ふたたび赤い悪夢
評判
ふたたび赤い悪夢の評価:
3.75/5点 レビュー 12件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 21〜29 2/2ページ
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ふたたび赤い悪夢の評価:
3.75/5点 レビュー 12件。 C ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
法月綸太郎のもとに『雪密室』事件の際に知り合った
アイドル歌手・畠中有里奈から電話が掛かってくる。
彼女は、不審者に刺されたにもかかわらず、意識が戻ると、無傷だったという。
しかし、のちに彼女を刺した男が死体で発見され……。
山口百恵主演の《赤い》シリーズに代表される大映ドラマをモチーフに、
アイドルを襲う過酷な運命を描くことと並行して、名探偵の存在理由を
問い直そうとした作品。
上記の殺人にまつわる不可能状況は、有里奈を追い落とそうとする者達の
策略に端を発するものですが、偶然や錯誤が連鎖されることで、彼ら自身、
思いもしなかったメビウスの帯のような事態を生み出してしまいます。
しかも、このねじれた事件が、過去に有里奈の親世代に起きた
悲劇を反復したものであることが、のちに明らかになります。
加えて本作には、そうした本筋の他に、八〇年代アイドル論が挿入されています。
山口百恵的なスターを〈神〉とあがめた七〇年代から、自らが虚構であることを
隠さず、むしろ、その虚構性を売り物とした、シミュラクルとしての八〇年代の
おニャン子クラブに至る変遷――。
一見、物語とは無関係に思えるこのパートは、作者が
直面した〈名探偵〉の問題のアナロジーだといえます。
〈名探偵〉のシミュラクルにすぎない綸太郎が、アイドルの、そして西山頼子の
シミュラクルである有里奈を救うことで、自らの再生をはかろうとする構図を
本作から、見て取ることができるからです。
そして、『九尾の猫』で引用され、本作においても何度も言及される聖書の言葉、
〈神はひとりであって、そのほかに神はいない〉
これをミステリの文脈で捉えれば、探偵は神にはなれない、ということです。
作中で、この言葉について散々悩んだ綸太郎は、
苦悶の果てに、一つの啓示を得ることができます。
「砂漠に出よ」
しかし今度は、この内実を巡り、再び作者は悩むことになるのです。