昼は雲の柱
- 富士山 (33)
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題材は火山研究者である山野承一郎それに娘の真紀を主人公とする富士山噴火と富士に纏わる古代伝説を織り交ぜた一種の仮想現実社会である。地震学より伝説に詳しいと言っても差し支えない研究者を取り上げたことでストーリーが面白くなっている。火山神を中心に世界宗教、日本誕生、中国徐福まで登場する壮大な宗教学まではば広く展開していく。なじみの少ない話だけあってただひたすら読むしかなかったがそれなりに面白かった。ただ小説的に残念な点は真紀の存在で、高1という設定にも関わらず古典歴史研究者顔負けの知識力を持ったスーパーエリート的な点や、同級生男子もたかが歴史書物を数冊読んだだけでこれもまた一気に大学教授並みの知識力を短時間で身に着けた人物を登場させるなど出来すぎが目立つ。さらには徐福の副官呂氏の二千年の末裔にあたる女性を出す点などはミステリーもどきになってしまって残念。興味が湧いたのは千円札の逆さ富士は本当の富士ではなくシナイ山という説。確かに千円札をよく見ると逆さ富士はとても富士とはいえないのに驚いた。一般文学通算513作品目の感想。2012/12/30 14:15 | ||||
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石黒作品との出逢いは、震災列島でした。 火山についてとても詳しくて石黒耀のペンネームも 火山岩の黒曜石からということです。 今回の富士覚醒も富士山が大噴火すればどうなるか? 大昔、富士山の峰は二つだった・・・。 大噴火で火山灰の影響は~? 最近でこそハザードマップなど新聞でも 富士大噴火の影響の予測が載っていますが 阪神淡路大震災以降、火山列島日本を憂いている石黒さん応援しています。 | ||||
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『死都日本』を読了後、196ページまで読了です。 登場人物の関係がよく考えられています。 高校生たちを登場させていますが、その会話の生き生きしていること・・・・・この著者は本当に1954年生まれなんですか? 高校生向けの恋愛ノベルも書けそうな「感受性」と「実態観察力」です。 まるで高校生の傍で見聞きしてきたかのような会話文は、お見事です。 火山関係のサイエンスフィクションですが、著者としては色んなジャンルの小説をこの本の中で試みているのではないでしょうか? 本業が医師であるためか、いい意味での「実験」「挑戦」をされているのが分かります。 そしてそれなりの成果と言うか成功をおさめているようにも感じます。 今後のご活躍にも注目したいです。 | ||||
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『死都日本』は2回読んで☆5つの価値あり、と思っていますが、『震災列島』と本作品は期待はずれでした。火山にまつわる専門的な話や神話の解釈等は、十分に魅力的なのですが、人物描写・人間ドラマの部分が浅いというか、類型的というか...高校生2人のからみや土建屋の社長が登場する場面では、何度も読むるのをやめそうになりました。火山薀蓄をたくさんお持ちのようなので、新書のようなかたちで作品を読んでみたいです。 | ||||
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前作『震災列島』に続き、主題が散漫な小説。タイトルや惹句は天変地異を主軸としているし、従って当然、読む側も「もし富士山が噴火したならば、どのような事態が起こり、そしてどのように対処すべきか」がここに描かれているという前提で臨むはずである。ところが肝心の異変は物語が半分まで進んでようやく始まる上に、その描写もいたって簡素、まるで役所の報告書のような無味乾燥な文体で、読み手を遙か後方に置き去りつつ勝手に進んでしまう。被災者の視点で描けないのは第一作『死都日本』からの作者の欠点であるのだが、それは一向に改善されないままである。 おそらく石黒は、この作品において「新たな日本神話解釈」を披露したかったのだろう。物語前半は殆どその「イザナミ=火山神」という仮説の議論で占められているし、その論の検討は富士の噴火が始まった後半以降においても止むことがないからである。しかしではその神話解釈に説得力はあるのかと言えば、残念ながら否定的な評価を下さざるを得ない。神話は「自然の出来事の擬人化」である、という見解は古くから存在するありふれた解釈であり、しかもそれはマックス・ミュラーの「言語疾病説」の系列に連なるものである以上納得できるわけがない。つまり「神話は知的に劣っていた古代人が、何とか自然の驚異を表現しようと擬人化した結果生じた物語である」という前提に立つものだ、ということだ。現代の物語にも様々な自然現象や動物を擬人化した物語はある。それらも「知的に劣っていた」結果生じたものなのか? そうではないなら、なぜ神話だけがそうであるのか? この疑問に石黒は答えられるのだろうか? かつまた、仮に火山が神の属性を決定する材料になったとしても、それは神話の部分でしかない。長い長い物語のある部分が自然現象に対応していたとして、その部分が読み解ければ神話を理解したことになるのだろうか? 石黒もまた、神話解釈において自然科学者の陥りがちな陥穽に陥っていることは明らかだ。そうした意味で「無駄な」議論を長々と講釈されるのは正直苦痛である。物語中にレヴィ=ストロースの名前を出すのならば(おそらくは出典は『構造・神話・労働』だろうが、タイトルにもある通り、神話をいかに解釈するかについてもその書の中で述べられていたはず、ならばなおのこと、石黒の神話へのスタンスに疑問が生じる)、構造分析による神話解釈の手法ぐらいは踏まえておいて欲しい。 | ||||
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