アフターダーク

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評判

アフターダークの評価:

3.48/5点 レビュー 468件。 C ランク

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平均点3.48pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全512件 481〜500 25/26ページ
No.32
(4pt)

純粋な視点としての私

この作品は、登場人物でもなく、状況説明だけでもなく、「純粋な視点としての私」(=読者?)によってストーリーが進んでいきます。ときに映画のシナリオやト書きを読んでいるように思わせるところもありました。しかし、ストーリー展開は、村上春樹さんのいつもの力で、ぐっとひきこまれていきました。作品の流れ自体は「海辺のカフカ」のように同じ出来事にシンクロしていく人たちを章ごとに追っていっています。「繋がり」です。村上春樹さんの作品については、答えのようなものは読者自身に委ねられているように思いますので、評価は大変難しいですが、村上春樹さんの作品が好きな人ならば、裏切られることはないと思います。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.31
(4pt)

すんなりと入っていける作品

 『スプートニクの恋人』と『神の子どもたちはみな踊る』を合わせたような作品。真夜中から朝までの出来事を時系列順に追った話。村上さんの長編小説では珍しく、ほぼ完全な三人称形式で書かれてます。 そういう意味で、文体もストーリーも今までの作品とはすこし印象がちがいます。絵画に例えると、たくさんの絵の具を使った複雑で豪華な絵ではなく、少ない絵の具で筆をおくように描いた感じでしょうか。しっかりした「おはなし」があるわけではなく、いくつかのエピソードが提起され、それが余韻のように周りに漂っているような感じです。個人的には「こういう村上春樹の小説もいいな」と思いました。 具体的には言いませんが、読後感もなかなか爽やかです。 たぶん村上さんは、さらに新しい境地へ進むための準備(悪い意味ではなく)としてこの小説を書いたんではないでしょうか。気は早いですが、次の作品への期待も膨らみます。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.30
(5pt)

「海辺のカフカ」の後に

私たちは真夜中から夜明けまで或る姉妹と出会い、彼女たちと行動を共にすることになる。また私たちはそこに新しい村上春樹のスタイルを見ることもできるだろう。三人称小説であり、現在形で語られる物語。姉妹を取り巻く夜の人物たちは、記号でもメタファーとしての存在でもなくて、「海辺のカフカ」(新潮社)で登場したホシノちゃんのように肉があり血が通っていることに気づく。闇の向こうに待っている新しい世界は、真っ白でそこにまだ答えはない。だが私たちはホッと胸をなでおろすような安心感を抱きながら本を静かに閉じるはずだ。「アフターダーク」とは、「海辺のカフカ」を通過したことで産み落とされた中篇小説である。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.29
(1pt)

次回作に期待

とても「ノルウェーの森」を書いた作者の作品とは思えない。控えめにいうならば、本作品はより難解な文学への挑戦だったのかもしれないが、だとすれば完全に失敗している。体現止めのオンパレード、視点不明な状況描写、非現実的なできごと、意味不明な行動は、作者の意図や伏線としてはある程度許容されるべきものである。しかし、それらが読者に喚起されぬ場合は、ただ単に意味不明なものとして受け取られるだろう。本書の印象は、「異教徒が見た、(キリスト教の)宗教画」のようなものである。映画「2001年宇宙の旅」のラスト、や、カフカの小説を思い出させる内容である。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.28
(4pt)

25年たつと…

まず、映画撮影的手法を今までのどの作品よりも濃く利用していると思った。いわゆる脚本の「ト書き」でできた会話まであるし。『海辺のカフカ』もそうだったが、登場人物が直接クロスしないのもいっそう顕著になった。どの登場人物の味方もほとんどせず、あるのはただひたすら状況説明のみ。つまり、村上春樹は「夜の闇の中にあるもの」それ自身を描くために登場人物を配置し、それをあぶり出したのだと思う。描写はものすごくシャープだし、今回村上春樹のしたかったことは(読者がそうだと感じるかどうかは別として)全てあの中に収め切ったのだろう。私は登場人物たちの描き方のドライさが物足りなくさみしく感じてしまったが、25年たった村上春樹は『風の歌を聴け』から『ねじまき鳥クロニクル』を経てここまで到達し、また進んでいくのだと思う。やはりすごい作家である。自分の目で確かめてみて欲しい。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.27
(3pt)

ポスト「海辺のカフカ」

著者の作品に「神の子どもたちは皆踊る」というのがある。その英訳版のタイトルが「アフター・ザ・クエイク」である。今作のタイトルが「アフターダーク」とされているのを見てどうしてもそのことを考えないわけにはいかなかった。もしや今作は「神の子どもたち~」の続編なのでは、とも思っていたのだが、それは少し飛躍しすぎの考え方だったようである。しかし続編ではなくとも、氏がしばしば用いる「向こう側の世界」というモチーフが有無を言わせない事象によって表現されているところでは通じるものがあると言える。それが「神の子どもたち~」では地震であり、今作では夜になればそこかしこに生まれる暗闇なのである。この物語は明らかにその「向こう側」の物語だ。タイトルの示すとおり、物語は夜が十二分に深まり終えた深夜十二時の少し前から始まる。さて、本作品は前作「海辺のカフカ」と同様に数字によって各章に分けられている。構成も似ていて、一人称での文体で語られる章と三人称でつづられる章にわかれている。だがもちろん、そこにひねりがないわけがなく、一人称は一人称でも一人称複数で語られるのだ。さらに、数字で分けられた章とは別に時刻ででも章が分けられている。時に一つの数字の章の中で何度も時刻が代わり、それに伴って場面が変わる。そういった構成上のことから考えると、この作品には非常に前衛的な印象を感じる。正直な話、前作とは大分赴きの違う話であるし、「ねじまき鳥」以前の話とも随分違う。完成度は「ノルウェイの森」には遠く及ばない。だが産みの苦しみが感じられる作品だ。ポスト「海辺のカフカ」とでも言えばいいのだろうか?おそらく我々が村上春樹氏の次の作品を目にするとき、今作のポジションがよりはっきりするだろう。その時を心待ちにしながら本作を何度も読み直すこととしよう。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.26
(4pt)

真夜中の小説

全体的に「神の子供たちはみな踊る」に近い雰囲気を感じた。テーマ的にも理由無き暴力やコミットメントなど最近の村上春樹の小説によく見られるものが主体となっている。しかし舞台は渋谷のような繁華街であり村上作品のなかでは異質である。繁華街が舞台と聞くと俗っぽい印象をうけるが良くも悪くも俗っぽさ、下品さは感じられずリアリティーはあまりない。逆に都市を舞台にしながらも村上春樹的世界を構築するところはさすがである。表現も観念的なものは減りとっつきやすく、身近なものとして感じることができる。比較的短く、淡々とした小説だが逆にいくらでも深読みできるところが恐ろしい。文章から漂う真夜中の香りを感じるため是非深夜に読んでほしい。読み終わる朝方にはいつもとは違った朝が訪れるはずである。早く次の作品が読みたい。ちょっと短すぎるのが不満だけど完成度からいったら最高だと思う。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.25
(5pt)

私は好きです。

新たな雰囲気です。スムーズに一気に読み進めてしまいました。(『海辺のカフカ』はすんなり読めなかったのですが)作品全体から、すっかり紳士になられた村上さん、といった印象を受けました。初期作品は、何度も読み返してきましたが、ここ最近の村上作品は、読み返すことは殆どありませんでした。しかし、今回の『アフターダーク』、久々に何度も読んで、もっと深く味わいたいと思いました。早速今晩から、読み返します。昔のゴリゴリした文章も好きですが、今回のつるんとした文章も、なかなかいいものです。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.24
(4pt)

 文量的には「スプートニクの恋人」や「国境の南、太陽の西」と同じくらいの中編小説だった。 村上春樹さんの作品の特徴は「会話」にあると思う。「会話」によって人と人との距離感というようなものを浮き彫りにしている。そして、物語のエッセンスもこの「会話」に含まれているような気がする。「結局、人間は孤独なんだよ」と言われているような、それでも「人と繋がっていることによって生きていけるんだよ」と言われているように思う。 さて、この「アフターダーク」は夜というのが大きな存在となっている。視点がとても面白い。僕にはこの視点が夜なのではないだろうかと思える。「私たち」という複数の一人称を使っているのも面白い。カメラという言葉を使ってあるところもある。映画のような感じもする。映画の脚本のような会話文まであった。したがって、夜を視点(カメラ)とした映画的な小説である。 浅井エリが行ってしまった何もない部屋。この存在を僕は常に感じている。「自分の殻に閉じこもる」ということではない。もっと強くて、弱くて、優しいものだ。でも他人にとってはわけが分らないものだろう。「僕らの人生は、明るいか暗いかだけで単純に分けられているわけじゃないんだ」ということ。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.23
(5pt)

うん、癒される。

この作品は今までの村上さんの作品の雰囲気とちょっと違います。誰も死なない。それから、これまで「悪」の存在が作品中もぞもぞしていることが多かったのに、今回は「ちょっとしたジョーク」みたいに感じられました。会話もいつもより多いみたい。「アフターダーク」には、いつもより人間のぬくもりが感じられます。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.22
(5pt)

まだ読んではいないけど…

待ちに待った村上春樹の新刊!今朝届き、ぱらっと読んでみたのだが、章ごとに時間が示してあり、その流れで話は進んでいるようだ。文章中に『デニーズ」とかの特定固有名詞が出てきている。吉田修一好きの私としては、今回の作品はそれと同様、テンポ良く読み進められそうだ。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.21
(4pt)

今までと違う

読み始めて数十ページ、違和感を覚えた。この作品が名の知れぬ新人のデビュー作だったとしたら、すごい作家が出てきたと喜んだであろう。しかし村上春樹を愛読してきた私にとって、初めのうちは受け入れられなかった。しかし、彼の描きたいことを公正に理解しようと試みるならば、そこに確かに村上春樹が存在することが感じられると思う。時代の流れの中で、これから春樹作品がどう変化してゆくか楽しみだ。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.20
(3pt)

アドリブ

25年前の風の歌が聞こえてくるようだ。勝手な想像をしてみるなら、特にこのお話にはモチーフはない。主人公さえいない。そういうものとしてこれは産み落とされた。アフターダーク。背景に静かに流れているのはそれだけ。渋谷と少女。それだけであとは静かに情景が過ぎていく。暗くなって静かにフィルムが回り始める。音もなく。幻想もなく、現実もなく。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.19
(3pt)

はっきりしない

読後「もやもや」「ふーん、」「なんだったんだろう」という感覚が残りました。登場人物の誰にも感情移入できませんでした。私の読解力が足りないだけかもしれませんが、少なくとも分かりやすいとは言えないんじゃないかしら?にもかかわらず、一気に読んでしまいました。のめり込むとか、興奮するとか、考えさせられるとか、感動するとか、そういう楽しみ方ではない、読書の楽しみ方を発掘してくれた本です。今はきちんと言葉で説明できないけれど、日をおいてもう一度読んだらまた違う印象を与えてくれそうな作品です。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.18
(3pt)

どうだろうか。

ファンゆえに、こころ苦しいのだが、この長編は、「海辺のカフカ」の延長として期待して読んでみて、いささか残念であった。セリフは冗長に無味乾燥であり、ストーリーも起伏がなく、退屈ですらある。伏線は意図的に解明されないままだが、もちろんミステリーではないのだから、解明などなくてもよいが、終盤が淡白すぎる気がする。しかしながら一気に読ませるストーリーテリングの手腕はさすが。みるべきところはあるが、次回に期待したいと思う。春樹ファンならば、おさえておいていいと思います。ファンではない方は著者の、他の長編を個人的にはお薦めいたします。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.17
(4pt)

真夜中に読むべし

 真夜中の都会の片隅で繰り広げられるお話です。ひとりでしかも設定と同じ真夜中に読むと作品世界と一体化できておすすめですよ。 書き下ろし長編となっていますがむしろ中編、あるいは超短編と言った方が適切かもしれない分量です。少し物足りなさがあるかもしれません。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.16
(5pt)

著者の新たな一面が楽しめます。

春樹さんの作品を読むことは、見落としていた心の一部分に目を向けさせられるような、自分自身の深い部分に潜っていく感覚が伴います。この作品でもそういう感覚を堪能しました。視点は異なるものの、作品のテーマもこれまでの作品と同じだと思います。春樹さんのファンの方なら作品の世界に違和感なく入り込めるのではないでしょうか。ただ以前の作品と比較して、文体に変化が見られるようです。そのせいか息苦しい程の緊迫感が感じられ、これは他では得難いちょっとした体験でした。春樹さんの新しい一面を見せつけられたようで、次の作品が今からとても楽しみです。「ねじまき鳥」級の大作を期待しています。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.15
(5pt)

物語のさらなる展開に期待。

~「私らの立っている地面というのはね、しっかりしているように見えて、ちょっと何かがあったら、すとーんと下まで抜けてしまうもんやねん」これはアフターダークの中の一節です。村上春樹という作家はありふれた現実の姿、生活の姿を正確に切り取ることが非常にうまい、と僕は常々、~~思っていました。ああ、うまいなあ、この表現、などと思いながら、その文章の心地良さに身を任せているのですが、著者は巧妙な罠を仕掛けてきます。現実の描写の中に非現実の世界の雰囲気をそれは自然に滑り込ませていき、僕などは凡庸な主人公とともにあれよあれよと事件のまっただ中に放り込まれてしまいます。~~しかし、これははたして小説の中の登場人物に限った話なのでしょうか?僕やこの拙文を読んでいらっしゃるあなたの周りでも起こりうる話なのではないでしょうか?上の引用文に端的に示されているように。と、抽象的なレビューになってしまいましたが、僕が読んでおおよそ上のような感想を持ちました。それはさておき、この小説にはまだまだ続きが~~あるようです。続編での物語の展開が多いに期待されます。~
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.14
(4pt)

朝のコーヒー 昼の語らい 夕暮のもの想い そして夜明けの「村上春樹」

魂の漆黒の闇の中では時刻はいつも午前三時だ  F・スコット・フィッツジェラルドこの作品を書くにあたって、村上春樹がこの言葉を意識しなかったはずはない。魂の漆黒の闇。全編に渡ってここには、魂の漆黒の闇と、それをほんの微かに照らすわずかな光しかない。無と同様に、真の闇はどこまで行っても闇であるし、闇は夜に溶け込み、都市の(もっと言えば我々の生活の)至る所に潜んでいる。思えば村上春樹はずっと「闇」を描き続けてきたのだ。闇、虚無、不安、沈黙、深淵、そして形而上学的死。これらは小説以外の媒体では、ほぼ表現(表象)不可能であると僕は信じている。だからこそ、こうして村上春樹の作品を読むのである。僕は常々、村上春樹はいつか必ずフィッツジェラルドの『THE GREAT GATSBY』を自らの手で翻訳するであろうと思って来たが、この作品を以てその確信をますます深めた。確信というか、希望・期待であったりはするのだけど(やはりフィッツジェラルドの真のおもしろみは、英語でなければ感じ取れないと、思ってみたりはする)。パブロ・カザルスのチェロを低く響かせながら、この本を読んでいるとき、僕もまた不完全な闇の一部の中にいた。村上春樹の新しい小説世界に期待したい。そして、哀しみを帯びた夜明けの美しさに、ただの一度でも触れたことがあるのであれば、村上春樹の描く「闇」と「夜明け」をどうか一度体験してみて下さい。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366
No.13
(5pt)

夜に読みたい

以前の作品に比べ、今回は作品内部の世界を時間的に制限することで、描写や会話に重点を置いている、と思いました。(「トニ-滝谷」などの短編などを除けば)「スプートニクの恋人」あたりから本格的に意識するようになった三人称の文体が、より洗練されていて鳥肌が立ちました。レトリックのリズミカルかつバリエーション豊であることが、時間推移が遅く冗漫になりがちな構成にもかかわらず牽引力と求心力を与えている、と思いました。散文詩みたいですが、小説です。輝いている文体でした。また、三人称の視点(神の視点)の「私たち」を、「カメラ」という視座を設けて明確にすることで、「私たち」が「他の世界」に「入っていくこと」も明確になっている、と思いました。これは映画的なスリル・ダイナミズムを生む以上に、興味深いことだと思いました。あと、村上春樹さんの「僕」という一人称の作品には、「個人主義」に徹底しようとする意志のようなものが感じられましたが、三人称を意識し始めてから、その意志のようなものが、ちょっと変化してきているのかな、と個人的に感じました。人称の変更に伴う感興に過ぎない、と言われればそれまでですが。いずれにせよ、この作品は「国境の南、太陽の西」「スプートニクの恋人」と同じように、次の長編へ向けてのウォームアップだと思うので、次の作品が楽しみです。マリとエリが一緒に眠るところがとても美しかったです。
アフターダーク Amazon書評・レビュー: アフターダークより
4062125366