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死都日本
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死都日本の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全104件 81~100 5/6ページ
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紀元79年、ヴェスヴィオ火山の大噴火により一夜にして滅んだ都市、ポンペイ。その被害の凄まじさと火山の恐ろしさは対岸の火事ではないということを教えてくれるのがこの作品だ。 宮崎県の霧島山に噴火の兆候が観測される。だがそれは、加久藤火山という霧島火山の地下に隠された巨大火山の破局噴火の序曲に過ぎなかった。 日向大学助教授の黒木伸夫は、以前から加久藤火山の危険性を一般に説いており、その知見を見込んで、国の対策本部のメンバーとして迎えられ、善後策の検討に奔走する。そうこうするうち、ついに破局噴火が始まり、妻の黒木真理が勤務病院に孤立する事態となってしまうのだった。 実際に存在する火山と、実際に可能性のある危機に基づいて、破局噴火の恐ろしさとその広大な被害範囲について書かれたシミュレーション小説。その被害は、一日にして南九州を壊滅させ、ついには首都機能すらも麻痺させ、世界規模の気象異常を引き起こすほどの恐ろしいものだ。 しかしこの作品世界では、日本政府が最善の策を打っているので、物理的な被害だけでなく、経済的な被害をも軽減するインテリジェンス活動が行われている。まあ、現実にこんな事態が起こったら、現実の政府はこれほど計画的な対応が取れるとは到底思えないのだが…。 一般にはもちろん、防災関係者には是非読んで欲しい本です。 | ||||
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とにかくスケールの凄い小説でした。 個人的には破局的噴火、及びその発生後に生ずる事象の数々を支えるさまざまな理論武装を理解するのに手間取り(そして失敗し)、簡単に読むことはできませんでしたが、それでも中盤以降は一気読みとなりました。 末尾の参考文献や著者の経歴などからも、火山災害についての描写はあながち絵空事として笑えることでもないといえ、まずは災害小説(そんなジャンルがあるかどうかはわかりません。クライム・ノベル?)として評価できるでしょう。 一方で、黒木夫妻と記者・岩切を軸にして圧倒的な自然の猛威と対峙する人間達のありさまも盛り込んでおり、ヒューマンドラマ的な要素を認められると思います。 そして、日常的な感覚からはちょっと想像できないスケールの大きさ。フィクションならではと言ってしまえばそれまでですが、個人的にはこの物語、神話的な印象を受けます。それこそ作中で再三語られるモチーフのように。 なかなかに分厚い物語で中身の重厚さもあり、なかなか手を出しにくい作品ですが、一読してみる価値はあるかとおもいます。 ところで、冒頭の政治をめぐる内容が現実の日本の情勢と妙に符合していて驚きました。 ……嫌な予感がしますね(笑)? | ||||
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畳みかけるように襲ってくる自然現象の解説や連鎖の描写がアカデミックかつマニアックなところ(ときどき筆が滑って暴走する。主人公である准教授の講義のようだ)も面白いが、行動する人たちのドラマも非常に魅力的だ。災害の中心地からの脱出行であったり、病院での生死をかけた非難の様子、さらに災害対策本部の政治家や官僚の姿がそれだ。 感心したのは日本再生のための仕掛けである。日本の資産を活用していかに国体を維持していくのか、という究極の政治がここにあるという感じ。「日本沈没 第二部」に比べると物語の舞台は国内を出ないが、話のスケールとしては優るとも劣らない。文庫本で600ページ以上をだれることなく、恐れながら読みきることができる。 本書の魅力の一つの柱である総理大臣とそれを補佐する官僚たち、彼等が適切な準備と初動対応で直面する危機に対処していくところは非常に読みどころなのだが、ふとフィクションでしかないことに気づくとがっかりして悲しい。火山や地震などの自然災害はフィクションであって欲しいのだが、政治や官僚のフィクションに夢中になるのは残念な限り。本書は新興政党出身の総理大臣の活躍と、国土を揺るがす大災害という二つの刺激で新しい日本を目覚めさせる壮大な作戦なのだろうか。 | ||||
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南九州を舞台とした大規模火山災害のお話です。 ただスケールが大きいだけでなく、科学的な裏打ちのある、現実味にあふれた描写に圧倒され、一気に読んでしまいます。 ただ、火山災害自体以外の描写(特に首相の言動)に関する現実味が追いついていないので、序盤からちょっとしたちぐはぐ感が散見され、最後にまるで作者の言葉のようにあふれ出てしまっているのがちょっと興ざめしてしまいました。 | ||||
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単純に面白い。 驚きも何も無いが、もうすごい勢いで地学の薀蓄が増えていく。 言うなれば、地学版京極夏彦。 でも、作品としては単純なクライムノベルかと思ったが、以外や以外最終的には経済小説もどきになってた。 副題をつけるなら『日本再生』って所かな〜 ただし、やはり“もどき”である事は否めない。 前半に多く振られている地学の薀蓄と、後半に振られている石油エネルギー脱却におけるプランの説明の差が大きい。 ノベルズにあたって加筆すればいいのにな〜、今だったら石油エネルギー以降のエネルギープランの本なんてトンでも本から実用書まで腐るほど資料はあるんだろうから。 まぁ、きっとそこら辺は好きじゃないんでしょうねw まぁ、京極夏彦や森博嗣、高田崇史などの薀蓄小説が読める人で、理系の薀蓄が嫌いじゃなきゃ、結構面白く読めると思う。 | ||||
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以前より興味はあった。ノベルズ版刊行を機に読む事にした。 とりあえず、鯨統一郎の出鱈目似非災害小説を読んで落胆した(作者に対する怒りさえ覚えた)直後だったので、インパクトをより強烈に感じた。 出鱈目小説との比較で、かなり視点が偏っている事、お許し願いたい。 災害をテーマにした小説において、読者が求めるであろう最低限の要素は揃っている、と思う。 学術的に明らかになっている要素を使い、噴火のメカニズムにまで迫った、噴火の描写には苦言を呈する余地は無い。 噴火に関連して起こる災害は、周辺の地形を把握した上での、リアリティを求めた丁寧なシミュレーションの跡を伺わせる。 国際社会を巻き込み、スケールが大きくなる展開をどの様に収束させるか。作者の腕の見せ所だろう。期待感は膨らむ。 しかし、物語の収束のさせ方は期待外れだった。一応、これまでお膳立てしてきた、謎に包まれた事柄を首相の演説として語らせている。希望を持たせる内容だが、都合の良すぎる、出来過ぎた対応は夢物語にしか聞こえず、かなり「変」と感じた。 | ||||
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2002年にいわゆる単行本で出たものの新書版が出た。単行本はけっこう厚くて重かったが、新書になって持ち運びしやすくなった。内容は変更ないと思われる。 | ||||
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主人公が噴火後気を失い命からがら辿り着いて井戸水を飲ませてもらった付近がおばあちゃんちです。その先の小さな神社も本当にあります。 この本に出てくる施設などは全て別の名前で実在しています。 道路もその通りです。 主人公の妻の病院は、私の実家のすぐ近くにあります。 つまり 噴火が起これば、私の家族は全員被害にあっていて生き延びれてないでしょう。 本当に地図がもっと詳しく描かれていたならもっと迫力があったであろうと思います。 霧島は活火山です。 宮崎は本当に地震も多いです。 とても他人事だとは思えませんでした。 こんなに詳しく地元のことが書かれているのに地元の人の多くはこの本を知りません。 その後どうなったのか続きが知りたいです。。 描写が正確で 火山灰の動き 火砕流の流れが辿る道筋までびっくりしました。 本当にどこに逃げようかと今も考えています。 | ||||
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空想軍事モノ、北朝鮮モノよりもリアル。 災害シュミレーションの描写が怖い。 実在の固有名詞も多々出てくる。 ただ、ラストは脱力しまくり。 独善ぶりムキだしの首相の国家再建演説が延々と続く。 少なくとも350万の人間が死んだ翌日に、国際中継で「日本が蘇えるためには、これでよかったんです」みたいなことをホザく総理大臣は不要。 小泉さんだってそこまでは言わないよ。 | ||||
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面白い。その面白さは、精密な科学的知識に裏打ちされたリアルな火山噴火災害の描写にある。 日本列島は数万年に一度は破局的噴火を起こしてその当時存在していた生命体の内、食物連鎖上の上位種例えば哺乳類の何割かは死に絶えたことが科学的に推定されている。現在それが起これば地球上の高等生命体全体に及ぼす影響は甚大で、世界人口も数分の一にすらなるかもしれない。なぜなら、自分達の勝手な都合で想定した”自然”を前提にして、生命維持の根拠を人工的環境に置いているからである。 しかし、近年においては人類はこれをまじめに捉えて政策に掲げてはいないし各種社会科学者も哲学者も殆ど問題にあげてはいない。著者は小説化することでこの問題を訴えることに成功している。 ここでは破局的噴火は次のようなものであると述べられている。即ち、人間とは無関係に地球上で発生する数万年に一度の出来事であるが確実に起こることであり、それは起こらないことではなく今起こってもちっとも不思議ではないことであると捉えるべきものである、と。 そのような見方をすれば人々の生き方即ち思想は変わるのではないだろうか?。これはまさに自然哲学の変様である。西欧近代社会思想はこの点に弱みがあり、そこから生み出された科学技術も弱みを持っている。それを止揚できるのは日本列島に住む日本人の適任かもしれない(でも火山が沢山あるイタリアやトルコもその点では同じだからなんとも言えないか)。 | ||||
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実際に起こりそうな話として、つまりノンフィクション的に見れば、とても面白い。しかしながらエンターテイメントとして見る場合には、人物描写などが今一に感じる。映画ダンテズピークが面白いと思った人は読む価値あり。 | ||||
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九州地方で地震が多発している今、今の日本の経済下。私は鹿児島に住んでいる者ですが、恐ろしくなりました。高校生でも充分に読めます。 | ||||
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よくここまで書けたなと言うのが正直な感想です。大規模カルデラ噴火が本当に起きたら、きっとこうなると思います。問題は、それを受けた政府の対応。日本の現実はこんなにかっこよくないと・・・。最近の災害に対する政府の対応を見ていて思います。 | ||||
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ディザスター小説としてのネタ・アイディアは超弩級!面白い!100点。小説としては、緊迫感に欠けたり、登場人物が冗舌というか説明っぽい発言が多すぎたりして、もう少し頑張って書いてねっていう感じ。このネタで、篠原節子や真保祐一、麻生幾あたりが書いたらどんな小説になるか読んでみたい気もする。なんだかんだと注文はあるけど、スケール爆裂!面白く読めますよ。 | ||||
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日本民族はどうすれば生き延びられる?この本は小説なんかじゃありません。現実に日本に起こりつつある自然現象をどう乗り越えるかという『サバイバル・バイブル』です。誕生から46億年たっても『地球のくしゃみ』=『火山の噴火』は止まりません。地球にとっては当たり前の『噴火や地震』、繰り返し何百回も何千回も火を噴き上げ地表を揺らしながら現在の日本列島ができました。恐竜の絶滅もアトランティスの伝説も「なるほどそういうことだったのか」と、大きくうなずきながら納得させてもらえます。火山が噴火すると地形が変わるのです。地球が火山灰に覆われると環境も大きく変わるのです。その瞬間その場所に生きた生物は、命からがら生き延びてきたのです。地表で繰り返し起こる『巨大な噴火』、しかし悲しいかな人間の記憶ははかないもので、数百年も経てばその経験は『伝説』の中で語られる程度、まさか自分の身に起こる問題とは想像すらできません。たかだか数百年の薄っぺらい現代文明が、地球にとってみればいかに「たわいもない」ことだったのかを痛烈にリアルに実感できます。現実に東海地震が迫る中で、現実に予想震域で運転を続ける『浜岡原発』。自然現象の圧倒的パワーをリアルに感じることができれば、日本人ももう少し生き延びられるかも知れません。もうすぐ出されるという次回作『東海地震戦記(仮称)』にも期待しています! | ||||
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この本では、歴史上何度となく繰り返されて来た「じょうご型カルデラ火山の破局的噴火」が現代に於いて発生したら、どういう事が起こるか?が小説の姿で描かれている。「じょうご型カルデラ火山の破局的噴火」とは何か?南九州で阿蘇山や鬼界カルデラと云った形で周期的に発生して来た噴火である。本書では、このシミュレーションを科学的に納得出来る形で描いてみせる。が、その結果たるや、まさに度肝を抜いた姿なのだ。 南九州のほとんど全ては火砕流で噴火当日に埋め尽くされ、何百万人がなす術もなく亡くなる。かろうじて生き延びても雨が降れば土石流にやられ、九州全域は死と隣合わせの状態。翌日以降は、本州全域の半分以上の地域が火山灰と雨による土石流や家屋の損壊で経済活動不能となる。人間に何が出来るのか?と云ったところ。 この本から処世訓を引き出す事など出来やしない。が、あなたの物の見方を変えてくれる事は間違いない様に思う。ちょうど、恐竜が隕石の消滅で滅亡した、と聞いても明日の生き方に何の影響もないが、隕石に対する見方が180度変わる様に。 本書の主人公は、どんなシリアスな場面でもギャグが言える、アラブ流のユーモアを備えた人物として描かれる。この状況を生き延びる為には、それ位の人物設定が必要なのだろう。少なくともジュラシックパークのレベルの人物描写は出来ている(状況設定も似ているが)。 何の不足があろうか?日本人たる者、読んでおいて損はない。 日本人の源流の一つである南からの文化を縄文時代に滅ぼしたと云われる、鬼界カルデラの破局的!噴火の状況も理解出来るし、実際の発生時には、余計な解説がなくとも状況が理解出来る。 | ||||
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本作品の舞台になった宮崎在住のものです。私自身,本作品の日向大学のモデルになっているだろう宮崎大学で地質学を専攻していたせいもあり,自分とだぶらせながら楽しく読ませてもらいました(笑)筆者の専門知識の深さに加え,地元のことが詳しく描かれており,「実際に噴火が起きたら自分は死ぬんだろうなぁ」と変な気分であっという間に読み終えました。地質に興味のある方は必見です。是非おすすめします。 | ||||
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地学的に日本が危ないのは知っていたが、それが起こったときの恐ろしい情景がありありと想像できた。 確かに小説としては、話の運びに疑問は残るものの、それを人間の無力さに泣けてくるほどの、火山の圧倒的スケールでカバー。 人が生きるうえでの大前提がやはり「大地」その大地の大切さと、それにあった生活が重要なのだということを、感じざるにはいれませんでした。 | ||||
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500ページを超える長編ながら、週末の2日間で一気に読んでしまいました。簡単に言ってしまえば、火山災害小説なのですが、その規模が桁外れです。死者は数百万人、阪神大震災の1000倍スケールです。ハッキリ言ってこの規模の自然災害に対しては、現代文明はまったく対処の方法を持っていません。ひたすら逃げるのみです。しかも、この規模の火山噴火は九州では数万年に一回は確実に起こっており、今後もほぼ確実に起こるというのですから、日本の繁栄も風前の灯火です。関東地方も、関東ローム層という火山灰層に厚く覆われていることを考えると、火山の無い国に避難場所を確保しようかという気にもなってしまいました。 | ||||
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わくわく、はらはらしながら本を一気に読み終える。なんと久しぶりの快感であろう!地震学者や地球物理学者の書評でこの本のこと知り、今頃になって読んだのだがその気にさせたのは彼らが一様に「この著者はいったい何者なんだろう?これだけの知識・学識を持ち、小説を書ける人間がいるなんて!」という言葉だった。地震学や地球物理学をニュートンやオムニなどで知識として知るのとは、全く迫力のことなる体験だった。これは小説としては文体や人物造形に難があるという批評も一部に聞く。しかし私に言わせればこの文体は非常に懐かしい。読み終えて思い出すのは60年代の「空想科学小説」と呼ばれた一連の雑誌連載小説である。当時の「子供の科学」や月刊「少年」の後ろの方に!毎号連載されていた小説を50才前後の方々なら思い出すのではないかと思う。少年のころはらはら・どきどきした、あの快感がよみがえる、といえば一部の方々にはたまらないだろう。 | ||||
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