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アフターダーク



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【この小説が収録されている参考書籍】
アフターダーク
アフターダーク (講談社文庫)

アフターダークの評価: 3.47/5点 レビュー 470件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.47pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全256件 121~140 7/13ページ
No.136:
(4pt)

都会の夜

今まで読んできた村上作品は、どれも動きが激しくかなりあっちへ行ったりこっちへ行ったりするものがほとんどだった。本書は都会のある場所での話し。決まった場所しか出てこない。ファミレス、オフィスの一室、ラブホテル、ビルの地下室、ある家の居間、深夜の公園。この範囲での動きしかない。午前0時ごろから始まり午前7時ごろで終わるまで、ある視点から人々を観察する。映画のシナリオのように書かれた文章は、カメラがあっちへこっちへ動くとともに私たちを違うシーンに連れて行ってくれるかのようだ。 【私たちは店内をひととおり見まわしたあとで、窓際の席に座った一  人の女の子に目をとめる。どうして彼女なのだろう?P5,l11~】  【私たちはひとつの視点となって、彼女の姿を見ている。あるいは窃  視しているというべきかも知れない。始点は宙に浮かんだカメラと  なって、部屋の中を自在に移動することができる。P35、l4~】というように、ある視点から見ているので、読み手である私たちは感情移入するというよりは、ある視点と同じように介入せずに観察するように読む。刺激が少なく、ぼんやりとした濃いような薄いような都会の真夜中。刺激のない話しではないんだけれど、あまりリアルではなく、深夜の都会の話なのに生々しさがない。ある意味、なんでもない話なんだけれども、出てくる登場人物はみんな意味深で、すべてを見せずに話は終わる。謎は謎のまま。とても好きな一冊だった。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.135:
(4pt)

マトリックスのような・・・

私は村上春樹の作品が非常に好きで、高校時代から読み続けているのだが、今回のこのアフターダークという作品は少し違った雰囲気を感じた。今までの彼の書き方はやや抽象的な面も多かったのだが、これは風景描写が非常にこと細かく書かれている。そしてもうひとつ新たな特徴として時刻の表示であろう。映画『マトリックス』と『24』の両方の特徴を少しずつかいつまんでいるような感じとも取れた。話の内容としては、ねじまき鳥クロニクルのような暴力的な部分がほんのわずかに出てくるぐらいで、全体的には爽やかで、読み終えたときには前向きな気分になれた。いきなり「ねじまき鳥クロニクル」や「ハードボイルドワンダーランド」などの長編は読みにくいという人には、村上春樹の入門編として読みやすいと思う。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.134:
(4pt)

謎は謎のままで

良くも悪くも、これまでの村上春樹さんの作品とはちょっと違う印象を持ちました。文体によるのでしょうが、これまでの作品が一人称によって描かれ、そのため読者もその物語を直に体験しているように感じられるのに対し、この作品では物語に間を置いて眺めている様に感じられました。しかし物語そのものの質は高く、間を置いて眺めているにもかかわらず、その物語に強くひきこまれているような、不思議な感覚でした。この作品では多くの出来事が謎に包まれています。これは何なんだ? 象徴なのか? 現実なのか? そういう不思議な出来事が、結局解明されないままに物語は幕をひきます。でもそれで良いのだと思わせる説得力があります。色々なことが不思議だったし、何も解決していないけれど、でも希望はあるし人生は続いていくのだ、と思いました。個人的には、春樹さんの小説の中ではかなり好き、という方ではなかったのですが、それでも余韻が随分長いこと自分の中にとどまっていたような気がします。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
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No.133:
(5pt)

文学界4月号は要チェック!

村上春樹さんの約20ページのロングインタビューが文学界4月号に載っています。アフターダークに関する話が多いです。この本を気に入った方は必読でしょう。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.132:
(4pt)

近くに来た村上春樹

風の歌を聴けから読んでいますが、何度も読み返しているのは世界の終わりとハードボイルドワンダーランド。今回のAFは自分のすぐ隣・自身の中に起きている/起きることだと思え、ずいぶんと私自身に近づいてきたなと思いました。反面、遠くで起きている出来事に憧れて読む私も居るので、今回それは遠ざけられた気がします。いずれにせよ、もう一度読み返すと思います。もう少し暑くなったらですが。 乱文申し訳ありません。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.131:
(5pt)

闇のあとには光がくるさ

 本作の最大の特徴は文章内に読者の視点を作り出したことではないだろうか?人を通して語られるのではなく、事実のみを述べる。まるで本を読みながら映画を見ているような感覚が得られた。とはいえ今までのスタイルが失われてしまったわけではない。登場人物たちの会話は面白いし、静かな描写も好きだ。マリが姉のエリのベッドにもぐりこみ眠るシーンは「救い」を感じた 主人公が固定されるわけではなく、さまざまな視点から描かれた点も、今までになかった特徴だろう。 村上春樹はこれからどのような作品を生み出していくのだろうか?
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4062125366
No.130:
(4pt)

上下巻ぐらいの厚さがあったならば・・・

「私たち」という視点としてのみの存在を軸に据え、無関係だった人たちが、ある夜にバーで出会い、それぞれの人物たちの夜明けまでを、完結した文章で、描かれた作品。文体は、今までと似通っているようで、少し違う気がする。文体がより完結的になり、曖昧さを許さない、論理的かつ濃密な文章の連続。もちろん、会話ではある程度の曖昧さはあるが。アフターダーク、と名付けられた本書には、一貫したテーマがあるのかもしれない。しかし、それを読み取るのはできませんでした。あくまで私の考えとして推測するのならば、混沌に満ちた社会で生きる精神体の危うさ、希望を描かれた作品ではないかと思う。私は村上春樹さんの小説をそれほどたくさん読んだことがないので、氏の新境地だとかそういうことはわかりませんので省いて、結論としては、消化不良が残った作品でした。村上春樹さんを読み始めようと思っている方には、本書から読み始めることをお勧めしません。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.129:
(4pt)

闇、というもの

~~この本を読み終わってから1ヶ月後、ファミレスで夜を明かすことになった。何より怖かったのは、ファミレスを目指して夜道を歩いているとき。偶然携帯を持っていなかった。誰もいないのはわかっているのに、だからこそ誰かが現れることを恐れた。自分が誰にも守られていないことをはっきり意識した。情けないくらい怖かった。「人にはそれ~~ぞれの戦場がある」「思い出を燃料に生きている」「楽器を演奏するのは空を飛ぶことの次に楽しい」こんな立派な台詞には出会えなかったけど、その十数分、わたしも闇をくぐり抜けたのだと思う。切実な小説だ。~~
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4062125366
No.128:
(4pt)

学生時代に

ハメをはずして終電に乗り遅れ、朝まで時間を潰していたころを思い出します。繁華街って終電がなくなると雰囲気変わりますよね。この本の、そういう特殊な空間の描写が好きです。ストーリーは確かにパッとしないけど、だからこそ情景描写が際立って見えてきます。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.127:
(5pt)

思わず涙が出そうに・・

読んだ後、なぜだか涙ぐみそうになった。いきつけの喫茶店で読んでいたので我慢したけど。悲しいんじゃなく感動しているわけでもないのによく分からないけど。私は村上春樹フリークであると思う。しかし、どうやら春樹ファンの中ではこの本は賛否両論でどちらかといえば古くからの春樹ファンの人には読後物足りなさを感じている人が多いようだ。私はといえば、こんなにもリアル感があり、読後何ともいえない静かな気持ちになったのは初めてだ。今までは、よく村上作品に登場する「あっちの世界」は非常に魅力的で、その世界観に引き込まれはしたのだが、何かを比喩しているのだな~くらいにしか思っておらず、つまり頭で理解していたが、実際に感じてはいなかった。しかし、今回はありありと感覚として伝わってきた。明らかに今までの作品と違う。一時期、離れていたこともあったけどこれからの村上氏にまた期待したいと思う。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.126:
(5pt)

新たな角度

良くも悪くも、今までの村上Worldとは、異なった匂いのする作品なのだ。私もいわゆる『村上フリーク』で、小説からエッセイまで、”村上春樹著”と書かれてあれば、何でも手にして十数年というヤカラなのだが、同じフリークでもこの作品の評価は星1と星5という大きな開きをうんでいるようだ。個人的には、この作家の『進化』が好きだ。面白いと思って読みつぶし始めた作家の大抵は、数冊目で同じことの繰り返しであることに気づき飽きるが、そういう”期待”をことごとく裏切ってくれるという意味で村上春樹は稀有な作家という位置付けを勝手にしている。『本物』の作家であると思う。この作品に至っては、確かに”都会的な雰囲気””孤独感”的ものはない。内容も謎をそのまま放ったままっちゅう所も随所見られる。しかし、初めてなのだ。村上春樹の作品を読んで、人との繋がりという暖かさをジーンと感じさせ、涙させられたのは。いままでの作品の面白さとは、また違う深みが増している。また、進化した・・・・やられたねッ(^^;
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.125:
(5pt)

新しいヒーロー・ヒロイン像がそこに

 デビュー作からのファンですが、『ねじまき鳥クロニクル』『アンダーグラウンド』を経て、河合隼雄先生にも逢い、ついにここまで来たのだなあ!という感じです。 これからの世界では突出した英雄や豪傑が出ない(出ないほうが安全な気がする)だろうけれど、巷に生きる一人ひとりの中に、ずるさや弱さと共に存在する善なるものが確かにあって、それが共鳴しあって、普通の人を一瞬ヒーローやヒロインにしていくのだろうな、と思いました。スーパーマンのクラーク・ケントみたいに、その一瞬をすぎればまた唯の人になるのだけれど、だからこそ、健全で、すばらしい!! 地に足をつけたまま、『自分以外のものにならずに』ちゃんとヒーローやヒロインになれる生き方や、関係性の作り方を示してくださっていると思います。 そうした大切な瞬間を掴み取っていく感性や精神的タフさがこれから求められてくると思うので・・・。 この本にはまさにその答え、ひとつのモデルがあると思います。 ブラボー!村上春樹先生!!
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.124:
(4pt)

新鮮でした。

読みやすいです。「読者が肩すかしを食らった」というコメントは納得できます。ストーリーらしいストーリーがないんです。そういう点では『風の歌を聴け』を思い出させます。春樹が新しい挑戦をしています。55歳なのに。小説家は定年がなくっていいですね。むしろ人生経験が豊かになるほどいいものが書けるのかもしれません。ふたつの話が交互に織りなす。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と同じパターン。「こちら」「我々」「カメラ」、視点が新しい。ラブホテル「アルファヴィル」で中国人の娼婦がオトコに暴力を振るわれる。コオロギ、カオルさん、マリ、エリ、コムギ、カタカナの名前ばっかり。意味あるのか?夜0時から午前7時までの出来事。特に何が起こったというわけではない。特別に面白かったわけでもないが、春樹の新刊を十数年ぶりに読めてよかったと思う。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.123:
(4pt)

春樹版「マルホランドドライブ」…か?

終わりと始めがノリシロで貼り付けられているみたいな…ラブホテルと監視カメラ。都心の空き部屋に塗りこめられたor心身症雑誌モデル姉のイメージ療法みたいな…反社会組織が人質監視のためにカメラを設置していて、それがもう一人の夢と通行可能な世界。それは外の市民監視用カメラとも通じている。家の外皮さは容易に剥がされることを宣言され、それの侵入や喪失を予言する。夢は現実可能性なのかイデオロギー的シミュレーションの意味なのか、ただの演技性なのか、記憶の整合性を得る前の軋みなのか。その不確かさのなかで循環する。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.122:
(4pt)

古い読者は・・・

村上春樹にかつての名作を期待している頭の固い人たちは読まないほうがいいかもしれません。そういった保守的な人たちが、作家にとっても一番頭を悩ませる人たちなんでしょうね。でも彼はすっぱりと切り捨て新しい作品を作っちゃいましたよ。前作の「海辺のカフカ」よりも自由に場面を展開し、テンポよく読ませてくれます。短編並にすっと読めてしまうのに、読んだあとに引きずってしまう作品ってそんなにないんじゃないかな?読み終えても謎だらけだけどヒントはちりばめられてるし、短いから何度でも読んでみようと思うし、その度に発見がありそう。そのうちレイモンド・カーヴァーのように短編で全てを表現してくれたら最高ですね。今の彼ならそれができるんじゃないかななんて思ったり。そうそう、最近映画や小説のレビューでリアルじゃないって批判してる人いるけど、そこに何の意味があるんでしょうね?要は、そこに何を感じるかじゃないのかな。所詮、フィクションですよ。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.121:
(4pt)

新しい文体を試みる村上氏

自他の関係性の不確かさとそれを埋めようとする虚しい努力、見るものと見られるものの主客の転倒、個人的な体験と総体としての事実の差、そんなキーワードについて考えさせられました。個我の独立性を保ちながら、社会内存在として生きていくことの舵取りの難しさと言えるのかもしれません。それほど長い作品ではないのに、私は一回読んだだけでは不思議と全体像が把握できませんでした。でも何度か読むうちに細部がつながっていきます。何となくオムニバス調なところが、ジャームッシュの映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」を彷彿とさせるような雰囲気を醸しだしていて、いつになくビジュアルな作品に感じました。本書で、村上氏は今までの文体から、またさらに変化したように思います。『神の子どもたちはみな踊る』あたりから「僕」という一人称の世界から自由になり、三人称の世界へと移行しつつある氏ですが、本書ではさらに視点を自在に動かしていて、新鮮です。氏がさらに新しい文体を実験している、そんな印象を受けました。「僕」から自由になった村上氏の次なる長編が楽しみです。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.120:
(4pt)

わかってないねえ

全ての登場人物が不完全に見えるのは、すなわち彼らが他ならぬ不完全な社会の一部であり、最初の描写は不完全社会の明示のためにある。『風の歌を聴け』ほど重要な場面を見せないにしても、ヒントや布石はあちこちにばらまいてある。それを読み取るのが真の村上春樹の読者であり、書いてある羅列をそのまま羅列と取るからいつまでも答えは出ない。メモ書きしながら読めと言うつもりはないが、3,4回読むぐらいの気を利かせるべきである。不完全な存在が様々な存在と交わる事で、行き着こうとすれど行き着けない完全な存在へと向かっていくほんの一部の過程を描いており、その点、今までの作品とあまり変わらない。変わっているように見えて実は変わってない。いや、村上氏はそこに行き着かざるを得なかったのだと思う
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.119:
(4pt)

恐怖と闇

日常の裏の闇に潜む暴力と恐怖を感じました。私としては、「アンダーグラウンド」と同質の感じを受けました。最初の出だしを読んだときは、いつもと違う調子に?と思いましたが、読み進めて行くとテーマは同じだと懐かしい思いがしました。細かいことは気にならなくなって、闇とそこから忍び寄る形のない敵対するものと静かに戦う、抵抗する登場人物達を自分の生活に投影しながら読みました。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.118:
(4pt)

楽しめましたけど・・・

村上春樹の新作です。一気に読めます。いまだに進化し続ける「春樹ワールド」が楽しめます。話者の視点が映画のカメラになってみたり、まるで台本のようなせりふ場面があったり、遊びたっぷりです。3時間の濃密な時間が楽しめますが、読み終わった後の「?」の感覚を楽しめるかどうかで評価が分かれると思います。私は楽しめましたけど。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366
No.117:
(5pt)

期待を込めて

困惑した方も多いようだが、これまでの一人称形式から三人称形式に移行している。村上さんの一人称が好きだったので残念ではあるが、かなり期待しているのもまた事実である。一人称から三人称に移る作家は少なくない。村上さんも何か考えがあってのことであろう。何冊か村上さんの作品を読まれた方なら分かっていることだが、あらためてここで言うと、氏の作品はキーワードを他の作品と共用している。(そこが人々が春樹ワールドに浸かっていくゆえんだと個人的には思っている。)そこに何かの意図があるように、形式の変化も何か意図があるに違いない。それがどういうものなのか、これからの作品を読み、考えていくのが楽しみである。
アフターダークAmazon書評・レビュー:アフターダークより
4062125366

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