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アフターダーク
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アフターダークの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全256件 41~60 3/13ページ
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ジャズの『ファイブスポット・アフターダーク』からタイトルがとられているようです。 村上春樹さんの小説の中では、珍しいタイプ、異質な感じのする作品に該当するでしょう。 他の作家でしたらそれ程でもないと思うのですが、冒頭の書き出しがこれまでとかなり距離のある文体で、妙にスリルがありました。 実験的な面が感じられる小説と言えます。 始まりが23時55分。お終いが6時57分で、時刻が章の見出しに使われ、一夜の出来事が時間経過とともに描かれてゆきます。 無論、村上ワールドで。 時間の経過と物語の進行を一致させた映画ゲ、ーリー・クーパー出演の『ハイ・ヌーン』をふと連想してしまいました。 舞台設定はまるっきりちがっていますが・・・。 読後感としては、ポジティブな印象を持っています。 素直に受け止めました。 大都会の真夜中の情景が面白いですね。 | ||||
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今までの春樹には、「僕」という視点に我々がインボルブすることで物語に乗ることができた。それには、若干、功罪があったように思える。 社会やイデオロギのあれこれから、ディタッチで内面的かつ幻想的な世界に密閉されるところが、功にも罪にもなりえていた。 たんに、そんな僕の視点で、個人的な苦悩と闘っていればよかったものの、現実的な社会的敵に対せなければならないというとき、春樹はどうしてもその理由から文体の改造に取り掛からねばならなかった。それは、ディタッチからコミットという春樹の言葉となり、内面的な殻を破り、春樹なりのリアリズムを獲得し、足掻こうという過渡期なのであった。 もともと、青春三部作〜羊〜世界の終わり〜ノルウェイという春樹の破竹の全盛期があり、そこには内面的で春樹の真骨頂があった。そのラインは未だに人気が高い。 だが、職業作家として、さらに悪化する現代社会にも対応して、春樹は肉体改造に取り掛からねばならかかった。 そして、新たな局面には、必ず洗礼がある。まさに、このレビューが物語るように、ズタズタの通過儀礼が春樹には必要だったようである。 春樹のコミットの時期の到来で、アンダーグラウンドではオウム、地震からは一連の短編、ねじまき鳥では戦争〜カフカ〜最新作では宗教と春樹は、精彩を欠くようになる。 普段なれないクールで個人的な人間が、なにを思ったかボランティア活動に熱心になり空回る様子にやや似てはいないか。 アナイスニンというかつて作家がいたが、同じく春樹の尊敬するカポーティが内面のオブセッションから冷血、つまり春樹もカポーティを意識していたであろう、アンダーグラウンドについても言えるが、アナイスニンは、それを痛々しいという。それはとても正しい。 カポーティと春樹のような観念に走りすぎず内面のオブセッションの洗礼された作品が、春樹の最後であった。 | ||||
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日本の普通の街を舞台にしてるのに全くの異世界の話のような雰囲気がある それが一番の魅力 現実から離れたい日に夜更かしをしたくなる | ||||
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途中まで読んだが、ぞくぞくする内容の本だ。おもしろそうだから、読み進めていこうと思います。 | ||||
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村上さんは一人称の人だと思っていた。それが今回は三人称で、私達を巻き込もうとした。が、まだハマらない。新しい試みとは、こんなに大変なことか。だからグレートギャッツビーとか、最近古典の部類に入りつつあるアメリカ文学を訳してみたりするのだろうか? 村上さんはアメリカ文学的だが、それはダンスダンスダンスに書かれているような翻訳の売文でもやっていたのだろうか? 文章を書く、が仕事にもなりつつある私にとって、小林秀雄が述べた売文の感覚、村上さんが述べた使い捨ての感覚、よく理解できる反面、直接本にしてくださいと熱烈に求められる場合もあるので、これはじかに読者と会話する機会の少なさが原因なのではないかという気もする。 作家は主に内向的で、あまり人と接しないので、巻き込もうとして独り善がりになりがちな気がする。世界が狭い。もっと一般人と会話すれば、もっと解りやすい感覚や文字を使いこなせるようになるのではないか? しかし、またここに矛盾があるのだが、いくら解りやすく解りやすくと買いても、言語能力のない人間にはどうしても届かない。『生』という字、ひとつとっても、奥行の広い言葉だ。だから、生を使った『人生』とか『生活』とか『生命』とかの単語のもつ力強さとか豊かさが、どれだけ伝わっているのか苦しむときがある。 作家は単語一つのチョイスに物凄く気を遣う。それにたいして読者はどれだけ、その言葉のチョイスに感激したり畏怖したりできるのだろう? 作家と読者の隔たりは、永遠に埋まることのない隔たりのように深いのかもしれない | ||||
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アフターダーク という、マッキントッシュのスクリーンセーバーがあるんですが その世界をモチーフにした感じの小説でした | ||||
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深夜から明け方にかけ、マリというキャラクターを軸に、物語は展開していきます。 マリは文科系でS気のある少女で、ものすごく魅力的な人物でした。 また、日常的な会話がごく自然盛り込まれており、あまり一つの話は展開させないので話はくどくはなかったです。 タコの説明は何言ってるのかさっぱりでしたが、どれも尺伸ばしという風には感じませんでした。 展開は私の予想を綺麗にかわしすぎていて、後半の展開としては少し不消化でした。 マリの行動と気持ちが対称的で、悲壮感が私にはあまり伝わってこなかったです。 物語の展開の仕方、舞台は成田良悟さんの『デュラララ』の構成に似ていた感じがしました。 | ||||
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村上春樹さんの作品を全て読もうとしています。 これで、25作品目です。 私は、とても気に入りました。 ”ある、ちゅっとだけ不思議な一晩を切り取りました。大事件のある前後の日々については想像して下さい”と言われているように感じました。私を疲れさせたり、深く悩ませたりしないまま、村上春樹さんの不思議な世界を楽しませて下さったと感じました。 大作を読んでいて、”くどい””深すぎる”と感じる事がありました。この作品には、良い意味で、そのような”しつこさ”を感じませんでした。その意味で、”疲れた時に帰って来たくなる”という雰囲気を感じました。私にとって、イージーリスニングの音楽のような作品でした。 同時に、この作品の後や、前には深く大きな事件が起きた、起きそう、という感じも持ちました。その意味で、”何んの面白みも無い日常”とは思えませんでした。 一つ、他の方では書けない、とてもユニークな作品を生み出して下さったと思います。 | ||||
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作品を発表すれば賛否の嵐。文学は本来時代を超えて批判される事に価値があるとすれば、 村上春樹は現役作家の中でそれに耐えうる一人であることは間違いないと思います。 本作は空中から都会の一面を切り取って眺める視点という語り手が今までの作品と異なり新鮮ではあります。 ですが彼独特のメタファーは健在で、福田和也氏曰く「誰も救われないが、希望はある」という変わらないテーマを 流れるように、闇夜の静けさを伴って語ってくれています。 以前の作品に比べてマイルドになってきている感はありますが、常にパンドラの箱を開け今日に希望を問いかける、 村上春樹健在を示してくれる一冊です。 | ||||
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私が「アフターダーク」を読んでまず感じたことは“あまり村上春樹らしくないな”ということ。なんとなく読了後には村上龍の作品のような後味が残った。妻に夜食を尋ねられて「中華料理」と返す男の返答にはいつもの村上春樹のジョークが感じられた。村上春樹らしくはないがおもしろい作品だったので星は4つにしました。 | ||||
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起承転結がはっきりと感じ取れる内容でもなければ趣旨もはっきりとせず曖昧なんだと思います。第3者の視点から客観的に話が進んでゆくんですが、それぞれの瞬間をリアルタイムで覗いているようななんともいえない感じがたまらない作品です。とても心地よいテンポで、これといって面白みがあるわけでもないんですが、夢の中を泳いでいるような神秘的な空間にいるような心地よさを感じさせられます。 | ||||
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最初はとっつきにくいのだ、視点が節ごとに代わったりするから。 ダンダンなれてくるとそれも楽しめるようになる。 文章が、展開が、面白いからでしょう。 最終的には、不可解な部分も大いに残りますが それはそれとして、この世の中を反映しているような気がして そのまんま飲み込むことにします。 心理や、会話の細かさの所為で、とても登場人物達が身近に 感じられて、言葉も会話も、耳元で囁かれてるよう。 それぞれの連続するシーンが映像として見えてきます。 主人公の女の子の性質、性格が今ひとつ読めない。 その姉の気持ちは全く分からないままだ。 しかし、印象にも残る部類の小説です。 結構、レストランやコンビニの舞台が楽しめます。 | ||||
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街は夜も眠らない、と知ったのはいつ頃だろう‥ この作品を読んでふと思った。 村上春樹の円熟した筆致が、都会の夜のダークな部分を 静かに呼吸するように伝えている。空を飛ぶ鳥の目を通して。 実体をあとに残し、質量をもたない観念的な視点となって、 鏡やTV画面を通り抜け、登場人物を、あちら側とこちら側の世界に 自在に行き来させながら、サラサラと小説は進んでいきます。 副音声的な描写が、読み手の感情移入をあえてかわすよう施されています。 宇宙船の内部を見ているような錯覚にとらわれる不思議な作品。 不可解さといくつかの暗示の中で、作中に出てくる映画『ある愛の詩』を 「ハッピーエンド」としていることが、春樹さん独特の伏線なのだろか? 数ある村上春樹作品の中でも、個人的にはとても落ち着いて読めた作品。 作家としての熟成を感じます。 | ||||
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これは「こちら側」と「あちら側」をはっきりと打ち出した村上春樹の金字塔的作品であるといってよい。村上春樹に「こちら側」と「あちら側」を書かせるきっかけとなったのが、1995年3月のあのオウム・サリン事件であり、「アンダーグラウンド」としてインタビュー作品となって結実した。 被害者たる「こちら側」と加害者たる「あちら側」のオウムとして。 自ら「あちら側」に行ってしまった姉エリと、これを悩む「こちら側」の妹マリが体験する一夜の夢ドラマ! 夜明けまでの数時間にくりひろぱれるあちら世界とこちら世界のせめぎ合い。 村上の初期作品は「翻訳調」として嫌われ芥川賞を逸したといわれているが、本作は短いセンテンスの繰り返しで、これこそまさしく翻訳調子! 単純極まりない文章回しで、読み手に快感を与える。 海辺のカフカとか1Q84の世界を漂流するわれわれ読者からすれば、このアフターダークの世界はまだまだ単純な世界でる。理解しやすい世界である。 | ||||
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ノルウェーの森以外はこれが初めての村上さん作品。 実はあまり期待していなかったが、やっぱりさすがだなと思わずにいられなかった。 会話やストーリー運びに一味違う才能が感じられる。 | ||||
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今回初めて村上春樹氏の作品を読みました。 冒頭の独特な情景描写からとても好印象で、そこから一気に引き込まれました。 登場人物の人間関係が、意外とシンプルに描かれていて、それでいてリアル。 カメラからの視点、リアルな時間の流れ、すべてが私にとって新鮮なものとして映し出されました。 これから、村上氏の他の作品を読むのが楽しみです。 | ||||
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真夜中の街が内包する無数の出来事のうち、さほど特別でない一つのエピソードが実験的な三人称で描かれた小説。この作品は、次の下りで始まる。<目にしているのは都市の姿だ。空を高く飛ぶ夜の鳥の目を通して、私たちはその光景を上空からとらえている。広い視野の中では、都市はひとつの巨大な生き物に見える>そこでの「私たち」というのは作中の誰かのことではなく、物語に一切影響を与えない客体としてのストーリー・テラーと、それに同行する読者自身のことである。そこでは「私たち」の眼はまるで無限の性能をもったカメラのように、対象を間近にズームアップしたり、部屋のすみずみを隈なく映し出したりすることができる。ときには目いっぱいバックし、宇宙空間から望遠レンズで街全体を俯瞰することもできる。そういう「ハリウッド的なカメラワーク」で書かれた小説だと言ってもいい。これが映画的な没頭を作り出し、地味な展開のわりにダイナミックな読み応えを生み出す。ストーリー・テリングにはこんな方法論があったんだなあ。 | ||||
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2004年刊行なので「海辺のカフカ」の後の作品だ。 たぶん、村上春樹氏の実験作ではなかろうか。 小難しい解釈は一切除けて、面白かった。 いきなり、浮遊する魂ような視点が登場して、 東京の上空から降りてきて、眠り続ける姉を、 本を読み続ける妹を、見続ける。あるいはその視点が 姉とともにテレビの向こう側にワープする。 もうひとつの実験は章の初めに時計があること。 それにより読者は二つの物語が同時に並行して 進行するのを知る。 最終章で二物語が合一する。 そして夜明けとともにささやかな胎動が始まる。 | ||||
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著者の考えを登場人物に語らせるのだが、饒舌すぎてリアリティに欠ける。 もっとシンプルに伝える方法もあるような気がする。 読者側の思考の選択肢が少ないのがちょっと嫌だ。 物語そのものはとても平坦なのでそれぞれの思考が軸となる。 不思議なカメラの視点があったりで、楽しめる。 何の盛り上がりも無いのに、気づいたら終わっていたのでやはり著者の筆力は凄いんだろう。 | ||||
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初めて村上春樹作品を読ませていただきましたが、とても面白かったです。 眠れずに夜中1時から読み始め、朝5時に読み終えましたが、物語の時間経過と 並行して読むことになったため、より印象深かったのかもしれません。 不可解な点もなく、自分の中ではしっくりとエンディングを迎えることが出来ました。 冒頭、前に一度だけ会ったことがある女の子にそんなにペラペラと喋るだろうかと いう違和感が少しありましたが。。。 折角なら、ちょっと家に帰りたくないなぁと思った夜に渋谷のファミレスで一気に 読んで始発で帰るとかしたかったな。 | ||||
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