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火蛾
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火蛾の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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小説のスタイルとしては、枠物語、紋中紋、額縁物語と呼ばれるもので、代表的なものに『千夜一夜物語』がある。つまり、小説内に物語の語り手がいて、その語り手が語る話が小説のメインである。 内容はと言えば、中世の時代の、イスラム教の中でもあまり知られていない流派を題材にしており、主人公が修行の旅に出るというもの。そこで、主人公は殺人事件に遭遇する。小説の設定は、中世時代の中東地域となっているが、やはり、メフィスト賞、新本格推理の新人賞であるので、殺人事件も密室殺人であった。それに、宗教的で、幻想的な味付けがされている。 | ||||
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古泉氏のメフィスト賞受賞のデビュー作であり、その年のミステリーランキングでもいきなり上位にランクインされた異色作。 残念ながらこれ以降著者の作品は全く出ていない。 12世紀の中東の修行者数人によるイスラム教世界をモチーフにした設定のため、敬遠している人もいるかもしれないが、200ページほどでそれほど分量が多くなく、イスラム蘊蓄もそれほど難解ではない。イスラム知識皆無でも問題なく普通に読める。 ミステリーとしては密室ネタだが、トリック的な斬新さよりも、特異な宗教世界でのルールを絡ませたところに新味があるミステリーと言える。 トリックとプロットだけ見ればミステリーとしてはネタはありふれたものだが、イスラム世界になぞらえたことにより説得力が増した。 幻想的なミステリーとして引きつける作品である。 | ||||
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第17回メフィスト賞(2000年)受賞とのことで、購入しました。 帯には、「2001本格ミステリ・ベスト10」2位、とあります。 イスラム教という、ミステリとしては非常に珍しい題材を扱った作品で、 カバーの内容紹介には、 「未だかつて誰も目にしたことのない鮮麗な本格世界を展開する」 と書かれています。 「本格世界」とは聞き慣れない言葉ですが、 おそらく「本格推理の世界」という意味で使われているのでしょう。 このような特殊状況下での殺人を扱ったものとして、 山口雅也の「生ける屍の死」や 西澤保彦の「七回死んだ男」が思い出されますが、 この作品も日本人には馴染みの薄い イスラム教の世界観であればこそ起きた殺人が描かれており、 作品独自のルールに従った展開を扱ったミステリとなっています。 この作者の目論見は見事に成功しているといえるでしょう。 イスラム教というとっつきにくい題材も、 巧みな文章により頭に入りやすく表現されていますし、 タイトルの「火蛾」も実に象徴的で、 作品の核心部分を如実に表しています。 イスラム教の世界観と、事件の真相の見事な融和は、 深い読後感を残します。 次回作にも期待・・・といいたいところですが、 2000年の本作品受賞後、 このレビューを書いている2008年12月まで、 作品は発表されていません。 あるサイトでは、「超一発屋」と評されていました。 じつに惜しいことです。 この作者の、恐らく最初で最後のミステリを 是非とも味わってください。 | ||||
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第17回メフィスト賞(2000年)受賞とのことで、購入しました。 帯には、「2001本格ミステリ・ベスト10」2位、とあります。 イスラム教という、ミステリとしては非常に珍しい題材を扱った作品で、カバーの内容紹介には、「未だかつて誰も目にしたことのない鮮麗な本格世界を展開する」と書かれています。 「本格世界」とは聞き慣れない言葉ですが、おそらく「本格推理の世界」という意味で使われているのでしょう。 このような特殊状況下での殺人を扱ったものとして、山口雅也の「生ける屍の死」や西澤保彦の「七回死んだ男」が思い出されますが、この作品も日本人には馴染みの薄いイスラム教の世界観であればこそ起きた殺人が描かれており、作品独自のルールに従った展開を扱ったミステリとなっています。 この作者の目論見は見事に成功しているといえるでしょう。 イスラム教というとっつきにくい題材も、巧みな文章により頭に入りやすく表現されていますし、タイトルの「火蛾」も実に象徴的で、作品の核心部分を如実に表しています。 イスラム教の世界観と、事件の真相の見事な融和は、深い読後感を残します。 次回作にも期待・・・といいたいところですが、 2000年の本作品受賞後、このレビューを書いている2008年12月まで、 作品は発表されていません。 あるサイトでは、「超一発屋」と評されていました。 じつに惜しいことです。 この作者の、恐らく最初で最後のミステリを是非とも味わってください。 | ||||
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非常に複雑な論理経路が、もののみごとに構築されています。読み終えた時、世界が裏返ったような感覚を感じることができる傑作です。 この作者の新作を読みたいです。いや、せめて文庫にして。 | ||||
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非常に複雑な論理経路が、もののみごとに構築されています。読み終えた時、世界が裏返ったような感覚を感じることができる傑作です。 この作者の新作を読みたいです。いや、せめて文庫にして。 | ||||
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この作品はイスラム神秘主義の幻想的な雰囲気が全編に満ちています。この雰囲気はイスラム教の知識の羅列だけでなく、幻想的な情景や内面の描写などによって醸し出されていると思います。この作品はミステリ小説としてだけでなく、幻想小説としてもとても面白く読めました。 | ||||
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イスラム世界で起こる殺人という、非常に珍しい題材で書かれたミステリー。 端正で隙のない文章が読んでいて心地よい。美しいとすら言える。 イスラム教の信仰や思想に関する部分を読んでいるだけでもかなり面白いが、この作品はそれにとどまらない。 殺人と、その謎を解いていく過程に、何やら宗教的な「昇華」の感覚があり、読んでいて深い酩酊感を感じさせる。 面白いです。少しでも興味を引かれたなら読むべきです。 | ||||
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イスラム世界で起こる殺人という、非常に珍しい題材で書かれたミステリー。 端正で隙のない文章が読んでいて心地よい。美しいとすら言える。 イスラム教の信仰や思想に関する部分を読んでいるだけでもかなり面白いが、この作品はそれにとどまらない。 殺人と、その謎を解いていく過程に、何やら宗教的な「昇華」の感覚があり、読んでいて深い酩酊感を感じさせる。 面白いです。少しでも興味を引かれたなら読むべきです。 | ||||
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イスラム教を題材にしたミステリー。単純な謎解きではなく、自分自身の精神世界を漂うような幻想的な雰囲気が漂う小説です。従来のイスラム教の印象とは違うせいか、私はむしろ『禅』的なイメージを持ちました。ぜひお勧めしたい一冊です。 | ||||
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