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数えずの井戸
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数えずの井戸の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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1月に出ていた京極夏彦の新作長編。 『嗤う伊右衛門』 『覘き小平次』続く、古い怪談を題材にしたシリーズ第三弾。今回は番町皿屋敷。 このシリーズ、全体のトーンは美しくも登場人物の鬱々とした内面が語られるのが読み進めるのに少し辛いところがあるのですが、今回は構成に趣向が凝らされておりこの分厚い本を一気に読ませてくれました。面白かった。 各章でそれぞれの登場人物がその時々の内面を語りつつ物語が進んでいく構成で、重くなる寸前でテンポよく読ませていく工夫がなされている。 巷説シリーズで見られる書き出しの統一とページの装丁の妙もあり、これらが合わさって静かな印象の語り口にリズムを与えている。この「本」そのものの隅々までそういった仕掛けが施されている感じ。文庫本になるとどうなるのか見てみたいものです。 おなじみの巷説のメンバーも登場しこの時代の世界がどう広がっていくのかも楽しみなところ。 | ||||
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京極夏彦さんの本を読んだと実感させてもらっています。さあ楽しもうか、といった具合に一日一段落と決めて牛の反芻みたいにもたもたと。大勢のひとに読んでもらうことを考えてなのか、やはり肝心の部分を覆う被膜が拡大する箇所が著われるにあたり、そして読み終えたいま、果たして新訳と考えてよいのか心が揺れてしまいます。ほかの作品やほかの会社の小冊子で辻褄の詳解なんて蛇足は生えませんように。この本すっきり好きとはいえません。 | ||||
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もうこれは、大好きです。またいい本に出会ってしまった・・・と読み終わったあと胸がいっぱいになりました。切なくて、ラストが泣けます。それぞれの登場人物の視点で書かれているため、それぞれの気持ちが胸に染みてくるようで、ジーンと来ます。京極堂シリーズのようにちょっと飽きてしまうような途中の語りもなく(京極堂シリーズも大好きですが・・・)、かといってそこは京極作品、物足りなさはまったく感じさせず、読みやすく読めました。感想は人それぞれとは思いますが、私はこういう「薄っぺらくない人間模様の感動もの」が好きです。 なんといっても、文章がうまい作家さんの本は呼んでいて気持ちがよいですね。本全体に漂う空気はけして明るいものではなく、「マッタリとしたどんより感」が流れていると思いますが、それすらも私的には心地よいです。 ボリュームはありますが読んでいてしんどくないので、ぜひ読んでみてほしいです。大満足の一冊でした。 | ||||
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大作である。 本は厚いが、京極先生の職人仕事で読み難さはない。行間の使い方と間は、最高である。 個人的には、シリーズの中で二番目に好きです(笑う→数えず→覗き)。 「笑う」の新解釈の衝撃が凄すぎたということでしょうか。 しかーし、読みやすさは本作がNo1であーる。 読後感の空しさ(あえてこの字でしょう)は、何とも言えません。 登場人物の思惑が交差する。誰1人悪人・怪人は居なかったと思いたい作品です。 あ、「仙」が一番理解できる人物で一番怖かった〜。 書いて、気づいたが理解できる人物ほど、自己の内面の怖さを認識するということでしょうかね? 「又さん」もやっぱり出てきて、お久しぶりって感じですね。 もっと、個々人と繋がっていたかったなと思わせる良作ですよ!! | ||||
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これは私の住む地方の新聞の夕刊で連載されていた作品でした。その新聞取っていてよかったと、生まれて初めて思わせて頂きました(笑)。 1年強の連載小説が毎日毎日楽しみで仕方なかったものです。番町皿屋敷を下敷きに、「数えず」とはこれ如何に?と読み進めていましたが、全ては佳境から終章に漂う虚無感という仕掛けを際立たせる為…流石です、京極先生。 静かに淡々と、人間の狂気が描かれていくのも何とも空恐ろしい。登場人物が皆、何を数え、何を数えなかったか…是非ご自分でお確かめくださいませ。 | ||||
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流石は京極先生、あの持ってるだけでしんどい本を一気読みさせるとはやってくれます。全編通して鬱々とした雰囲気が漂う良作です。視点はころころとかわるので登場人物それぞれの心内を見ることができるのですが、皆様色々問題ある方々だなあと思いつつもどこかで共感してしまう。人が普段決して表に出さない、けれど誰かしら抱えている心の闇が描かれておりました。前二作よりも盛り上がりに欠け、主要人物は難解な性格で理解に苦しむ所もあるけれど、それでも面白いです。ストーリーを楽しむより、作品に流れるどんよりとした空気を楽しむ方が良いかもしれません。静かな所でひとり、ゆっくりと文章を噛み締めながら雰囲気にどっぷり浸って頂きたい。(個人的には、お馴染みの彼等に再会出来たことがとても嬉しかった…笑)相変わらずの分厚さに購入を躊躇されている方がいらっしゃいましたらば、迷わず購入することをお勧めします。京極先生がお好きな方ならば、間違いなくお気に召されるかと思います。(絶賛しておきながら★を減らしたのは分厚さのせいです笑。もう少し文字が小さくても良いので、頁数を減らして頂きたかった。内容は何の問題もありません) | ||||
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