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約束の地
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約束の地の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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スペンサーシリーズでエドガー賞長編賞受賞作品。 家出した妻を探して欲しいという男の依頼を受けたスペンサー。妻はすぐに見つかるが、狂信的ウーマンリブの活動家と一緒に生活していて、依頼した夫のほうは悪名高い金貸し業者から借金を追われる身。スペンサーはこの二人をトラブルから救おうと決意する…というお話。 レイモンドチャンドラーのハードボイルドを受け継いでいるだけあって、自分の世界からブレることがなく、冷静かつシニカルで人を食ったジョークで、事を進めていく。チャンドラーと比べると、ロバート・B・パーカーは快楽主義的なところが見られ、特に料理についての描写は読んでいてこちらが唾を飲み込みそうになります。 加えてスペンサーは雇われ探偵でありながら、自分がこうあるべきと決めた結論で解決するところがこのシリーズの最もユニークなところではないかと思いました。 独自の作品世界で首尾一貫しているところがエドガー賞受賞となったのでしょうが、好みの問題で、私にはいささか理屈っぽ過ぎました。特に男女間のセリフのやり取りが、やたらに内省的すぎてワザとらしい。 あと、訳者の菊池光さんですが多分ロバート・B・パーカーの世界が大好きなんでしょうが、日本語があまり分かりやすくないです。それにしては突然「ガア」とか変な感嘆詞のセリフがあったりします。独自のカタカナを使われて「へロー」「テエブル」とか、確かに英語の発音だとそれに近いのでしょうが、一応日本語に訳しているわけですしあまり訳者の独自色を出さなくても…と思いました。 | ||||
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本作で主人公のキャラクターが完成したのだと思う。格闘能力、芸術に関する造詣、恋人スーザンとの会話、依頼人に対する謙虚な優しさ、料理の腕前、みな巧く描いています。頼もしい相棒となるホークも初登場し、役者も出揃いました。 | ||||
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スペンサーシリーズ『失投』を読んで以来ロバート・B・パーカーのものを読んでいなかったので、なんとなく入手にしたのが本書『約束の地』である。 本書を読みはじめると、レイモンド・チャンドラーの文体などを彷彿させるところが多く、さすがチャンドラリアンとして知られているパーカーだな、と思いながら読み進んでしまった。 フィリップ・マーロウを、一回りマッチョにしたのがスペンサーなのだろうとページを繰る度に思わせてくれる。 チャンドラーの『プレイバック』のなかでマーロウが「タフでなければ、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」と、語る場面があるが、この『約束の地』のスペンサーのキャラクターにもピッタリあてはまる。 依頼人のハーヴィ・シェパードや、その妻パムへ思いやるところなど、まさにマーロウの言葉を地で行くようである。 スペンサーがただマッチョの探偵であるだけでないのは、恋人のスーザンとの会話にも随所に盛り込まれている。 たとえばスーザンがスペンサーにたいして「コギト・エルゴ・スム」などと呟くシーンがあることからも二人の知的レベルを知ることができてしまう。 評者は、パーカーのスペンサーシリーズを、すべて読んだわけではないが、本書『約束の地』は、さすが、MWA賞を受賞した作品だと思いながら読み終えたのです。 | ||||
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ストーリーは他のレビュアーの方々が書かれているとおり単純なもので、本書でスペンサーは、すれ違いそうになった夫婦間の絆を取り戻すべく、探偵として事件に関わり、また別の場面ではカウンセラーのように妻や夫に助言を与えている。決してサスペンス的な要素がある訳でもなく、事件が錯綜する訳でもない。しかし、本書は読んでいて楽しい。特にスペンサーと恋人スーザンとの会話が楽しい。 スペンサーは、肉体的に優れているだけでなく、読書家で知識も豊富、その上料理も上手い。スーザン相手に哲学を語り、料理を振る舞う一方でナイーブな面も見え隠れする。シリーズ四作目の本書においてパーカー氏は、主人公であるスペンサーを完成させたのだと感じた。 ロス・マクドナルドが描くリュウ・アーチャーやマイクル・コナリーのハリー・ボッシュシリーズも好きだが、これらの主人公とはひと味もふた味も違う主人公がスペンサーなのである。本書を読めばスペンサーの魅力に間違いなくハマる。 私は本書のウィットにとんだ会話を原書でも読んでみたくなり、早速注文してしまった。 | ||||
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迅速で確実な配達でしたので良かったです。 有り難うございました。 | ||||
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スペンサーは、不動産会社を経営するハービー・シェパードから失踪してしまった妻(パメラ・シェパード)を探し出すように依頼される。スペンサーは、パメラをじきに探し出すが、簡単には帰ることができないとわかる。そうこうしているうちに、二人は、大変な殺人事件に巻き込まれていく・・・ 本作品のタイトルには、2つの意味が込められています。ひとつは、舞台となるボストン近くの観光地であるケープ・コッドで、楽園のような住みやすい土地として例えられていて、もう一つは、ハービーが関連する会社の名前ですが、これが、事件につながる重要な意味を持つので、詳しくは、読んで確かめてください。スペンサーの仲間にホークという黒人が頻繁に登場するが、この頃の作品のホークは、危険な人物で、結構、緊張感がみなぎっています。それでも仲間なので、スペンサーを助けてはくれるのだけど、悪の親玉、キング・パワーズとの対決シーンでも、ギャング映画さながらの血なま臭さをプンプンさせるのに一役買っています。 ところで、後半部分で恋人のスーザンがスペンサーにプロポーズされるシーンがあります。さて、二人は、どうなるのでしょうか?それは、読んでのお楽しみです。ロバート・B・パーカーだから、使われている単語も簡単、ページ数も218と1cmくらいの薄さでスーツのポケットにも入って、通勤時にもってこいのペーパーバックです。アー、私もケープ・コッドに行きたいッス。 | ||||
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(自分の英語力は棚に上げ…<汗>) 題名が素敵だったので、 ちょっと期待してしまっただけに あんまり面白いと感じませんでした…。 長年連れ添った夫婦は、色々あるんだなという 印象以外は深く残りませんでした。 英語力を上げて時間があれば、 また読み直します。 | ||||
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スペンサーシリーズ4作目。 ついにホークが出てきた! ホークの初登場シーンにはあっと驚きました。 最初は敵かもしれないとは予測していたが、 まさかホークが○○だったとは意外! 30年前の古い作品となめていたが、 時代を先取りしていた傑作である。 ジョー・R・ランズデール やイアン・ランキン にも通じる新しさがあります。 芸術ネタはイタリア人ネタが出て来たが、 お馬鹿なイタリアルネッサンスで唯一人、 21世紀に通用するミケランジェロネタだったので、 ロバート・B・パーカー は本当に芸術を正しく理解していると、 再度惚れ直しました。 ウーマン・リブの闘士も出て来るし、 単純な男性誇示の物語と思わせて、 スペンサーシリーズは、 優れたジェンダーミステリ、芸術ミステリでもある。 エンタメとして軽く読めるが、 問題意識の高い人には討論のネタとなる 素晴しいテーゼがいっぱい埋まっています。 タイトルからは宗教ネタに期待する人もいるかもしれんが、 宗教など語るにたる話題ではないので、 スペンサーが討論吹っかけても、 相手が「約束の地」が宗教ネタだと気付かず、 スルーされてギャグにしているのも素晴しい! スペンサーシリーズは討論小説と呼ばれることもあるが、 無意味な抽象討議は諌めている知的で現実に即した素晴しい本である。 家族を守る為に闘う事に疲れた男は、 本書を読んでジェンダーの呪縛から解放されて下さい。 | ||||
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ロバート・B・パーカーは、現在も続く私立探偵スペンサー・シリーズの第3作である本書で、アメリカにおけるミステリーの最高峰MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞の’77年度ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)を受賞した。 ストーリーは、スペンサーがある中年の男から、家出した妻を捜して欲しいと依頼されるところからはじまる。その妻は、物語の比較的早い段階で見つかるが、やがて彼女はウーマンリブ運動家たちが武器を手に入れる資金調達を目的とした銀行襲撃事件に巻き込まれ、スペンサーに助けを求める。 一方、夫の方も事業の資金を街の悪玉高利貸しから借りていて、厳しい取り立てにあっていた。 スペンサーは両方の問題を一度に解決する奇策に打って出るのだが・・・。 本書でパーカーは、誰にでも起こり得る中年夫婦の危機と、その解決方法を、スペンサーの、時にはハードな私立探偵、時にはソフトなカウンセラーのような言動を通して鮮やかに描いている。スペンサーは元ボクサーという肉体派だが、読書家で、その薀蓄もなかなかのものである。 また、スペンサーとその恋人スーザン・シルヴァマンとの恋愛関係にも重点を置き、探偵の私生活を克明に描くという従来のハードボイルドにはない要素を加味して、ロングセラー・シリーズとなっているところも見逃せない。 | ||||
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失踪した妻探しを頼まれたスペンサーが夫の抱えるトラブルや夫婦間の葛藤を解決するために悪戦苦闘する話。 組織犯罪者を甘い罠で易々と引っかけて逮捕させ、そのフォローをしないなど、ストーリー展開が甘いと思います。半分以上は夫婦間の葛藤の話で、読んでいてあまり面白いとは思いませんでした。 | ||||
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夫婦間の精神的軋轢で問題を起こす妻と、仕事上の野心と焦りで問題を起こす夫。そして、失踪した妻を捜すよう夫がスペンサーに依頼するところから話が始まる。問題の夫婦とその周りに群がる胡散臭い連中をまとめてひとつの事件に誘い込み、罠を仕掛けて夫婦を窮地から救うというのが話の筋。こう書いてしまうと単純極まりないが、夫婦を救うだけでなく精神的に立ち直らせようとするスペンサーのすがすがしい姿が実は肝かもしれない。説教臭くなく、しかし優しさが滲み出ている言動はほとんどカウンセラー。この姿とタフな私立探偵の姿がダブるのが本書の魅力。 | ||||
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何と言うべきか、この読後感。218Pで短い部類だが、心に重く残る。スペンサーは私にはこれが3作目であったが、早くも生身の人間としての存在感が迫ってくるようだ。 物語は、離婚(人生)の危機に立つある夫婦を、私立探偵スペンサーとその女友達のスーザンが救うというものだ。ある夫婦とは、just another couple に過ぎない。二人の男女の主張をどう受けとめるかは全く読み手次第であり、正解はありえない。スペンサーもスーザンも何も答えない。しかしその夫婦は、スペンサーのおかげで、絶望的窮地からは救われた。そしてもう後はこの二人次第である、と構わない。 スペンサーとは何者か?スーザンが問う。"Fighter, lover, gourmet cook ?" わからない。ただ彼に惹かれるのだ。頼りたいのだ。 | ||||
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