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名残り火の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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藤原伊織は男を書く作家だ。女を書かないのか、書けないのかは、どちらであっても良い。男をくっきり描くことで、その周囲の女は浮かび上がる。それに寸分のくるいもないのなら、この方法を選択したことに傷はない。 しかし、この作品に関しては弱い。大原と、ナミちゃんがぼんやりとして見える。特に大原で顕著である。軽いノリの男たちを無駄に書き込めば、結果として大原の抱える事情の心象風景が浮かび上がる。服装やバッグの説明をしなければならないのが悲しい。ナミちゃんも三上社長との関係で簡単にまとめるのは唐突に過ぎる。 人が亡くなるのは仕方の無いことと思うよりない。この作家の寿命が費える時を動かせないとしても、健康である時間を一月でも、否、数日でも与えられたのなら、作品の完成度は高くなったのではないかと思えてならない。それとて、無い物ねだりに過ぎないのではあるが。 小さなことだが、サックスは木管楽器でラッパではない。すくなくともサックス奏者がラッパと呼ぶことはない。 経営者として成功した礼節を知る大人が、各式の高い店の表現に、敷居が高いを使うことに違和感を覚える。 どちらも校閲の仕事の範疇だ。前者は単行本化に向けた加筆、改編があった部分である。振り返ってみれば、前のシリーズでもあったような気もしている。とすると、あるいは作家の考えなのかもしれない。 | ||||
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本書は「てのひらの闇」の続編であるが、前作に引き続いて登場する女性二人が魅力いっぱいである。しかし、新登場するヒール役の男二人がまったく冴えず、知人にわなを仕掛けて傷めつけるのだが、その動機がいまいちで主人公による真相解明も盛り上がらない。女性たちにはハッピーエンドが用意されており、ハードボイルドも薄味である。 | ||||
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藤原伊織の小説ははっきり言ってワンパターンだ。それでも、新作が出ると必ず手に取ってしまう。だから、新作がもう読めないってのは、やっぱり淋しい。 藤原伊織の小説の主人公には、いつも反発を感じる。この小説の言葉を借りれば、“ニヒルなガキ”っていうキャラ。年齢の設定は様々だけど、アウトローを気取りつつも表面的には無難なリーマン生活を送っていて、ある事件をきっかけに大きく日常を逸脱する行動に出る。動機は友情だったり、自らの矜持だったり、過去の清算だったりするんだけど、やっぱ全共闘世代ならずとも、こうしたコンテクストが多くの人々の琴線に触れるってことは、みんな現状の自分に満足していない、若かりし頃の理想とか、思いが達せられず、悶々と燻っているものがある、とはいえ今ある生活を無にすることなんか出来ないってことなんだろうな。僕が藤原伊織の小説の主人公に反発を感じるのは、このあからさまなノスタルジー、センチメンタリズムである訳だけど、その一方で手に取ってしまうのは、ダサいな、かっこ悪いな、と思いつつも、カタルシスを感じるからだ。しかも、広告業界とかマーケティングといった著者お得意のディティールや、こなれた文章やプロットが物語を制御していて、めめしさをカモフラージュしてるんだよな。だから、「藤原伊織読んでます」みたいなこと言っても、あまり恥ずかしくないっていうか。 藤原伊織はワンパターンって言ったけど、もうひとつ、常に一定のクオリティーを保ってるってところが、エンターテインメントとしては評価できる。とはいえ、本作は藤原伊織ワールドの総決算とも言えた「シリウスの道」に比べると数段小説としてのクオリティーは落ちる。なんか登場人物のキャラ設定にリアリティーがなくて、プロットにも切れがない。死んだ友への線香代わりのもらい煙草は別として、藤原作品の主人公が煙草吸わないってのも残念だな。 | ||||
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