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霧の塔の殺人



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【この小説が収録されている参考書籍】
霧の塔の殺人
霧の塔の殺人 (角川文庫)

霧の塔の殺人の評価: 3.67/5点 レビュー 6件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

岩手シリーズ、続編を期待

著者の「岩手三部作」のトリとなる本作は、いきなりの生首事件から始まる。
いったい誰が、何のために首と胴体を切り離したのか?
この難事件に挑むのは前作に続き藤田警部補なわけだが、
本作では新聞記者の一方井(いつかたい)の視点で物語が進んでいく。
美しい女性が登場したり、薪能(たきぎのう)の場面が出てきたり、命が狙われたり・・・。
おそらく著者が意図したのであろうが、この展開は内田康夫・浅見光彦シリーズによく似ている。
それはともかく、第二・第三の殺人事件が起こり、被疑者がテロリスト化したり、
38年前の事件がつながってくる辺りは大変面白く、著者の真骨頂と言える。
欠点は、最初の被害者の首を切断した理由が曖昧、推理というよりは自白に頼っている、岩手という地方色があまり出ていない、タイトルは「霧の塔」というより「霧の峠」の殺人ではないか?
というところだろうか。
この三部作は、地方の抱える過疎化、少子高齢化、就職難、地域格差などの社会的な問題を浮き彫りにしていたように思う。
もし可能ならば、東北震災後の岩手を舞台として、このシリーズを書き続けて欲しいと願うのは私だけではあるまい。
霧の塔の殺人 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:霧の塔の殺人 (角川文庫)より
404394473X
No.3:
(4pt)

作者の力量はなかなかのものだと思います。ただまったく予想外の真相かと言われると弱いので4点としました。

作者の力量はなかなかのものだと思います。ただまったく予想外の真相かと言われると弱いので4点としました。最近は読者に媚びすぎた設定やキャラの推理小説が増える中、良質の刑事ドラマのように頭に入ってきます。ただ唸らせるほどの満足感にはあと少し届かなかったかなという感じです。あと日本の新卒主義に代表されるような閉塞感をよく描いているなと思いました。一気に読ませるのではなくじっくり読ませる小説でした。良作をかける作家だと思います。
霧の塔の殺人 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:霧の塔の殺人 (角川文庫)より
404394473X
No.2:
(4pt)

それはまさに霧の中に居るように・・・

今回は「死墓島の殺人」にも登場した魁時新聞社の記者である一方井が大活躍しています。
「霧の塔の殺人」は「首挽村の殺人」「死墓島の殺人」に続く3作目になり、自分はこの2作も読みました。
3作品とも登場している人物がいたり、シーンが変わると事細かにその情景を描かれるのが大村さんの特徴でもあります。

さて霧の塔の殺人は男性の生首が発見されることから始まり、さらなる殺人へと発展、そして真犯人の悲しい動機が明らかにされます。
ただ今回は大村さんのウリのひとつでもある“横溝正史色”は薄いと思いました。
しかし3作品を読んでみて、大村さんの作品には上記に挙げた特徴以外にもう一つ大きな特徴があります。
それは今の日本で問題になっている社会問題を、うまく物語りに絡ませているということです。
霧の塔の殺人では、現在の日本の雇用問題、また社会や家庭からも孤立している若者の心の葛藤が描かれています。
それが物語りにどう絡ませてあるかはネタバレになるのでここでは書きませんが、
自分もただ物語りを楽しむだけでなく、改めて考えさせられる思いでした。

死体遺棄の理由、殺人の動機、ある若者と真犯人の心中、そして物語にも描かれている今の日本の社会問題。
前も後ろも、どこまで続くのかも分からないまさに「霧」のように、すべてがこの一文字に表されています。

ただ一点だけ残念なことがありました。それは登場人物の紹介がなかったことです。
自分は死墓島の殺人のレビューにも書きましたが、最初に登場人物の紹介があると感情移入しやすいんです。
前の2作品にはそれがあり、死墓島の殺人に至っては島の略図まであります。
すべての作品に登場する人物もいれば、当然その物語のみの人物もいますので、
できればその都度、登場人物の紹介があればなお嬉しいですね。

帯にもあるこの「殺人シリーズ」を今後も期待して、次回作を楽しみにしています。

霧の塔の殺人 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:霧の塔の殺人 (角川文庫)より
404394473X
No.1:
(4pt)

それはまさに霧の中に居るように・・・

今回は「死墓島の殺人」にも登場した魁時新聞社の記者である一方井が大活躍しています。
「霧の塔の殺人」は「首挽村の殺人」「死墓島の殺人」に続く3作目になり、自分はこの2作も読みました。
3作品とも登場している人物がいたり、シーンが変わると事細かにその情景を描かれるのが大村さんの特徴でもあります。
さて霧の塔の殺人は男性の生首が発見されることから始まり、さらなる殺人へと発展、そして真犯人の悲しい動機が明らかにされます。
ただ今回は大村さんのウリのひとつでもある“横溝正史色”は薄いと思いました。
しかし3作品を読んでみて、大村さんの作品には上記に挙げた特徴以外にもう一つ大きな特徴があります。
それは今の日本で問題になっている社会問題を、うまく物語りに絡ませているということです。
霧の塔の殺人では、現在の日本の雇用問題、また社会や家庭からも孤立している若者の心の葛藤が描かれています。
それが物語りにどう絡ませてあるかはネタバレになるのでここでは書きませんが、
自分もただ物語りを楽しむだけでなく、改めて考えさせられる思いでした。
死体遺棄の理由、殺人の動機、ある若者と真犯人の心中、そして物語にも描かれている今の日本の社会問題。
前も後ろも、どこまで続くのかも分からないまさに「霧」のように、すべてがこの一文字に表されています。
ただ一点だけ残念なことがありました。それは登場人物の紹介がなかったことです。
自分は死墓島の殺人のレビューにも書きましたが、最初に登場人物の紹介があると感情移入しやすいんです。
前の2作品にはそれがあり、死墓島の殺人に至っては島の略図まであります。
すべての作品に登場する人物もいれば、当然その物語のみの人物もいますので、
できればその都度、登場人物の紹介があればなお嬉しいですね。
帯にもあるこの「殺人シリーズ」を今後も期待して、次回作を楽しみにしています。
霧の塔の殺人Amazon書評・レビュー:霧の塔の殺人より
4048739816

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