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僧正の積木唄



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僧正の積木唄の評価: 3.93/5点 レビュー 14件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.93pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(5pt)

横溝正史作ですか?

第一部「僧正殺人事件2」、第二部「日本棺の秘密」、第三部「「悪魔の積木唄」、第四部「Jの悲劇」の四部構成の作品なのだが、第一部はもちろんのこと、第二部はエラリー・クイーン『ギリシャ棺の秘密』の、第三部は横溝正史『悪魔の手鞠唄』、第四部はやはりエラリー・クイーン『Xの悲劇』『Xの悲劇』(あるいは『Yの悲劇』『Yの悲劇』)を踏まえた章題であるという、なかなかに凝った作品。凝っているのはそれだけではない。金田一耕助の探偵としてのデビュー作『本陣殺人事件』にも言及されるし、それとなくクイーン『オランダ靴の秘密』への言及もあるから、そのような「仕掛け」についてどれだけ気付くことができるのか、という楽しみもある点、推理マニアにはたまらない小説であることは確かだ。その上内容はヴァン・ダイン 『僧正殺人事件』に対する物語形式の評論と受け取れる内容で、実は名探偵ファイロ・ヴァンスは「僧正殺人事件」を解決していない、というのだから期待感は増すばかりではないか。本書で指摘されたことを踏まえれば、確かに事件は解決されたようには思えない。それをあらためて解決するのが金田一耕助だというのである。横溝正史による設定でも、金田一はアメリカに滞在していた、とされているのだからどこにも無理はない。無理はないどころか、読んでいるうちに横溝作品を読んでいるような気にさえなったものだ。それにとどまらず、僧正殺人事件の舞台で、また殺人事件が起こるところから出発する物語は、太平洋戦争前夜のアメリカ社会における日本人排斥運動を背景として重苦しく展開する。それもまた金田一耕助に相応しいもののように思われる。先行するテクストを素材として自身を構築した物語としては一級品。なお少なくとも『僧正殺人事件』だけは読んでおかねばならない。
僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)より
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No.13:
(3pt)

「僧正」と金田一のオマージュとしておもしろいが、日系人排斥の話は読むのがつらかった

若い頃に「僧正殺人事件」を読んでいて、しかも横溝正史ファンときては、この作品は絶対見逃せませんでした。こちらを読まれる方は、やはり先に「僧正殺人事件」と、金田一耕助を主人公とした横溝正史作品をひとつくらい読んでおいた方がいいと思います。

ただ、今回、この作品を読むに当たって本家のヴァン・ダイン作「僧正殺人事件」を読み返しましたが、あれ?こんな話だったっけ・・?と。すでに古典の領域に入った作品なので、古臭いところや現代の目から見ると無理があるのは仕方ないですが、探偵役のファイロ・ヴァンスってこんないやなやつだったか?とか、犯人の特定もおかしいと思い、特に最後の独断は、こんなことやっちゃいかんだろ、おかしいだろ、と怒りをおぼえてしまいました。
山田正紀氏がこの本で、犯人は別の人物だったのではと推理されていますが、私も同感です。

そして、この「僧正の積木唄」ですが、結論から言うと星3、5くらいでしょうか。
山田正紀氏は、落ち込んでいる時、横溝正史作品に救われたことがあるそうで、自分の作品で金田一耕助を活躍させられることが楽しくて仕方ない様子で、それがこちらにまで伝わってきます。小説の構成も、いろんな古典ミステリへのオマージュになっていてすごく凝っています。古典英米ミステリファンなら楽しくなると思います。

この第2の「僧正」事件ですが、2次大戦前のアメリカ社会で、日系人に対する差別や排斥がひどくなった頃を背景にしていて、日本人が読むのは結構つらいものがあります。重苦しい気分になってしまって、途中で何度か中断してしまいました。
日本では、アメリカは友達だと好感を持っている人が多いようですが、過去にはジャップと呼んでひどい人種差別をしていた時代があり、戦争中も東京を焼き野原にして原爆を2つも落とし、いまだにそれらを省みることも謝罪することもありません。利害が変わればまたどうなるかわからないことはおぼえておいた方がいいと思います。
個人的には、まったく違う状況設定で書いていただけたら、もっと純粋にミステリとして楽しめたような気がします。
過去の事件の関係者では、マーカム検事、ヒース刑事、それにヴァンスも少しだけ登場します。他の登場人物は金田一とそのパトロンの久保、あとは日系人がメインです。金田一の推理は、そのほとんどが勘によるものなので、ちょっと納得いかない部分もありましたが、犯人は意外な人物でした。
「僧正」と金田一ファンは読んでおいても損はないと思います。
僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)より
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No.12:
(4pt)

素直なミステリー(山田正紀にしては)

素直なミステリーで、そのまま話の展開にのめり込んで読み続けることが出来た。この時の山田正紀はまだ純粋なミステリーを志向していたんだろう。
ところで巻末に山田正紀スペシャルインタビューがある。ミステリーを中心にした内容であるが、今後書きたい小説として、「神狩り2を書いてから、弥勒戦争2みたいなものを書きたい」とあった。神狩り2は、刊行されたが、弥勒戦争2はいつ出るのか楽しみにしている。もう15年は経ったな〜。
僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)より
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No.11:
(2pt)

パロディー版”僧正殺人”リターンズ

まるでごった煮のコミックノベルを読んでるみたいで、どう評価していいのだろうか。それなりに面白くはあるし、登場人物も多彩で、それだけでも楽しくはある。ただ、僧正を誰かにするという点で、様々な要素を詰め込み過ぎたが故に、読み進むに連れ、ややこしくなり消化不良を起こす。ヴァンスをこき下ろしてる割には、何の説得力も見いだせない。『僧正殺人事件』に追い付こうとするが故に背伸びし過ぎた感じがする。
 ただ、アメリカ社会において抑圧された日系人のもどかしさが無念さが非常に印象的だ。ネタ的には、リナ・ターナーを愛人にする比奈博士をそのまま生かし、アーネッソン殺害の共犯者にしたほうが展開としてはストレスなくスムーズだったと思う。青野宗月もルーシー・カーコットンも比奈兄弟もナオミも意味不明のメキシコ人も必要なかった。
 あまりにも登場人物が多彩過ぎて、後半に進むに連れ、プロットが曖昧に、そしてややこしくなる。黄渦論が渦巻くアメリカ社会という格好の時代背景があるので、それを中心に据えて単純な展開にしても面白かった。肝心なのは、シンプル・イズ・ベストなのだ。悲しいかな日本人は何につけても、てんこ盛りを多機能を好む。そして決まったように器用貧乏に陥る。全く、日本文化の典型の負の連鎖である。レビューでは結構評価が高く、”僧正”というタイトルに期待した自分が馬鹿だった。
 やはり、金田一耕助ではヴァンスには足元にも及ばないってか。結果論で『僧正殺人事件』のアラ探しをする日本人の貧相さが垣間見えた。でも、パロディーだと割り切ってしまえば、今の日本人には受けのいい一冊かもしれない。厳しいけが、星2つ。
僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)より
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No.10:
(5pt)

パロディから原爆に至る力作

ヴァンダインの古典的名作の僧正殺人事件を下敷きにして、金田一耕助を登場させて、第二次世界大戦前夜のアメリカを舞台にした本格ミステリー作品。
こう書くとマニアックな本格古典推理マニア受けのパロディ主体の作品かと思わせるが、そういう趣向もあるが、本作はそれだけに終わらず、当時の日系の苦難の状況や戦争のもたらす地獄の兵器の登場(まあ原爆である)まで描き切った小説としても大変読み応えのある力作に仕上がっている。
僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)より
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No.9:
(1pt)

僧正ファンにも横溝&金田一ファンにもオススメできない

オススメできない理由1、「僧正殺人事件」の登場人物が本作に再度登場する。本家のネタバレのような愚は冒していないが「誰が犯人でないか」が分かってしまい、結果本家を読んでいない人がこちらを先に読むと犯人絞りを限定することとなる。2、金田一耕介の描き方が納得できない。金田一耕介が犯人を捜して奔走するのが本作のメインなのだからある程度横溝先生風の表現を踏襲するべきではないかと思う。横溝先生の金田一物をある程度読み込んだ者には本作の世界を堪能しきれない。3、読み終えてみて本格推理物を読み終えた後の読後感、充実感が無かった。厳しい言い方をすると「僧正殺人事件」の犯人、僧正を名乗るものが再び犯す殺人を若き日の金田一耕介が解決するという心ときめく設定に筆者が酔ってしまい読者が置き去りになっているのではないか…あくまで一意見。他の方のレビューと比較して購入の判断材料としていただけたら幸いです。
僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)より
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No.8:
(5pt)

“僧正殺人事件”の犯人は別にいた!?

「僧正殺人事件」から数年後。事件の舞台となった邸で、当事者だった男が殺害された。死体の発見現場には、アインシュタインの数式が書かれた便箋が入っていた封筒が発見され、郵便受けには〈マザーグース〉の積木唄と“僧正”の署名が記されたメモが入れられていた。封筒に被害者の給仕をしていた日系人の指紋が残されていたこと――その他にも当時の社会情勢も影響し――から捜査当局はその男を逮捕。個人の冤罪であるだけでなく、日系移民コミュニティ全体にとっても、致命的な打撃となる今回の事件を収束させるため、金田一耕助が招聘されるが……。給仕の容疑を決定づけた封筒が、同時に、真相究明の重要な手がかりともなっているのが秀逸。犯人は、給仕に罪を被せるために、その封筒を用いたわけではなく、別の目的があったのです。(事件後、隣人に目撃される“怪物”の謎も巧い)また、禅僧が殺害される事件も起きるのですが、禅僧が遺したダイイング・メッセージとそれを見た犯人による偽装工作、そして、そういった作為を見抜いた上で、金田一が犯人特定のロジックを展開するといった一連の手順は、よくできていると思いました。そして、全編を貫いていた差別の構図を覆し、苦い真実を突きつけてくる結末も印象的で、ヴァン・ダインへの単なるツッコミにとどまらない重厚なテーマが内包された作品だといえます。
僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)より
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No.7:
(5pt)

神が存在しない地獄の人類の歴史に深く考え込む傑作

ヴァン・ダインの「僧正殺人事件」の続編兼金田一耕助シリーズエピソード0!ヘミングウェイの殺し屋もコンチネンタル・オプもハメット自身も出るwもちろん、ファイロ・ヴァンスも出るが、金田一耕助との絡みは少ない。メインの探偵は金田一耕助の方です。第二次世界大戦前のアメリカでの排日運動の書き込みが素晴しい歴史ミステリーの大傑作。有名な歴史人物の話題も語られます。細かいトリックの80%は推理出来るが、私は真犯人は判らずにアッ!と驚いた。事件が解決した後のエピローグの最後の一行も素晴しい!ミステリマニア必読の書。英語で出版して、NMA賞CMA賞をとらせるべき作品。
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No.6:
(4pt)

金田一耕助ファンにはお勧め

金田一耕助は戦前アメリカにいてクスリ中毒だった、という話は、ファンなら基本中の基本ともいえる設定。そのモチーフと、偶然、ちょうど同じ時期にアメリカで起きた(という設定)の、ヴァン・ダインの古典的本格推理『僧正殺人事件』を結びつけ、『僧正殺人事件』の舞台となった場所で再び起きた事件に、金田一耕助が取り組んでいく話。 推理小説という性質上ストーリーの紹介は避けるが、全体としては当時のアメリカの排日運動についてかなり詳しく描かれており、本格推理というよりは、社会派小説のような重めの雰囲気が漂う。なので、横溝正史やヴァン・ダインばりの王道・本格推理を期待して読むと、多少裏切られた気がするかもしれない。(なので☆1つマイナス)しかし、横溝正史によって語られなかった金田一耕助の過去に迫ったという意味では実に秀逸な意欲作で、推理小説ファン、金田一耕助ファンなら「外伝」として十分に楽しめると思う。ただし要注意点として、ぼやかしてはあるものの、読んでいる内に『僧正殺人事件』の結末が、なんとなくわかってしまう可能性が有るように思う。なので『僧正殺人事件』未読の人には、読了後に本書を読むことを強くお勧めする。また、金田一耕助の初期の状況を把握するために、できれば横溝正史『本陣殺人事件』も読んでおくと、より楽しめると思う。
僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)より
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No.5:
(2pt)

残念...

 é‡'ç"°ä¸€è€•助があの「僧正殺人事件」にæŒ'む。本格ミステリファンなら無条件にわくわくする設定だ。だが、その期å¾...は無残に裏切られる。 最大の理ç"±ã¯åŽŸä½œã«å¯¾ã™ã‚‹ãƒªã‚¹ãƒšã‚¯ãƒˆã®å¸Œè-„さだ。「僧正殺人事件」の主要登å '人物であるãƒ'ァンス、マーカム、ãƒ'ースの扱いがひどすぎる。「ミステリ・オペラ」同様なぜか作è€...はã"の物語に社会的・æ"¿æ²»çš„テーマã‚'持ち込もうとする。あã‚"なテーマã‚'持ち込ã‚"だらãƒ'ァンスたちの扱いはã"うならã-るã‚'å¾-ないã-、加えて本格のもつ一種é-‰éŽ-的な心地やさが損なわれる。なぜそれほどの犠牲ã‚'払ってまでã"ういうテーマã‚'、ã-かもよりによってã"ういう物語に持ち込まないといã'ないのか、不思議でならない。 本格とã-ての結構もç '綻だらã'だ。作è€...は物語の中で「僧正殺人!äº!!‹ä»¶ã€ã«ãŠã'るãƒ'ァンスの推理ã‚'批判するが、ã"の作å"ã®é‡'ç"°ä¸€ã®æŽ¨ç†ã¯ã¨ã¦ã‚‚ãƒ'ァンスã‚'批判できるようなものではない。 読è€...がå½"然期å¾...するé‡'ç"°ä¸€ã¨ãƒ'ァンスの推理合戦も肩透かã-だ。作è€...は何のために僧正殺人事件の続編ã‚'書き、何のためにé‡'ç"°ä¸€ã‚'登å 'させたのか、é¦-ã‚'ひねらã-るã‚'å¾-ない。
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No.4:
(5pt)

「買い」の一冊です

マザーグースの童謡のとおりに殺人を繰り返し、世間を恐怖に陥れた世に言う「僧正殺人事件」は、ファイロ・ヴァンスの活躍で終焉を迎えたかに見えた。しかしその数年後、再び「僧正」の署名の手紙とともに、殺人事件が発生する。折りも折り、満州事変で日本に対する風当たりが強くなっているなか、容疑者として捕まったのは日系人。世論に後押しされ、ロクな捜査もしない警察に立ち向かうは、アメリカを放浪していた若き日の金田一耕助・・・、どうです、ミステリ好きならすぐにでも読んでみたくなりませんか?名作と名高いヴァン・ダインの「僧正殺人事件」ですが、本書にあるとおりシックリこないところ・納得しがたいところがあるのは確か。「僧正の積木唄」では、その納得しがたいところもキレイに解明され、そればかりでなく新しく起きた「僧正殺人事件2」のほうもなかなかよくできたミステリ、さらにさらにファイロ・ヴァンスと金田一耕助の夢の共演と、もうおいしいところだらけ。間違いなく「買い」の一冊です。満州事変勃発直後、アメリカに日系人排斥の嵐が吹き荒れている時代のことも、とても興味深く読めました。できれば「僧正殺人事件」を読んでから、こちらに手を伸ばしてください。もちろんネタばらしはされていないので、こちらからでもかまいはしませんが、おもしろさが違いますよ。ヴァンスやマーカム検事に対する見方の違いとかね。
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4163211608
No.3:
(5pt)

「買い」の一冊です

マザーグースの童謡のとおりに殺人を繰り返し、世間を恐怖に陥れた世に言う「僧正殺人事件」は、ファイロ・ヴァンスの活躍で終焉を迎えたかに見えた。しかしその数年後、再び「僧正」の署名の手紙とともに、殺人事件が発生する。折りも折り、満州事変で日本に対する風当たりが強くなっているなか、容疑者として捕まったのは日系人。世論に後押しされ、ロクな捜査もしない警察に立ち向かうは、アメリカを放浪していた若き日の金田一耕助・・・、どうです、ミステリ好きならすぐにでも読んでみたくなりませんか?
名作と名高いヴァン・ダインの「僧正殺人事件」ですが、本書にあるとおりシックリこないところ・納得しがたいところがあるのは確か。「僧正の積木唄」では、その納得しがたいところもキレイに解明され、そればかりでなく新しく起きた「僧正殺人事件2」のほうもなかなかよくできたミステリ、さらにさらにファイロ・ヴァンスと金田一耕助の夢の共演と、もうおいしいところだらけ。間違いなく「買い」の一冊です。
満州事変勃発直後、アメリカに日系人排斥の嵐が吹き荒れている時代のことも、とても興味深く読めました。
できれば「僧正殺人事件」を読んでから、こちらに手を伸ばしてください。もちろんネタばらしはされていないので、こちらからでもかまいはしませんが、おもしろさが違いますよ。ヴァンスやマーカム検事に対する見方の違いとかね。
僧正の積木唄 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (文春文庫)より
4167284073
No.2:
(5pt)

文句なくお勧め

重厚なテーマだが軽快なテンポ,意表をつく展開やしんみりさせるラストまで,ノンストップで楽しめる。「僧正殺人事件」を読んでからの方がいいが,絶対に本家以上に面白いと思う。今年のイチ押しです。
僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163211608
No.1:
(4pt)

舞台設定の妙

 あの『僧正殺人事件』に金田一耕助が挑むという。横溝正史ファンならずとも涎が出そうな設定。また第二次世界大戦前のアメリカの空気を実に巧く活用し、力業を成功させている。ストーリー展開などにはやや粗さも見られるが、ミステリファンが思わずにやりとさせられるエピソードがちりばめられていて興味深い。これは買いであろう。
僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)Amazon書評・レビュー:僧正の積木唄 (本格ミステリ・マスターズ)より
4163211608

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