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昼は雲の柱



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【この小説が収録されている参考書籍】
昼は雲の柱

昼は雲の柱の評価: 3.67/5点 レビュー 15件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全15件 1~15 1/1ページ
No.15:
(4pt)

昼は雲の柱

題材は火山研究者である山野承一郎それに娘の真紀を主人公とする富士山噴火と富士に纏わる古代伝説を織り交ぜた一種の仮想現実社会である。地震学より伝説に詳しいと言っても差し支えない研究者を取り上げたことでストーリーが面白くなっている。火山神を中心に世界宗教、日本誕生、中国徐福まで登場する壮大な宗教学まではば広く展開していく。なじみの少ない話だけあってただひたすら読むしかなかったがそれなりに面白かった。ただ小説的に残念な点は真紀の存在で、高1という設定にも関わらず古典歴史研究者顔負けの知識力を持ったスーパーエリート的な点や、同級生男子もたかが歴史書物を数冊読んだだけでこれもまた一気に大学教授並みの知識力を短時間で身に着けた人物を登場させるなど出来すぎが目立つ。さらには徐福の副官呂氏の二千年の末裔にあたる女性を出す点などはミステリーもどきになってしまって残念。興味が湧いたのは千円札の逆さ富士は本当の富士ではなくシナイ山という説。確かに千円札をよく見ると逆さ富士はとても富士とはいえないのに驚いた。一般文学通算513作品目の感想。2012/12/30 14:15
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No.14:
(4pt)

石黒耀さんのフアンです

石黒作品との出逢いは、震災列島でした。
火山についてとても詳しくて石黒耀のペンネームも
火山岩の黒曜石からということです。

今回の富士覚醒も富士山が大噴火すればどうなるか?
大昔、富士山の峰は二つだった・・・。
大噴火で火山灰の影響は~?

最近でこそハザードマップなど新聞でも
富士大噴火の影響の予測が載っていますが
阪神淡路大震災以降、火山列島日本を憂いている石黒さん応援しています。
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No.13:
(5pt)

単行本の方をアマゾンで251円で購入です。中々お見事な本です。

『死都日本』を読了後、196ページまで読了です。

登場人物の関係がよく考えられています。

高校生たちを登場させていますが、その会話の生き生きしていること・・・・・この著者は本当に1954年生まれなんですか?

高校生向けの恋愛ノベルも書けそうな「感受性」と「実態観察力」です。

まるで高校生の傍で見聞きしてきたかのような会話文は、お見事です。

火山関係のサイエンスフィクションですが、著者としては色んなジャンルの小説をこの本の中で試みているのではないでしょうか?

本業が医師であるためか、いい意味での「実験」「挑戦」をされているのが分かります。

そしてそれなりの成果と言うか成功をおさめているようにも感じます。

今後のご活躍にも注目したいです。
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No.12:
(3pt)

小説の体裁を離れた方が良いのでは

『死都日本』は2回読んで☆5つの価値あり、と思っていますが、『震災列島』と本作品は期待はずれでした。火山にまつわる専門的な話や神話の解釈等は、十分に魅力的なのですが、人物描写・人間ドラマの部分が浅いというか、類型的というか...高校生2人のからみや土建屋の社長が登場する場面では、何度も読むるのをやめそうになりました。火山薀蓄をたくさんお持ちのようなので、新書のようなかたちで作品を読んでみたいです。
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No.11:
(2pt)

ありがちで誤った神話解釈。

前作『震災列島』に続き、主題が散漫な小説。タイトルや惹句は天変地異を主軸としているし、従って当然、読む側も「もし富士山が噴火したならば、どのような事態が起こり、そしてどのように対処すべきか」がここに描かれているという前提で臨むはずである。ところが肝心の異変は物語が半分まで進んでようやく始まる上に、その描写もいたって簡素、まるで役所の報告書のような無味乾燥な文体で、読み手を遙か後方に置き去りつつ勝手に進んでしまう。被災者の視点で描けないのは第一作『死都日本』からの作者の欠点であるのだが、それは一向に改善されないままである。
 おそらく石黒は、この作品において「新たな日本神話解釈」を披露したかったのだろう。物語前半は殆どその「イザナミ=火山神」という仮説の議論で占められているし、その論の検討は富士の噴火が始まった後半以降においても止むことがないからである。しかしではその神話解釈に説得力はあるのかと言えば、残念ながら否定的な評価を下さざるを得ない。神話は「自然の出来事の擬人化」である、という見解は古くから存在するありふれた解釈であり、しかもそれはマックス・ミュラーの「言語疾病説」の系列に連なるものである以上納得できるわけがない。つまり「神話は知的に劣っていた古代人が、何とか自然の驚異を表現しようと擬人化した結果生じた物語である」という前提に立つものだ、ということだ。現代の物語にも様々な自然現象や動物を擬人化した物語はある。それらも「知的に劣っていた」結果生じたものなのか? そうではないなら、なぜ神話だけがそうであるのか? この疑問に石黒は答えられるのだろうか? かつまた、仮に火山が神の属性を決定する材料になったとしても、それは神話の部分でしかない。長い長い物語のある部分が自然現象に対応していたとして、その部分が読み解ければ神話を理解したことになるのだろうか? 石黒もまた、神話解釈において自然科学者の陥りがちな陥穽に陥っていることは明らかだ。そうした意味で「無駄な」議論を長々と講釈されるのは正直苦痛である。物語中にレヴィ=ストロースの名前を出すのならば(おそらくは出典は『構造・神話・労働』だろうが、タイトルにもある通り、神話をいかに解釈するかについてもその書の中で述べられていたはず、ならばなおのこと、石黒の神話へのスタンスに疑問が生じる)、構造分析による神話解釈の手法ぐらいは踏まえておいて欲しい。
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No.10:
(5pt)

東日本大震災後に行われた加筆修正

2006年11月に刊行された『昼は雲の柱』を改題して文庫化したもので、東日本大震災を経て、加筆修正が行われています。石黒氏は「著者あとがき」で、東北地方・太平洋沖地震は少なくとも一部の自然科学者の間では想定内であり、福島第一原発事故は素人にも想定できるレベルの原発事故だと言及されています。自然災害を人災とせず、被害を最小限に食い止めるにはどうすべきかというシミュレーション小説としても本書は書かれているのです。静岡大学防災総合センター教授の小山真人氏の推薦を受けているというのも頷けます。

一方、登場人物もなかなか魅力的です。真面目で優しい大学教授(例えるなら、出来杉君?!)とその一人娘、がさつだけど一本気な地元実業家(例えるなら、ジャイアン?!)とその一人息子を中心にストーリーは進みます。子供達は同じ高校に入学したばかりで、ほのかな恋愛感情が芽生えてすったもんだするところなぞ「ラノベかよ!」とツッコミたくなりますが、殺伐としがちなクライシスパニックものと一線を画しているのは、登場人物の背景と感情が丁寧に描かれているところでしょう。

富士山噴火をメインとしたクライシスものではありますが、神話や古代史の謎解きが同時進行するため、歴史好きな方にもオススメしたいです。最後には謎が一つの解へと導かれるのが痛快でもあります。逆に、物語の前半部はこのような話が延々と続くので冗長になり、興味のない人にはやや退屈かもしれません。

本書の後半部ではいよいよ富士山の噴火が始まります。科学的な理論と検証を元にした壮大ながらも緻密な構成と展開は、さすがは石黒耀氏。読んだときの楽しさを奪ってしまうことになりかねないので、詳しい噴火の様子はここには書きません。是非、皆さん自身で確かめてください。
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No.9:
(4pt)

新作ではありません。改題です。

「昼は雲の柱」の続編と勘違いして、あわてて購入したが、改題したものだった。講談社やってくれる。でも加筆されているようなので、もう一度読むことにする。
デビュー作「死都日本」は理系読者をうならせ、多くの火山ファンを生み出した傑作。2作目「震災列島」も"3.11"の後、津波の実態、原子力発電所の脆弱性を的確に描画した作品として再認識。残念なことに、2作目は主人公家族に起こった犯罪被害が不快で、読後感に悪影響をあたえた。
そして本作、富士山噴火である。神話とのからみが多く、話の進行が阻害される面もあるが、それでも面白く読ませていただいた。噴火は本の半分くらいで発生するが、それはたいしたことない。その後に発生する事象こそが、富士山が抱える本当の危険性である。中途半端な科学考証だと、火山灰で都市機能不全とかになるのだろうが、そこはこの著者、参考文献の受け売りではなく、いろいろとマニアックぶりが発揮されている。細かい数字や経過時間などの描写は、著者にしかできないことだろう。デビュー作にあった臨場感が欠けるのは、舞台が出身地でないためだろうか。
早く続編が出版されることを期待する。
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No.8:
(3pt)

レビュー者様の評価通りかなと。

死都日本からはまり本書の方も読んでみましたが、
死都のほうはドキュメント的に仕上げられてるので
緊迫感がよく伝わってきて読み手がどんどん引き込まれていく感じでしたが、
本書の方は火山神伝説の探求をメインをしているので
死都のようにドキドキするという事はあまりないです。
古代日本神話等が好きな人にはお勧めかもしれませんが
どうやって生き残る?的な物を求めてると残念がるかもしれません。
要するに読み手を選びますね。
あと、中盤以降はそれなりに読ませてくれるのですが、
やっぱりストーリーの構築の仕方が甘いかなと思わざるをえません。
ガ○○ム等ウケ狙いネタは余分だと思いますし。
辛口に言うと、物語が真面目なテーマを扱ってる物はこの手の狙いは冷めるだけじゃないかな?なんて思います。
3部作らしいとの事なので
次巻に期待を込めて星3つですね。
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No.7:
(3pt)

楽しく 読めました

でも、石黒さん、火山の噴火の状況の迫力と、ストーリーメイカーの素質の部分、ちょっと
心配です、次回は世界を救うとのこと、期待しています。また楽しませてください
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No.6:
(4pt)

火山ものはさすが

一作目は衝撃だった。前作は駄作というほどいただけなかった。というわけで3作目。なんと前後編ものの前ということでびっくり。とはいっても本作は本作で完結している。この人の本は火山が主人公になると生きてくる気がします。その周りの人間模様は舞台装置の一部のようです。舞台装置として使われる人間描写はおもしろい。しかし人間関係をえがこうとするとあまさが浮き彫りです。でも火山噴火の様子はさすがです。火山と神話の結びつけもさすがです。主人公の変わりものの火山学者は著者の投影体みたい。本作をうけての次回作、果たして作者の持ち味をいかせるか、2番煎じに終わるか。
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No.5:
(4pt)

火山大好き

 富士・阿蘇・霧島。日本を代表する火山と神話を結びつける巧妙な推理と証拠の数々が、ノンストップでこの一巻を読み上げさせてしまった。再度、ストーリーに取り上げられる文書や神話をネットで検索しながら読み返すと、推理が妙なリアリティーを持って迫ってくる。
 富士山噴火をモチーフに展開されるストーリーだが、むしろそれは二の次でも充分なないようだった。
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No.4:
(2pt)

余分な話しに時間が費やされて・・・がっかり

著者の本は「震災列島」が初めてで、この本よりデビュー作の「死都日本」の方が数倍おもしろいという評判から、それも読み、そして今作です。
おそらく「死都日本」から読んでいるファンのほとんどの望みは、クライシス・衝撃・希望だと思うのです。
本書は、残念ながらクライシス・衝撃が訪れるのは、ほぼ終わりの方のみ。
それまでは並の青春小説になってしまいました。
神話と火山の話しは、個人的に好きなので私はよかったですけど。
「死都日本」があまりにいい出来だったので(2回読みました)、今回こそ!と、かなり期待したのでがっかりしました。
「死都日本」を越える作品を、次回こそは書いてくれ〜!
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No.3:
(2pt)

リサーチ不足…

御殿場で生まれ育った自分にとっては、
非常に興味深いテーマであると共に、
自分の街がどのように描かれるかも興味を惹かれ、読んでみた。
作者の得意とする火山災害に関する記述は、
一連の作品同様、それなりに読ませるものである。
しかし、自治体の対応の想定があまりに稚拙であることと、
作者が得意とする分野以外の記述も、もっと緻密にすべきではないだろうか。
物語としては、正直、つまらないといわざるを得ない。
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No.2:
(5pt)

首都圏の住人必読のシミュレーション小説

いつもながらの軽妙な語りながら、火山や国造りにまつわる神話など、まじめな科学からトリビアまで情報満載です。噴火の際の被害地域のいろいろな可能性から、支援にかかる汚い政治と利権の話、マスコミ報道がもたらす錯覚など、小学校で関東平野は関東ローム層の上にできていると習って以来ウン十年、東京まで富士山の溶岩が流れてきたのだと信じ込んでいた単純無知な私でなくても、新たに目を開かれることがたくさん出てくるのは受け合いです。笑えるところが多いからといって、全てがすっと頭の中に入ってくる簡単な本ではありませんが、学者の方の解説にもあるように、一人でも多くの人に読んでもらって、可能性としての情報と仮想体験を共有してほしいと思います。
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No.1:
(5pt)

今回もワクワク

第3作なのでデビュー作ほどの衝撃は受けないだろうと思いながら、読み始めた。しかし、その予想は良い意味で裏切られた。富士山噴火をメインテーマにパニック小説の体裁をとっている。山体崩壊などについては、富士山噴火のドキュメント番組などで紹介されていることはあるが、多くの人にその恐ろしさを伝えることが、うまくいっているとは思えない。このよう形の方がもっと伝わるであろう。そして、ハリウッド映画並みの特撮を交えた邦画が生まれるともっと良いだろう。
富士山噴火に興味を持っている方は、ぜひ読んで欲しい。
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