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トワイライト博物館(トワイライト・ミュージアム)



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トワイライト博物館(トワイライト・ミュージアム)の評価: 3.33/5点 レビュー 9件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(3pt)

魔女狩りがテーマのミステリということで読んでみたのですが……

魔女狩りがテーマのミステリということで読んでみたのですが……なんじゃこれ?
脳死患者は実は精神だけがタイムトラベルしていて、オカルトな超能力で主人公たちが連れ戻しに行くというSFなんだかファンタジーなんだかな設定の物語。過去と現在を行き来するシステムが何だか面倒臭く、いっそ過去のイングランドだけのストーリーでもよかったんじゃないの?と思っていたら、そういう結末のためのタイムトラベル設定だったのね……。
理屈は分かるのですが、何とも後味の悪い結末なのであります。脳死という医療問題をこんな風に扱うのもなんだかなあ。
魔女裁判のイカサマをミステリ的に謎解きするという着想は面白いものの、長編を支えるだけのネタなのかとなると微妙なところ。

それはさておき、現代日本人が過去の外国(または異世界)を訪れると普通に会話ができてしまえるというありがちなシチュエーション、アニメやマンガで見る分には楽しめるのに小説になると途端に違和感が大きくてかなわなくなるのはいったい何故なのでしょうか……?
トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)より
4061826506
No.5:
(3pt)

魔女狩り

ファンタジーとSFとミステリが混ざったような作品である。
 近世イギリスの魔女狩りを、ミステリ的なトリックという観点から扱っているのはおもしろい。しかし、タイムトラベルや脳科学を混ぜているあたりは、どうしても違和感が拭えなかった。
 実験的な試みとしてはおもしろいと思うのだが……。
 ただ、著者独特の切迫した悲壮感みたいなものは存分に楽しめた。
 なお、2014年には『トワイライト博物館』と改題され、講談社文庫になっている。
トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)より
4061826506
No.4:
(3pt)

ある意味、予定調和

施設で育った主人公は、自分を慕う少女を救うため、青い瞳の不思議な学芸員枇杷と時間旅行の旅に出る。
と、ジュブナイル的な展開から魔女狩りの横行する時代へ行き、さてどうなるかというお話です。
主人公たちは非力なので、かなり過酷な目にあいますが、どうも危機感があまり感じられませんでした。話の流れからなんとなくこうなるだろうと思ったままの展開で進んでいくので、ハラハラが足りないと言うか。
でもそれなりに楽しんで読めたので、星3です。
トワイライト博物館 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:トワイライト博物館 (講談社文庫)より
4062776340
No.3:
(3pt)

残念!!

登場人物やストーリーがとても魅力的であるにも関わらず、7割ぐらいいった所からトリック描写とその解決に終始してしまって、そのまま尻切れとんぼに終わります。 なんだか物足りない読後感。 もっと世界広げて欲しかった!! それでもそれなりに面白く、一気に読めたのはさすが初野さんです。 星3.5かな。
トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)より
4061826506
No.2:
(3pt)

安定してます

この手の話を書かせると、うまいと思います。とにかく安定してます。
トワイライト博物館 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:トワイライト博物館 (講談社文庫)より
4062776340
No.1:
(3pt)

初野晴、不思議な魅力

初野晴である。今年(2009年)久しぶりに初野晴の名前を見かけた。「退出ゲーム」「1/2の騎士」そして続く本書。
初野晴は第22回横溝正史ミステリ大賞受賞の「水の時計」でデビューし、デビュー作同様に、「西洋の時代と匂い」を感じさせるミステリー、「漆黒の王子」の二作をのみ出版したきりで、その姿を見ることが久しくなかった。その作家が、今年は早くも三冊も出版している。
最初の二作品の印象が強かった。それがゆえに、久しぶりに出たふたつの作品がかつての作品と趣が変わった、現代学園青春ミステリーであったことには唖然とした。しかしそれなりに読める作品であり、あるいはぼくの好みか大きく外れたものでなかったことに安心した。初野晴、復活!これからまた活躍してくれるだろう。
ところが、最新作の本書はいったい何と言ったらよいのだろう。正直にいえば、これは新人作家の作品だろうかと思うほどに完成度は低い。その一方で、新人作家の作品のように、書きたいという想いが溢れ、伝わってくる。「荒削りで不器用」を感じながらも、読むことを止められなかった。作品に引きずられるように一気に読み終えた。こんな風に一気に読んだ作品は久しぶりだった。いや勢いがあるとか、盛り上がりがあるとかではない、なんとも言い難い、読まずにはおけない魅力というか・・。
読み終えた感想も、「粗」を挙げ連ねはじめたならばきっとキリがない。しかし作品に惹かれたという事実、それは読み終えてみてもうまく説明のできない魅力を覚えており、そしてまた新人作家の持つ宝石の原石のようなキラメキの魅力が感じられる。それは、デビュー7年で、数冊著作を出版している作家とはとても思えない。
本書のテーマは精神だけのタイムトラベル。タイムトラベルで行き着いた先の、誰かを依り代として、その時代、その地で主人公たちは活動する。依り代によって行なわれた行為はきちんと史実として残り、それが故に、旅行者である主人公たちはタイム・パラドックにも留意しなければいけない。そのことが彼らの行動に制約を生み、物語に緊張感を増すことになる。
精神の時間旅行については「現代科学では説明しきれないことがある」の一言で説明してしまう。随分、乱暴である。しかしそれはリアリティーを壊しはしない。時間旅行も特別な機械や発明によってでなく「枇杷」という少女の特殊な能力という説明も「精神の」時間旅行にはふさわしい。しかし一方、主人公、勇介の「命綱」という、時間旅行の能力を持つ少女、枇杷を現代の現実に結びつけておく役割に、少し都合のよさを感じた。主人公、勇介が「命綱」に決まる経緯を含み、「命綱」は特殊な役割なのか、普通のひとにもできる役割なのか、その辺りの説明も不足している。そして作品のなかでタイムトラベラーたる枇杷が、なぜ主人公の勇介を信頼し、執着したのかの説明も文章にして説明して欲しかった。ただ、この辺りはもしかしたら続編以降に残された伏線なのかもしれない。
中世イングランドで魔女と疑われた老婆。その老婆の精神とともに、養護施設で勇介を慕っていた、現代の時代で交通事故に遭い瀕死の状態である幼い少女ナナの精神はあった。迫り来る魔女裁判と処刑の前にナナの精神を救い出さなければいけない。そのポイントは、魔女狩りでその名を歴史に残した人物の用いた三つのトリックの謎を暴くこと。勇介は現代と過去を行き来し、博物館で待つ仲間の知恵を借り謎を解かねばならない。
いわゆる物語を進める条件として「謎を解く」、そのこと自体はいい。しかしその謎はあまりにトリッキーである。それゆえに作品の本質が「謎を解くこと」(=ミステリー)なのか「幼い少女の精神(生命)を救うこと」(=物語)なのか、焦点が絞り込まれていない印象を残念ながら持つに至った。
説明のないまま、突然、現れた博物館の仲間。都合よく、瀕死のナナの入院する病院から出てきた牧原という博物館員。タイムトラベラーである枇杷という少女の「人間」が描かれていない点。いやそれを言うなら主人公、勇介も、その気持ちだけしか書かれず、その人間が描かれているとはいえない。強い印象を与えて登場したのはいいが、あっという間に舞台から退場した勇介の大伯父。本作品にいろいろと不備は目立つ。
しかし、それでも本書にはなんともいえない魅力がある。このことは書き留めておきたい。
トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)より
4061826506

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