、ということか。 少し入れすぎた感じで、トリックも「あーそういうことね」という印象で、お遊び感覚も見えたか? 文量は時計館と同じくらいだが、あそこまで内容が詰まっていたかと言われると、疑問もある。 ということで、館シリーズとしては個人的には辛めの採点となってしまった。 流石にネタ切れかな? 綾辻氏の解説で、10作目の構想も脳内でもぞもぞしていると書いてるので、あまり焦らずに、そしてなる早で最後の大傑作を書いてもらいたいと思う。 |
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私は綾辻行人フリークスで、綾辻氏が師を仰ぐ島田荘司氏ではあるが、未読であった。
綾辻氏の館シリーズで登場する島田潔という人物は、島田荘司の「島田」と御手洗潔の「潔」を掛け合わせたのが名前の由来。と、これは有名な話か。 綾辻氏の作品をほぼ完遂した今、次はどの作者をと思って手に取ったのが、島田氏である。 そしてこの「占星術殺人事件」、読み易いかと言われると、序盤の手記には理解に苦しんだのと、東経の下りが難しかった。 御手洗と石岡の薀蓄合戦が不要かと思われたりもした。 パクリで有名と言われているトリックだが、自分は初読で新鮮で大いに悩み楽しませて頂いた。 犯人ももちろん斬新で想像はしつつもありえないよなあ、と考えていたところでの指摘に唖然。 こんな時代だからこんなトリックが用いられ40年以上も迷宮入りしてたのかと、改めて考えさせられた。 総合的に考えてデビュー作品では素晴らしいと言わざるを得ない。 また、途中で「材料は揃った。推理せよ」という1枚が2度に渡って出てくるところで、綾辻氏もここを習っていたのかと思った。 島田作品、今後も読んでいこう。 |
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普通の作者がいきなりこのような本を出せば満点評価をつけたいところだが、ここは東野圭吾。
ほとんどハズレ無しの良作を世に出し続けているので、読む度に最高傑作の「容疑者X」や「白夜行」とどうしても比べてしまう。 植物とミステリーなんておよそ融合しない事柄を見事に組み合わせて、一つの物語を誕生させてしまう構成力は流石だし、 黄色いアサガオの序盤のプロローグが後半になり見事に絡み絶妙だし、第一読み易いし欠点など無いように思える。 最後のほうに「あーそうだったのね」と読者の知らない事実を突きつけられることが、唯一の欠点と言えば欠点か。 前にもそんな酷評を書いたことがあったような気がする。 なので東野さんの作品なので、評価がどうしても辛めになりがちだが、良作であることは間違いない。 |
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好きだなあ、こういうお話。
咲谷シリーズと言ってもいい。 10編から構成されており、中には氏の体験した実話もあるということ。 中でもホラー映画好きにはたまらない「ホはホラー映画のホ」や「ソウ」等読んでいて嬉しくなる作品ばかり。 早くも「続々」の文庫化が待ち遠しい。 |
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化学機器メーカーに勤めるしがない女性従業員が、ある日急に長野の農家へ商品を提案してこいと社長から言われる。
そして単身長野へ乗り込み、農家への営業をする内にある家族の元に居候を始める。 その家族と共に農業の手伝いをしながら、自分の生き甲斐を農業に見つけていくまでの、ほのぼの青春ストーリー。 笑いもあり、恋愛感情あり、家族との触れ合いから優しい気分にもなれる、癒される物語。 ミステリーに読み疲れたら、こういうのを読むと頭をリフレッシュできるのでお勧め。 |
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誉田氏と言えば、姫川シリーズに代表される警察もの、女性心をくすぐる青春ものを書く作者として人気を博しているが、
今回は実は原点回帰して初期のホラー作品に近い仕上がりになっており自身としては大満足である。 ダークヒーロー及びヒロインが登場し、犯人と対峙する場面は懐かしいとも感じる。 グロい部分や性描写があるものの、スリリングな展開に一気読みは必至。 巻末の解説には、今回の登場人物が他の作品にも出る可能性もあるかも、と言っているのでそこも期待して待ちたい。 |
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過去のレビューを見ると、短編集と書いてあるのだが、どうしてでしょう。
文庫で読むと、300ページくらいの長編ですがね。 もしかすると、虚像の道化師に含まれた3編がもともとは禁断の魔術としてハードカバーで売られていたのでしょうか? まあいいだろう。 ところで、この本である名言が誕生する。 「科学を制するものは世界を制す」 なんともすばらしい響きではないか。正に湯川学の為にある言葉である。 今回のお話は湯川の教え子が犯罪に手を染めようとするのを未然に防ぐために、湯川を始め、草薙や内海らが奮闘する物語。 科学全開の湯川ワールドに嵌るし、泣きは無いものの、政治家の悪行に立ち向かう姿に共感も出来るし、ヒーロー物を読む感覚も味わえた。 正に、「科学を制せよ、そして悪は罰っせよ!」に尽きるだろう。 恐らくこの作品も近い内に映像化されるであろう。 |
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【ネタバレかも!?】
(2件の連絡あり)[?]
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なぜこの本だけが映像化できたのかは、読んだことのある人間なら分かるはずだ。
これを言明するとネタバレに書く必要があるので止めておく。 さて、今までもホラー系を書いてきた綾辻氏だが、今一つぱっとした作品が無かったのは事実。 それがこの本では新境地を開いたかのごとく、ホラーに叙述トリックを取り入れた渾身の力作となった。 序盤では彼女が生身の人間であったことに安堵し、終盤では驚愕の叙述トリックに悶絶。 館シリーズで定番の騙された感をホラーでも味わえるとは思っていなかった。 そして、やっぱり登場する「咲谷由伊」等、上下巻で700ページの文量であるが、読み疲れは無いも同様。 減点は中学生が主人公なので、少年少女向きと思えるところのみ。「episode s」を楽しみに待ちたい。 |
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ミステリでもないのにこんな低評価の作品をレビューするのは気が失せるが、誉田氏フリークスとしては一言言わざるを得ない。
短編集であるが、どの作品も陳腐な内容で、誠に読むのが辛かった。 恐らく作家デビューする前後に書いた、完成度の低い短編集の集まりで、なんで今更文庫で再発したのか疑問に思う。 買って損をする本の一つなので、作者の熱狂的なファン以外は手に取る必要なし。 |
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書いた通り、これはガリレオシリーズでありながら推理小説となっている。
第一話の宗教の話を除くと、どれも秀作ぞろいだ。 特に最後の2話では、推理小説さながらの展開で、騙された感を味わえるだろう。 湯川学の話なのに加賀恭一郎と錯覚して読んでいる自分がいた。 テレビドラマのseasonⅡでヒロインとなって登場する岸谷刑事が、この本から出てくるので楽しさも倍増。 因みに、全七話での構成の内、3話は文庫書き下ろしらしい。 ガリレオシリーズでは容疑者Xに続く秀作となっているのでお勧め。 また、この本まで読んでからテレビドラマを見た方がよい。 |
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