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斎藤家の核弾頭
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斎藤家の核弾頭の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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2075年の日本は、前世紀の反省から、国家主義カースト制度を布く超管理国家となっている。主人公の斎藤総一郎は特Aにランクされ、四世代同居の大家族の家長として高層ビルに囲まれたせせこましい一戸建てに住み、彼の妻は専業主婦で六人目を身ごもっているが、その時代では、こう言う暮らしが贅沢で美徳なのである。その斎藤家が国家から理不尽な対応を受け、やがて反旗を翻すのがストーリーの骨格で、悲壮感溢れる総一郎や、効率最優先の官僚など、シリアスな内容がコミカルに描かれている。私にとっての篠田節子の最高傑作は、まるでポルポト政権下のカンボジアに滞在した経験があるようなリアルさで、理想主義者が権力を手にした時の狂気をシリアスに描き出した『弥勒』である。それに比べ、この作品に描かれた2075年の日本にはリアルさが感じられなかったし、コミカルな描写のため、超管理国家の理不尽さが胸に迫ってこない。ゆえにちょっと厳しいとは思うが☆2つとした。いっそのこと、コミカルさだけで押し通し、笑って読み終えられるエンディングだったら、もっと評価が高くなったと思う。 | ||||
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