アフターダーク
評判
アフターダークの評価:
3.48/5点 レビュー 468件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全512件 101〜120 6/26ページ
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アフターダークの評価:
3.48/5点 レビュー 468件。 C ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
ストーリーは同一時間軸が設定され、いくつかの場面が同時進行する形式となっている。深夜のファミレスで熱心に本を読んでいる一人の女性マリ、マリの姉浅井エリと同級生だったトロンボーン奏者のバンドマン大学生高橋との出会い、一人眠り続けているマリの姉エリ、ラヴホテル「アルファヴィル」でおきた中国人娼婦のトラブル、そのホテルの支配人カオルや娼婦を殴打した白川の日常等々、大都会のイメージと重なるようにそのつど場面に応じて数々の音楽が挿入されている。物語は深夜の時間の流れとともにそれぞれの場面の全貌を統括的にみつめることが許された純粋な視点“私たち”によって語られ示唆されているようにも感じられる。
マリとエリ姉妹の間に存在する闇、大都会に生きているそれぞれの人々が抱えている闇、いや大都会そのもののメタファーとしての在り方が実は主題となっているのかもしれない。だが、村上春樹がこの小説で何を表現したかったのかは誰にも分からないと思う。
最終章では同じベッドに眠り続ける美しい姉エリと中国留学を目前に控えた妹マリをみつめる純粋視点の私たちはある“予兆”を感じる。“マリは長い闇の時刻をくぐり抜け、そこで出会った夜の人々と多くの言葉を交わし、今ようやく自分の場所に戻ってきた。” し、何かに反応したように微かに動いたエリの小さな唇に“意識の微かな間隙を抜けて、何かがこちら側にしるしを送ろうとしている。”として、それが時間をかけて膨らんでいることを告げてもいる。
本著『アフターダーク』は、個々の人々が抱えている闇の部分を大都会のメタファーとクロスさせながら音楽とともに時間を刻んでいくように重層的に描かれている。ここでは同一時間軸の中で唯一統括的に語りを許された純粋視点(私たち)の設定がおもしろい。この作品を単に自己を見失った困難(闇)からの脱出を予兆させる文学と云ってしまえばそれまでだが、僕にはどこか重層的な問題を孕んでいるようにも思われる。
最後にもう一度、カーティス・フラーの『ファイヴスポット・アフターダーク』を聴いてこの本を閉じることにしよう。