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1Q84



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【この小説が収録されている参考書籍】
1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 2
1Q84 BOOK 3

1Q84の評価: 3.66/5点 レビュー 986件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.66pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全622件 161~180 9/32ページ
No.462:
(5pt)

裏切られる展開予測

Book1を読んで、Book2の展開の予測は無意味と思いつつ、自分なりに予測したが、かなり意外に裏切られる。ただ、恐ろしいことに、裏切られた展開はなぜかピースとしてはまり、新たな世界観の中で物語は進行する。
 ただ、Book2を読んでも、かなりの本質的な謎は謎のままで残るが、「空気さなぎ」の小説の中身が語られることで、物語の中で何が起こっているかをようやく知覚する。
 また、印象深いのは、天吾が父親を訪問する際に読んだ「猫の町」という本の話。ややオカルトっぽいオチに恐怖する(「失われるべき場所」とは?)だけでは終わらず、物語の中での現実と関わりがあるとはにわかには想像しがたい。

 さらに言えば、性に対する記述について過剰、過敏反応傾向のある人は、1巻に続き、読むのは控えられた方がよいだろう。おそらく、人間のDNAに刷り込まれているのであろう過剰な性的記述に対する「性パニック的性向」をくすぐるのも、村上文学の本質の一部であろう。

 で、いつも村上春樹作品を読み終わって思うことは、世の中って少し違う角度で見ると、自分が一生懸命になってかかわり頑張っていることは、その角度から見ると、何の意味もなく、無駄なことなのではないかという怖い直感である。本書もその例外ではなかったとだけ述べておこう。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.461:
(5pt)

気に入っています

ざっと拝見した所、こちらのレビュアーにはどうやら「拳銃は火を吹かなければならない」という意見に与される方が多いようで、僕には意外でした。
この物語においてのヘックラー&コッホは、9mm弾を発射しないままで、しかし確実に、青豆との強い関わりを持っています。彼女はある十分な時期を経て、自身の一部とも言えるほどにこの自動拳銃の取り扱いに習熟します。このタマルからの贈り物は、あきらかに彼女の精神を支え行動規範を保ち、特殊な友情を繋ぎ、物語を前に進めました。
そう、火を吹く事が必ずしも、物語に正しい句読点を与え、意味を付与するものとは限らないのではないでしょうか。
(あるいは、こういった影響さえ必要ないのかもしれません。拳銃はただの拳銃として登場して、ただの拳銃として退場することもできたでしょう。)

おそらく、プルーストの「失われた時を求めて」は、最後まで青豆に読み通されることはなかったでしょう。しかしこれもまた、彼女が潜んだマンションの「金のかかった」外装のタイル以上に、彼女の潜伏期間を形作り、支えだことは間違いないことでしょう。
最後にはその響きを繰り返すことをやめてしまった、ヤナーチェッタの「シンフォニエッタ」についてもそうです。
他にもたくさんのこういった、やってきては去っていく、いくつものエピソードがこの小説には描かれます。しかし、これらはほとんどすべて、火を吹かないのです。

火を吹かないまま、登場人物とすれ違い、あるいは何がしかの交流を得て、舞台の影に隠れるものもあれば、また気配を変えて立ち現れることもあります。中には詰問を受けて立場を変えざるを得なくなった者もいれば、血も流さずしかし大変な苦しみの時間を経て生命を失い、舞台から去る者も居ました。引退退職後も往年の職務を果たすべく、自らの昏睡状態に陥った世界の中でただドアを叩き続けた者も居ました。
そして1Q84年を生きる登場人物は、「着実に前に進んでいる時間」との折り合いをつけようとする中で、別の世界へ旅立つ可能性をより高め、確実なものにしていきます。これらは断片として隠されつつ、彼らは導かれています。

主人公であり1Q84年の住人である青豆や天吾にとっては、それらは、導き、そして役目を終えれば去るもの達です。
そして、それらと関わった証は、残された天吾や青豆たちのなかにも何かの形で残ります。去った者達はある意味で、残された彼らに含まれた一部となります。

導かれ、目指すべき場所に、少し近づきます。
たとえばそれが、ちょっとした日常の習慣であっても、誰かの死であっても、事の大きさは異なるけれど、繋がるべき場所はひとつです。

断片がくりかえされます。

知らされているかどうかもわからないし、たどり着けるかどうかもわからない事だけれど、青豆や天吾には結果として(10歳で出会ったそもそもから)、目指すべき場所がありました。

あるいはこれは神の肯定なのかもしれませんし、世界の成り立ちについてのごく簡単な説明なのかもしれません。そのうえ物語の最後には、1Q84年の世界における超越的な存在であるマザとドウタ、空気さなぎといったものたちと共に、この物語を去らなければいけないのです。幸いなことにリトルピープルは、1Q84年に留まるものかもしれません。月がひとつの世界には、マザとドウタはまた別の形で存在するのかも知れません。
ともかく、新しい世界には新しい世界の脅威があり危険がある。しかし彼らにとってはそれこそが目指すべきものであり、永遠の続きなのです。

教団の形をとったあるシステムや、その内部での意思決定についての断片的な情報についても、ひとつながりと言える程の情報は、最後までもたられないままでした。それは、秘密として扱われたというよりも、より現実的に、断片的にのみ示されました。
信じがたい、リーダーと、リーダーを囲む者達の立場とが大変具体的に明かされる話もあれば、団体の構成員として、つつましやかな生活をおくる多くの人達の話もあり、組織を維持するための、もはやとっくに誰か個人の手に負えなくなっているシステムの様子が垣間見える話もあります。
彼らがこのあと、リトルピープルとの関係を立て直す事が出来るのかはわかりません。しかしいずれにしてもそれはきっと、きわめてシステマティックに行われることでしょう。

青豆は青豆自身の神を自覚します。
1964年の約束を果たすためには1984年から1Q84年に入り込まざるを得なかった上、さんざんな目に会っているものの、青豆は今また別の世界へ旅経つことさえも恐れていないでしょう(天吾もまたそうでしょう)。彼らはもう、いつかまたさらに世界を移ることをも恐れないでしょう。
一方で、「声」に見放されかけ神を不在とする、いまはただリトルピープルの再来を待たざるを得ない教団のシステムがあり、これらは対照的です。

ところで、一番多くの1Q84年の断片を引き受けてしまったのは、意外にも、牛河だったのかもしれません。天吾の物語、青豆の物語、小説空気さなぎのあらわす物語。
ふかえりがカメラのレンズ越しに見通したのは彼のそういった部分であり、1Q84年への闖入者と思われた牛河が最も1Q84年らしく弔われるということについての、巫女としての振る舞いだったのかもしれないとも思えます。

彼が生命を絶ってしまった後も、1Q84年の世界は1Q84年の世界として機能することでしょう。そのためにもリトルピープルは、ふたたび現れました。ここでは、マザとドウタ、レシバとパッシバの法則はまだ有効なのです。
なぜ牛河が1Q84年の世界に紛れ込まなければいけなかったのか、そしてそこで生命を絶たれなければならなかったのかはわかりません。
ただ、タマルの言葉を借りるなら「紙一重」だということなのかもしれません。生死についても、あちらがわとこちらがわの世界についても。
知りすぎたために「紙一重」のあちらがわに紛れ込んでしまい、「紙一重」のために命を落としたのが牛河であったかもしれません。しかし、牛河とNHK集金人の亡霊との交感があったのも間違いないことです。彼もまた、1Q84年に移るまっとうな資格を持ったひとりの主人公であったことは認めてよいことでしょう。

ひょっとすると、牛河は1Q84年の世界で、生まれ変わるかもしれません。一体何に?と思います。
それは物語の中ですでに示されてたかもしれませんし、示されていないかもしれません。
しかしこの世界では、深い森の中にリトルピープルが居ます。リトルピープルは牛河とつながりました。
他のことはわからないのですが、これだけはどうやら間違いの無いことのようです。

ひとつ気になるのは、青豆はアイスピックを携えて世界を移り、今度は自動拳銃を携えて、もういちど世界を移ろうとしています。
天吾は、書きかけの原稿と共にやってきて、また新たな原稿と共に、猫の街の町から出て行こうとしています。
これは何かを意味するのでしょうか。
神話的な象徴かもしれませんし、ただのキャラクターズアイテムかもしれません。

結局のところ僕にとって小説1Q84は、まわりくどい純愛小説ではありませんでした。ある世界の成り立ちや、あるいはある個人の成り立ち(そしてそれらの間には、そう大きな相違が無いのかもしれません)について著されている物語でした。
また、村上春樹さんがこれまで用いてきた手法やちょっとした要点を、上手に別の世界に平行移動させて成立させたいくつものポップテクニックが楽しめるという意味でも、面白い作品でした。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.460:
(4pt)

村上氏のこの作品内では完結せず

村上春樹を敬遠していた。最初に触れた「ノルウェーの森」は,私好みではなかったから。作品が持つ,足が地に着かないような独特の感覚が嫌だった(これがファンには魅力的なのでしょうが)。しかし「世界的作家」である。他の作品にも触れる必要があると思い,最初の長編「羊をめぐる冒険」を読み,次にこれを読んだ。羊や山羊が出てくるからというだけでなく,案外,共通点があると思わされた。よく「コミットメント」の問題が取り上げられるが,実は作者の問題関心の核の部分は変わっておらず,表現が変化したのだと感じされられた。私は,「1Q84」より前に「1984」を読んでいたし,「シンフォニエッタ」も聴いていたが,これらの有無によっても感じ方は異なると思う。登場人物の性的リビドーが強烈で,読み手には不快感を抱く人もいるだろう。なにより,「1Q84」内で完結していない。だから,不親切な小説だし,この意味で満点はつけられない。しかし,私にはとても面白い作品だった。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.459:
(5pt)

最近読んだ本の中では、一番印象に残る作品でした。

本のレビューなんて、初めて書きますが・・・
なるほど、暗喩や隠喩が多すぎて、分かり辛い所はあると思います。
伏線を張ろうとして失敗してる暗喩もあるような気がしますしね・・・。
まぁでも、マザやドウタ、世界の成り立ちや様々な暗喩・隠喩に関して、
それの意味するところが全く分からないということはないかと思います。
少なくとも、適度に読書の習慣がある方にとっては、多義的な解釈の取れる
このような文章は、むしろ面白く読めたかと。
謎を明らかにして欲しい的な意見を散見しますが、そんな説明は不要かと。
文中の言葉を用いれば、
「説明しなければ分からないものは、どれだけ説明しても分からない」
のであって、全ての事柄に関する情報は、(それが暗喩的なものであったとしても)
書かれていると思います。
最後がハッピーエンドで終わるところだけが納得出来ないところではありますが、
むしろあれ以外の終わらせ方が分からないので(それこそ収拾がつかなくなるので)、
仕方ないかな、という感じですかね・・・。
個人的にはふかえりがキュートで素敵ですね・・・。
現実には居ないと思うけど。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.458:
(4pt)

村上春樹の語るべき物語

村上春樹は『アンダーグラウンド』でオウムのノンフィクションを書いてから、今作でそれを小説という形で書いている。
地下鉄サリン事件以降、ずっとオウムが村上春樹の中の「語るべき物語」だったのだ。
それを小説にする技術をずっと磨いてきて、ここでようやく物語となった。

ふかえりが書いた『アンダーグラウンド』を天吾が書き直したものが『1Q84』なのさ。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.457:
(5pt)

世界はまだ良くなれる。

私は読書のスピードが遅く、多くの本を読んでいるわけではありません。
そして、村上作品も最後まで読んだことあるものはありません。
そんな村上前情報も、そして文学のなんたるかも知らない、先入観無しの私が
感じた事を書きます。

Book1・2は読むのが辛かった。
多くのレビューで言うように、Sex描写が執拗に繰り返される所は読んでいて
少し眉をひそめたくなります。また、全体を通してのトーンが息苦しく、

「面白くて早く先が読みたい!気持ちがいい!!」
という感じではなく、

「苦しいから止めたいけど、先は気になるから、しょうがないから読む」
と言った感じでした。

海外ドラマの「24」のように、見るのが苦しいけど、解決されない事件
の先が気になるし、現実今危機の人がいるんだから、先を教えて!的な感
覚でした。

そしてBook3・・・
私はこのBook3が一番気持ちよく読むことができました。

もちろんトーンが変わった訳ではないので、牛河の陰鬱な行動は息苦しいです
し、青豆や天吾の重い現実との対話も気分を暗くします。

しかし、Book3で初めて明るい行き先が見えてきて、初めて深呼吸が出来たよ
うな、そんな感覚になりました。

「1Q84」内でも語られているように、私にはベストセラー作品、特に
ただ売れただけの作品ではなく、ちょっとした社会現象になった作品には、
それなりの意味があるだろうなと感じます。

この作品も多くのメッセージ(それが作者が意図したことであろうがなか
らろうが)が含まれています。

読んでいない人もいると思いますので、詳しくは書きませんが、
・自分の未来は自分を信じて自分で切り開くこと。
・自分は自分であることに意味があること。

今の時代の多くの創作物がこのことを暗に訴えています。
スティーブ・ジョブスの言葉しかり、多くのスピリチュアル系の書物も
しかりです。

しかし、作中でも書かれているように、それには回り道(いわゆる時間)
が必要です。昔風に言うなら修行が必要だし、作中の言葉を借りるなら
自分がどのくらい孤独かを知るにはこれぐらいの時間が必要なのです。

文庫本で6冊、ハードカバーで厚めの3冊。

もしかすると、これを語るには、これだけの長さが必要で、Book1・2
の息苦しさが必要だったのかもしれません。

今、窓の外では突然雷と豪雨が降ってきました。(本当に)

私がレビューを書くのも何かの意味があるのかもしれません。

この世の中は、皆が信じて行動すれば、まだまだ良くなれるのかもしれ
ませんね。

なんだかんだ言って、この私が最後まで一気に読んでしまいましたし、
全体としては他のレビュアーが言うように内容が薄いのかもしれません
が、最後に一つの大きなメッセージを受け取れたという意味でも、すば
らしい作品でした。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.456:
(5pt)

生きる勇気

最後のページのためにすべてがあった、と思える作品です。

「行く先のわからない多くの暗い道を、私たちはこの先いくつも辿らなくてはならないかもしれない。」
「しかしそれでもいい。かまわない」と言い切る青豆の決意。
それを支える「天吾と私とこの小さなもの」との愛。
そして、「タイガー」の「微笑み」。

生きていれば多くの試練に出会うことになる。
でも、試練は必ず乗り越えられる。
その過程で、自分がどれだけ多くの人に助けられているかに気づく。
大切な人との「絆」、「愛」を意識する。
そして、実は大きな愛で世界は包まれている。

 私を信じてくれたなら
 すべてが本物になる

とリーダーの歌っていた歌詞にあるように、
自分を信じて生きようと強く思える作品でした。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.455:
(4pt)

信じる読者は救われる

物語というものを信じるか、小説というものを信じるか、文学というものを信じるか、それが読み手に試されていた。そんな根本を揺さぶられた感覚になったのは『百年の孤独』以来。そして、物語を、小説を、文学を信じる者は救われるのだ。天吾と青豆のように。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.454:
(5pt)

なぜ「二人」必要なのか

文庫版のレビューにも書きましたが、Book1、Book2を読んでいて(特にBook2であの「牛河」が登場してから)「あっ、この作品『ねじまき鳥クロニクル』に似ている!」と感じました。 村上春樹さんは「いつか『カラマーゾフの兄弟』みたいな「総合小説」を書いてみたい。」とおっしゃっていました。(確か、村上春樹さんの作品を集めた一連の作品集の『ねじまき鳥クロニクル』の後書き(解題)だったと思います。) このことを鑑みると、『1Q84』は『ねじまき鳥クロニクル』をより「総合小説的」にした作品と言えるのではないかと思いました。 『ねじまき鳥クロニクル』が「個人」を「縦に深く」描いたのに対し、『1Q84』は「二人の個人」を「横に広く、奥行きを持たせて」描いた作品という印象です。 おそらく、どうしても「二人」必要だったのでしょう。 どうしてでしょうか? 僕が尊敬している内田樹さんの著書にヒントがあったので引用します。 「どうしてただ一人の語り手では、ただ一つのことばでは、決して中間的なものを名指すことができないのだろう?それを名指すには二人が必要なのだろうか?」 「そう。私たちは二人いなければならない。」 「なぜ二人なのだろう?どうして同じ一つのことを言うためには二人の人間が必要なのだろう?」 「それは同じ一つのことを言う人間はつねに他者だからだ。」(Maurice Blanchot,L'Entretian infini,Gallimard,1968,pp. 581-582) 内田樹『他者と死者 ラカンによるレヴィナス』66頁。 正直、僕自身もこの一連の文章が何を意味しているのかわかりません。 ただ、「もしかしたらこれは同じようなことなのかもしれない」と思い、引用しました。 物語はまだ終わっていません。 Book3文庫版の発売を心待ちにしています。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.453:
(5pt)

長らく敬遠してましたが読んでみたら意外と。。

色々と否定的なコメントを読んで長らく敬遠してましたが、
読んでみたら意外にも素直にとても面白かったです。
BOOK1を昨晩読み終えたところですが、
この時点ではその前に読んだ下町ロケットよりも私は好きです。
文章は読み易く、話も面白く、味わいもこちらの方が好きです。
これがどう続くんだろうと期待しながら続刊を読み始めます。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.452:
(4pt)

レビューが面白い

冒頭を少し読むつもりが、つい引きこまれて一気読みをしてしまいました。

多くの人のレビューをみると、本来、文芸を含めた芸術作品というものは、決して万人に受け入れられるものではないことを再認識させられます。

おそらくモラル的な観点から、この作品の性的描写に拒否感を示している人がいることは容易に想像できます。

個人的には、表立った社会的規範の水面下で、判断力を持った大人同士が、それぞれが設けた境界の中で、どんなインモラルなことをやろうが、そんなのは勝手だと考えています。そして、彼らの性的な生活スタイルは、妄想の範囲で少し憧れている部分もあります。そのため、特にそういった描写への違和感も拒否感も感じることはありませんでした。

本屋では平積みで置かれていますが、本来、そういった部分で気分を逆立ててしまう人が手にする作品ではないと思います。つまり、表立った社会規範と内心にあまり差がない人向けではないということです。もっとも、売り方にも少し問題があるかもしれませんね。勘違いされないように、表紙にショッキングピンクの警告シールでも貼るべきなのかもしれません。

ちなみに脳みそが40%のエネルギーを消費しているというのは間違いですね。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.451:
(4pt)

ヨーグルトの乳清

文中に登場するクラシックのシンフォニエッタを初めて聞きました。行進曲なのに不安定な旋律でこの先品にはぴったりだったと思います。機会があったら聴いてみることをお勧めします。セックス描写に批判が多かったですが、背徳や不安の表現であり、目くじら立てるほどの事なのかな?とおもいました。つまるところ選曲もベッドシーンもノルウェーの森より必然性があると感じています。『何を言いたいのか分からない』と書いている方が沢山いらっしゃいます。細部まで書き込まれた文章の『重箱の隅』をつつく作業に没頭される方も多いようです。でもこの作品で大切なのはヨーグルトでいう、表面に浮き出てくる透明な上澄みの部分です。そのフワッとした感覚を凄いと感じることが出来ない人には酷い作品にしか見えないと思います。第11章前後が少し退屈だったので星4です。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.450:
(5pt)

村上春樹

1〜3について特にいうことはありません。久々の快作だと思います。『ねじまき鳥…』以来かな? 余談ですが、短編『夏の最後の芝生』を読んでいない方は是非一読を。私が30年ほど前に初めて読んだ村上作品です。確か、月刊宝島に載っていたような…
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.449:
(5pt)

初めて許された

このシリーズが、もし二部で終わっていたのなら、私はおそらく春樹を許せなかったと思う。しかし、三部がだされたことで、許すことが出来たように思う。でなければ、人前での言動と一致して来ないからだ。

村上春樹は、初めてハッピーエンドを意識したのではないだろうか?

ここで終わるもよし、でも出来れば未来の子供に、新しい世界に踏み込んでもらいたい。そうしないと、世界は救われないままな気がする。

今、世界は動き始めようとしている。
それも若者たちの手で、新たな創造の世界へ誘われようとしている。

私はその未来に賭けたい。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.448:
(4pt)

読ませる!

「BOOK1」「BOOK2」。遅ればせながら今頃読んでます。昨夜ようやく「BOOK2」まで読み終えました。なにせ分厚い本。両方で1000ページ以上あります。しかし、読み始めたら止まらない。物語りの展開が面白いし、文体が相変わらずいい。比喩も的確で想像力も秀逸。ちょっとセリフ的に?っという部分もあるけど、そんなのもあまり気にならないくらいグイグイ引っ張っていってくれる。性描写もエロいけど嫌らしくはない。登場人物たちのキャラも際立っているし、それぞれに共感がもてる。
村上ワールドがまた一段と進化したと素直に喜ぶ。評論家や読者の数多くの批判は、ベストセラーになったことに対する単なる嫉妬、あるいは、この世界観に付いてこれない頭の固い人たちや偽善者の戯言で、世の中よくある現象。
「1Q84」はエンターテイメントと純文学を兼ね備えた、2009年に発行された現代小説である。ワクワクするような物語りを紡ぎながらも、世界の存在の意義を世界の老若男女、誰にでも考えさせることが出来うる稀有な小説である、と僕は思う。
「BOOK3」。今度街へ出た時に買い求めようと思う。お金がないから、もちろん古本屋で、ですが。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.447:
(5pt)

一気読み

レビューさまざま・・・。

読み手の年代差かな
受け取り方が、ちがうの、おもしろいですね〜。

これまでの、すべての村上作品を読んだわけではないので
たまたまなのか?わからないですが

たいてい・・・
またこれか〜
おんなじなんだから〜
と笑ってしまう点、あるんです。

それでも、発売日に
わくわくしましたし
じゅうぶん楽しめました。
1Q84 BOOK 3Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 3より
4103534257
No.446:
(5pt)

これを読んで…

ジョギングを始めました。

「無力感は確実に人の心を蝕んでいく」

だから、闘わなきゃね。

鬱病ぎりぎりの私の心に届きましたよ〜
春樹さん!ありがとう!

カフカでも思ったけど、
歪んだ過去を持っているのに、主人公達があっさり自立できてる感じが現実離れしてる。
でも、精神的パワーのある作品です。
ストーリーにスピード感もあり、読みやすいです。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.445:
(4pt)

「空気さなぎ」と来たか

別に背を向けていたわけではないが、ようやく読んだ。今さらなので、人の感想を聞いてみたいが、話題を振るのもやや恥ずかしい。
 手に持つとボリューム感があるが、一度読み出すと流れがスムーズで、あっさり読める。
 ただ、簡単に読めるからと言って、中味がないわけでないのが、おもしろい。

 村上春樹についての文壇の評価はあまり読んだことがないので的外れかもしれないが、自分として感じたことを少し書いて見る。
・REALとかVIRTUALということで区分けられない一つの世界(パラレルワールド)の存在が暗示される。世の中にあまた作家はいて、多くの本を読んできたが、この世界観・読後感は唯一無二。
 本当に普通に話が進むが、どこかで何かがリアリティをもっておかしくなる。ユークリッド幾何学でない公理系が別に現れる感じ。さて、月は一つなのか、二つなのか?
・村上春樹を読むと、そこにある音楽を追体験したくなる。その意味での感染力はすごい。本作ではヤナーチェックの「シンフォニエッタ」。
・複数の話が無関係であるかのように進行するが、実は「リトル・ピープル」を媒介として繋がる予感。
・現実世界では味わえない(少なくとも自分の周りでは)剥き出しの性が、本書でも味わえる(天吾のガールフレンドである人妻や青豆嬢の振る舞い)。
 一方、大事な要素だと言うことが分かっていてもなお、大塚環の話は辛い。家庭内暴力は単なる家庭内の問題ではなく、鬱に追い込まれての自殺は殺人と同じであるという問題提起も隠れているように感じる。
・チェーホフの引用として紹介される「小説家とは問題を解決する人間ではない。問題を提起する人間である」という言葉にも脳のどこかが反応した。 
・謎は謎としてばらまきっぱなしなので、BOOK2以降に期待。

 あと、どうでもよいことだが、1Q84が何か知りたければ、P.202を見ること。また、青梅線二俣尾駅は実在する。名所化するのだろうか?
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222
No.444:
(5pt)

大人として成熟するということ

一冊目から続けて読みふけりました。
もう「村上春樹の作品は」という批評はいらないのではないか。
アマゾンのレビューを見て心底思います。
そして私は多分、この1Q84について書かれた批評を読みたいとも
思わないのです。
こんなに真っ向から、主人公の苦しみや生きづらさ・困難さを
村上さんが描いたことはなかったと思います。

この小説から何を読みとるのか、何を感じるのかは
読者にまかされていると。それも今までになく自由に開かれている、
と心底思います。そして多くの諸外国で、この日本で書かれたこの本が
「自分のことを言い当てている」と思う若者の心に届いていることを
実感します。

手にとって読むことをおすすめします。
1Q84 BOOK 2Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 2より
4103534230
No.443:
(5pt)

言葉にならない自由。

久しぶりに村上作品に手をだしました。レビューの多さはさすがですね。
それだけ読んだら何かを語らずにはいられない、という小説だと
するならば、本当に凄いです。

でも言葉にならないんですよね。。。

小説は人との出会いと、恋愛と全く同じです。
本人たちが恋に落ちる理由なんて説明もできないし、
説明したとたんに実体は逃げて行くでしょう。

読んだ友人からは「あまり面白くなかった」と聞きました。
でも高校生の時に『ノルウェイの森』を聖書のように
愛読していた私は、この世界にどっぷりはまりました。
「雰囲気だけ」というようなレビューもありましたが、
文体は変わりませんが、出てくる中身は壮絶になった気がします。
痛みや苦しみに対してものすごくリアリティがある。
鬼気迫るものがあり、何度も深呼吸しながら読みました。

半日で500ページ強。物語に支配されるのにも体力がいりますが、
それだけのものを感じる大作です。
1Q84 BOOK 1Amazon書評・レビュー:1Q84 BOOK 1より
4103534222

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